英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
攻略サイトや動画を見て何とか仕上げました。


19.実習1日目、奇妙な出会い

 

「では、教官から頂いた手紙を読みますね」

そう言ってエマは荷物から1枚の封筒を取り出す。

これは実習前日にサラ本人から渡されたものであり、パルムに着いた際にまず何をすべきかが書いてあるそうだ。

 

『B班のみんなへ、これを読んでいるってことは無事にパルムに到着したようね。まずはパルムの宿酒場である《白の小道亭》に行ってそこの店主に話しかけなさい、そこはあんた達が実習の間お世話になる宿よ。ついでに店主には課題の入った封筒を渡してあるからそれを受け取って実習を開始しなさい。ps.マキアスとユーシスの事は頑張ってね、任せたわよ♡』

 

「なんだこれは・・・」

「くだらんな」

内容、特にps以降を読んだ当の2人は案の定不機嫌になっていった。

2人の反応に他のメンバーは苦笑いを浮かべたがとりあえず行く場所は決まった。

B班は町を見渡しながら宿場宿に向かったのだった。

 

 

「・・・あれが話に聞いてた特化クラスⅦ組か」

そんなB班を遠くから見ている大きな影が1つ。

 

 

「ごめんください、今日からお世話になるトールズ士官学院のものです」

「いらっしゃい、トールズの学生さんね。話は聞いてるぞ」

エマが挨拶をすると店主の男性が答え、カウンターから出てくる。

「ベルトランだ、ここの店主をしている。早速だがこれが今日の課題が入った封筒だ」

ベルトランはそう言ってトールズの校章が入っている封筒を渡してきた。

お礼を言い受け取り、カウンターから離れ全員で中身を確認すると───。

 

「なんだ、これ?」

ミナズキは内容に首を傾げた。

 

【必須】

・薬草の採取代行(依頼人:ホビンズ教区長)

イストミア大森林に生えている薬草を採取してきて欲しい、詳しくはパルム礼拝堂へ

 

 

【任意】

・染料の材料確保(依頼人:ロジー)

染料の材料が足りなくなっているので代わりに調達をお願いしたい。詳しくは元締め宅へ

 

・腕試しのお願い(依頼人:ウォルトン)

自分たちがどれくらい成長しているか確認したいので腕試しをさせて欲しい、詳しくはヴァンダール流練武場へ

 

 

「これは、なんというか」

「課題ってよりお手伝い?」

「・・・」

「・・・ふむ」

困惑するエマとミナズキと同じように首を傾げるフィー、黙っているユーシスと頷くマキアス。

「もっと堅苦しいやつがくると思っていたが・・・」

「どうやらそういった雰囲気のものでは無いな」

予想が外れて苦笑いのミナズキとそれに呼応するガイウス。

 

皆課題と言われていた為普段の難しげなカリキュラムの延長的なものと思っていたが蓋を開けてみればパルムの住人の依頼という名のお手伝いのようなものばかりだった。

 

「この任意ってどういうことだ?」

「恐らくは受けるかどうかは自由ということだろう」

任意の文字に疑問を口にするミナズキにユーシスが答える。

なるほど、とミナズキは頷くがそれと同時にどれから手を付けたものかと逆に迷うことになった。

「とりあえず、依頼した方の話を聞いてみませんか?」

エマの提案に皆が乗りまずは必須と書かれた依頼である薬草採取の代行の詳細を聞くべく、パルム礼拝堂へ向かった。

 

 

「よく来てくれた、ようこそパルム礼拝堂へ」

礼拝堂では教区長のホビンズから説明を受ける。

なんでもイストミア大森林で採れる『エリンの花』という薬草が欲しいのだがここ最近森へ向かうための西サザーラント街道の魔獣が何故か増えてしまった為危険で森へ行けなかったそうだ。

 

礼拝堂を出た一行は話し始める。

「なんで街道に魔獣が増えたんだ?」

「繁殖したんじゃないか?」

マキアスの言葉にミナズキが返す、しかしマキアスは納得いかないようでふむ、とまた考え出した。

「とりあえず他のも聞いてみるべきだな」

ガイウスの言葉に皆頷き次は元締め宅へ向かった。

 

「あんたたちがトールズの学生さんたちですね、自分はロジーって言います」

ロジーの話ではこの間染料に使う『黄土石』を運んでいる最中に落としてしまい一緒に運んでいたセピスと混ざって使えなくなってしまったらしい。

アグリア旧道に黄土石はあるので採取して欲しい、セピスは魔獣と戦えば出るのでそれもお願いしたいそうだ。

 

元締め宅から出てきてまた皆で話し合う。

「イストミア大森林とは別方向だな」

「まさか行かない気か?ま、貴族からすれば平民の悩みなんてわざわざ聞くことは無いか」

「なんだと貴様・・・」

ユーシスの言葉に悪態をついたマキアス、当然ユーシスも相応の怒りを見せ睨み合う。

 

「放っておこう、次だ」

「え!?良いんですか?」

「だってキリがないし・・・」

2人を放って歩き出すミナズキにエマが驚くがそれでもミナズキは止まらない。仕方ないと着いていくエマとフィーとガイウス、マキアスとユーシスも置いて行かれた事に気付き互いに舌打ちをした後追い始めた。

 

 

「いやー、言えば来てくれるものですね!自分はウォルトンっていいます。依頼を受けていただけるんでしょうか!?」

練武場の依頼人ウォルトンからの話はこうだ。

日々練武場の者達で鍛錬をしているがそろそろ立ち合いがマンネリ化してきた事、偶には全く違う流派や武具使い等と勝負をして刺激を得たい、との事だった。

 

「なんでも腕の立つ剣士や槍使い、ガンソード使いもいるって聞いていてもたってもいられなくて!」

「と、とりあえず他の依頼もあるので少し考えさせてください」

ウキウキしながら詰め寄るウォルトンにエマが待ったをかけ、急いで練武場を出る。

 

「どうしましょう・・・」

「なんというか、すごい勢いだったな」

「めんどくさいな・・・」

考えるエマとウォルトンの勢いに少し引き気味なガイウス、単純に面倒くさがるフィー。

どの依頼も受けるべきと思う、故にどう回っていくか、どれから受けていくかを考える。

そしてそれと同時に─── 。

「ミナズキさんがやる気無くしちゃってますね」

「練武場で話を聞いてからだな」

「気持ちは分かるかも・・・」

「・・・・・はぁ」

3人の視線の先にはため息をつきながら空を仰ぐミナズキの姿があった。

前々から戦いにモチベーションが低いところがあったがそこを思い切り突かれた為かより一層ため息は深かった。

それに加えて─── 。

「ぐぬぬ・・・」

「・・・ふん」

マキアスとユーシスはまだ睨み合っていて終わる様子はない。

 

正直エマもこの状況を投げ出したくなるが委員長としての責任感、そして昨日のレナとの話があった為少なくともミナズキのことは投げられない。

「あの、ミナズキさん」

「・・・なに?」

どよーんとした雰囲気が出始めているミナズキにエマは苦笑いを浮かべるがそれでも話す。

「とりあえずアグリア旧道の方から行こうと思います。えっと、その・・・練武場の事はその間に考えましょう」

「・・・・ありがとう」

エマの気遣いに気づいたミナズキは素直にお礼を言うと自分の方を軽く叩いて3人に向き合う。

「・・・とりあえず行こうか、アグリア旧道」

「はい、行きましょう」

「ああ」

「ん、そだね」

アグリア旧道への道を歩き出すミナズキとその後に続く3人、マキアスとユーシスにも声をかけて一行はアグリア旧道へ向かった。

 

 

 

アグリア旧道─── 。

「これかな?」

「言われた特徴と一致しますね持ち帰りましょう」

黄土石、という名前の通り黄土色の綺麗な石を拾うフィーとそれを確認し袋に入れるエマ、ガイウスとミナズキも協力して黄土石を採取していた。

「たぶん、これだな」

「みたいだ、袋に入れよう」

よく似た物もあるがミナズキとガイウスは何とか見分けて袋に入れる。

 

その頃─── 。

「ふん!・・・はぁ!」

「喰らえ!・・・これでどうだ!」

ユーシスとマキアスは魔獣に対して攻撃を仕掛けていた。

セピス集めのためにとお願いしたのだが途中からどちらがより多くのセピスを集められるかを競い始めていた。

 

「これだけあれば足りるよね?」

「多分な」

お互いに袋の中身を見せあってフィーとミナズキは頷き合う。

エマもガイウスもそれを見て同じように頷いていた。

「お2人とも、こちらは集まりましたのでそろそろ戻りましょう」

まだ競っているユーシスとマキアスにエマが声をかけるが、2人とも勝負に夢中なのか全く聞こえていないようだ。

「えっと・・・」

困っているエマにミナズキが声をかける。

「手荒くても良いなら止めてくる」

「え・・・じゃあお願いします」

このままでは埒があかないと思ったのだろう、エマが了承するとミナズキは2人の方へ歩いて言う。

「おい、2人とも止まれ」

しかしそれでも2人は止まらない、それは予想していたミナズキが太刀に手を掛けながら一言─── 。

 

「早く来ないとその両腕切り落とすぞ」

ピタリ、と2人の動きが止まりミナズキの方へ顔を向ける。

「3・・・2・・・1・・・」

カウントをしながら太刀を抜くミナズキを見て2人は素早くミナズキの前まで来る、そして─── 。

「っ!?」

「なぁ!?」

2人が丁度ミナズキの前に来たその瞬間、ミナズキは2人の肩の間に太刀を振り下ろしていた。

「俺は良いが3人に迷惑かけるなバカ2人」

恐らく入学以来初めて見るミナズキの殺気混じりの顔に2人は何度も頷いていた。

 

「なんというか、助かりましたね」

「やり方としてはあまり良いとは言えないが・・・」

「便利、だね」

やり取りを見ていたエマたちも胸を撫で下ろしながら合流した後一行はパルムへと戻り、依頼人のロジーに材料を渡すのだった。

 

 

 

「お願いします、ミナズキさん」

「俺たちもサポートする」

「まあ、任せて」

「・・・わかった、行こうか。練武場」

元締め宅を出た後、エマたちの全力の説得を聞きミナズキは渋々ながら重い腰を上げて練武場へ向かう。

練武場の扉を開けるとワクワク顔のウォルトンが出迎えた。

「来てくれましたね!さぁやりましょう!」

彼の言葉に3人剣士がワクワク顔で集まってくる。

 

「そういえば誰がいきましょう?」

エマが声を上げる。誰、とはミナズキ、フィー、ガイウスを覗いたメンバーで誰が4人目で出るかというものだった。

 

剣士と言うならばユーシスなのだろう、しかしウォルトンたちが別に近接武器じゃなくても良い、と言ってしまった為マキアスが対抗してしまったのだ。

「相手が剣術ならこちらも剣術で行くのが筋というものだろうが・・・!」

「相手が近接武器じゃなくても良いと言っているという事は1人くらい遠距離武器が欲しいということだ!」

ユーシスとマキアスは人目もはばからず掴み合いを始める。

困った顔のエマやガイウスを見てミナズキが動こうとしたその時だった─── 。

 

 

 

「じゃあその4人目とやら、アタイがやろうじゃないか!」

練武場の扉が開き外からゆうに2アージュ(m)より高い身長の褐色の女性が顔を覗かせる。

 

右手には普段ラウラが使っている大剣よりもやや大振りな巨剣、左手には1.8アージュはある長方形のごつい盾を持った彼女はズカズカと練武場へ入ってくる。

「ど、どなたでしょうか?」

驚きながら聞くエマに彼女はニカッと笑い答える。

「アタイの名はアメリエラ!旅する剣闘士さ!」

色々と大き過ぎる彼女に皆唖然とするばかりだった。

 




ご拝読ありがとうございました。
原作と違うルートに進むって普通に難しいですね。
次話もよろしくお願いいたします。

今更なのですが、ミナズキとレナ、それにマローラのプロフィールってあった方が良いでしょうか?

  • あった方が良い
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