英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
最近忙しすぎてあんまり書けていません。

なんとか続けるのでよろしくお願いいたします。


60.老馬は恋のキューピット?

 

現在ミナズキたちはラカンから午後の依頼の入った封筒を渡されていた。

今テントの中にいるのはⅦ組とラカンだけだ。

リリたちは交易所にとあることを訊ねに行った。

実は昼餉の後リリたちにどら焼きの作り方を教えて欲しいと言われたミナズキは少しだけ困った顔をした。

『手間がかかるしそもそも小豆ってノルドに流通するのか?』

ミナズキのこの言葉にリリたちはショックを受けファトマも少し残念そうにしていたがリリたち手を引かれ一緒に交易所へとついて行ったのだった。

 

「えっと、じゃあ見てみようか」

気を取り直すようにリィンが封筒を開け中にある用紙を確認する。

 

・カメラマンの保護【必須】

依頼人:イブン長老

集落に滞在しているカメラマン・ノートン殿が1人で高原北部に出てしまったようだ。

どうか彼を保護してきて欲しい。

詳しいことは直接聞きに来てくれ。

 

・迷える羊の捜索【任意】

依頼人:ワタリ

柵が壊れ、羊が数匹逃げ出してしまったようだ。

出来れば捜索を手伝って欲しい。

詳しくは放牧場のワタリまで。

 

・子供たちへの特別授業【任意】

依頼人:ジェダ婆様

子供たちの見聞を深める為に簡単な授業を行ってやって欲しい、外にいるから良ければ話を聞きに来ておくれ。

 

 

「なるほどな、とりあえず出来ることから・・・」

「あー・・・それなんだが、1つ良いかね?」

リィンは確認した3つの依頼を見比べていると不意にレナがそれを遮った、何事かと皆が視線をレナに向けるとレナが時計を見せながら言う。

「皆気付いているかどうか分からないが、実は結構時間が押しているのだよ。まったりと過ごし、身体を休められたのは良いが、無理に全部やろうとしては文字通り日が暮れてしまうかもしれないねぇ・・・」

苦笑いするレナに言われて皆一様に時間を確認した、確かに前回、前々回よりも時間は1時間近く押していた。

ただでさえ広いノルド高原、時計も確認する機会が減っていた為皆時間の流れに気づかなかったのだ。

 

「じゃあ、どちらかの任意の依頼が出来ないってこと?」

残念そうにアリサが言葉をこぼす、その反応に先程の和やかな雰囲気が収まり少し静かになった。そんな様子にレナが慌てて言い直す。

「いやいやいや、別に私は依頼を諦めろなんて言ってないじゃないか!幸いこちらは6人いるのだから1つの依頼に全員で行く必要も無いだろう?」

「なるほど、分業か・・・」

ユーシスの言葉に説明していたレナはそうだとも、と大きく頷き、皆も同じように頷きあった。

確かに無理に全員で依頼をこなす必要は無い、子供たちへの特別授業ならメインで喋るのは1人だろうし必要だとしても補助であと1人か2人といったところだろう。

そうして皆で納得するとグループを分けることにした。

結果として───

 

授業グループ

リィン

アリサ

ユーシス

 

羊捜索グループ

ガイウス

レナ

ミナズキ

 

と言った具合に別れた。

 

「これなら良いね、四大名門の貴族に平民とはいえ大企業の令嬢のアリサ、それに貴族ではあるけど領民との距離が近いリィン、正しくベストチョイスと言えるだろう!」

レナが胸を張って頷く、これなら身分や暮らしの違いで色んな質問に答えられる3人だ。口も達者だし子供の相手も上手い。

 

「じゃあこの振り分けで依頼をこなしていくか、羊の捜索は任せた」

「そちらは子供たちのこと、よろしく頼む」

リィンにガイウスが頷き両グループは別れる、ミナズキたちはワタリのいる放牧場へと向かった。

 

「あぁ、来てくれたのか」

「ワタリさん、その柵は・・・」

「あぁ、いつの間にかボキッといっちまってな・・・5匹くらい逃げちまったみたいなんだ確か南部に3匹、北部に2匹だったかな・・・」

「なるほど、では探してみるか」

ワタリの話を聞いた3人は早速集落を出ようとした、のだが・・・。

ヒヒーン!と大きな馬の鳴き声が聞こえた。

「げっ・・・この鳴き声は・・・」

ミナズキの元に老馬が突っ込んで来た、そしてミナズキの目の前で止まるとじっとミナズキを見つめてくる。

「も、もしかしてまた乗れってか・・・?」

「あ、あはは・・・ミナズキだいぶ好かれてるねぇ」

「どうやらこの老馬はミナズキを気に入ったようだな」

後退るミナズキにレナが苦笑いしガイウスが腕を組んで笑う、しかし笑われているミナズキとしては正直シャレにならない。

そんなミナズキを他所に老馬はゆっくりミナズキに近づくとまるで『はよ乗れ』と言わんばかりに軽く頭突きを繰り出してきていた。

「いて、いてて・・・わかったわかった!乗るから頭突き止めろ!」

こうしてミナズキは老馬に半ば強制的に乗ることになった。

 

 

高原南部───

「だぁぁぁぁ!頼むからもうちょっとゆっくり走ってくれぇぇぇぇ!」

「あれ、何とかならないものかねぇ・・・」

「すまないがあれはどうしようもないと思うぞ」

結局ミナズキは老馬に振り回され、レナとガイウスは少し後ろから追いかける。

「おや?向こうに見えるあのシルエットは羊じゃないかね?」

「ふむ、確かにあれは羊だな・・・ミナズキ!聞こえるか?」

途中羊らしきものを見つけたレナとガイウスはミナズキに声をかけるがやはりというか老馬は全く止まる気配が無い。

「先に行っててくれぇぇぇぇ!」

「・・・ダメそうだな・・・」

「とりあえず我々は羊をなんとかしようじゃないか・・・」

ミナズキを乗せた老馬は止まることなくゼンダー門へと走り抜けて行く、ガイウスとレナはミナズキを諦めとりあえず迷子になった羊の方に向かうのだった。

 

ゼンダー門───

 

「あの馬、絶対わざとだろ・・・」

またもや門の目の前で急ブレーキをかけられぶっ飛ばされたミナズキは1度落ち着くために施設内に入っていた。

 

「確かこっちに補給が出来る施設が・・・」

入口から入り分かれ道を右に進むと食堂が見えた、とりあえずミナズキはそこに入ると部屋中に客用の席とカウンターがあった。

「あ、あの・・・」

「ん?」

キョロキョロと食堂内を見渡すミナズキに1人の少女の声が聞こえた、ミナズキが視線を落とすとそこにはモジモジした女の子がおり上目遣いでミナズキを見ていた。

「昨日から集落に来ている士官学院の人、ですよね?」

「あ、あぁそうだが・・・なにかあったのか?」

「えっと、私はその・・・「許さん!父さんは許さんぞシャルぅぅぅ!!!!」あ、えっと・・・」

女の子、もといシャルの言葉を遮るようにカウンターに立つ男性が声を上げる。シャルの父親であるマルクス、その表情は鬼気迫るものがあり目も少しキマッてしまっていた。

 

「えっと、結局用件はなんなんだ?」

「実は集落のトーマに今度「やめろぉ!やめると言ってくれシャルぅぅぅ!!」は、恥ずかしいからお父さんやめて・・・」

シャルが話す度にマルクスが妙に遮るためミナズキは少しずつだがイライラし始めていた。

「・・・んで、その用件とは?」

少しこめかみに青筋が立ち始めながらもミナズキは出来る限り穏やかに訊ねる、しかしシャルが要件を話そうとする度にマルクスが全力で遮ってくる。しまいにはカウンターを乗り越え話を聞こうとするミナズキの肩を掴み始めていた。

「やめろ!シャルの用件を聞いてくれるな士官学生!いくらノルドの民と懇意にしているとはいえ、うちのシャルをあの小僧にくれてやる気は無いぞぉぉ!!」

ついにミナズキの肩を揺すり始めたマルクスに色々と限界が来始めていたミナズキはそれでもシャルの方に顔を向け聞く。

「・・・つまり、集落にいるトーマになにかあるんだな?」

「は、はい。実は今度プレゼントを「うぉぉぉ!!!!シャルぅぅぅ!!」・・・」

なおも話を遮ろうとするマルクスの腕をミナズキは掴む。

そしてそのまま綺麗に左に180度回転し───

「やっかましいんだよ!!!!!!!!話進まねぇだろうが!!!!!!!!」

「グボァァァ!!!!????」

ミナズキの見事な背負い投げによりマルクスを地面に叩きつける、その後ピクピクと動きながら気絶したマルクスを他所にミナズキはシャルからトーマの好きな色を聞いて欲しい、というお願いを聞くのだった。

 




ご拝読ありがとうございました。
いつもより遅くなってしまいました。
なんとか時間を見つけて書いていく予定です。
次話もよろしくお願いいたします。

原作3章を終えた後の自由行動日の予定に少し迷います。なのでアンケートを取らせていただきますよ。

  • そろそろリィンに合流してあげて・・・
  • レナ「さて、お出かけだー!」
  • マローラ「図書館にご用でしょうか?」
  • ミナズキ「たまには1人で帝都行くか」
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