英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

6 / 108
続きです。
ご拝読ありがとうございます。
誤字、感想なども良ければよろしくお願いいたします。


3.特別オリエンテーリングとは

「・・・なにこの状況」

ミナズキの視線には頬に見事な紅葉模様をつけた黒髪の男子とおそらく彼に思い切りビンタをかましたであろう金髪の女子が居た。

床が傾いた時、他の面々よりも少し離れていたミナズキはその分落下後も少し離れた所に着地していた。

受け身はとったが身体に異常がないか確認していた所にパァンという渇いた音が聞こえたので見てみたらこれだ。

 

興味を失ったミナズキは自分たちが落ちてきた空間に目をやる、そこには人数分の台座とその上に荷物が置かれており、よく見るとミナズキの預けた荷物も置いてある。

『piriri・・・piriri』

「この音は・・・」

台座に向かおうとしたミナズキ、そして後ろにいた面々から同じ音が聞こえた。

 

音の発生源を探すとそれは入学案内と共に送られてきた携帯型の導力機だった。

 

『それは特注の《戦術オーブメント》よ』

「この機械から?」

「つ、通信機能を内蔵しているのか・・・?」

長身の男子、マキアスの驚いた声に応えるように機械から聴こえるサラの声は続ける。

『そう、それはエスプタイン財団とラインフォルト社が共同で開発した次世代の戦術オーブメントの1つ─── 第5世代戦術オーブメントARCUS(アークス)よ』

「戦術オーブメント・・・魔法(アーツ)が使えるという特別な導力器のことですね」

『そう、結晶回路(クォーツ)をセットすることで魔法(アーツ)が使えるようになるわ─── というわけで各自受け取りなさい』

 

真面目そうなメガネの女子の言葉への肯定と共に部屋に灯りが灯る、ミナズキ以外も自分たちの荷物があることに気づいたようだった。

 

『君たちから預かっていた武具と特別なクォーツを用意したわ、それぞれ確認した上でクォーツをARCUSにセットしなさい』

サラに促された11人は戸惑いながらも各々の武具の元へと歩いていく。

 

ミナズキもクォーツをセットしている、何分初めてのことだが扱いにくさはあまり感じなかった。

5世代も研究すればそういった点も改良、簡略化されているのか思ったよりもすんなり出来た。

そして他の面々もセットが終わると─── 。

 

「・・・え?」

「ふむ?なるほど・・・」

ミナズキの持っているARCUSと胸元が一瞬だけ光る、隣の台座の茶髪の女子も何かに合点がいったようで反応を示していた。

『君たち自身とARCUAが共鳴・同期した証拠よ、これでめでたく魔法(アーツ)が使用可能になったわ。他にも面白い機能が隠されてるんだけど─── まあ、そこは追追ってところね─── それじゃさっそく始めるとしますか』

サラの声とともに部屋の扉が開いた。

『そこから先はダンジョン区画になってるわ、割と広めで入り組んでいるから少し迷うかもしれないけど無事終点まで辿りつければ旧校舎1階に戻って来れるわ。・・・ま、ちょっとした魔獣なんかも徘徊してるんだけどね 』

少しイタズラっぽい声とともにサラは言う。

「それではこれより士官学院・特科クラス《Ⅶ組》の特別オリエンテーリングを開始する、各自ダンジョン区画を抜けて旧校舎1階に戻ってくること、文句があったらその後に受け付けてあげるわ・・・なんだったらご褒美にほっぺにチューをしてあげるわよ❤」

そうして通信は切れた。

ちなみに─── 。

「(・・・いらんわそんなもん)」

ミナズキも静かにキレた。

 

 

取り敢えず全員で扉の前で集まる。

しかし空気は妙に重いものだった。

 

「えっと・・・」

「・・・どうやら冗談という訳ではなさそうね」

赤毛の男子、金髪の女子がそう呟く。

「フン・・・」

「ま、待ちたまえ!いきなり何処へ・・・1人で勝手に行くつもりか?」

今度は1人で出口に向かうユーシスをマキアスが止める。

「馴れ合うつもりは無い、それとも貴族風情と連れ立って歩きたいのか?」

「ぐっ・・・」

しかしそんなマキアスにユーシスは冷淡に返す。

「まあ、魔獣が怖いのなら同行を認めなくもないがな、武を尊ぶ帝国貴族としてそれなりに剣は使えるつもりだ。貴族の義務(ノブレス・オブリージュ)として力無き民草を保護してやろう」

淡々と述べるユーシスにマキアスは激昴した。

「だ、誰が貴族ごときの助けなんか借りるか!もういい!だったら先に行くまでだ!旧態依然とした貴族より上であることを証明してやる!」

そうしてマキアスとユーシスは1人で行ってしまった。

 

「・・・」

2人を見送った後、ミナズキもまた扉へ向かいだす。

「ちょっと!?貴方も1人で行くつもり?」

金髪の女子に止められたがミナズキは特に反応しなかった。大所帯で動くのはあまり好きではない、それにこの状況になんとなく居心地の悪さを感じたのだ。

 

「な、なんなのよあれ!」

トコトコと歩いていってしまったミナズキに金髪の女子は不満げに声を上げた。

「ふむ、よし決めた。彼には私がついて行くとしよう」

するといきなり茶髪の女子が提案する。

「え、でも」

「いやいやいや、大丈夫だとも!これでも自衛は出来るからねぇ!任せたまえよ!」

そんな彼女に金髪の女子は意見を言おうとするがそれも遮られそのまま茶髪の女子は走り出した。

「不思議が私を呼んでいるぅぅー!」

ダダダと走る彼女からそんな声が聞こえその場にいた面々はじとっとした目で彼女の後ろ姿を見る。

「あれ絶対興味を抑えられなかっただけですよね?」

真面目そうなメガネの女子の言葉にみんな頷くばかりだった。




進みませんでした。
オリヒロの名前すら出ないなんて・・・。

ご拝読ありがとうございました。
次話もよろしくお願いいたします。

もうすぐ原作で言うところの自由行動日になります。ミナズキの過ごし方を幾つか考えていますが、どれが良いでしょうか?

  • リィン達と旧校舎の調査(原作に沿う形)
  • レナに誘われ帝都へ(帝都で情報集め)
  • 単独行動(他クラスの生徒とやり取り多数)
  • 図書館へ(オリキャラに会いにいく)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。