遅くなりましたがなんとか書き上がりました。
「やあミナズキ君、入学式の日以来かな?」
「そうなりますねたしか・・・ジョルジュ先輩」
技術部に着いたミナズキは黄色いツナギを着ている先輩ジョルジュに話を聞く。
するとジョルジュはミナズキを技術部の部室前にあるビニールシートの前まで案内した。
「依頼書に書いてあったと思うけどこれが導力バイクだよ」
そう言ってジョルジュはビニールシートをめくり取る、しかし中にあったのは金属の骨組みだけでバイクとやらはどこにも無かった。
「あれ?」
「ジョルジュ先輩、何も無いように見えるんだが・・・これは一体・・・いや、よく見たら骨組みに紙が貼ってある」
「ほんとだ・・・なになに・・・」
''ジョルジュへ
多分この紙を見て驚いているじゃないかな?
悪いんだけどこいつで走りたくなってしまったんだ。
ミナズキ君も来るまでに時間がかかっているようだしね。
では楽しんでくるとするよ。アンゼリカ''
「この依頼は・・・流石に出来そうにないな・・・」
「アーーーンーーー!?」
苦笑いを浮かべながら依頼が完了不可能だと断じるミナズキ、ジョルジュは折角のテストが無くなってしまった事に愕然とし、バイクを持って行ってしまったアンゼリカの愛称を大声で叫んだ。
その後、明日も午前中なら何とかなると言うことで依頼の遂行は明日に先延ばしとなった、ジョルジュはお詫びとして秘蔵のお菓子をミナズキにくれるのだった。
「さて・・・後は時間まで待って学園長室に・・・なんだ、学院前が騒がしいような・・・」
技術部を出たミナズキは軽く伸びをしていると学院前が騒がしい事に気付く、この日は別になにか特別なことがある訳では無いので気になったミナズキは学院前へと向かった。
「おぉ、マッハ号よ!どうしたというのだ!」
「なんかすごく暴れてませんか!?」
ミナズキが学院前に行くとそこには暴れるマッハ号とそれをなんとか宥めようとしているランベルトとポーラがいた。
「どうかしたんですか?」
「おぉ!ミナズキ君ではないか!少し待っていてくれたまえ!」
そう言うもののマッハ号は未だに落ち着く様子が無い、見かねたミナズキも協力して3人がかりでなんとかマッハ号を落ち着かせるとランベルトは安心したようにため息をついた。
「何故だ、マッハ号よ・・・」
「えっと、なんでこんなことに?」
落ち込むランベルトにミナズキが質問をすると代わりにポーラが答える。
「実は街道を馬で走って近くに集落を見つけたんだけど、その後からいきなりマッハ号が暴れるようになったのよ。私の乗ってた馬はまだ後ろの方にいたから少し驚く程度だったんだけど・・・」
「集落、集落って言ったか!?」
ポーラの説明を聞き集落という言葉に強めに反応し問いただすように近づくミナズキにポーラは圧倒されながら答える。
「え、えぇ。あの集落の近くには森があって馬たちもリラックス出来るからって・・・」
「森に入ったのか!?」
「い、いいえ入ってないわ。集落に近づいただけでマッハ号が暴れだしたんだもの」
ポーラの答えにミナズキも安堵したように肩を落とす、その様子にランベルトが反応した。
「ミナズキ君、その集落の森で何か起きているのかね?」
「ランベルト先輩、貼り紙を見ていないのか?校内放送も流れたんだけど」
「すまない、馬の世話に夢中で聞いていなかった」
「そうか・・・とりあえず馬たちを厩舎に戻してから教えるよ」
そうしてそのまま3人で馬たちを厩舎へと戻すためにグラウンドへ向かうのだった。
士官学院、1階掲示板前─── 。
「ほら、これだよ。さっき言ってた校内放送の内容」
馬たちを厩舎に戻し、そのまま校舎内の掲示板の前で何があったかをミナズキはランベルトとポーラに話す。
「なるほど、つまりあの集落の横にある森で事件が起こっていたと・・・」
「私たちが行こうとしてた森でそんなことが・・・」
「これでさっきの反応にも納得が行っただろ?今あの森に入ることは危険だ、死んでもおかしくは無かった」
ランベルト、ポーラの反応にミナズキは言葉を返す。ポーラは唖然としていたがランベルトは黙り込むとその場で震え始めた。
「ランベルト先輩?」
「つまり・・・我が愛馬を怯えさせた原因があの森にある、そういうことだな・・・?」
「あ、あぁそういうことになるね・・・」
震えながら聞いてくるランベルトにミナズキはそう答えるとランベルトは顔を上げる、その表情は怒りに燃えていた。
「許せん!我が馬術部の愛馬たちを怯えさせるとは!このランベルトが叩き斬ってくれる!ミナズキ君、私も同行しよう!このランベルト、必ず役に立ってみせよう!」
「あ、うん。とりあえず午後5時に学園長室に来てくれると助かる」
怒り燃えるランベルトに気圧されながらもとりあえず約束を取り付けたミナズキはその場から離れた。
校舎裏─── 。
「ランベルト先輩、流石にちょっと暑苦しかったな・・・ん?あれは・・・」
ランベルトがあまりにも暑苦しかったため、ミナズキは逃げるように校舎裏に向かうとそこには困った様子のエーデルの姿があった。
「エーデル先輩、困ってるみたいだけど何かあった・・・んでしょうか?」
「え?あ、ミナズキ君ですね。実はなんだか畑のお野菜さんたちが元気が無くて・・・」
ミナズキが声をかけるとエーデルは困ったように笑いながら畑に目を向ける、ミナズキもつられるように畑を見ると確かに一部の野菜が心なしか萎れているように見えた。
「なんだか・・・萎れているような・・・」
「そうなんです、今朝まではこんなこと無かったのに」
「なにか変なことでもあり「森の精霊の影響ね」ベリルか?脅かすのはやめて欲しいんだが・・・」
いつの間にかミナズキとエーデルの後ろに立っていたベリルが話しかけてきた。
「ウフフ・・・ごめんなさい、でも話は本当よ。この畑やトリスタに流れている川はあの森は上流になっている、なにかあるとすればあの森は無関係じゃない」
「そういえば掲示板でそんなこと書いてましたね」
ベリルの話を聞きエーデルは納得したように頷く、そしてエーデルは時計を見るとそのまま歩き出す。
「エーデル先輩?どうしたんですか?」
「私も同行します、どうにかしないとお野菜さんたちが枯れてしまいますから」
「いやしかし「行きます」えっと「行きます」だから話を聞いて「行きます、ね?」はい・・・」
いつものように微笑みながらも滲み出るような怒りを隠しきれていないエーデルにミナズキは了承するしかなかった。
学園長室─── 。
「午後5時・・・これで全員ですね」
時間を確認しながらミナズキが言う、目の前には今回の件で動いてくれる生徒たちの姿があった。
「皆よく来てくれた、今から明日に向けての打ち合わせを始めたい」
集まったメンバーはフリーデル、ロギンス、エーデル、ランベルト、マローラ、そして─── 。
「ジョルジュに言われてね、謝罪ついでに今回の件手伝わせて貰うよ。ジョルジュも当日はバックアップしてくれるから使ってやってくれたまえ」
バイクを持って行ってしまったアンゼリカも加わった。
「意外だ、マローラが来るとは」
「フリーデル先輩に誘われました、私個人としても友人が危険な目に遭うのを見てるだけのつもりはありませんから」
ミナズキの言葉にメガネを直しながらマローラは言う、実際押され気味とはいえフリーデル相手に時間を稼げるだけの戦闘力はあるため戦力としては十分だった。
「ウフフ・・・では作戦会議を始めましょうか」
学園長室に幾つか椅子を用意し今回の事件に詳しいベリルが話を仕切る。
こうして森の精霊討伐の会議が始まった。
ご拝読ありがとうございました。
次回は会議内容、行けたら当日になります。
次話もよろしくお願いいたします。
今更なのですが、ミナズキとレナ、それにマローラのプロフィールってあった方が良いでしょうか?
-
あった方が良い
-
無くても良い