酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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パパはお漏らしなんてしてないからねッ!?

 

 ぼんやりとした夢だった。

 

 

 青いタイル貼りの壁に囲まれた湯船の夢。

 古臭い、一昔前の狭いお風呂に肩まで浸かる。

 浴槽は銀のステンレス。

 タイルの継ぎ目は黒や茶色に変色していて、今の若い子なら悲鳴を上げて嫌がりそう。

 

 しかし、ゴローにはその汚れこそが心地良い。

 懐かしい…遠い記憶にある、今はもうどこにも存在しない実家のお風呂。

 

 ぼ〜っとした頭で湯船に揺れる。

 ぽわぽわ…ぽよぽよ………。

 あったかい。

 気持ち良い…。

 

 ずっとこのままで居たいような、もう今すぐにでも抜け出したいような…何とも言えないぬるま湯にどっぷりと浸かる夢。

 

 「………?」

 

 気付けばゴローの目の前に木の桶が浮いていた。

 銭湯で見るような、樽を小さくしたような木片を組み合わせて作られた手桶。

 

 その中に小人が居る。

 

 「ぷ…あぶ………♪」

 

 小人はゴローと同じ顔をしている。

 何か小さな声で呟きながら、手にしたアヒルの人形で遊んでいた。

 桶の中の小人もゴローと同じように湯に浸かっており、小さな彼女の白い肌にはほんのりと朱の色が差す。

 

 「ふぷ〜ふ〜ふ〜〜♪」

 

 とても楽しそうにアヒル人形で遊ぶ小人。

 ぼんやりとそれを見守っていた。

 

 「ぷぷ…うぁう…………ぷ!」

 

 ご機嫌な小人。

 アヒルの人形がピープーと鳴らし、その音にキャッキャッと笑い、くるくると空に掲げて頭上を舞わせる。

 

 「………………ブ」

 

 「?」

 

 唐突に小人の動きが止まった。

 アヒル人形を胸に抱きしめて細かく震える。

 心なしか、先程よりも顔が赤い。

 

 どうしたのか…と思考してすぐ、その原因に気付く。

 

 「………ぷ…はわぁ〜〜〜♡」

 

 ぷるぷると身体を震わせる小人。

 

 「あ〜あ………」

 

 おしっこである。

 小さな小さな割れ目ちゃんから、薄黄色の液体がジョバジョバと放出されて、それはやがてゴローの入っているステンレスの浴槽にまで溢れてきた。

 

 どんどんどんどん湯が増える。

 浴槽は黄色のお湯に満ちて広くて深いプールのように様変わり。プカプカと漂いながらのんびりと。

 

 「トイレ行けよな…」

 

 呟くものの、何故か忌避感は無い。

 とうとう頭まで黄色の濁流に飲み込まれ、のんびりとおしっこに溺れる。

 苦しくも、怖くもない。

 むしろエヴァのL.C.L.のようで面白いとすら感じて。

 

 「まぁ…そんな事もあるか」

 

 ぼんやりと。

 ひとり呟いてーーーーーー。

 

 

 

 

 

 

 「ーーーうをッ!?」

 

 膀胱が限界でゴザル!!

 決壊寸前となっている己の股間情報を理解した瞬間、先程までゴローを捉えていた黄色い夢が粉々に砕け散った。

 

 もにん♡ と指を押し返す娘の胸肉の弾力に意識を割く余裕すらない。

 

 「おチッチが!!」

 

 腰が引けた姿勢で跳ね起き、サヲリの身体の上から降りる(大丈夫だ、まだ、濡れてない。大丈夫だ…!!)。

 

 あの日から継続しているバービージャンプによる筋力強化の賜物か、今にも飛び出そうとするオシッコがギリギリの状態で堰き止められていた。

 

 

 

 ★〜〜〜お花つみのじかん〜〜★

  (シュ…ゴゴゴゴォ…………)

 

 

 

 「ーーーあ、危なかった…………」

 

 危うく娘の上で放尿と言う前代未聞の悲劇をこの世に生み出す所だった。

 

 脳を狂わせるような強烈な尿意から開放されたゴロー。ちょっとした着替えを挟んだ後、ゆっくりと慎重にサヲリの身体を触り始めた。

 正確には、その服を。

 

 「だいじょうぶだ…何も問題は無い」

 

 自分のおパンツは湿っていたが、着ていたスエットズボンにまでは少ししか浸透していなかった。

 だから平気だ、問題ない。

 脳ではそう理解していても万が一という恐怖が勝った。それ故のお触りタイムであったが。

 

 「………何を…して??」

 

 「ーーーーーッ!?」

 

 サヲリーーー覚・醒☆

 ぼんやりと眠気眼ではあるものの…!!

 

 草むらで蛇に遭遇した子猫のようにピョインと跳ねるゴロー。その時点で色々と苦しいのだが、娘の前では格好をつけたいと願うパパクオリティが閃きを見せた。

 

 「いやビックリしたぁ!! ほ、ほれ携帯をね!? あの………ほ、ホレアレだ! さ、さ、最近ポケポケで速攻エビワラーデッキ作ってな!? そう! それがなかなかのクソデッキでさ!? 上手くすれば(サカキ込みで)開幕1ターンで60ダメ出してアチャモ瞬殺しちゃったりして、それがまー楽しくて楽しくて! それでちょっとホラ、気がついたらスミレも居なかったし、スマホがね? イロイロ探したけど見当たらなくてね!? それでホラ! もしかしてここかな〜って思って! それでッ!?!?」

 

 「…ふ〜? ……………そう…」

 

 アホのようにな饒舌に、キンキンと響くゴローの声にも動じず。サヲリは再びゆっくりと目を閉じた。

 

 「…がん………ば……て…ね……………」

 

 うわ言のように呟き、完全に二度寝した事を確認して。

 ゴローはそっと胸を撫で下ろしたのであった。

 

 「あぶ…あぶね…………ふぉ………」

 

 とりあえず、サヲリはセーフ。

 気付かれなかったし、服も濡れてない。

 毛布を被せ、念の為その内側にファブリーズをシュッシュする。こうする事で臭いへの懸念を払拭しつつ、ファブリーズの香りでサヲリの睡眠を妨げる事がなくなる、まさに頭脳プレイ。

 

 「………ヨシッ!」

 

 ビシィッと指差し確認。

 膝をいい具合に曲げて現場ネコを決めたゴロー。

 これで今回の父親尊厳死守任務(お漏らし隠滅作戦)は最低限クリアと見て良いだろう。

 

 「さてっと………」

 

 次のミッションは妹探し。

 トイレには居なかった。

 この住処には奥の方にも2ヶ所トイレはあるが、わざわざそんな遠くまで行くとは思えない。

 

 「スミレー?」

 

 返答がない。

 シーンと静まった空気。

 

 「へんじがない、ただのしかばねのようだ」

 

 自分で呟いておいて不安になる。

 スミレは。

 あの子は寂しがり屋で、一人で居る事が大嫌いだったのに。

 

 「どこ行ったんだよ、まったく」

 

 心配な親心。

 なんだが不安な幼女心。

 

 2つの気持ちに突き動かされ、ゴローは娘探しの旅に出るのであった。

 

wキャラのコスプレ、誰を選ぶ?

  • やはり主人公! ヒイロ・ユイ
  • ココこそヒロイン! リリーナ・ドーリアン
  • お母さん! デュオ・マックスウェル
  • スネ夫! トロワ・バートン
  • 頑固ショタ! カトル・ラバーバ・ウィナー
  • オデコ紳士! 張五飛
  • 火消しの! ゼクス・マーキス
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