英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
ガチガチの戦闘回です。


21.vs大森林の主

 

「meeeee!!」

雄叫びを上げながら魔獣がその大槌のような尾を横薙ぎに振り出す。

1番近くにいたマキアスは伏せて躱し、遠くにいたエマ、ユーシス、ガイウスは後ろに下がって距離を取ることが出来た。

しかし中途半端な位置にいたミナズキとフィーには1番危険であろう尾の先端が迫っていた。

「あぶな・・・!?」

「ぐぅ・・・!?」

右肩を掠めるだけで済んだフィーは体制を整えるが、ミナズキは直撃してしまいそのまま横に吹っ飛ばされた。

 

「ミナズキ!?この!」

マキアスが発砲するもその巨体にはほとんど意味が無いのか怯むどころか身じろぎすらせず、吹っ飛ばし損ねたフィーに顔を向けそのまま巨体を弾ませ突っ込んで行く。

「エマ!ミナズキを頼む!」

「はい!」

ガイウスはエマにミナズキの救援を頼むとフィーの援護のために自身も槍を構えて魔獣に向かって行く。

 

「ミナズキさんしっかりして下さい!」

「・・・多少痛いな」

エマの言葉にミナズキはムクリと身体を起こす、攻撃が当たる瞬間に防御は取ったし受け身も取った。

それでもダメージはあるようで頭から少しだけ出血していた。

「今アーツを使って治療しますね!」

エマがARCUSを駆動させ回復アーツのティアを発動するとミナズキの頭から流れていた血が消え出血も治まる。

「助かった、先に行くね」

「は、はい。私も援護します!」

魔獣の方を見るとフィー、ガイウス、ユーシス、マキアスがそれぞれのクラフトで攻撃を仕掛けている。

 

しかし魔獣はそれでも鬱陶しいくらいの反応しかしない。なんせあの巨体だ、ほとんどダメージなんて通らないだろう。

 

「クリアランス!」

「ゲイルスティング!」

「クイックスラスト!」

「ブレイクショット!」

「meeeeeeee!!」

クラフトの攻撃があまりに鬱陶しかったのか魔獣は雄叫びをあげ、今度は自身の後ろ脚を軸にハンマー投げの要領で回転し始めた。

 

「なぁ!?」

「あ、ありえん・・・」

マキアスが慌てて頭を伏せ、ユーシスが魔物のあまりの動きに唖然とする。

 

回転は徐々に速度を増し始め、とうとう手がつけられなくなるほどの大回転になる。それはさながら小規模の竜巻のようだ。

 

「なんて威圧感だ・・・」

「危険、かも」

ガイウスも動きを止め、フィーはあまりの暴風に飛ばされないように踏ん張っていた。

 

そして回転が少し遅くなった、そう感じた瞬間だった。

グォン───。

 

「は?」

誰が声を上げたのか、しかしそれどころではない。

先程まで回転していた魔獣が消えた、いや消えたわけではない。

飛んだ、いや跳んだのだ。あの巨体でざっと15アージュ(m)は跳んだのだ。

 

「退避!」

ミナズキの声を張り上げる、呆然としていた皆が気を取り戻す。全員が急いで後ろに下がる。そして─── 。

ドゴォォォォォン!

その巨体の落下に相応しい轟音が大森林に響く。

同時に上がる土煙が皆の視界を遮る。

 

「meeeeeeee!!」

してやったりと言うかのように魔獣は雄叫びをあげ、皆を見下ろす。

 

「どうする、花は摘むことは出来たし逃げるか?」

「だが、もし追いかけられでもしたら最悪パルム付近に来ないか!?」

ミナズキの提案をマキアスが反論する。

それはわかっている、だが状況的には歯が立たないのも事実。だとすれば───。

「ここで撃退する他ないか・・・」

手段がないわけではない、1つだけある。

「戦術リンクか・・・!」

「あぁ、全力でこいつを撃退する!」

ガイウスの声にミナズキは頷く、旧校舎でのガーゴイルとの戦いでも起きたアレをやるしかない。

 

「マキアス!エマ!後方から援護を!」

「わかった!」

「はい!」

「ガイウスとユーシスは中距離から遊撃!」

「ああ!」

「任せるが良い!」

「フィー!俺たちは前衛だ、撹乱しつつ奴を叩く!」

「ラジャ」

全員の役割を決め再度魔獣と向き合う。

相手はほぼ健在、対してこちらは疲弊に疲弊を重ね土埃にまみれてボロボロ、見てくれだけなら勝ち目は無さそうだ、だが不思議と恐怖は無かった。

 

「meeeeeeee!!」

生意気だと言わんばかりに魔獣は突進を仕掛けてくる。対してⅦ組は散開し的を絞らせないように動く、その間にエマはクラフトのディフェクターを発動し魔獣の解析を始め、マキアスが魔獣の軸足を狙い射撃する。

 

1度突進を止め、マキアスの方へ顔を向けた魔獣、しかし今度は尾の方から鋭い痛みが襲う。

「meeee!?」

魔獣が尾を見るとそこにはガンソードを突き刺しそのまま発砲するフィー、太刀を抜き尾を切りつけているミナズキの姿があった。

魔獣は咄嗟に尾を上にあげ2人を潰さんと振り下ろす。

しかし2人は尾が上がった時にはさっさと逃げ出していた。

何処へいった?と辺りを見回す魔獣の目に今度はガイウスのクラフトゲイルスティングが突き刺さる。

「veeeeee!?」

魔獣はあまりの痛みに堪らず悲鳴のような雄叫びをあげ、後ろに下がるが、今度は脚が激痛に襲われる。

 

「クイックスラスト!」

ユーシスの一撃がマキアスによって付けられた脚の傷を容赦なく抉った。エマもアーツの1つソウルブラーで援護射撃をし、マキアスも魔獣の意識を逸らすために魔獣の角や目を狙った射撃を行う。

「meeeeeeee!」

魔獣は邪魔なユーシスを踏み潰そうと左脚を上げるがそこにガイウスが上げていない右脚にゲイルスティングで軸をズラす。

ズシィン!という大きな音をあげ、魔獣は横倒れになる。

次の瞬間、魔獣の視界は煙に包まれた。

フィーのクラフト、Fグレネードによる目くらましだ。

痛みに悶えている間にゆっくりと煙は晴れて行く。

そして、魔獣が身体を起こした時目の前には誰もいない。

「上だ!」

その声に魔獣は上空を見上げると目の前には上段に構えたミナズキの姿があった。

 

「頼んだミナズキ!」

「お願いしますミナズキさん!」

「ああ!」

ガイウスとエマの声に答えるように声をあげ、ミナズキは魔獣の角に炎を纏った太刀を振り下ろす。

「惨ノ型、業炎撃!」

「veeeeee!?」

その一撃が魔獣の角をへし折る、あまりの痛みに魔獣は初めて仰け反り後ろへ下がる。

 

「・・・・・」

「meee・・・」

両者動かずに睨み合うが、魔獣は諦めるかのように後ろを向き、大森林の奥へ帰っていった。

 

 

かくしてB班は大森林の主を撃退したのだった。




ご拝読ありがとうございました。
何とか書けました。
次話もよろしくお願いいたします。

今更なのですが、ミナズキとレナ、それにマローラのプロフィールってあった方が良いでしょうか?

  • あった方が良い
  • 無くても良い
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