少しずつ緩急の急がのんびりですが戻ってきました。
「業炎撃!」
「ガーちゃんガード!」
ガキン!と音を立てながらミナズキの太刀とガーちゃんと呼ばれた傀儡のバリアが衝突する。
そのまま押し返されたミナズキは傀儡から距離を取り傀儡を操る少女を睨む、しかし当の少女は困惑気味に防御を固め続ける。
「もー!本当になんなのさー!ガーちゃん!ビーム!」
そう少女が指示をすると傀儡はその腕を広げ顔?と見られる部分から光線を放つ、ミナズキはギリギリの位置で躱すとそのまま少女に向かって走り出した。
「また来た!ガーちゃんガード!」
また太刀で攻撃してくると踏んだ少女は傀儡にバリアを展開させるがミナズキは走りながら太刀を納めた。
「え?その剣で攻撃してこないの?」
バリアを展開しながらもミナズキの様子に首を傾げる少女、しかしミナズキはそのまま少女に迫る。しかし先程のような素早い足運びは少しずつ重量を感じる足運びに変わっていく。
「え?え?なに、なんなの?」
「どうせ斬れないなら・・・殴り飛ばすだけだ!」
困惑する少女にそう言ってミナズキはドシドシと地面を踏み鳴らしながら拳を握りしめ構える、それは普段の彼が扱う八葉の無ノ型とも違う重々しいもので右腕からは赤い闘気が静かに光っている。
「秘技・・・超力招来・・・百歩神拳!」
ミナズキから何の変哲もなくただただ真っ直ぐに、しかし正確に放たれた拳が展開されたバリアに叩き込まれる。
「頑張れガーちゃん!」
「はぁぁぁぁ・・・!」
互いに力が互角なのか拮抗する、しかし少しずつだがバリアにヒビが入り始めそのヒビはどんどん大きく広がっていく。
「うそぉ!?」
「突き抜けろ!」
そして遂に抑えきれなくなったのかバリアが完全に砕け散るとそのまま傀儡にミナズキの拳が突き刺さり後ろに吹っ飛ばされる。傀儡はそのまま吹っ飛ぶと石柱の1つに勢いよくぶつかりようやく止まった。
「ガーちゃん!?今行く「動くな・・・」あ、あちゃあ」
傀儡に駆け寄ろうとした少女にミナズキは太刀を向ける、しかし傀儡が余程硬かったのか太刀を持っている右手の甲からは血が滴り落ちていた。
かくして謎の少女はミナズキによって捕縛されたのだった。
「で、この子があの白い傀儡に乗っていた人物だと」
「あぁ、気をつけろ。その傀儡思ったよりも厄介だぞ」
「もー!縄解いてよー!」
訊ねてくるリィンにミナズキは頷いて返す、一方少女は縄を体に巻かれて足をじたばたと振り回していた。
「まぁ、やり方はともかく取り敢えずは情報を持ってそうな人物ではあるねぇ。今回といいオーロックス砦といい明らかに何かを調べるような動きだからねぇ」
そう言ってレナは少女を見つつも懐から細長い試験管を取り出す、中には白い粒状の薬のようなものが入っていた。
「え、それなに・・・もしかして自白剤!?」
「ふむ、どうかな?君が正直に色々話してくれるなら使う必要も無いかもしれないねぇ?」
試験管を少女の前で左右に揺らしながらレナは蠱惑的に笑う、少女はあわあわと慌て始めそれを見かねたリィンとミナズキが止めに入る。
「いや、流石にそれはやりすぎじゃないか?」
「というかなんでそんな物を持ってる?」
リィンと共に止めてくるミナズキの言葉を聞いたレナはジトっとした目でミナズキを見つめ口を開く。
「いやぁ、君かマローラに使おうと思ってねぇ。なんでもミナズキ、私たちが2回目の特別実習で色々苦戦してるのに君は夜にマローラと第3学生寮で同衾してたらしいじゃないか?その辺を根掘り葉掘り聞こうと思ってねぇ・・・」
ニコリと笑いかけてくるレナだがその目は全くもって笑っていない、その姿にミナズキも冷や汗を書きながら目を逸らす。
そんな2人をみてアリサは両手で顔を覆い隠しながら身悶えしていた。
「(え、なに?ミナズキもしかして他に相手が!?だとしたら普段のレナとのやり取りと今のやり取りはなに?いやだとするとこれが所謂三角関係ってやつなの!?あぁぁぁぁぁぁむしろ私が根掘り葉掘り聞きたい!)」
両手で顔を覆い隠しグネグネと変な踊りのような動きをしているアリサに対して見ないフリを決め込みながらユーシスがガイウスに聞く。
「マローラ、といえば確か図書館で司書の手伝いをしているあの生徒か?」
「あぁ、オレも何度か美術本を借りに行っているがおすすめしてくる物はかなり面白いものが多い」
Ⅶ組が別の話題で盛り上がり始める中、少女は気まずそうに話をかけてくる。
「えっと・・・ボクはどうすれば良いのかな?」
「改めて、ボクはミリアム・オライオン。ここに来たのは帝国軍と共和国軍に起きた異変の調査のためだよ。それで今は犯人の武装集団の拘束に動いてる」
縄に縛られたまま自己紹介をする少女、ミリアムはいきなりとんでもない発言をしてきた。
「お兄さんたちも今回の事件を調査してるんでしょ?ならボクを手伝ってくれない?解決を手伝ってくれるなら今回の砲撃の犯人の居場所まで案内するよ?」
そう言って協力を持ちかけてくるミリアムに皆は驚きを隠せなかった、だがそれでもミリアムは続ける。
「あの迫撃砲を見たでしょ?実は共和国軍の基地から少し離れたところにもあんな感じで隠してあったんだ、まぁ同じ連中が仕掛けたんだろうけどね」
「ちょ、ちょっと待て」
「その武装集団っていうのはどういうヤツらなんだい?」
ペラペラと情報を話すミリアムにユーシスが止めレナが質問をするとミリアムはうーんと唸り頭を横に揺らしながら答える。
「よく知らないけど、猟兵崩れっぽいから高額なミラで雇われただけじゃないかな?ま、これからその辺りを確かめに行こうと思ったんだけど」
「その武装集団の場所は一体どこなんだ?」
ミリアムの答えにガイウスが少しだけ焦り気味に聞く、するとミリアムはまたもやサラッと軽く答える。
「高原の北の方だよ、どう?もし手伝ってくれるなら細かいところまで案内するけど?」
そう言って少しニヤッと笑ってみせるミリアム、Ⅶ組はお互いの顔を見合わせ頷くと警戒を解いた。
「わかった、取り敢えず協力させてもらう」
「っとその前に・・・」
リィンの言葉を遮るようにレナがミリアムの前にやってくる、手には先程の試験管が握られていた。
「え、ちゃんと喋ったのに結局ボク自白剤飲まされちゃうの!?」
そんなミリアムを見ながらレナは試験管から白い粒状の物を2粒ほど取りだし自身の口に放り込みバリバリと咀嚼する。皆口を開け驚愕しているがそのままある程度咀嚼したあとゴクリとわざと音を立ててそれを飲み込みレナは言った。
「実はなんてことないただのラムネ菓子だったりして」
レナの言葉に皆は身体から力が抜けたような感覚を味わうのだった。
そうして自己紹介をした後ミナズキをリィンの後ろに乗せ一行は1度ゼンダー門に連絡するため集落に戻る運びとなった。
ちなみに───
「自白剤なんて物わざわざ目の前に出すわけないじゃないか」
「それは・・・そうかもしれないな。ということはレナ、さっきの根掘り葉掘りって言うのも冗談だったんだよな?」
「・・・・・」
「レナ?おい、黙るなせめて何とか言えよ。あっおい!何も言わずに立ち去ろうとするな!」
ミナズキにとっては今後の学院生活の心配要素が増える形となった。
ご拝読ありがとうございました。
この二次小説を構想している際に私の中のアリサが
気ぶりから脳内恋愛小説家になってきています。
モチベーションにも繋がるのでアンケート、感想も良ければよろしくお願いします。
次話もよろしくお願いいたします。
まだ直接的な関係は無いんですけど逆質問です。ミナズキは士官学院を卒業したらその後はどうなると思いますか?
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遊撃士になって仕事をする
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帝国の各地を放浪する
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なんやかんや身を固めて何処かに定住する
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行方不明になる