酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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勝利の名を冠するガンダム vs. TS幼女おじさん…前編!!

 

 「ん………やっぱダメなんか」

 

 

 肌を刺し、体温を喰らう極寒の風を感じて。

 ポポちゃんワールドサーキットで、バイク型コントローラー(モモちゃん)の疑似エンジが生み出す心地良い振動に浸っていたゴロー。股の間にお座りしているウサギ人形を優しく撫でた。

 

 ゴローを包む大型筐体の前面。

 緩やかな卵形構造を内から見るように湾曲したモニターには緩やかに曲がる現実の高速道路(尾道松江線)が映し出され、その道の上にはのっぺりした色に輝く夕焼け空がある。

 現実と見紛うばかりの映像、それが虚構の代物であると改めて示すように赤いテロップが表示されていた。

 

 「年越しはフリーだったのに…な〜んでポポちゃんは時間制限もとに戻しちゃったのかな〜」

 

 

  【バイクは1日2時間厳守!!】

   【強制終了まで残り30分】

 【セーブポインで記録して下さい】

 

 

 年が明けてけらはこのテロップが出るより前に自発的にゲームを終了していたので、再び制限がかかっている事に今日まで気付かなかった。

 

 「今日は終わりか。でもバトオペはなぁ…」

 

 600コストの衝撃を未だ引き摺っているゴロー。今日は気晴らしに日本海へ向けてひた走っていたのだが。

 

 「あとちょっとで海だったのに…ごめんなウサさん、海見たかったよね?」

 

 応えないぬいぐるみ。

 しかし、ゴローの脳裏には過去の記憶が蘇る。

 

 

 『海は場所でも空気の味が違うんだよね!』

 『川や池も悪くないんだけど…ん〜何ていうか水に入ってる時に耳に来る音も全然違うじゃない? ゆらゆら〜ってしながら小石が擦れるような音を聞いたり、もちろん場所や天気によって変わるけど』

 『深い所も浅い所も良いよね〜』

 『沖合に出て浮かんだまま下を見ると飛んでる気持ちになれるよね、鳥になったみたいに』

 『砂浜で水死体ごっこしたい』

 『いろんな顔の波に包まれて、全身で海を感じるの!』

 『ね、海を行こー?』

 『太平洋も大好き! 飛行怖くなかったら海外の海にも行くのになぁ〜…今度二人でボート作ってさ、どっか知らない国に密航してみよっかw』

 

 

 海が好き人だった。

 海底を歩きたい…と言う彼女のために、中学生時代に友達のオジサン(板金屋さん)に作ってもらった水中歩行用スーツ・ズゴッくんを改良した海底歩行用スーツ・ズゴッくん(E)を発注して彼女にプレゼンした所、大喜びでぴょんぴょんと飛び跳ねてくれた事を、今でもフとした拍子に思い出す。

 

 

 『ねえゼンちゃん、もし…もしもだよ? もし私が死んだら、骨は海に撒いて欲しいな』

 

 

 いつだっか、冗談めかして呟いた妻の言葉。

 その時自分はなんと返したのだったか…ゴローはもう、覚えていなかった。

 

 だからだろう。

 ゴローは本当は本当に…海が少しだけ、

 嫌いだった。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 ーーーヴィクトリー、リアシュラク隊が好きだから課金してゲットしたけど良い機体だぜ?

 ーーーのーれーよー!

 ーーーカ・キ・ン・! カ・キ・ン・!!

 ーーー腐ってもYouTubeだろん??

 ーーーVガン、割と操作難度は高くは無いし、弾もつおぃからオヌヌメだゾ☆

 ーーーどうせ環境は戻らねぇんだから、早めにフライト練習してヨロシク

 ーーー次世代の主力機やで?

 ーーーゴローにはムリだと思うな〜w

 ーーー乗る前から諦めてる負け犬はコチラですか?

 ーーーザ〜コ、ザ〜コ♡♡♡

 

 

 

 その日のリスナーは開始前からざわついていた。

 原因は明白、先日実装されたVガンダムへの対応だ。わいわいと騒ぐ彼らの強いガチャ要請にゴローは戸惑いを隠せない。

 

 だからだろう。

 つい余計な一言をこぼしてしまった。

 

 「…だって、あんなん絶対に乗りこなせんじゃろ!?」

 

 ーーーは? んじゃ陸Zは乗りこなせてたの?

 ーーー乗りこなせないのがゴローなのでは???

 ーーーをぃをぃチョーシ乗ってんなぁwww

 

 ごもっともなコメントに「ぐぅ…!」と唸りつつ、いつものエイム練習をしながらリスナーの総意を確かめ、嫌々ながらも決意を固めた。

 

 「あ〜もう引くよ! 引きゃ良いんだるぉ!?」

 

 このまま手をこまねいても意味がない。

 量産νガンダムFFで対空すれば良いのでは?  と言う案も出たのだが、ゴローの腕で支援機に乗るのはVガンに乗る以上の利敵行為であると判断して見送った。

 そして、実際これからバトオペの環境は大きく変わると予測は出来る。

 

 遊びたいのなら、続けたいのなら。

 ヘタでもクソでもフライトに挑むしかない。

 残念ながら、これが現実であった。

 

 「ヴィクトリーガンダム確定STEP UP抽選配給…えっと半額が2回だから…さんろくきゅーの…120トークンか」

 

 コツコツ貯めた貯金が消える。新カスパがついてくるならもう少し葛藤もないのだが…。

 ヤケクソでガチャを回しきったゴロー。途中でそれなりに良い機体も当たったが、まぁそれは今は置いといて。

 

 「えっと…フライトな? 一応プロの人の動画見てなんとなくセオリーはわかってるし、ひとまず演習で肩慣らし…」

 

 ーーー(レートへ)行けゴロー!

 ーーー日和るな

 ーーーお前は当たって砕けるTS幼女だるぉん??

 ーーー演習? ナメてんのかオラァ!?

 ーーー直で実戦とか絶対にムリやぞ

 ーーー大丈夫! Vガン強いから

 ーーーあくしろぉ!

 ーーー爆散しちゃうよ…?

 ーーーワクワク((o(´∀`)o))ワクワク

 

 「あ〜〜〜〜もう!」

 

 ーーーゴロたす、がんばって♡

 

 「やれば良いんだろやれば!! 地上で一人宇宙して、3種よろけに2種格闘の最新鋭な次世代機!! 勝って当然の最強ムービングで敵を蹴散らしてやんよぉ!? 目ん玉かっぽじってよ〜くみとけぃ!!」

 

 それまでの汎用機と同じ方向性で機体をカスタム、拡張ガチャでは耐格のLv5が付いた。

 まぁたぶん…ギリ。

 ギリギリなんとかなる可能性は無くもない。

 

 そんな見切り発進を決めたゴローの戦績はーーー。

 

 

 ーーー草も生えんのだが

 ーーー。°(°´ᯅ`°)°。

 ーーー環境機…どこ? ここ??

 ーーー風船かな?

 ーーー空飛ぶマト

 ーーートマト

 ーーーぐしゃぁ!!

 ーーーなんでここまで下手なの…???

 

 

 不穏なコメントは気にするな。

 環境機やぞ!?

 負けるだなんてあり得ない!

 

 …次回、乞うご期待!!

 

wキャラのコスプレ、誰を選ぶ?

  • やはり主人公! ヒイロ・ユイ
  • ココこそヒロイン! リリーナ・ドーリアン
  • お母さん! デュオ・マックスウェル
  • スネ夫! トロワ・バートン
  • 頑固ショタ! カトル・ラバーバ・ウィナー
  • オデコ紳士! 張五飛
  • 火消しの! ゼクス・マーキス
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