英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
投稿には関係は無いですが実は今日からまた違う仕事に着きました。



63.グエンお爺さんを訪ねて

 

「本当に、もう・・・なんでなのよ・・・」

「アリサはさっきからずっとあの調子だな」

「それだけなにか思うところがあるのだろう」

馬に乗りながらもブツブツと今度は自身の祖父に対して愚痴をこぼし始めているアリサを見てリィンは心配そうに、ユーシスは自分の家庭環境と少し重ねる部分があるのかなんとも言えない表情でそれを眺めていた。

現在Ⅶ組はラクリマ湖畔へと馬を走らせていた、ミナズキは先程の羊の捜索とは違い老馬が暴走しないでいてくれる為景色を少しだけ眺める余裕があった。

「よく見ると遠くに大きな滝や崖があるな、やっぱりデカイなノルド高原」

「ミナズキもそう思うかい?私としてはこの高原で思いっきり寝転がってみたいものだねぇ」

「それは・・・確かに惹かれるものがあるな・・・」

レナの言葉にミナズキは頭の中で想像を巡らせる、広大な大地と青い空だけが視界に映り心地よい風が吹く中でゆったりと過ごす、なんとも素晴らしい余暇と言えた。

「そう言えばミナズキ、その馬はもう暴走しないのかい?」

「ん?あぁ、導力車の事故の時以来大人しくなったぞ」

レナに聞かれミナズキは改めて自身が乗っている老馬に目をやる、先程のような荒々しい走りもせず今は驚くほど落ち着いている。まるでさっきのことが嘘のようだった。

「なんというか、多分なにか事故とか困っている人がいれば思い切り走るのかな・・・まるで遊撃士(ブレイザー)だな、お前」

そんなミナズキの呟きが聞こえたのかガイウスが笑った。

「なんだガイウス、なんか変だったか?」

「いや、別に変という訳では無い。ただ偶然とはあるものだと思っただけだ」

「偶然?」

「ミナズキ、その老馬の名前はブレイザーなんだ。子馬の頃から集落で困った人がいれば他の者に知らせる為に走ることが多くてな、オレも赤ん坊の頃のシーダやリリが泣いていたらよくその馬に強引に引っ張られたものだ」

感慨深そうに言うガイウスの言葉を聞きミナズキは老馬、ブレイザーの事を軽く撫でる、ブレイザーは特に応じることは無いがそれだけ人助けに慣れているのか妙に堂々としていた。

 

 

「それにしてもミナズキの口から遊撃士ってワードが出るなんて少し意外だねぇ、昔なにか関わりでも持ったのかい?」

「・・・あぁ、昔ちょっとな。かなり大所帯の野盗を襲撃する時に一緒に戦ったことがあるってだけだ」

「だけって・・・それ結構重要な情報な気がするんだが・・・ちなみに友人だったりするのかい?」

「あぁ、まるで姉のように俺に対して軽く説教をして来てな、やれ自分を大切にするべきだの、腹に入ればなんでも良いわけじゃ無いからちゃんと料理をしろだの少しうるさかった」

「おや?私はてっきり料理はユン老師から教わったとばかり思っていたが・・・」

「ジジイは食べる専門だ、その遊撃士が色々うるさく言ってきて、挙句の果てに鍋とか包丁を押し付けられたから料理を勉強しただけだ」

「・・・ほぼ独学であれって・・・君やっぱり料理の才能あるよねぇ」

「やかましい」

ニヤニヤと笑ってくるレナにミナズキは不満げな顔で悪態をつくき景色に目を向けると丁度視界に先程の巨像、そして更にその先に道が見えた。

「ガイウス、あの道の先には何があるんだ?」

「あの道は石切場に続く道だ、今は使われていないからオレもほとんど知らないな」

「石切場・・・そんなものがあるのか・・・」

ガイウスにも知らないことがあるのかと、ミナズキとレナはリィンたちの後ろを馬で駆けるその後少しするとラクリマ湖畔への入口が見えたのだった。

 

 

ラクリマ湖畔───

「良い所だ・・・」

「本当だねぇ、湖が日の光を浴びてキラキラと光っていて空気も美味しい、恐らくアリサのお爺さんもこういう所に惹かれてここに住んでいるのだろう・・・」

ラクリマ湖畔に到着した一行はそこに広がる光景に目をまたもや奪われる、ノルド高原に来てからというもの景色には何度も心を奪われるような感覚を得てきたがこの場所の景色もまた良い。

移動中にレナが言っていた余暇を過ごすとしたら恐らくはこんな形なのだろう、アリサの祖父であるグエンお爺さんも良い所を見つけたものだとミナズキは感心してしまった。

「あそこだよな?」

「だろうな、さっそく訪ねるとしよう」

リィンがラクリマ湖畔に1軒だけ建っている家を指差しそこへ足を進めユーシスもまた歩き出す、他の面々もまたリィンたちに続いて歩いた。

 

「ごめんくださーい、いらっしゃいますか?」

「おぉ、開いとるぞ。遠慮なく入ってくるがいい」

リィンの呼び掛けに扉の向こうから声が返ってくる、するとアリサが表情をこわばらせた。

「やっぱり・・・」

「・・・失礼します」

アリサの呟きにリィンは少し気まずくなったものの入らなければ話は始まらないのでゆっくりと木製のドアを開いた。すると中にはパイプを吸っているお爺さん、もといアリサの祖父であるグエン・ラインフォルトの姿があった。

「ご隠居、ご無沙汰しています」

「おぉ、ガイウス。半年ぶりくらいじゃの・・・そしてアリサ、直接会うのは5年ぶりになるかな?」

「や、やっぱりお爺様だわ・・・で、でもなんでここにいらっしゃるんですか!」

ガイウスに挨拶を返し、微笑みながら自身の孫に挨拶してくるグエンにアリサはなんとも困惑した声で返すのだった。

 

 

 

「もう知っとると思うが改めて自己紹介といこうか、グエン・ラインフォルト、そちらのアリサの祖父にあたる。よろしく頼むぞい、トールズ士官学院Ⅶ組の諸君」

「は、初めましてリィン・シュヴァルツァーです」

「ユーシス・アルバレア、お初にお目にかかる」

「レナ・レトロノーツだ、よろしくお願いする」

「ミナズキ・バンシアです、どうも・・・」

笑顔で自己紹介をしてくるグエンに他の初対面だったⅦ組も挨拶を返し、一通り自己紹介を聞くとグエンは満足そうに頷き笑う。

「うむうむ、なかなかに見どころのありそうな若者たちじゃ。いやしかし、5年も経つと見違えるほどに成長したのー、背もそうじゃが出るところも立派に出て・・・うむうむ、本当にジジイ冥利に尽きるわい♥・・・まぁ、我が孫もそちらの娘さんには敵わないようじゃながな♥」

「お、お爺様!・・・ごめんなさいレナ」

グエンのスケベ発言にアリサがそれを宥めレナに対して謝るとレナは面白そうに笑った。

「なぁに構わないさ、それにスタイルには自信はあるからねぇ」

そう言ってレナは軽く胸を張る、事実レナはアリサよりも言ってしまえばデカい、エマと同じくらいだ。ただエマよりも能動的に動くからなのか、それとも自身の能力で電撃を身体に纏うこともあるからなのか足やお腹周りは妙に引き締まっており、総合的に見るとエマよりもスタイルが良い。

「だが残念だねぇご老人、私のコレらは籠絡させたい人物に使う予定なのだよ!」

そうグエンに笑いながら言ってレナは1人の方向をチラリと目だけで見る、グエンもその視線を追い1人の青年にたどり着いた。

「ほほぅ、なるほど彼もなかなか隅に置けんのぉ」

「ただねぇ、ここだけの話なんだがねご老人。もしかしたら私と似たような事を考えている娘、もといライバルが1人できるような、そんな気がするんだよねぇ」

「なんと!?いやはや、青春じゃのぉ♥」

コソコソと内緒話をするように話すレナ、それに対してニヤニヤと笑顔で話を聞くグエン、ちなみにその話の渦中にいるであろう青年はというと。

 

「・・・・」

色沙汰っぽい話が来てから興味を失ったのかすぐに物思いにふけ始めており、出されたお茶を飲みながら自分の世界に入っていた。

「・・・ミナズキ、もしかして話聞いてないのかしら?」

「多分物思いにふけてるな・・・」

「なんというか、タイミングの悪いやつだ・・・」

そんな物思いにふけている青年ミナズキをアリサ、リィン、ユーシスが呆れた顔で見つめる。

「・・・・ん?なんだ人をそんな目で見てきたりして?」

 

ノルドのお茶を飲みきり、視線に気づきキョトンとしたミナズキの姿に皆は深いため息をつくのだった。

 




ご拝読ありがとうございました。

実は今度ミナズキのプロフィールを少し編集しようと思っているのですが、皆様はなにか知りたいミナズキの身の回りの情報とかあったりするのでしょうか?
次話もよろしくお願いいたします。

原作3章を終えた後の自由行動日の予定に少し迷います。なのでアンケートを取らせていただきますよ。

  • そろそろリィンに合流してあげて・・・
  • レナ「さて、お出かけだー!」
  • マローラ「図書館にご用でしょうか?」
  • ミナズキ「たまには1人で帝都行くか」
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