酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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 本日2回目の投稿です。



中継地点の大切さを説くTS幼女おじさんの顔面

 

 「中継確保って将棋要素だと思うんよな」

 

 自軍にとって有利な陣地を確保すれば、それはポイントには加算されない大きな戦果となる。

 

 「もちろん無駄拠点もあるぜ? 主戦場が南のハテのカメハメハ〜になってんのに北の僻地制圧に1枚も2枚も出兵されたら前線崩壊しちゃうし」

 

 今回の戦場は補給基地。

 軍事基地と同様に開けた空間と、そこには無い地下構造が特徴的な砂漠の舞台。

 コストは350。

 ゴローはザクⅡ後期型のレベル2で出撃していた。

 

 「けどさ、拠点から離れた位置に主戦場があって、そこにたどり着くまでの距離が遠い時に戦場側の中継が奪われちゃったりしたら大問題になるんよな。このゲーム1試合が8分もある癖に1秒の価値が青天井やし、援軍無しで孤立したら各個撃破されて、そのまま拠点側に押し込まれちゃう。押し込まれたらキョバク対応やら背中からのリスキル対応とか、特に支援機は乱戦とか地獄やろ?」

 

 

 ーーーはじまりました、唐突な一人語り

 ーーーまぁせやな

 ーーーAになっても僻地行くヤツなんなん?

 ーーーゴタクはいらねぇ

 ーーー遠くからのお祈り支援砲撃もクソ過ぎ

 ーーー時と場合よな

 ーーーゴロオジ毎回ザクやの

 ーーー350なら水ガンがオススメだぞ!

 ーーー汎用機以外見たことない配信でクサ

 

 

 「そう考えるとやはり、前回のおっちゃんは神プレイやったと思うんよな! 橋の上で粘るアッガイたんを突き落として安全確保してからの中継ゲット、要所要所で歩兵活動しながら総合5位に漕ぎ着けたんやで? 神過ぎん? 2機相手にした時もスゲー粘ったし、おっちゃんもかなり上手くなってると思うんよな〜」

 

 自画自賛おじさんの鼻息は荒い。

 しかし見た目が幼女だとこんな時にも得をするのか…世のYouTuberは彼を憎んでも許されると思う。

 

 「おっ? なんか語ってたらイー感じの中継発見八犬伝! ここを確保しちまえば勝ち確やの!」

 

 レーダーで把握する限り前線もしっかりと構築されている。敵の中継地点を奪取して自軍の色に塗り替えるには十分な時間がある。

 

 「ふっふっふ〜ん♪」

 

 しゃがんで、降りて、待つだけの簡単なお仕事。

 

 「ふっふ〜〜〜……ん?」

 

 ミリまで減った敵の中継維持ゲージの減少が止まった。

 

 「…ん? バグかな?」

 

 何か既視感を感じたゴローだったのだが。

 

 「あ〜ウロウロし過ぎて中継確保の範囲から離れちゃったのな? いや〜失敗しっぱーーー」

 

 チャリン♪

 

 敵歩兵のバズーカが、無慈悲にゴローのアバターを撃ち抜いた。

 

 「………パ??」

 

 ーーーやると思った

 ーーー戦犯確定(ガチ)

 ーーーせっかく忠告したのに

 ーーーゴロオジはコメント読まないからな

 ーーーにほんご、わかりゅかな?

 ーーーゴロオジ…ほんとゴロオジ…

 ーーーカスやなぁ

 ーーーいやでも誰もが通る道じゃね?

 ーーーオワタな

 ーーーパンツ見せてくれたら許してやるぜ?

 

 ゴローが制圧しようとしたのは『敵』の中継地点だ。

 ポイントの色を無色に塗り替えるまでは敵に出撃する権利がある。今回は敵が歩兵で出撃し、アホのように無警戒に地上に降り立ったゴローのアバターを爆撃したのだ。

 

 当然、中継の制圧は失敗。

 それどころか。

 

 「え、それおっちゃんのザクやで? 何して…え!?」

 

 このゲームのベーシックルールでは敵のMSを奪う事が出来る。防犯システムを解除して乗り込み、そこから自爆システムが作動するまでの1分間は自分のMSとして操縦する事が可能なのだ。

 

 「お…おおお、おっちゃんのザクがっ!?」

 

 グポン!

 モノアイにピンク色の光を灯し、ザクⅡ後期型が前線へ駆ける。敵の背後から奇襲を仕掛けたザクは本来のパイロットの倍はある命中精度でMMP-78GN[対空砲弾]とMMP-78付属グレネード、ザクⅡ後期型用S・ファウストをばら撒いて行く。

 

 「やば…マズ!?」

 

 本来6対6のチームマッチなのだが、ゴローのポカにより戦況は一変。

 ゴローのチームメイトは6対5を強いられた上、戦線の後方から放たれる2種類の即よろけ武装により行動阻害を受け、危機に対応しようとした強襲機はMMP-78GN[対空砲弾]2発で脚を撃ち抜かれて沈黙する。

 

 ザクⅡ後期型は機体性能はさほど高くは無いのだが、的確なエイム能力と戦場把握能力さえあれば凄まじい脅威となる良機体。

 今回はその性能が仇となった。

 

 「ゴメン、ほんとゴメンて!」

 

 歩兵でうろうろ。

 中継地点での支援砲撃は他の仲間が使用済み。

 戦車は遠く、あのキョバク失敗作戦以来の大失態にゴローの顔面は赤く燃え上がった。

 

 ーーーバズ撃って閃光玉投げろ!

 ーーー中継確保しに走れ

 ーーー切腹切腹

 ーーーパンツ見せて踊ってれば?

 ーーーDogeza! Dogeza!

 ーーー『申し訳ない!』だけは打っとけ

 

 このゲームに限った話ではないが、無知とはそれだけで害悪になりかねない。

 知識を蓄え、腕を上げ、失敗を乗り越えろ。

 新たなる仲間(生贄)を俺達はいつまでも待っているんだ…!

 

 あ、ちなみにゴローのチームは敗北しました。

 得点差は500点。

 確実に戦犯でしたね。

 (バトオペあるある……だよね??)

 (許して…許してクレメンス)

 

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