酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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 GQuuuuuuX のアンケート、見事に100人到達いたしました…!!

 めっっっちゃ嬉しいです、有り難う!

 嫁さんに記念イラスト描いてもらったので楽しみにしててくださいまし(*´∀`)



妖怪とTS幼女おじさん

 

 酒。

 

 

 『酒は舐めるようにして飲め』と言う台詞を耳にした事は無いだろうか。

 それが無くとも…そう。

 底浅で幅が分厚い洋物のグラス。

 それにピッタリフィットするサイズの透明で真円の…それはもう高級感あふれる氷をコトンと落とし、上から飴色のウイスキーをゆっくりと注ぐ。

 そんな大人のワンシーンを映画やドラマの映像で見た記憶は無いだろうか。

 

 ゴクゴクと喉を鳴らし快活に酒を楽しむのでは無く、ほんの少し…雫のような少量の酒を舌に落とし、それをじっくりと口の中いっぱいに広げるようにして味わう。

 

 「ーーーうめぇ………!」

 

 大人の飲み方。

 『酒は舐めるようにして飲め』

 しかし、上の文書は少しだけ足りない。

 『美味い酒は』

 この一文が。

 

 「コレしか勝たんぞ」

 

 バイクに背を預け、弟の墓石の前で胡座をかいて酒を舐めるゴロー。

 その手元には緑色の四合瓶。

 ラベルは白地に黒で『魔王』の文字。

 

 「美味い酒は、舐める………これよなぁ」

 

 普段ゴローが愛飲している焼酎とは一線を画す値段と、なによりも違う味の深み。

 味がわかるのではない。

 誰にでも理解(わからせ)できる味だからこそロックでも行ける。これが安酒だったなら最初の一口でゴローの大人ムーブは崩壊していた事だろう。

 

 「いつものハイボール(炭酸割り)でもクッソ美味いんだが、流石に墓参りでガブガブ酒食らうってのは…な?」

 

 キンキンに冷えた魔王で舌を濡らす。

 いつもなら酒の共にお菓子や軽食を用意するのだが、今回に限っては酒一択。

 

 「味が良すぎて…他のモンいらんのよなぁ〜」

 

 アルコール度数25%の原液を氷で冷たくしただけの焼酎は相応にキツい。

 キツいが、魔王にはキツいと言うマイナスを大きく上回るプラスがある。

 濃いアルコールの中にそれよりも濃い旨味が濃縮され、アルコールのキツさと香りと味が渾然一体となり舌から喉へ、喉から胃へと淀み無く流れ行く…正に清流ような軽やかさが疲れたおじさんの魂を祝福してくれる。

 

 「ほひ〜〜〜〜………」

 

 ちびりちびり…酒を舐め、時に氷を噛る。

 バイクに積み込んた保冷バックにまだまだ氷の予備がある。

 

 「心配かけたよな。なんか…俺な? 目が覚めたらこんなんにゃっててな…………」

 

 墓の下に届くかどうか。

 電波の向こうに届くかどうか。

 

 なにもわからないし、意味も無いのかもしれない。

 それでもゴローはポツポツと近況を話した。

 

 「俺、今はゴローって、名乗ってんら」

 

 お前は生きるべきだった。

 俺よりもよっぽど、よっぽど………。

 昔の思い出を思い出せる端から口にして。

 今となっては不確かな過去を精一杯語る。

 

 お前は生きていたし、俺だってたぶんソコに居たのだ。

 

 幼少期から学生時代。

 社会人になって、ウサさんと結婚して、少しずつ少しずつ疎遠になって。

 けれど、それでもずっとお前は弟だったのに…。

 

 気付けば日が暮れかかっていた。

 西日の赤が差し、カラスの鳴き声が響く。

 ポポちゃんワールドサーキットは現実の時間とリンクしており、天候によっても空の色を変えてくれる。

 

 「2じかん…や、3じかん…か? かなり長いこと飲んだらーをぃ…ったく馬鹿野郎め…おりぁ…忙しんらぞ」

 

 まるで上手く回らなくなった脳みそで物を考え、上手く焦点の合わなくなった目で墓を睨む。

 

 「馬鹿がよぉ…」

 

 この世界は…なんでこんなにも理不尽なんだろうか。

 

 「……………またな」

 

 また来年にでも来よう。

 もう少し、気持ちの整理がついたら。

 

 バイクに跨ろうとして気づく。

 今の自分は酔っ払いだ。

 何故か異常に飲酒運転に厳しいポポちゃんセキュリティーに弾かれて運転は出来ない。

 

 まぁ、所詮ここは筐体の内部。

 ゲームを放置してドアから出れば良いだけだ。

 

 帰る前にもう一度墓に手を合わせて。

 そしてーーー。

 

 「おぅキサン(貴様)! どっこの物の怪じゃ!?」

 

 ーーー声が、ゴローの背に刺さった。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 あれ………俺、酔ってんのかな??

 驚きよりも困惑が先に立つ。

 

 「おぅおぅおぅ!! ダンマリかぁ!? けったいな煙で顔を隠しやがってオォ? 煙羅煙羅かぁ!?」

 

 振り向いた先には銀というよりは純粋に白い…まるで白髪のような髪をスポーツ刈りにした白いタンクトップに短パン姿の少年………少女…いや、子供が居た。

 

 「ワシん墓になんぞヨウか!! オォン!?」

 

 キンキンと甲高い声。

 背丈はゴローと同じくらいで、足には古風な木製の下駄を履いている。

 

 髪型からすると男の子?

 いや、でも特徴的な八重歯が可愛らしく感じられる輪郭とか、目のクリクリした感じは女の子にも見えて…。

 

 「え…いや、え?? ワシん墓ってなんらぁ…? ほりぁ……てかこのゲームってNPC居たんらー??」

 

 ほわほわと纏まらない思考。

 なんかスゲー怒ってるなーこのガキ。

 

 そんなボンヤリとしたゴローだったが。

 

 「話んならんがぁ!!」

 

 キレた様子の子供。

 まぁ所詮映像の中の人だ。

 泣こうが怒ろうが何のことはーーー?

 

 額に青筋を立てたまま、何処からか取り出した数珠を手にしてモニャモニャと何事かを唱えたかと思うと。

 

 「破ァァァァァァァァ!!」

 

 空気が爆発したような衝撃を感じた。

 不思議な白い子供を中心に、境が壊れて世界が繋がる。

 

 「へーーー??」

 

 筐体壁面の映像はそのままに、天井から降っていた西日の柔らかい黄金色の赤が腐った血のような朱色に変わり。

 

 「ーーーシャオラァ!!」

 

 白い子供が虚構の壁を突き破り、この筐体の中という小さな小さな空間に実体を伴って出現していた。

 荒ぶる子供は、細く小さな大きく腕を振りかぶりゴローの顔面に殴りかかる。

 

 唐突過ぎる怪奇現象。

 バトオペで角待ち格闘にすら反応出来ないTS幼女おじさんに即応など出来る筈もなく、できた事は目を瞑って衝撃の瞬間を迎える事だけ。

 

 グシャァ…!!

 

 顔面が凹む。

 そんな擬音が脳裏に過るーーーが、しかし。

 

 「ーーーーーーん??」

 

 痛みがない。

 あぁ…そうか、夢だから。

 変な夢だ。

 そもそもゲームの中のバイクで墓参りだなんて馬鹿げた設定、夢以外の何物でもねーやろ。

 

 そのように理解して閉じた目を開いたゴロー。

 

 「あ………あれ?」

 

 眼前には小さな拳。

 振り抜かれる前に静止した拳が震える。

 匂いがあり、実体の持つオーラのような何かすら感じるリアルな………。

 

 「ーーー豆ちゃんかえ?」

 

 「…え???」

 

 「豆ちゃん! おぉ! 豆野!!」

 

 マメちゃん……マメノ………………んん??

 

 ゴローの困惑など知ったことかと、白い子供がガバッと勢い良くゴローに抱きついた。

 

 「なんぞオォ! ハイカラな格好しおってから!! オリァまさかもう一度豆ちゃんに会えるとは…うぐぅぅぅう!!」

 

 「え、ちょ! え、え、えぇッ!?」

 

 温かい、力強い。

 子供特有の高い体温と、モチモチした肌触り。

 間違いなく実在する人間の包容。

 

 「ワシじゃよ! 源じゃ! オマン(お前)の源八じゃ!!」

 

 酔も吹き飛ぶ。

 その言葉に。

 

 「ーーー妖怪…じじぃ………??」

 

 背筋が凍る思いで、ゴローはその一言を絞り出したのであった。

 

wキャラのコスプレ、誰を選ぶ?

  • やはり主人公! ヒイロ・ユイ
  • ココこそヒロイン! リリーナ・ドーリアン
  • お母さん! デュオ・マックスウェル
  • スネ夫! トロワ・バートン
  • 頑固ショタ! カトル・ラバーバ・ウィナー
  • オデコ紳士! 張五飛
  • 火消しの! ゼクス・マーキス
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