ーーーシュチュバトから逃げるな
いつも温かいリスナーからの激励に、ゴローの心がペコリと折れた。
「ご……いや、6連敗なんやで??」
6連敗。
単純な戦闘時間に計算して48分、待機準備を含めれば1時間もの間負け続けたのだ。
心も折れよう。
今回のシュチュエーションバトルはノイジーフェアリー。先週が前半なら今回は後半と言う事になるのか。
「そも、おっちゃんシュチュバト嫌いなんよ。ペッカペカの新兵としてこの地獄に志願兵した頃から未来永劫まで永遠と嫌い。ほれ、ゲームし始めた頃って金無いじゃん? お金に釣られてシュチュバト行って、何度も何度も撃破され続けて、自分の低能を嫌というほどわからされてさ………」
バズ格やエイム、レレレ等の基本動作すらままならない新兵ゴローちゃん。癖の強いエース機体にブチ込まれ、右も左も後ろも前も、四方八方から取り囲まれてボッコボコのタコ殴りにされ続けて小銭を稼いだあの頃の屈辱。
足を引っ張り、敗北の沼へと道連れにしてしまったチームメイトへの申し訳無さ。
その苦い思い出は消えず、そしてあの頃より少しだけ上手くなった今も、シュチュバトの闇は深く見通せない。
「普通に吐きそう。マジでクソ過ぎ…」
シュチュエーションバトルは高コストから低コスト、強襲機やら支援機が入り乱れての戦闘になる。
ランダムで振り分けられるのは普段使わない機種・機体。
理解していない武装での攻撃、そして何よりもオジサンが苦手とする高速戦闘=脳の情報処理速度が要求される。
何度も、何度でも…!!
声を大にして言うがオジサンに高速戦闘は不可能なのだ。
強襲機?
ティターニア?
使うにしろ、使われるにしろ、脳の情報処理作度が追いつかない。使えばコテンパンにのされ、使われれば触れる事なくなます斬りにされる。
「これ以上はバトオペ嫌いになるから勘弁してくれ…切に、切にぃ………」
個人的に今回のシュチュバトで特にキツイのがホワイトライダーの存在だ。
敵に上手いホワイトライダーが居たら秒で汎用機が落ちる。と言うか…溶ける。
瞬溶けさせられる汎用機とか、このゲームで唯一オジサンの希望となる汎用機に乗せておいて、その上で瞬溶けの絶望を味合わさるとか…運営はオジサンに恨みでもあるのか??
◆ ◆ ◆
「ーーーと、言うわけで。今日はアニメを見ます」
ビール、ヨシ!
ナッツ、ヨシ!
コメント非表示、ヨシ!
現場ネコよろしくチェック項目に指を差す。
「これから見るのは全修ってアニメの11話と12話ですね。おっちゃん11話は見てるんやけど、もうこの時点でズタズタのボロっボロに情緒をミキサーされてるからね、ぜぇぇぇぇったいにヤバい確信というか信仰というか狂信があるからおっちゃんは全修を信じてイッキ見したいと思います」
コメント非表示はネタバレ防止のため。
「最初の数話は微妙やったんよ。う〜ん………ちょっとイロイロきっついなぁー!! みたいな? けど、気付けば引き込まれて、遅行性の毒に蝕まれるみたいに病み付きになってた。何がなんでもネタバレが嫌だったから皆にも見てる事は黙ってたし、今回のコメント非表示は鋼の意思で守り通す所存」
ちょん、と頭の不細工なチョンマゲを揺らして。
「
ちなみに、ビールは氷満載のクーラーボックスに入っている。本数は…タクサン、だ。
「確か映像はNGで音声はOKだったと思うんやけどな? おっちゃんはネタバレするのもされるのも大嫌いやから今回はヘッドフォン装着して視聴するんで、おっちゃんの顔芸でイロイロ妄想を広げるなり、同時視聴して楽しむなりしてくれチョンマゲ〜…ほな、再生………開始!!」
全修第11話 視聴中。
「ユニオ…ふぐ、ふぐひぅ……お、おまえ耐えられる訳がないじゃろ、こんなん何回見てもアカンに決まって」
ポリポリ、ゴクゴク…ゴクゴク!!
全修第11話 視聴終了。
「アバ〜〜〜!! やべぇって、テキメンに効く! おっちゃんに効果はバツグンなんですえ!?」
全修第12話 視聴開始。
「……………」
瞳孔が異常に開く幼女。
オツマミを求める手の動きは虫のように細かく機敏。アニメの一瞬の緩急を見逃さず、刹那とすら言える『間』に差し込むようにお飲み物を流し込む。
ゴクッ!
ゴッゴッゴッゴッゴッゴッ!!
即座に飲み干し、即座に次の缶を取り出した。
プシッ!!
缶を開け、オツマミをかじる。
「う…うぅぅぅ!! るーく、るーぐぅ!!」
完全に顔面は崩壊している。
涙も鼻水も止まらない。
飲みながら出す!!
泣きながら食べる!!
1秒も無駄には出来ない。
泣く、食べる、飲む。
祈る、願う、信じる。
同接数?
他人との相互理解?
知るか!!
俺は、全修が、
大好きなんだ〜〜〜〜ッッッ!!
これはそう。
ただ素晴らしい世界への感謝の記録。
全修に携わった全ての人類へ。
有難う。
存在してくれて有難う…!!
生きていて良かった。
オジサンは本当に、心からそう思えた1日でした。