英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ようやく2人が話す段階に持っていけました。
ご拝読ありがとうございます。


4.異色のコンビ

 

「いやぁ、しかしまた随分と広いダンジョンだねぇー。これは流石に迷ってしまうよー」

「だったらさっさと1人で他の人と合流すると良い、こちらも静かになって助かる」

「これは手厳しいねぇ」

茶髪の女子の話に適当に返しながらミナズキは一切歩を緩めず歩く、正直なところ少しだけ鬱陶しく思い始めていた。

 

「しかしこの建物は随分と古いねぇ、一体いつ、何故、どんな経緯で建てたのか・・・」

「興味無い」

「ふむ、では少しだけ君にとっても興味の出るような話をしてみよう」

先程よりも少しだけ真面目な雰囲気を感じさせた彼女にミナズキは思わず歩を止め、彼女の方に目をやる。

 

「やっとこちらを見てくれたね、では早速話そう。でもその前に─── 」

少しだけ服装を整え、メガネをクイッと直して彼女は続ける。

「自己紹介といこうか、レナ・レトロノーツだ。サザーラント州の南西の辺境、アルテマの出身さ」

 

アルテマ、四大名門の1つのハイアームズ家が治める旧都セントアークよりも更に南西にあり、アルテマから南下するだけですぐにリベール王国が見えてくるほどの辺境だ。

しかし、この街には様々な情報、例えば歴史、文学、経済学、音楽といった多彩な知識がまとめられており、著名な作詞家や作曲家、学者なども多く生まれている、言わば知識の秘境とも呼べる街だ。

ちなみに帝国内でも指折りの大きさの大図書館や様々な分野でのアンティーク品が有名。

 

「─── では君の名前を聞いても良いかな?」

訊ねてくる彼女にミナズキは答える。

「ミナズキ・バンシア、一応ノルティア州の出身だ」

「一応か・・・いやなに、聞かないでおこう。君の態度を見た感じ言いたくもなさそうだしねぇ」

では、と彼女、レナは話を切り出した。

 

「ミナズキ、私と手を組まないかね?」

「は?」

レナの提案に首を傾げるミナズキ、しかしレナは止まらない。

「いやなに、私には色々目的があってねぇ。この学院に入学したのもその為さ。そして─── 」

レナはミナズキに手を差し出し言った。

「恐らくこの目的を果たすには君と組むのが最善だと、そう感じたよ」

差し出された手を見ながらミナズキは言う。

「その最善と思った理由は?お前の目的っていうのはなんだ?」

「ふむ、やはり気になるかね?」

「当たり前だ、何も知らないまま利用されてたまるか」

「ふむ、それはそうだねぇ・・・」

少し悩むようにレナは唸りだす。

そして幾つかまとまったのか話し出した。

 

「まずは君を選んだ理由だ、クラスのメンバーを見ていたが君は他の者達とは距離を取っていた、恐らく君はあまり他者と関わりたがるタイプでは無いのだろう。次に動き方だ、君の所作は一般人のものではない。かといって兵士などの訓練で覚えたような動きでもない。1番似ているのは昔見かけた猟兵のものだが君はそれと比べても動きが妙に慣れていた─── 」

つまり、とレナは自信のある声色で言い切る。

「つまり君は教官を除いたあの中で1番荒事、言ってしまえば実戦慣れしている、ということだ」

「・・・」

彼女の言葉にミナズキは押し黙った。

彼女の饒舌さもそうだが何よりその観察ぶりに驚いた。

「それと、すまないが手を見せてくれたまえ」

そう言って半ば強引にミナズキの手を取り彼女は確認する。

「さっきチラッと見たがやはりだな、手に竹刀ダコがある。それも相当やり込んでいるねぇ」

「そんな所まで見てたのか」

「ああ、観てたのさ。これが君を選んだ理由だ、納得頂けたかな?」

ニヤリと笑うレナにミナズキは少しだけもの恐ろしさを感じたがそれでも話は続く。

 

「次に私の目的だ、まず結論から言おう。それは私の正体を知ることだ」

正体?と首を傾げるミナズキに対してレナは続ける。

「君はあまり興味が無いかもしれないがレトロノーツ家は帝国貴族、もっと言えば辺境伯の爵位をもった言わばエリートなんだが私は養女でねぇ、父のことも母のことも何も知らないのだよ、それが私にとってはかなり歯痒くてね、そんな時にある出来事があったのさ」

レナは懐から古めかしい時計を取り出した。

「それはなんだ、時計か?」

「そうとも、これが現状私の正体を知る唯一無二の物品でね。だが見てわかるだろう?」

「あぁ、随分と欠けている」

ミナズキの言う通りレナの取り出した懐中時計は4分の1程しかない、まるで綺麗に4つに割られてしまったようで、ミナズキが辛うじて時計とわかったのは文字盤が見えたからだ。

 

「これを初めて触った時頭の中に映像が流れ、声が聞こえたのさ・・・『探してくれ、レナ』ってねぇ」

時計を優しく撫でながらレナは言う。

「これが修復された時、私は初めて自分が何者かが分かる、これが私のこの学院に来た目的さ。もしかしたらアルテマに無い情報も探せるかもしれないからねぇ」

これで分かって貰えたかな?そう言いながらレナは改めて手を差し出した。

ミナズキは少し考えたあと口を開く。

「はっきり言って俺にはなんの目的も無い、学院長が言った''世の礎''という言葉にもピンと来ない、正直帝国の未来とやらにも興味は無い」

 

だが、だからこそだ。とミナズキはレナの手を取る。

「あくまで『暇つぶし』だ、それで良ければ組むよ」

「はっはー!そう来なくてはねぇ!」

こうしてあまりにも異色のコンビが誕生したのだ。

 




ご拝読ありがとうございました。
何とか出来ました。
次話もよろしくお願いいたします。

もうすぐ原作で言うところの自由行動日になります。ミナズキの過ごし方を幾つか考えていますが、どれが良いでしょうか?

  • リィン達と旧校舎の調査(原作に沿う形)
  • レナに誘われ帝都へ(帝都で情報集め)
  • 単独行動(他クラスの生徒とやり取り多数)
  • 図書館へ(オリキャラに会いにいく)
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