英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
今回で実習先が分かります。
自由行動日に出す予定だったオリキャラも出ます。


16.知らされる実習先

 

「おっほん、では今度行う実習の内容を説明するわ。時間が時間だから手短に行くわよ」

わざとらしい咳払いをしサラは説明を始める。

「君たちにはA班、B班に別れて貰って指定された地域で様々な課題をこなしてもらうわ。このプリントを1部ずつ取りなさい」

そう言ってサラは生徒たちに実習先と班分けが書かれたプリントを配る。

 

 

A班、リィン、アリサ、ラウラ、エリオット、レナ

(実習地:交易地ケルディック)

B班、エマ、フィー、マキアス、ユーシス、ガイウス、ミナズキ

(実習地:紡績町パルム)

 

「えぇ!?」

「ほう、興味深い班分けだ」

「ケルディックとパルム、どちらも帝国の街なのか?」

「う、うん。ケルディックは東にある交易が盛んな場所だけど」

「パルムは帝国南部にある紡績が有名な場所ですね」

驚くアリサと楽しそうにするラウラ、留学生であるガイウスの質問にエリオットとエマが答える。

「あそこか・・・めんどくさいな」

「ば、場所はともかく、B班の顔ぶれは・・・」

「・・・ありえんな」

露骨に面倒くさそうなフィー、顔ぶれに不満を垂れるマキアスとユーシス。そして───。

 

「なるほど、どうやら我々は今回別行動みたいだねぇ。ミナズキ・・・ミナズキ?」

「・・・・」

レナは反応の無いミナズキを見るとそこには本当に嫌そうな表情のミナズキがいた。

「なんだいミナズキ?私と離れ離れになるのがそんなに嫌かねぇ?」

おちゃらけるよう訊くレナにミナズキは返す。

「お前に振り回されないのは良い、けどそれ以上に疲れる面子だ」

「まぁ、・・・・頑張れ」

ミナズキの言葉にレナも流石に返しようが無かったのか肩にポンと手をやり静かに激励した。

 

各々の反応をよそにサラは説明を続ける

「日時は今週末、期間は2日くらいになるわ。A班、B班ともに鉄道を使って実習地まで行く事になるわね。各自それまでに準備を整えて英気を養っておきなさい」

 

放課後、図書館にて───。

ミナズキは図書館に来ていた。

「そうですか、それで今日は図書館に」

「お前ならバラしたりしないと思ったから・・・」

「そうですね、自分で言うのもなんですが私は口は堅いほうです」

 

現在ミナズキが話している女子生徒の名前はマローラ・セイルズ。

腰より少し上程度まで伸ばしたふんわりとした薄目の金髪、綺麗に整った同色の眉毛が特徴的なThe堅物といった感じの娘であり、本好きが理由でほぼ毎日放課後は図書館に入り浸り、貸出した本の管理や古くなった本の修繕、修復などもやっているらしく、司書の女性も彼女に手伝ってもらって結構嬉しいようだ。

入学時の成績はエマ、マキアスに次ぐ3位で学力も高い。

 

そんな彼女との出会いは入学してからほんの数日後だった。

ミナズキが勉強の復習をするために資料が多い図書館に行くと図書館の扉から勢いよく写真部のレックスが飛び出してきた。

「す、すんませんでしたァァ!」

「二度と来ないで下さい」

なんでもレックスが図書館で許可無く写真を撮りシャッターを連写、自分のことも写そうとしたことに怒った彼女が思いっきり引っぱたいたそうだ。

 

そんな彼女だが真面目な相手には相応の対応を取ってくれた。

ミナズキが勉強で躓いている事を話すとおすすめの参考書等を紹介してくれたのだ。

それ以来ミナズキは時々図書館に訪れ参考書やおすすめの小説等を借りるようになった。

 

そして現在、何故ミナズキがここに居るかというと。

「放課後になったら実技テストを見ていたフリーデル先輩が来たんだ、丁度欲しい資料もあったしここに隠れたくてな・・・」

「ここは隠れんぼの場所では無いんですがね?まぁ、良いでしょう。ちなみに今日は何をお探しですか?」

ミナズキの言葉に文句を言いつつマローラは愛用のノンフレームメガネを着け席を立ち資料のあるブースへと歩き出した。

 

「紡績町パルムの資料だ、週末に実習で行く事になった」

「パルムですか、まあまあ遠い場所ですね」

2人で資料を漁りながらなんてことのない話をする。

「パルムと言えばやはり伝統的な手法で作られた繊維製品でしょうか、帝国各地でも高級品として扱われているし、海外にも輸出されているそうです。」

「なんというか、範囲が広いな」

「ええ、広いです・・・あ、ありました」

恐ろしく多い資料の中からマローラはパルムの資料を取りだし、どこから取ったか分かるように付箋をつける。

「コピーをとります、それまで適当に過ごしていてください」

「わかった、おすすめの本はあるか?」

「・・・とりあえず司書室の私の席に戻りましょう、そこにありますから」

そうしてマローラは自身が使っている司書室の席に戻り、ミナズキに本を渡して本校舎にコピーを取りに行く。

その間ミナズキは渡された本を読んでみる。

「これは・・・『狼一匹股旅録』?」

その本は1人の辞職した軍人が大陸各地を旅し、訪れる場所での様々なトラブルに巻き込まれる、という内容だった。

何となく他人事な気がしなかったミナズキが少し夢中になり始めると。

「お待たせしました・・・気に入りましたか?その本」

「おかえり、この本が他人事な気がしなくてな」

「まあ、実習ではその本の主人公みたいに危うくないように気を付けてください」

2人でそう話をしていると図書館のドアが少し乱暴に開く音が聞こえ、その瞬間ミナズキが身震いをする。

「・・・どうかしましたか?」

「マローラ、どこか隠れるところは無いか?出来れば早く・・・!」

「・・・仕方ありません、私の事務机の下に入ってください」

「見つからないか?」

「私が席に座ればちょうど見えなくなりますよ」

 

そうしてミナズキを事務机の下に隠しマローラは席に座り自身の足でミナズキを隠す。

意外と狭い、と感じながらミナズキは息を殺す。

ガチャっ!と勢いよく司書室の扉が開きフリーデルが顔を出した。

「あら?居ないわね?」

「図書館ではお静かにお願いします。それと居ない、とは?」

「ミナズキを探しているのよ、今日こそ勝負を受けてもらうわ」

鞘に入っているとはいえレイピアを片手に持っているフリーデル、実技テストを見ていた分ボルテージは上がったままだった。

「残念ながらミナズキ、という方は今日は来ていませんよ」

「そうかしら?ちょっと前にここに入ったっていう話を聞いたのだけれど?」

フリーデルの返しにマローラは机の下の自身の手をギュッと握りしめ答える。

「見間違いでは?もし良ければ特徴を教えてください」

「髪は白で少しだけ赤色の毛が混ざっているわ、あと人を寄せつけないような雰囲気を持っているわね」

「・・・」

考える素振りを見せながらどう撃退しようかと考えるマローラ、思い返すと普段は反応が薄いミナズキが妙に怯えていたのを思い出した。

どうでしたかね、と唸るような素振りをしつつ机の下のミナズキに目をやるとミナズキは少し不安そうな顔で見てくる。

「ああ、彼ですか」

「見たのね!?」

「ええ、ですがもうここには居ません。確か週末に備えて旧校舎に向かうと言っていました、今はそのために教官に鍵を借りに行っているでしょう」

「そう・・・わかったわ」

そう言ってフリーデルは司書室を出ていく。

ミナズキはすぐに机から出ようとしたがマローラが自身の脚と手で抑える。何故なら───。

「あの先輩はまだ図書館にいます、恐らく私の言葉が信じきれず2階に貴方がいないか探しています」

小声で教えるマローラにミナズキは大人しくなる。

そしてしばらくして─── 。

「もう大丈夫ですね。ミナズキ、出てきても良いですよ」

「ああ、助かったよマローラ。ただ・・・」

「ただ?」

首を傾げるマローラにミナズキは少し赤くなりながら言う。

「すぐに出ようとした俺も悪いが脚で抑えるのは止めてくれ、お前スカートなんだから・・・」

「・・・・!?」

マローラは慌てて自分のスカートを抑える。ミナズキも、申し訳なさそうに顔を逸らした。

「・・・・貴方が友人で無ければ目を潰して地面に叩きつけてましたよミナズキ」

「・・・ごめん」

「すぐに全部忘れなさい!良いですね?」

「はい・・・」

 

その後少しぎこちなくなりながらもパルムの情報で大事そうなものに印を付けたあと図書館を後にしたミナズキはフリーデルに見つからないように寮へと帰った。

ちなみにマローラにはお詫びとしてパルムのお土産を頼まれた。




ご拝読ありがとうございました。
私の中でフリーデル先輩がどんどんホラーっぽくなってきています。
また、マローラは昔から考えていたキャラでレナがいなければレナのポジションに置く予定でもあった人です。
次話もよろしくお願いいたします。

今更なのですが、ミナズキとレナ、それにマローラのプロフィールってあった方が良いでしょうか?

  • あった方が良い
  • 無くても良い
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