酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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決して覗いてはいけないTS幼女おじさん24時

 

 ツルの恩返し…と言うお話がある。

 

 

 罠にかかったツルをお爺さんが助け、そのお礼として人間に化けたツルがお爺さん夫妻の家を訪ねる。

 そして『決して覗かないでくださいね?』と言う台詞の後に家の一室を占拠して機織りを始めるのだ。

 

 最初は朗らかな心で言いつけを守り、謎の女性の奇行を見守る老夫婦。しかし美しい反物を織る女性は次第に痩せて細くなっていく。

 心配したお爺さんはとうとう約束を破り…と言う日本の伝統的な民話のひとつ。

 

 これを聞いて幼い日のゴローは思った。

 そりゃあ気になる。

 誰だって気にするじゃんよ…と。

 

 唐突に押しかけてきた見ず知らずの他人が自分の家の一間に立てこもり『開けるなよ? 開けるなよ? これはフリじゃないんだから絶対に開けるなよ!?』てなダチョウ倶楽部ムーブをかましてきて、その上で機織機でトッタンパッタンバサバサバサバサやってたらそりゃ〜フリですよね? となるのが人間である。

 それが無くとも女はどんどん痩せていくのだ。

 放置した結果、自分の家の一間で衰弱死でもされたらたまったものでは無いだろうに。

 

 「〜〜〜♪」

 

 浴室との仕切りを挟んだ反対側の脱衣所で、ゴローはそんな懐かしい記憶を思い出した。

 夜、眠る前に母が読んでくれた古い絵本の記憶を。

 

 風呂場にはポポちゃん。

 なんとなく聞こえるのは鼻歌だろう。

 妙に心が安らぐ音色。

 ご機嫌なリズムがゆらりと空気を揺らしていた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 もちろん、ポポちゃんも最初は拒絶気味だったのだ。

 

 ウォソレヲヲィーーー恐れ多いとか。

 モシワキェネィシーーー申し訳ないとか。

 ハジカシィモンーーー恥ずかしいとか。

 モヂタィナイヨーーー勿体無いとか。

 

 だが、あのまま放置する選択肢はゴローにはなかった。

 

 

 「もうお風呂掃除したしお湯張りも終わってる」

 「このままお湯を捨てるのはそれこそ勿体無いぞ」

 「ポポちゃんが風邪ひいたら嫌だし」

 「おっちゃんを助けると思って…な!?」

 「出てきたら美味しいスープ飲ませてやるから」

 

 

 そうやって宥めすかして、身体の凍えきったポポちゃんをなんとかお風呂に押し込んだ後で。

 

 「あ、タオルと着替えの場所…教えてなかったな」

 

 そう思い至って訪れた脱衣所。コンコンして返事が無いってことは入浴ナウで確定。

 扉を開けるゴローの目に、奇妙な物が映った。

 タオルをストックしてある箱の上に、いつもポポちゃんが顔に着けている黒いグルグル渦巻きがひとつ、チョコンと放置されていたのだ。

 

 ……………は? これ、取り外し出来たんけ?

 

 怪異さんを怪異さんたらしめるキーパーツが、まさか着脱式のヘルメット(ヘルメット??)だったとは…!!

 

 驚愕に震えるゴロー。

 そこで思い出したのだ。

 ツルの恩返しと言う民話を。

 

 チャプチャプと湯の揺れる音。

 

 恐らくポポちゃんはまだ気付いていない。

 今なら……今なら、何が出来るだろう。

 

 グルグル渦巻きのヘルメット(ヘルメット??)を手にしてみる? 頭に被ったらどんな世界が見えるのだろうか。

 それともこのまま浴室の扉を開いてみる? 変態クソ野郎の称号と共に、リアルガチポポちゃんの素顔を拝むことが出来るのではなかろうか。

 

 そんな事を考えて、ゴローが選んだ行動は。

 

 「ポポちゃ〜ん!」

 

 ーーー!?!?!?

 

 ジャバジャバジャバ!!

 凄まじく慌てた気配。

 まるまる太った鯉の群れが餌を貰って歓喜しているようなド派手な水音が浴室から響く。

 

 「えっと…タオルは扉出てすぐ横の箱の上の段ね! ほいで着替えはウチの娘のが黄色い棚の中に入ってるから使ってなー!!」

 

 大声で伝えるべきを伝えて即座に撤退。

 ゴローはチキンだったので。

 

 「ーーーーーーあ………ありがと」

 

 だれも居なくなった脱衣所に、ポポちゃんと呼ばれる女子の…その本当の声(・・・・)が少しだけ届いた。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 「ーーーバカなの??」

 

 正直なこころの声がついついポロリしちゃったゴローの痛烈な一撃がポポちゃんのハートに刺さった。

 

 ーーー〜〜〜〜〜!!

 

 声にならない悲鳴をあげ、いつも通りのグルグル渦巻きを顔に装着したポポちゃんが恥ずかしそうに両手()顔に隠す(誤字では無い。恐らく顔を両手で覆ってイヤイヤをしているのだろうが、外から見れば両手が渦巻きの中に消えているのでちょっとした怪奇現象的に手首から先が消失して見えるのだ)。

 

 そんなポポちゃんの服は深緑色のモコモコ怪獣パジャマ。

 全長2mのポポちゃんが着込んで、それでいてブカブカになる巨人用モコモコパジャマだ。

 

 よくよく考えてみれば娘の服なんてサイズが違い過ぎて入る訳がない。となると、恐らくは亜空間から召喚したのだろうが…いや、それならそれでサイズ調整した物を呼べば良いのに、と頭の片隅で思いながらも。

 

 「八木沼先生(変態)の助言とか一番信じちゃダメな奴じゃん…え、ホントに相談しちゃったの??」

 

 ーーーゥ…ウゥウゥ〜〜〜〜!!

 

 悶えるポポちゃん。不覚にもそれを可愛いと感じてしまいながらゴローは続ける。

 

 「そもそもおっちゃんが怒る要素ないって話よな。ポポちゃんは頑張っておっちゃんの為にイロイロやってくれてて、それに全然気付いてなかったおっちゃんがまず悪いんだし? スミレが危なかったってのは確かに思う所は無くはないけど、それにしたって事故みたいなもんだろ? ポポちゃんに八つ当たりするほどおっちゃんはカスじゃねーよって」

 

 ーーーウムルルルルゥゥゥゥゥ〜〜〜!!

 

 「ダンゴ虫になっちゃった……w」

 

 正直ちょっと面白い。

 巨大深緑系ダンゴ虫怪獣ポポちゃん。

 ゴローが用意したティッシュを腹の下に抱えて。

 

 「冷静に考えてみ? もしおっちゃんがスゲー失敗やらかしたとして、全裸で土下座してポポちゃんの前に現れたらどう思うよ? 嬉しと思える??」

 

 グネグネ…と丸まったまま否定の意を示すポポちゃん。

 

 「だよな? 怖いよな? まず最初に『やべー!』てなるよな? それが普通の人の感性なんだよ、うん。八木沼の変態爺幼児の感性が馬鹿なのか、普通の感性だけどあえてポポちゃんに恥をかかせたくて誘導したのかは知らんけどさ………もうちょ〜っと落ち着いて考えて欲しかったよな」

 

 ごもっともな意見。

 しかしポポちゃんに罪はない。

 

 「今度あのアホのチンコロ踏み潰そうな? な?」

 

 ゴローの慰め(←??)にモゾモゾ動きながら、ティッシュで鼻をチーンする怪異さんなのであった。

 





 今日まで読んでくれて有り難う御座います。
 (こう書くと打ち切りみたいで良くないw)

 年末年始はたぶん更新無いと思います。
 仕事が始まった頃に再始動出来れば御の字。

 それでは皆様、良いお年を。
 来年も『酔うじょオペレーション』をご贔屓くださりませ。
     □☆
(๑>؂<๑)ノシ 良イ酒飲メヨ♡

wキャラのコスプレ、誰を選ぶ?

  • やはり主人公! ヒイロ・ユイ
  • ココこそヒロイン! リリーナ・ドーリアン
  • お母さん! デュオ・マックスウェル
  • スネ夫! トロワ・バートン
  • 頑固ショタ! カトル・ラバーバ・ウィナー
  • オデコ紳士! 張五飛
  • 火消しの! ゼクス・マーキス
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