英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
お気に入りが気づけば40を超えていました。
更新の時間は不安定ですが、これからもよろしくお願いいたします。


31.自由行動日、それから

 

マーテル公園─── 。

 

「結構回ったな」

「そうだね、久方ぶりに羽を伸ばせた気がするよ」

ミナズキとレナは公園のベンチに腰かけ屋台で買ったアイスを食べていた。

6月が近いこともあり、暑さも増してきたこの季節には丁度よく帝都内を歩き回った2人には持ってこいの品だった。

「ミナズキ、それはなんて味だい?」

「チョコミントだ、意外といける」

「そうなのかい?・・・1口貰っても良いかな?」

「ん・・・」

ミナズキの食べてるアイスが気になったレナが訊ねると、ミナズキはレナの前に自分のアイスが入ったカップを差し出す。

レナは自分の使っているスプーンでアイスを掬い口に含む。

「ふむ?不思議ではあるが確かに美味しいかも?妙に後に引くような感じだねぇ」

味の感想を言ったレナはそのまま自分のカップをミナズキに差し出す。

「私のストロベリーの方も食べてみるかい?」

「じゃあ1口・・・」

そう言ってミナズキも自分のスプーンでアイスを掬い口に含む。

「・・・少し甘酸っぱいな」

「ほのかな酸味もあってさっぱりするだろ?」

「うん、美味いと思う」

 

その後のんびりと公園の景色と共にアイスを2人で楽しむのだった。

 

 

「うーん良いわねー♪まさに青春って感じだわ」

「アリサ!落ち着いて!サラ教官もニコニコしてないで手伝ってください!」

「もがー!もがー!(間接キスくらいしなさいよー!)」

一方尾行3人組はアリサがもどかしさのあまり完全に過激派カプ厨のようになってしまっておりそれをエリオットが全力で止めていた。

気ぶりアリサ爆誕の瞬間である。

 

そんなことなど露知らずミナズキとレナは公園内にあるクリスタルガーデンに入っていく。

「ふむ、私の地元ではなかなか見ない植物だねぇ」

「全体的に暖かい場所だな」

休日ということもあり中には結構人がおり、2人で行動するには少し手狭に感じた。

「ミナズキ、人が多いが平気かね?」

「まぁ、多いには多いが別に大丈夫だ」

「そうか、ならば・・・」

レナはミナズキの制服の袖を軽く掴み、ミナズキの後ろに付いた。

「これなら逸れることも無いだろ?エスコートを頼むよミナズキ」

「エスコートというのはよく分からないが・・・歩けば良いのか?」

そうして2人はクリスタルガーデンの中をゆっくり歩く、普段見ることの無い彩やかな花たちとそこに差し込む陽の光がもたらす光景は正しくクリスタルガーデンという名に相応しい美しさがあった。

 

 

「いやー良いわね、手を繋ぐ訳じゃなくてあくまで袖なのが良いわよね」

「私としてはもう一歩欲しいです・・・!」

「あ、アリサ落ち着いて」

一方尾行組はアリサが先程よりは落ち着きを取り戻しサラと共に評論じみた感想を言い合っていた。

 

 

その後もミナズキとレナは帝都を練り歩いた。

ヴァンクール通りで買い物をしたり、サンクト地区にある大聖堂で次の実習の無事を祈ったりと色々な地区を楽しんでいた。

 

夕方─── 。

「いやー、楽しんだねぇ。前来た時は調査目的だったからここまで観光したのは初めてだ」

「・・・・楽しめたか?」

「ああ、勿論だとも」

「そうか・・・良かった」

楽しめたと言うレナの言葉を聞き安堵した様子のミナズキ、それを見てレナは訊ねる。

 

「そう言えば今日はなんで私と帝都を回ったんだい?せっかくの自由行動日なんだ、他にもやれること、やりたいことはあるだろう」

何の気なしに聞いたレナの言葉にミナズキは少し考える素振りをし、やがて答える。

「恩返し、という感じだな」

「恩返し?」

ミナズキの回答にレナは頭を捻る、何かミナズキにしてあげたかを考え、思い当たる節がほとんど無く余計に頭を捻る。そんなレナにミナズキは助け舟をだす。

「ほら、俺が実習から帰ってきた時」

「ん?ん〜?」

それでも全く答えの出てこないレナにミナズキは答えを教えることにした。

「俺が眠ったまま帰ってきて目覚めるまで看病してくれてたんだろ?エマから聞いたよ」

「あ・・・」

ミナズキの言葉にレナも思い出した、1ヶ月近く前の事だったからレナ本人も忘れていたがミナズキが眠ったまま帰ってきた時1番驚いたのは恐らくはレナだろう、悔しそうにしていたエマやフィー、ガイウスの話を聞いてみれば最悪町が無くなりかねない事件が起こり、その元凶とミナズキが1対1で戦ったという事だった。

他のB班のメンバーがダウンしてしまう中1人でサラが来るまでの間戦い抜いたが故の重症だった。

 

それを知ったレナの動きは早かった、ベアトリクス教官のもとへ寝ている者の看病の仕方を聞きに行き、それをすぐさま実行した。

結果としてミナズキが目覚めるまでほとんどの時間をミナズキの看病に費やしていた。

「俺が目覚めた後もすぐには動けないからってキッシュ作ってくれたりしたからな・・・感謝している」

「ふふ、君は律儀だね」

ミナズキの言い分にレナは呆れるように、困ったように笑う。

自分が目的達成のためだけに選んだ青年はこちらが思っているよりもずっとこちらを見てくれているようだ。

「はっはー!協力者を助けるのは当たり前のことさ!」

だからいつもの様にわざとらしくレナは笑った。

まるで自分の顔が熱く、紅くなっているのは夕焼けのせいだと、そう口外に言い訳をするかのように。

「・・・ふふ」

そんなレナをミナズキは少し笑い、トリスタに戻るために駅へと向かう。

「ほら、戻るぞ。トリスタに」

「あ、ちょっと待っておくれよー」

さっきまでの雰囲気をゆっくりと消しながら元の騒がしい2人組へと戻っていく。

2人はあくまでも協力関係、まるでそう言い聞かせるように家路に付くのだった。

 




ご拝読ありがとうございました。
次は実技テストの予定です。
次話もよろしくお願いいたします。
感想や質問も受け付けていますのでもしあればよろしくお願いいたします。

今更なのですが、ミナズキとレナ、それにマローラのプロフィールってあった方が良いでしょうか?

  • あった方が良い
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