英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
オリジナルで書くとやっぱり難しいと感じます。


35.やるべき事

 

「はぁ.・・・はぁ・・・」

「大丈夫かベリル?」

森を抜け、ミナズキは方で息をしているベリルに大丈夫か確かめる。普段運動をあまりしないのか膝に片手をつきながらもう片方の手でハンカチを使い汗を拭くベリルはまだ息が整わないようでしばらく無言だった。

「ごめんなさいね、普段ここまで運動することが無いものだから・・・」

「確かにベリルが運動出来るイメージは無いな」

「呪うわよ・・・?」

「ごめんなさい」

ベリルの言葉に対してミナズキがからかうとまさかの呪う発言が出てきたため早々にミナズキも謝る。

 

少しするとベリルは気を取り直して話を始める。

「色々ヒントはあったけど最後の遺体を見て確信が出たわ、あれは森の精霊の仕業ね」

「森の精霊?聞いたことが無いな・・・」

「それはそうよ、普通は出てくる事がない存在ですもの」

「・・・なんでそんなこと知っているんだ?」

「ウフフ・・・まあなんでも良いじゃない」

核心からは少し話をそらしてベリルは続ける。

 

「分かっていることは貴方1人じゃ戦力不足ということよ、戦える人が必要なの」

「ベリルは戦えないのか?」

「私はあくまでも非戦闘要員よ」

ミナズキの質問をさらりと流すとベリルは歩き出し、ミナズキもそれに続いた。

 

12:00トールズ士官学院、学院長室─── 。

「そうか、森の精霊・・・という存在が・・・」

「はい、少なくとも俺1人では対応不可能です。」

ですから、とミナズキは学院長に頭を下げて頼み込む。

「トールズで戦える人を数名探しています、決行日は明日の昼。味方の募集期間は今日の夕方までです。自分はこれから他の依頼をこなしますので学院長に声明を出していただきたいです」

「そうか、分かった。わしが学院内に声明を出そう、じゃが君自身も心当たりのある生徒に声を掛けてくれ」

 

学院長の協力を取り付けミナズキは部屋を出る、とりあえずベリルには1度戻ってもらった。

 

「さて、夕方までに終わらせる必要があるな・・・」

任意の依頼書を見ながらミナズキは考え込む、とりあえず1番わかりやすい依頼からこなすべきかとマローラからの依頼書に手を付けた。

 

 

図書館─── 。

「来てくれましたか、ミナズキ。ところで・・・」

図書館に着いてマローラに話しかけると彼女は1つの方向を指差す、そこには掲示板があり真新しいプリントが貼ってある。

「厄介事に巻き込まれたみたいですね」

「なるほど、学院長はプリントを用意してくれたのか・・・」

ミナズキはプリントへ近寄り内容を確認した。

 

《急募》

トリスタ付近の集落の森で強力な魔物が発見された。

腕に自信のある者は本日夕方5時に学院長室に集まること、詳しくはそこで話すものとする。

注意:命の危険があるためそのことを考えた上で来ること。

「つまり、ミナズキとベリルさんが行った森で手に負えない相手が出てきたと・・・」

「あぁ、今一緒に戦って貰えそうな人を集めてる最中なんだ。まあ、それでも依頼はあるからこうして来たんだ」

「そうでしたか、お疲れ様です。では話しますね・・・と言ってもまずはこちらの4冊を見てください」

そうしてマローラはミナズキに4冊の本を見せる、どうやらこの本たちは本来図書館ではなく各教官に届く予定だったそうだが手違いで全ての本が図書館に届けられたそうだ。

「えっと、《よく分かる近代美術》、《月間ルーレ特別号》、《新改訂版・帝国の歴史の新しい解釈》、《よく分かる翡翠の都バリアハート》・・・えっと、なんだこれは・・・」

「まあ、その反応は分かります。私も驚きましたから」

4冊の表紙を読んだミナズキがジトっとした目でマローラを見るとマローラも首を横に振る。

「美術の本は恐らくメアリー教官でしょう。あの人は熱心な方です、自分の授業で使う参考用の資料として買った物と思います。次にこの月刊誌、恐らくはマカロフ教官ですね。正直なことを言うとあの人がこういう本を授業に活かすとは思えませんが。次にこの歴史の本はトマス教官ですね、何も言うことはありません。最後のこれにいたっては観光用の本です。どう見ても私用です、あと買った人は絶対にサラ教官です。言っておきますがこの本の購入費学園のお金なんですよ、ふざけているんでしょうか」

「わかった、とりあえず止まってくれマローラ」

 

普段は何に対しても懇切丁寧なマローラが最後の方ではほぼ愚痴だけになって来たためミナズキは止める。しかし彼女の言い分はごもっともであり、メアリー教官はともかく他の3人はどう見ても自分の趣味としか言いようがない。特にサラにいたっては特別実習にかこつけて観光しようとしているようにしか見えないのだ。

「ふう・・・すみません、取り乱しました」

「いや、まあ、仕方ないと思う」

マローラが謝罪してくるがミナズキは複雑な顔で返す、なんなら自分のクラスの教官が1番彼女にダメージを与えている気がしてむしろこっちの方が謝りたくなっていた。

「とりあえずこの4冊を届ければ良いんだな?」

「そうですね、お願いします・・・いや、やっぱり私も行きます」

何故かいきなり同行を申し出てきたマローラにミナズキは首を傾げる、そんなミナズキを放っておきながら何故かマローラは懐から導力銃を取り出していた。

「何故かは分かりませんが、すごく嫌な予感がしたもので」

そう言ってマローラは何度か銃を構える動作をし納得がいったのかミナズキの横に立つ。

「行きましょうミナズキ、何かあったらお守りします」

自身のメガネをクイッと上げ、マローラは微笑みながらそう言ったのだった。

 

 

 

一方その頃バリアハートでは─── 。

「あっはははは!」

「レナさん!?どうしたんですか急に笑ったりして」

急に笑いだしたレナに慌ててエマが声をかける。

何があったのか、と言うと現在A班がいるのはバリアハートの《ターナー宝飾店》であり、依頼主のブルックからドリアード・ティアと呼ばれる宝石に似た石の調達を依頼され、そしてA班はそれを届けた。

だがそこでゴルティ伯爵という貴族がブルックから強制的に買い取ってしまっていたらしく、あろうことかその場で噛み砕き飲み込んでしまった。

 

その後ゴルティ伯爵は自分より立場が上のユーシスがいる事を確認すると自身の正当性を話した上で逃げるように店から出ていった。

せっかく採取したドリアード・ティアを食べられたA班と半ば強制的に金を渡され取引させられたブルックが重い空気になっている中でレナは腹を抱えて笑いだしたのだ。

「な、何が可笑しいんだ!」

激昴するマキアス、だがレナはまだ笑いが収まらないようで未だに顔が笑っていた。

「貴様・・・!」

ユーシスが怒りながらレナに迫るとレナはようやく笑いが収まってきたのか話し出す。

「いやはや、すまない。別に君たちやブルックさんを笑ったわけじゃないのさ!それにしてもあの貴族・・・ぷふふ」

弁明をしながらも笑いが抑えきれないのか口を手で覆うレナ、そんな彼女を見てその場にいる全員が首を傾げる。

「ふー・・・・まあ、まずは急に笑ったことを謝罪しよう。だが先程も言ったように私が笑ったのはあの貴族に対してだよ」

「ど、どういうことだ?」

レナの言い分にマキアスが困惑しながらも問うとレナは指を3本立てて話し出す。

「まず1つ、ドリアード・ティアにはあのバカ貴族が言うような永遠の命といった効能は無いよ、そもそもドリアード・ティアは言ってしまえば樹液が固まった物だからねぇ、精々甘いくらいかな?こんな知識もう10年以上前から分かりきっていると言うのに無知とは愚かな物だよ」

「な、なるほど・・・」

いきなり饒舌になったレナの話にマキアスが引きつつも頷き、レナも続ける。

「次にあのバカ貴族の末路だ・・・まあ、これは見た方が早いだろうねぇ」

そう言うとレナは店の扉を開けて外へ出る、皆も連られて外に出ると先程のゴルティ伯爵が腹を抱えて呻いておりお付きのメイドも慌てている。

「あ、あれは・・・?」

「とりあえず店に入り直そう、ここで言ったら最悪聞かれるからねぇ」

そう言って皆で店に入り直すとレナは先程の話を続けた。

「私も近くで目を凝らしてようやく見えたんだがねぇ、ブルックさんに渡したドリアード・ティア・・・あれには実は虫が入ってたんだよ。その虫が厄介な虫でねぇ、ある薬に使われるんだが分かるかい?」

レナの急な問に皆で考えるがあまり答えらしいものは出てこない。

「正解は下剤だ、あの虫は見た目こそ小さいがその実強力でねぇ、粉にした後に更に希釈しないと怒られる程のものなんだ」

「つまりあの貴族が呻いていたのって・・・」

エマが代表して聞くとレナは頷きながら続けた。

「まあ、トイレに間に合わなければ貴族の威厳どころか人としての尊厳が消し飛ぶだろうねぇ」

愉快そうに笑うレナを見て何となくさっきの貴族が気の毒に思えてきたがそれでも気の晴れないブルックが聞く。

「で、では3つ目はいったい・・・」

不安そうな顔で聞くブルック、他の皆もそこは気になるのかレナを見る。

「まあ、なんだ・・・実はここにもう1つあるんだよ。ドリアード・ティアがね・・・」

レナが懐から先程の物より少し小ぶりなドリアード・ティアを取り出しそのままブルックに無理やり押し付けた。

「え!?良いんですか?」

「ほらほら、さっさと受け取ってくれたまえ。本当は研究に使えるか試す予定だったんだ。私の気が変わらない内に、ほら!」

そう言ってレナはブルックにドリアード・ティアを渡すとサッと離れた。

お礼を言ってくるブルックに笑いかけるレナにユーシスが言った。

「礼を言う、おかげで気が晴れた。だが・・・」

「そういうことはもっと早めに言って欲しい」

ユーシスの言葉にフィーが乗っかるように続ける。それに対してはみんな思うところがあったのか頷く。

「はっはー!すまないねぇ!」

またもや何時ものように笑うレナに皆は呆れながら笑い返すのだった。

 




ご拝読ありがとうございました。
前回のアンケートでレナの方も見たいに票を入れてくれた方もいるので私自身が原作をプレイした時にモヤモヤが残った部分を使いました。
次話もよろしくお願いいたします。

今更なのですが、ミナズキとレナ、それにマローラのプロフィールってあった方が良いでしょうか?

  • あった方が良い
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