英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
すみません、色々あって昨日は投稿が出来ませんでした。



34.奉仕活動開始

 

「ふぅ・・・たらふく食べたわ。ミナズキ、あんた料理の才能があるんじゃない?」

「そんなものどうでもいい」

満腹になり満足気なサラに言われたミナズキは素っ気なく返す。

そんなミナズキにサラは呆れながらもどこから取り出したのか分からない封筒を手渡した。

 

「ほら、これが君の今日からの課題、もとい依頼よ」

「どれどれ・・・ん?」

 

《必須》

・森の異変(依頼主ヴァンダイク学院長)

トリスタ近郊にある森に近頃不可解な話が出ておる。

詳しくは学院長室で話そう。

 

《任意》

・届け間違えられた本(依頼主マローラ)

図書館に寄贈された本があるのですがリストに無いものが紛れていました、恐らく届け先を間違えたのでしょう。手伝って貰えますか?私は図書館にいますので。

 

・導力バイクのテスト(依頼主ジョルジュ)

実は新しい乗り物を作ってるんだけど、出来れば色んな人の意見が欲しいんだ、手伝ってくれるかい?

気が向いたら技術部に来てくれると嬉しい。

 

・薬草の調達(依頼主ロジーヌ)

実は教会で作っている薬の材料が残り少なくなってきてまして、何が必要かはわかっているのでお手伝いお願いします。私は教会か学院内にいますから。

 

 

「意外と多いな・・・ん?」

リストを軽く読みながらミナズキが呟いていると明らかに1枚他の依頼書と違う材質の紙が入っていた。

 

《絶対、必ず、例え嫌でも受けて》

・勝負しましょ?(依頼主フリーデル)

最近また勝負に対する欲求が溜まってきたわ、練武場にいるから必ず来るように。

 

「ふん!」

ミナズキはフリーデルからの依頼書をぐしゃぐしゃに丸めゴミ箱へ突っ込んだ。

「ちょ、ミナズキ!?どうしたの?」

「見れば解る」

そう言ってミナズキは寮から出て行く。

サラはゴミ箱に入った依頼書を確認し、あーこれはダメね、と声を漏らした。

 

 

「まずは任意の依頼からだな・・・」

学院に向かいながらミナズキは呟く、しかし1つだけ問題があった。

「今日は普通に授業ある日だよな・・・」

トールズ士官学院は日曜日の自由行動日以外は基本的に授業がある、その為依頼主たちも今は授業を受けているはずだ。

任意の依頼をこなしたいとは思ったが無理と判断したミナズキは学院長室に向かった。

 

 

学院長室─── 。

「良く来てくれた、ミナズキよ」

「話すのは初めてですね、学院長」

歓迎してくれた学院長にミナズキは軽く挨拶をして話を始めた。

 

なんでも最近トリスタの近くにある集落、その付近の森で不可解な出来事が発生したそうだ。

夜な夜な狼の遠吠えに始まり、森の奥で木が妙に軋むような音、昼の間でもいきなりカラスの大群が飛び立っていたりなど不吉な事ばかり起きていた。

集落の者たちも不安になり5人の若者が調査をしたそうだが森全体が妙な薄暗さや不気味さがあり、若者たちは森を軽く廻るとすぐに帰ろうとした。

 

しかしその時だった。

若者たちの周りにあった木がいきなり不自然に軋むような音を鳴らし始めた。

恐怖が限界に達した若者たちは全力で逃げたが途中木の根っこがまるで生き物のように1人の若者の足に絡み付き転ばせた。

若者は助けを求めたが逃げることに夢中になっていた他の者は気付けず、結果4人だけ集落に戻った。

未だに最後の1人は森から帰ってきていないそうだ、他の4人も何故か塞ぎ込み部屋から出てこなくなってしまった。

 

「学院長、この案件って他に軍人とかに回せたりしなかったんですか?」

明らかに1個人に依頼するような内容では無い。そう感じたミナズキは学院長に訊ねると学院長は苦々しい顔で答える。

「最初は集落の者たちも軍を頼ろうとしたらしい、じゃが森に入らなければ問題は無い。と判断されたそうじゃ、遊撃士に頼もうにも帝国には今遊撃士はほとんど居ない、いても地方で細々とやっているくらいじゃな」

「なるほど、結果的に自分に依頼が来た訳ですか」

「療養中の君に頼むのは心苦しいが、聞いては貰えんか?」

申し訳なさそうにお願いしてくる学院長を見てミナズキは悩む、もしこれがただの魔獣退治ならなんの問題も無い、むしろ肩慣らしになるくらいなのだがあまりにも状況が不可解過ぎる。

「自分1人じゃ無理ですね、確実に」

「そうか・・・」

ミナズキの断るような言葉に学院長は肩を落とす。

「・・・だから何人かこの手のことに協力して貰えそうな人を探します。心当たりのある生徒がいますからそいつを自由に動かしても良いですか?」

「生徒?誰なんじゃ?」

ミナズキの言葉に学院長が聞いてくる。この時ミナズキの頭の中には1人の生徒が思い浮かんでいた、思い浮かんだ、というより話を聞くうちに自然と浮かんでいた。

「ベリルです。あいつなら何か知ってても可笑しくはない」

 

 

 

「ウフフ・・・トリスタの近くの集落の件で私に協力して欲しいのね」

学院長室に呼ばれたベリルはなんの説明もしていないのにいきなり呼ばれた理由を当て始めた。

「こんな感じにとんでもないくらい勘や占い、観ることに関しては当たるんです」

「な、なるほど。解ったとりあえず彼女に今日は協力して貰ってくれ」

ミナズキの説明に学院長は納得し許可を出してくれた、かくしてミナズキとベリルは件の森のある集落へ向かった。

 

 

トリスタ付近の集落───。

「ここか・・・」

「ウフフ・・・確かに『なにか』がいるわね」

集落についたミナズキの感想としては『暗い』だった。

まだ時間は朝の9時過ぎ陽も登っているはずなのに集落全体が暗い雰囲気に包まれていた。

「・・・なんか見られてないか?」

「ウフフ・・・それはそうよ、私たちは部外者なんだもの」

集落の住人たちの視線を受けつつ2人は森へと足を踏み入れた。

 

 

「どうだベリル、何か分かりそうか?」

「まだね・・・もう少し奥なのかしら」

森の奥に入った2人、しかし今のところは薄暗い森が広がるだけだった。

 

「やっぱり大まかな場所くらいは聞くべきだったか?」

「ウフフ・・・貴方そういうの得意じゃないでしょ?」

思ったよりも苦戦しているミナズキの言葉にベリルが釘を刺す、ミナズキは顔をしかめたがすぐに足を止めベリルを制した。

 

「あら?ミナズキどうかしたのかし「静かに、なにか来る」・・・・・」

質問しようとするベリルをさらに制しミナズキは何時でも太刀を抜けるように柄に手をかける。

 

「Aooooooooon!!」

草むらの中から出てきたのは狼だった、その狼はミナズキたちを確認すると大きく空を仰ぎ遠吠えする。

すると更に4匹の狼がミナズキたちの前に姿を現す。

 

「大丈夫かしら?」

「大丈夫、これくらいなら何とでもなる」

4匹の狼はミナズキに向かって全員で飛びかかってくる、その攻撃に合わせるようにミナズキは太刀を抜いた。

「伍ノ型・・・残月!」

ミナズキが放った一太刀、それだけで狼4匹を真っ2つにしてしまった。

「ウフフ・・・流石ね、ミナズキ・・・ミナズキ?」

感心したベリルだったがミナズキが攻撃後に自身の腕を眺めているため気になって話しかける。

「どうかしたのかしら?」

「いや、なんというか・・・前よりスムーズに出来てたような気がした・・・どういうことだ?」

以前よりも攻撃にキレが増したことに首を傾げるミナズキ、かなりの間休んでいたからブランクを覚悟していたが実際は真逆の状態だった。

 

「まあ、良いか。さて・・・おいベリル、あれ・・・いや、あの人・・・」

「人?何言ってるのミナズキ、ここには私たち以外人なんて・・・」

腕を眺めるのを止めて、上を見たミナズキはその光景に思わず言葉を詰まらせ指を差し何とかしてベリルに伝えようとする。ベリルもミナズキの言葉に首を傾げ上を見上げるとそこには─── 。

 

巨大な木の中腹辺りで身体の至る所から根が飛び出し、まるでモズのはやにえのような状態になっている人間の姿があった。

最期の時まで恐怖と痛みに苦しんだのか、その顔は絶望に歪んでいた。

 

 

「森の奥、木が軋むような音、はやにえのような殺し方・・・」

ベリルが1人でぽつりぽつりと呟き、情報を整理していく。そして整理が終わった瞬間ベリルはミナズキの腕を掴み走り出した。

「ちょ、ベリル!?」

「走りなさいミナズキ!急いで、速く!」

普段の態度からは想像もつかないほど必死な表情のベリルに驚くもののミナズキはベリルと一緒に一目散にその場を後にした。

 

波乱の奉仕活動が幕を開けた。

 




ご拝読ありがとうございます。
原作には無い部分なのでかなり詰まりながら書いております。
次話もよろしくお願いいたします。

今更なのですが、ミナズキとレナ、それにマローラのプロフィールってあった方が良いでしょうか?

  • あった方が良い
  • 無くても良い
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