英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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おかしい、予定よりずっと話が上手く進まないです。


2.ワケありのクラス

「───────最後に君たちに1つの言葉を贈らせてもらおう」

壇上で話すのはこの学院の長であるヴァンダイク学院長である彼の言葉は講堂内にどっしりと響いていた。

 

「『若者よ世の礎たれ』''世''という言葉をどう捉えるのか、何を持って''礎''たる資格を持つのか、これからの2年間で自分なりに考え切磋琢磨する手がかりにして欲しい─── ワシの方からは以上である」

最後ににっこりと笑う学園長に講堂内に拍手が響き渡る。学園長の言葉にはそれだけの説得力と威厳があった。

 

「(さて、随分と難しい話だ・・・)」

ミナズキも心の中で先程の''世の礎''という言葉を自分なりに噛み砕く、近代では卒業後に軍人以外にも色んな道に進む者が多いと学園長のスピーチにもあった。

軍人としてだけならまだ道が狭く感じた分ミナズキにも結論も出しやすかったかもしれないがそれ以外もあると言われるとどうしても自身の考えが纏まらないものだ。

 

「以上でトールズ士官学院、第215回入学式を終了します。この後は入学案内書に従い指定されたクラスへ移動すること、そこで学院のカリキュラムや規則の説明を行います。以上、解散」

「(入学案内書にそんなの書いてないはずだが・・・)」

 

ミナズキは心の中でつぶやく、彼の元に送られた物にはそんなことは記載されていなかった。てっきりこの場で教えて貰えるものだと思っていた。

そんな風に考えているミナズキをよそに緑色の制服を着ている平民生徒、白を基調とした制服を着た貴族生徒はどんどん講堂から出ていき残ったのはミナズキと同じように赤い制服を着た生徒だけだった。

 

「はいはーい、赤い制服を着た生徒達は注目」

声のする方にミナズキ達が目を向けるとそこにはラフな格好をした女性教官が立っていた。

「どうすれば良いか戸惑ってるみたいね、実はちょっと事情があってねー。君たちにはこれから『特別オリエンテーリング』に参加してもらいます。」

 

「え?」

「特別オリエンテーリング?」

「ふむ?」

緑髪の男子、長い金髪の女子、青い髪の女子が声をあげるが教官は続ける。

「まあすぐ判るわ、それじゃ全員あたしに付いてきて」

そう言って教官は外に向かって歩き始めてしまった。

 

「え、えっと・・・」

「取り敢えず行くしかなさそうだ」

「やれやれだな」

真面目そうなメガネの女子、長身の男子、金髪の男子の言葉に続くように赤い制服の生徒たちは教官について行く。

 

そしてついていった先には古い建物があった。

「~~~♪」

鼻歌を歌いながら建物の扉の鍵を開けていく教官を見ながら生徒たちは思い思いに言葉を述べる。

「士官学院の裏手、随分と古い建物だな・・・」

「こんな所でなにを」

「くっ・・・ワケが分からないぞ?」

「まあ、考えても仕方あるまい」

各々が愚痴を零しているが何を言っても意味が無いのも事実なので教官の後を追うように建物へ入っていった。

 

「─── サラ・バレスタイン、今日から君たち《Ⅶ組》の担任を務めさせてもらうわ」

壇上へ登った教官、サラはそう言ってウインクをしていた。しかし生徒側としては驚きがあった。

「な、《Ⅶ組》!?」

緑髪の男子が声を上げる。

しかし彼の驚きは当然とも言えた。

何故ならば士官学院のクラスは全部で5組しかない。

それもⅠ組Ⅱ組は貴族生徒、Ⅲ~Ⅴ組は平民生徒と別れている。はっきり言って初耳なのだ。

真面目そうなメガネの女子がそれを訊ねる。

「流石首席入学、よく調べてるじゃない。でもそれは去年までの話、実は今年から新たにもう1つのクラスが立ち上げられたのよね〜・・・つまり君たち『身分に関係無く選ばれた』特科クラス《Ⅶ組》が」

「冗談じゃない!そんなこと聞いてませんよ!」

「えっと確か君は・・・」

「マキアス・レーグニッツです!それよりもサラ教官!自分はとても納得しかねます!まさか貴族風情と一緒のクラスでやっていけと言うんですか!?」

緑髪の男子、マキアスが声を荒らげていく、サラも少し宥めるがそれでもヒートアップする一方だった。

そんな時だった。

「フン・・・」

「君、なにか文句でもあるのか?」

金髪の男子がマキアスを嗤うように鼻を鳴らした。

「別に。平民風情が騒がしいと思っただけだ」

「これはこれは・・・どうやら大貴族のご子息が紛れ込んでいたようだな。さぞ名のある家柄とお見受けするが?」

臨戦態勢のマキアスに金髪の男子が向き直して言う。

「ユーシス・アルバレア。貴族風情の名前ごとき、別に覚えて貰わなくても構わんが」

長身の男子、銀髪の女子、そしてミナズキを除いた面々が様々な反応を示す。

それも無理はない。

アルバレア家、広い帝国における四大名門と呼ばれる貴族の中でも特に力を持つ4つの家のうちの1つだ。

おまけにアルバレア家はその中でも1、2を争うほどの名家だった。

 

「そ、それがどうした!僕は絶対に─── 」

「はいはいそこまで、言いたい事はあるかもしれないけど後にしてね」

それでも対抗しようとするマキアスをサラが制した。

 

「それじゃあ、静かになったしそろそろ「はっはー!」またぁ?」

気を取り直して進めようとしたサラを今度は今朝の茶髪の女子が止める。

全員が彼女に目を向けた。

「おや、注目を浴びたかい?これは失敬、でもねようやく考えがまとまったよサラ教官」

「えっと、なに?」

さっきとは打って変わって騒がしくなり始めた彼女にサラはげんなりした顔で続きを促す。

 

「まず何故こんな少数の生徒が他とは違う赤い制服なのか、これはこの《Ⅶ組》の証であり目印だ、これによって今朝の校門で2人の先輩も我々を識別出来たんだろう」

「それは・・・そうね、特科クラスだから分かりやすくしてるのもあるわ」

相槌を打つサラ。

「次にこのオリエンテーリングだ、本来なら野外などで行うことだが、恐らく今回はこの建物の中で行う。もっと言えば今朝荷物を預かった事と強く関係しているね?」

「よく分かったわね、確かにその通りよ」

なかなかね、と相槌を打つサラに彼女は続ける。

「これで最後なんだが、その前に1つサラ教官にお願いがあるんだ」

「お願い?何かしら?」

「その場で床を踏み鳴らしていただけるかな?」

床を?と他の面々が首を傾げているとサラは少し笑いながら靴で床をカツンと鳴らす。

すると彼女は笑った。

「はは!やっぱりだ!これではっきりした!それと同時に今から何が起こるのかも分かった!では教官最後の質問だよ」

「あら、何かしら?」

サラは少し笑いながら促す。

他の面々は床を見ているため分からなかったがサラは少しだけ後ろに移動していた。

「サラ教官、『何故こちら側の床だけ下に空洞があるような音がするんだい?』」

「それじゃ、頑張ってねー♪」

答えの代わりにサラは柱に付いているスイッチを押す。

すると生徒たちの足元の床がガクンと勢い良く傾いた。

 

驚きながらみんな床を滑り落ちて行く、唯一銀髪の女子だけはワイヤーで助かりかけたがサラによって落とされるのであった。




ご拝読ありがとうございました。
もう少しで主人公が動かせそうです。
次話もよろしくお願いいたします。

もうすぐ原作で言うところの自由行動日になります。ミナズキの過ごし方を幾つか考えていますが、どれが良いでしょうか?

  • リィン達と旧校舎の調査(原作に沿う形)
  • レナに誘われ帝都へ(帝都で情報集め)
  • 単独行動(他クラスの生徒とやり取り多数)
  • 図書館へ(オリキャラに会いにいく)
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