酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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夢の酔うじょ『と』お爺ちゃん

 

 「誰だよA−はザゴピッピだからすぐにAに戻れるなんて言ったヤツはよぉ〜〜〜!!」

 

 

 最近のゴローの戦績は奮わない。

 

 一昨日は6戦4敗。

 昨日は5戦4敗。

 そして本日は5戦全敗でA−に降格。

 昇格を望み挑んだコスト700軍事基地では、悠々と天空を支配するトールギスⅢ相手に地を這う以外の戦術を取れないクソ雑魚ゴローWithディスティニーガンダムが赤子の手をひねるように翻弄された。

 

 その結果。

 ゴローは見事に本日の連敗記録を更新したのだ。

 

 

 ーーーそろそろフラップ覚えろよ

 ーーーなんでこんなにエイム下手なん??

 ーーーいっこうに上手くならん謎

 ーーー自分で言った癖にw

 ーーードンマイゴロー(ドントマインド? (・・)くさいな〜マイ(・・)フェイバリットごろーの略に決まっとるやろが!!)

 ーーー泣くか? 泣くのか(ワクワク♡)

 ーーーm9(^Д^)プギャー

 ーーーどこ行っても上手いやつは上手い

 ーーー敵も味方も雑魚くなると余計に個人技能が求められてくるからね、つまりはその………ね?

 ーーーザコオジ…♡

 ーーーゴロタスはふはふ♡♡♡

 

 

 「クッソがぁ…あのトールギス野郎ぉ」

 

 指が間に合わない。

 格闘が来るとわかっていても、タックルに指が行く前に敵に殴られているのだから。

 

 「ーーーなんだ、涙だ!? この…違うわ! コレは心の汗なんだよぉ!? もーいぃ! 今日はおしまい!」

 

 乱暴に配信を終えるゴロー。

 それでも一応は現場ネコ確認をして。

 

 そして就寝準備をして、不貞腐れたまま布団に飛び込むのであった。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 ーーーそこには緑があった。

 

 空には樹木の葉の天蓋、左右は深い森で遮られ、そこへ続く細道はこの位置からでは確認できない。

 大地は山肌特有の固土。

 参拝に訪れる一族により踏みしめられ、硬度を増した地面には草の一本も生える余地が無い。

 

 コレはそう。

 毛利家の墓地。

 それを再現したゴローの夢。

 

 墓石が並ぶ秘された世界に、あの日の記憶が形を変えて再構築されていた。

 

 「美味い………コリぁ美味いのぉ…」

 

 極寒の吹雪に見舞われた後、肩までどっぷりと湯船に浸かったかのように吐息をつく。

 

 それは白髪の老人(・・)ーーー毛利 源八ーーー。

 

 手にはあの日からゴローが持参している高級焼酎。

 今回の手土産は高級焼酎である魔王の倍の値かつく超級焼酎【森伊蔵】でありゴローはまだ口をつけた事も無い極上の銘酒。

 

 「美味い…美味い………」

 

 酒瓶とグラスを手に言葉を重ねる。

 しかし老人の表情は優れない。

 

 「そんな似てんのか…この顔」

 

 彼の…40代までの記憶通りに再現された毛利 前田(ゴロー)(♂)の膝の上には、ニコと呼ばれる幼女の姿があった。

 

 「うぉ…ぷ、ぷぷ…!」

 

 自然に触れる機会が無いニコ。

 手にした緑葉樹の葉が珍しいのか、指で潰したり歯で噛んだりしてご機嫌に遊んでいる。

 

 (ん………あれ?)

 

 成人男性の肉体的。

 40を越えて、体力が下がり、頭の毛も薄くなった、自分の本当の身体。

 何か違和感を感じる前田ではあるが、そんな疑問を打ち消すように源八のがなり声が刺さった。

 

 「似てるだぁ……!? 生き写しじゃがッ!! こんの馬鹿餓鬼がぁ紛らわしぃ顔させやがってォォ!!」

 

 鬼の形相ではあるが、ゴローに非がない事はお互いに理解しているし、その上で駄々をこねるほど源八は腐った爺ではない。

 

 「いや別に俺が選んでこの顔にした訳じゃねーし?」

 

 「ぁんむ…ぷ〜〜??」

 

 苦くないのか、グシャグシャと口の中で咀嚼された葉っぱをニコの口から取り出して地面に捨てる。

 

 「あんま変なもん食うと腹壊すぞ?」

 

 「う〜ぅ。ブ…!」

 

 捨てられた葉っぱに手を伸ばすニコ。

 それをやんわりと止める前田。

 源八はそんな二人の様子に微笑み、それでも舌打ちだけはして、無言で森伊蔵をゴパゴパと口に流し込んだ。

 

 「うぁ、ちょ…じっちゃんそれ高いんだぜ? 俺もまだ飲んでないんだぁら」

 

 回収しようとした手を払い除けられる。

 

 「くっそ爺…」

 

 現実でも、結局はゴローが持参した焼酎は一滴すら飲ませて貰えなかった。

 

 「俺の金やぞ…まったくしょうがねぇ爺が」

 

 まぁ爺は爺だから仕方がない。

 そんな意識にぼんやりと笑う。

 

 イヤな爺たが、嫌いにはなれない。

 

 「時に前田よ、バカ餓鬼よ」

 

 「んだよ妖怪爺どん」

 

 「スミレはえぇ乳やったのぉ…♡」

 

 デロンと鼻の下を伸ばす爺。

 猿顔が余計に酷くなる。

 

 「………あん??」

 

 「そらぁ豆ちゃんは遊郭の別嬪さんと比べても負けんどころか横綱相撲で張り倒すような乙女子(おとめご)じゃったが、乳だけぁ足らんかったけーのぉ! あんな乳が豆野にあったらあと5人はおマンの叔父叔母が増えとったんじゃがの! グワハハハハ!!」

 

 「爺ぶっ殺すぞ?」

 

 「物騒なこと言うな餓鬼が。しっかしアレか、あの乳のデカさは咲ちゃん譲りかの? あの子の乳首もスミレみたいな可愛らしい桜色やったんかの〜??」

 

 モミモミとエアーハンドでエア乳をもみるクソ爺。

 その姿に怒りが湧くが、その怒りを上回るほどニヤけたエロ顔が滑稽で、どうにも爆発までには至らない。

 

 嫌な爺だ。

 本当に…最低な。

 

 「咲ちゃんは元気か?」

 

 不意に、真顔で問われる。

 

 「ーーーさぁな」

 

 (さき)

 毛利 咲。

 旧姓:上杉 咲。

 上杉の『う』と咲の『さ』で。

 昔からウサギとか『ウサ』とか呼ばれていたらしい。

 

 背が低くて、笑顔が素敵で、おっパイがデカくて、馬鹿な俺と一緒になってくれた。

 

 「泣くな馬鹿が、男子(おのこ)がそんな簡単に泣くなぃ」

 

 急に大きくなった爺に頭を撫でられる。

 

 「もぅ…俺は男じゃねーもん」

 

 大きくなったのは爺ではなかった。

 …逆だ。

 コチラが小さくなったのだ。

 

 一瞬で前田はゴローになっていた。

 

 小さくて、非力で、チンチンも無い。

 我が子に守ってもらって、最愛の人の安否すら知らない、知れない、手が届かない。

 無力で無知で、無価値なクソガキ。

 

 「男子の男子たるはチンコロ一本で決まるようなもんじゃなかぞ? まっとにおマンのそう言う所が雑魚じゃと昔っから言ぅとるがによぉ」

 

 馬鹿が(カス)がと(さいな)めながら、それなのにどうしても頭を撫でる手は痺れるほどに優しくて。

 

 「大丈夫じゃ。おマンはこの爺の孫や…な?」

 

 何が大丈夫なもんか。

 エロ爺、クソ爺、妖怪爺…。

 

 そんな事を思ったけれど。

 結局は何一つ言葉にはならなかった。

 

 「………ふん、しょうのない餓鬼が」

 

 優しかった手が、急に鋭くゴローの頭にを叩く。

 

 「いで!?」

 

 「オゥ前田ぁ!」

 

 「んだよクソ爺ぃ!」

 

 「ワシは大陸へ行くぞオィ」

 

 立ち上がる。

 その頃には爺の姿は幼女に変わって。

 

 「大陸で馬鹿の弟の首根っこを抑えて引っ捕らえてきちゃる! おマンがメソメソしよる間に男子の男子たる姿勢をば見せちゃるぞ!!」

 

 自信に満ち溢れた小さな幼女。

 ニヤリと笑う笑顔は、全然違うのに全く同じで。

 

 「後郎は………だって」

 

 「ワシとおマンが生きとって、あのチビが死ぬ訳ぁなかろうが!! 馬鹿がよぅ!!!」

 

 無茶苦茶だ。

 そう思う。

 思う…けれど。

 

 「待ちよれ、おマンはおマンの出来ることを懸命に為して待て、ワシはワシでやるべき事をやる。お天道様が言うとるわ…あのチビを拾って来い言うて、そのための身体じゃと」

 

 ヒョイと跳ぶ。

 

 軽々と宙を舞い、木々を蹴り付けて更に高く…高く。

 

 ーーーワハハハハハ

 ーーーワハハハハハハハハ……………

 

 それっきり、源八は降りてこない。

 

 夢の中で、彼の豪快な笑い声だけが木々に反響して木魂すのであった。

 





 感想と誤字脱字報告に。
 そしてサンダーボルト完結に…感謝!!

wキャラのコスプレ、誰を選ぶ?

  • やはり主人公! ヒイロ・ユイ
  • ココこそヒロイン! リリーナ・ドーリアン
  • お母さん! デュオ・マックスウェル
  • スネ夫! トロワ・バートン
  • 頑固ショタ! カトル・ラバーバ・ウィナー
  • オデコ紳士! 張五飛
  • 火消しの! ゼクス・マーキス
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