英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
夜遅いですが更新します。


69.そりゃ楽が出来るならそうするよね、という話

 

「それにしても君の攻撃すごいねー!ガーちゃんのバリアを吹き飛ばすなんてさ!」

「味方なら味方でやかましい・・・」

集落に向かう馬に乗っての道中リィンの後ろに座るミリアムがミナズキに元気に話しかける、ミナズキはそれに辟易しながら顔を背けた。

「特にあの百歩神拳?って言うパンチが凄かったよ!あんな重たいのもしかしたら砲弾とかと同じかも!」

「ミリアム、だったか?ミナズキは剣士なんだが・・・百歩神拳?」

ミリアムの言い分に前に乗るリィンが返す、確かに八葉一刀流にも破甲拳と言われる技はある。だがミリアムの話を聞く限りそれではなさそうだった。

「うん!凄かったよー、ズシン!ギュンって感じで!」

「それは、一体・・・」

ミリアムの抽象的すぎる表現に皆で苦笑いを浮かべるがそれと同時にその一撃を放ったとされるミナズキを見る、ミナズキ本人はなんてこと無さそうにしているが右拳が赤くなっており、さっきまで血が流れていたことがわかる。

「ミナズキ、君はあとどれだけの技を「ちょっと待て、あれを見ろ」あれとは?・・・っ!」

レナの言葉を遮りミナズキは上空を指さす、そこには共和国軍の飛行艇がノルドの空を旋回している姿があった。

「時間はあまり無さそうだな・・・」

「こんな所にまで飛行艇が来るとは、状況としては最悪の1歩手前ってところかね・・・」

「いわゆる『威力偵察』だね、あえて侵入することで相手の出方と戦力を測ってるみたい」

ミナズキとレナの言葉にミリアムが返す、その話し方は口調こそ変わらないが纏う雰囲気は先程の少女のものとは違った。

「・・・というかお前、本当に何者なんだ?」

つい気になったユーシスがミリアムに聞くとミリアムはニシシっと笑い話をずらす。

「それはいわゆる『機密事項』かな?そんな事よりも今は急いだ方が良いんじゃない?」

 

ミリアムに言われ気を取り直した一同は集落へと急いだ。

 

ノルド高原、集落───

 

「あんちゃん!皆さん!」

「トーマ、大丈夫だったか!」

「飛行艇がそこまで来ていたようだが・・・」

集落に入るとトーマが馬の準備をしており、Ⅶ組を見つけると駆け寄ってきた。

「大丈夫です、飛行艇は旋回だけで・・・それよりも戦争が始まりそうなんですか?」

ガイウスとミナズキの心配そうな言葉にトーマも不安そうに返す、トーマだけでは無い昨日までの平穏さが嘘のように集落の住人が忙しなく動いている。

「そうならないように今動いているところさ」

「取り敢えず長老の家で通信機を借りましょう」

心配そうなトーマにリィンとアリサがそう返すとⅦ組は馬から降りて長老の家に入っていった。

 

 

長老宅───

『では、その武装集団は高原の北側に潜伏しているのだな?』

「えぇ、間違いないそうです」

「今からそれらを拘束に行く」

通信機を使いゼクスに連絡を取り、すぐに応答したゼクスに今までの経緯を説明し犯人の居場所を説明するリィンとユーシスにゼクスは少し時間をおき、そして答えた。

 

『仕方ない・・・了解した、15:00までの行動を許可する!くれぐれも気をつけるのだぞ!』

そうして通信は終了しザーッと言う砂嵐の音が鳴る、そして長老の家を出ようとした時ラカンと長老、グエンが入ってきた。

「話は聞こえていた、猟兵崩れの武装集団か・・・」

「猟兵、名前だけは聞いたことはあるが・・・」

「随分と厄介な相手が入り込んでいたようじゃな」

ラカンも長老もグエンも顔には出さないがⅦ組を心配している様子だったがそれでもⅦ組は止まることはなかった。

「ですがどうかオレたちに任せてください」

「ノルド高原での戦争、必ずや止めてみせますから」

ガイウスとリィンが力強く答える、するとグエンは頷き工具を取り出す。

「取り敢えずわしはこの通信機でARCUSからの導力波を拾えるようにしておこう、何かあったら連絡してくると良い」

「お祖父様・・・助かります!」

グエンの気遣いにアリサが礼を言う、そして全員で外に出るとミリアムに向き直る。

「それで、武装集団は具体的には何処にいるんだ?」

代表してユーシスがミリアムに聞くとミリアムは答える。

「皆高原の北部にある巨像は見たよね?実はそれの向かって右に2つの枝分かれした道があるんだけど、片方は北東部に続く道、もう1つは石切場に続いてるんだ。武装集団が通って行ったのは石切場に続く道だったよ」

そう言うとミリアムはリィンが乗る予定の馬に飛び乗りノリノリで右腕を上げる。

「ほら、急いで急いで!武装集団を拘束にれっつごー!」

早るミリアムに皆も続こうとしたがミナズキは視線を感じて振り向く、そこには不安そうなリリ、シーダ、トーマの姿があった。

「ミナズキ?どうかしたのかい?」

「ちょっと待っててくれ」

レナに声をかけられたが軽く返してミナズキは3人に歩み寄って懐からある物を取り出すと代表してトーマに渡す。

「あの、これは?」

「御守り、俺の師匠が昔くれた物だ。必ず武装集団を止めて全員無事に戻ってくる、それまで預かっておいて欲しい。高原に落としでもしたら二度と見つからなさそうだからな」

そう言ってミナズキは3人から離れⅦ組の元に向かうと、そこにはガイウスが微笑んでいた。

「すまないミナズキ、本来はオレが言うべきだった」

「構わない、それに・・・」

「それに?」

「・・・俺は多分、この高原が好きなんだと思う」

そう言ってミナズキは馬を走らせる、ミナズキの言葉を聞いていた面々は1度呆気にとられるがその後それがミナズキなりの照れ隠しだと分かり笑顔でミナズキを追いかけたのだった。

 

 

ノルド高原、石切場───

 

「なるほど、ここが1000年以上前にあった巨石文明の遺跡か。なかなか興味深い」

「言ってる場合か・・・にしてもあんまり人がいるようには思えない場所だな」

「ずっと使われていない場所だからな、オレも小さい頃に来たきりだ。言い伝えでは《悪しき精霊》を封じているらしい」

興味をそそられたレナにミナズキが意見を言いつつ周りを見渡し、そんな2人にガイウスが説明してくれる。

 

「だがこんな所に人がいるとは思えん」

ミナズキと同じように周りを見ていたユーシスの言葉にミリアムが反応した。

「あの高台から人が出入りしているのを見たよ、多分だいぶ奥の方にいるんじゃないかな?」

そう言ってミリアムは高台を指さす、確かに遠目だが入口が見えた。

 

「あんな所に・・・高原の南部にあったものと同じワイヤー梯子を使ったのかしら?」

「しかし高いな・・・この扉は重そうだし」

アリサが顎に手を当てて考察する中リィンも難しい顔をして目の前にある扉を見た。

そんな中レナが何かを思いついたように口を開いた。

「先程のガーちゃんとやらに1人ずつ運んでもらえば行けるのでは?」

 

その言葉に皆一気に静かになり、そして───

 

「「「「「それだ!」」」」」

全員で即決した。ミリアムは渋ったがそれでも皆で説き伏せ、なんとか1人ずつアガートラムに高台まで運んで貰うのだった。

 

 

 




ご拝読ありがとうございました。
原作をプレイしてた時に思っていた事を書かせてもらいました。
次話もよろしくお願いいたします。

まだ直接的な関係は無いんですけど逆質問です。ミナズキは士官学院を卒業したらその後はどうなると思いますか?

  • 遊撃士になって仕事をする
  • 帝国の各地を放浪する
  • なんやかんや身を固めて何処かに定住する
  • 行方不明になる
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