酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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爺と爺に振り回されるTS幼女おじさん

 

 能力が高すぎて下々の者と視点を共有出来ない八木沼の話をゴローなりに解釈した結果を述べてみた。

 

 

 「つまり、ポポちゃんワールドサーキットのトンデモ技術と、俺の爺様(じいさま)のスピリチュアルな術がデタラメな反応をして現実と仮想世界との間にそのどっちでもない水たまりみたいな時空が誕生してたと」

 

 『オオヨソその通りだっピ!』

 

 テストで言えば80点前後の解答ではあるが、今はこれで十分であろう。

 

 「んで、水たまり時空が壊れた後はポポちゃんワールドサーキットのシステムも壊れちゃって、その復旧はリセットボタンで1発解決…とは行かない結構ハードなお仕事だったのに、それを知らない俺は爺に合うためのツールとして使用したいって言っちゃったんだな?」

 

 『ピ! だっピ!!』

 

 「頑張り屋のポポちゃんが1週間必死こいて直したシステムをホンの2~30分でブチ壊して、また1週間後に復旧してはブチ壊される…それを丸々1ヶ月続けた結果デスマーチポポちゃんが限界突破しちゃって、それを見かねたポポちゃんの部下がスミレを使ってこの負のループを終わらせようとした」

 

 『うんうん、ボクのお話をちゃんと聞いてるっピね! モーリくんはエライっピ! ハッピーを生んでるっピ! サスガはボクのママになるモーリくんだっピ!! むむ…! ピピっとヒラメいたっピ! ボクとモーリくんの第一子を八木沼ハッピーちゃんと命名するっピよ!』

 

 気色の悪い戯言を受け、額に青筋を立てながらゴローが続けた。

 

 「んで、なんでかいつもとは違うエラーが発生して妖怪爺とスミレが時空の迷子になる。その解決のために藁にも縋る思いでポポちゃんが八木沼先生を呼び出した←今ここ、て認識でOKか?」

 

 『エライっピ! ちゃ〜んと理解してエライっピよ〜! エライからボクがヨシヨシしてあげるっピ! さあ両手を地面について、ボクに向けてそのかわいらしいお尻を高く高くかかげるんだっピ!!』

 

 「殺すよ?」

 

 ちょっと頭がおかしくなって来た八木沼を怒りの笑顔で牽制しつつ現在の状況を確認した。

 

 『今はショーコージョータイだっピ! モーリくんのお爺さんが主に使ってるはブッキョー系のマントラで、そこにシントーやらドウキョーやらジュウジカのヤツまでミックスしたごった煮みたいな術式になっててっピね? ボクが天才じゃなかったら本当に危ないところだったんだっピよ? それなのにモーリくん、ボクのちょっとしたオチャメすら許してくれないし…! ネギライいの言葉も、タイドも足りてないんじゃないっピかねぇ!?』

 

 マスクのせいで表情が見えない。

 声のトーンからするとそれなりにお怒りらしいが、ゴローからすればそれどころでは無く。

 

 「あ〜うっせぇな…わかったわかった! 感謝してます!! それで、スミレはいつ出てこれるんですかねえ?」

 

 辛辣とも取れる発言。

 そして。

 

 『わかって無いっピ!! モーリくんはぜんぜん! ぜんぜん! わかってないっピぃぃ!!』

 

 ダンダンと地団駄を踏む幼児。

 クソ面倒臭し、こんな変態のお相手は御免被るのだが…しかし。

 

 『シャザイはモーリくんのおパンt……オッパ………いや、いや落ち着くっピ…オチチ突く突くっピ…いや、あれ? ボクちょっとオカシイっピか? 変だっピ…マスクはカンペキに作ったのに、いつの間にか外付けの脳波センサーが桃色信号を出してるっピ………く…このままじゃスミレちゃんキューシュツにまでシショウが出てしまう………ピ』

 

 頭のオカシイ幼児が頭のオカシイ言動を振りまく事にはもう慣れた。

 しかし、そこにスミレの安否が関わっているのなら。

 

 『モ、モーリくん!』

 

 「なんだよ…」

 

 『オウエンして欲しいッピ! ガンバれって、モーリくんがオウエンしてくれたら、ボクまだカンバレルっピよ!!』

 

 オウエン、応援か。

 この変態が願う応援とか想像するだけで気分が悪くなるんだが…。

 

 ゴローの表情は晴れない。

 しかし、普通に応援するだけなら………。

 

 「…よし」

 

 覚悟を決めたゴロー。

 生半可ではダメだ。

 ヤルのなら、本気で。

 一球入魂の覚悟で…!!

 

 「八木沼先生」

 

 視線を変える為に膝をつく。

 小さく身体を丸めるように肩を前に押し出し、祈りの姿勢で八木沼を見上げて。

 

 お目々をウルウル。

 

 「頑張って…♡」

 

 動画配信で身に着けた魅了テク。

 ゴローという存在その物がウィークポイントとなっている八木沼氏へのダメージーーー。

 

 『ぐほぉあ!!』

 

 ーーーその効果は…バツグンだった。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 翌日。

 居間のコタツにひとり、ゴローの姿かあった。

 赤いはんてんを身に纏い、身体を丸めてみかんの皮を剥きながら過去に意識を飛ばしていた。

 

 

 

 …あの日、スミレのサルベージは無事に完了した。

 

 筐体の内部でバイクに寄りかかるようにして倒れていたスミレ。驚いた事に彼女の身体は濡れ鼠になっていた。

 酒風呂にでも浸かったのかと問い質したくなるような異様な酒気が頭から爪先までジットリと染み付いており、何度呼びかけてもスミレの意識は戻らない。

 

 意味不明な状況に、意識不明という事態。

 焦るゴロー。

 

 「息は…ある! びょ、病院か、救急車か、いやそれよりもこのままじゃ風邪を引く…いやでもこんな細腕じゃ服を脱がせる事すらーーー」

 

 焦りと混乱により視野が狭まっていたゴローだったが、その背後に唐突に出現したポポちゃん配送のお姉さん達(たぶん何時ぞやの3人組)に窮地を救われた。

 3人は意識のないスミレをお風呂で洗ってくれたり、我慢の限界を突破してついに暴走を始めた八木沼氏を簀巻にして異空間へ出荷したり。

 意識のないスミレの容態を丁寧に優しくゴローに教えてくれたのだ。

 

 彼女達にはお世話になったのだが、

 

 『ーーーホンジツ〜ご迷惑をオカケして、モーシワケ御座いヤーせんでしたー!!』

 ーーー『『御座いヤ〜せんでした〜!!』』

 

 ーーーと、感謝の言葉をかける間もなく逃げられてしまった。

 

 嵐の後のような静けさの寝室で。

 呼吸も安定したスミレ。

 容態を見守るために一緒のベッドで横になり、気が付けば朝日が登っていた。

 

 妙に不機嫌なサヲリが昨夜、自分が酔い潰れた後の事をスミレに問い質し、そこで初めてスミレが昨日の記憶を失っている事が発覚した。

 

 そこは良かったのだ。

 

 宴会は成功して、トラブルはあれどスミレの体調も良好で、パパの秘密も守られた。

 

 問題はひとつだけ。

 

 

 

 「う〜ん………」

 

 ゴローの視線の先には白い封筒があった。

 

 ーーー『これ〜スミレさんの〜オッパイの間にササってまシたよ〜』ーーー

 

 ポポちゃん配送のお姉さんの一人が手渡してくれた封筒。

 完全に乾くのを待ってから開封した、その手紙こそがゴローの新たな悩みの種。

 

 

 [前田(ゼンタ)へ、(ワシ)は大陸へ渡る。詳しくはスミレに聞くがよい! 達者でな]

 

 

 「大陸って何処なんよ…」

 

 スミレには記憶がない。

 渡ると言っても今の彼には戸籍すら無いのだが…。

 その日を境にゴローの祖父、毛利源八の消息は完全に途絶えたのであった。

 





 半年前の大規模調整の頃は右も左もわからんかったので実質ノーダメだったんだけど、流石に今回の調整には振り回されましたね。

 お試しで調整機体に乗ったり、リミッター解除機体に遭遇して蜂の巣にされたり。
 そんなこんなで元々低かった勝率が更に悪化しておりまする。

 次回からはまたバトオペして行くのでヨロシクお付き合いくださいませ。
 m(_ _)m

wキャラのコスプレ、誰を選ぶ?

  • やはり主人公! ヒイロ・ユイ
  • ココこそヒロイン! リリーナ・ドーリアン
  • お母さん! デュオ・マックスウェル
  • スネ夫! トロワ・バートン
  • 頑固ショタ! カトル・ラバーバ・ウィナー
  • オデコ紳士! 張五飛
  • 火消しの! ゼクス・マーキス
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