英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
お待たせしました、それと同時に謝らせて下さい。
今回では終われませんでした。
しかし普段よりも約2.5倍の文字数です。


71.遺跡での戦いは程々に

 

「guoooooooooo!!!!!!」

戦闘開始、なのだがⅦ組にとってこの敵は相性が最悪と言えた。

 

何故なら───

「ちょ、矢が弾かれるんだけど!?」

「私のレイピアも・・・まぁ多分折れてしまうねぇ」

兎にも角にも岩ゆえに硬いのだ、アリサの矢もレナのレイピアも全く通らないのだ。

なんならガイウスの槍もユーシスの剣もリィンとミナズキの太刀もほとんど効果無し。唯一太刀打ち出来そうなのはミリアムのアガートラムだけだった。

「バスターアーム!」

ミリアムのクラフトが直撃し少しだけ巨人は怯み足の欠片が散らばる、しかし少しすれば他の岩がくっつきそのまま吸収され元に戻る。これでは完全に膠着状態だった。

 

「こうなったらアーツを使いまくるしかないか?」

「それが妥当と言えるだろう、だが・・・」

「問題はこの化け物がそれを待ってくれるか、だろ?」

リィンの提案にユーシスも賛同する、しかしそれをミナズキが遮る。その言葉の意味は目の前の巨人が自ずと教えてくれた。

「guoooooooo!!!!!!」

雄叫びと共に巨大な右腕が大きく掲げられそしてそのままリィンたちの元へと振り下ろされる。その圧倒的な質量から放たれる一撃は地面が落ちてきていると見紛うものだった。

「た、退避ー!」

全員で散開した直後、ズシーンと重い音と吹き飛ばされてしまいそうな風圧そして遺跡の天井からパラパラと石が落ちてくる。それにも気を取られまるで攻撃に移行出来ない。

 

「流石にボク1人じゃ手が回らないよー!ミナズキ!さっきのドッカーン!て感じのパンチ出してよー!」

「悪いけど今は無理だ!」

バスターアームの連発でバテ始めているミリアムから悲鳴が上がるがミナズキはこれに応えられない、ミナズキがミリアムとの戦いで繰り出したクラフト、百歩神拳はその威力の代償としてかなり燃費が悪く負担が大きい、1日のうちにそう何回も出せる代物では無く使いすぎると腕の筋肉が切れる上に拳にもヒビが入る、最悪拳骨が砕けるのだ。

ミナズキにこれを教えた人物であればある程度威力を抑える等をして自身にかかる負担を減らすことが出来るが残念ながらミナズキのこれは言ってしまえば劣化版コピーなのでその手の加減は出来ないのだ。

 

「せめて弱点が分かれば良いんだが・・・エリオットもエマもいないうえにバトルスコープも無いしな」

巨人の攻撃から逃れたガイウスがぽつりと小さく愚痴をこぼすとそれにレナがキョトンとした顔で反応した。

「弱点が分かれば良いのかい?」

「あぁ、闇雲に攻撃しても再生しているようだからな」

レナの言葉にガイウスが巨人の1部を指さしながら答える、そこには岩に付けられた傷がどんどん修復し元通りになっていく光景があった。

 

「なるほど、確かにあれでは何時までも勝てなさそうだ・・・では私が弱点を探るとしよう」

そう言ってレナは懐から懐中時計を取り出すと自身の目の横、こめかみに押し付ける。その姿をガイウスは不思議そうに見ていたが次の瞬間には不可解な事が起きた。

 

懐中時計の欠片がレナの頭にめり込むわけでなくそのまま入り込んでいったのだ。

「なっ!?」

「ふむ、恐ろしい程によく見えるねぇ・・・さて、《弱点知覚》!」

異常な光景にガイウスが唖然としているがレナはそれを特に気にすることなく巨人を遠目に見つめる。レナの目には巨人が全体的に赤く見え始め、特に腕の関節部分や手の先、頭は赤どころか黒色に見えていった。

 

「なるほど、全体的に防御や自己修復を出来るようにしているがやはりあの巨体だと手の先やよく動く関節、更に基本狙われにくい頭はその力が薄めのようだ・・・あだ!?」

観察した結果を伝えたレナ、その瞬間こめかみから懐中時計が弾かれたように出てくるとそこそこ痛かったのか頭を手で抑えながらなんとか出てきた懐中時計をキャッチしてさらに続ける。

「つ、ついでに言うと弱点属性は水、時、空だ。地と風、火はむしろほぼ無効だから気をつけたまえ」

あいたた、と言いながら自身のこめかみを優しく撫でるレナにガイウスはなんとも言えない顔で目をぱちぱちと瞬かせると前線で巨人の攻撃を回避し続けるミナズキとリィンそしてユーシス、巨人を殴り続けるミリアムの元に急ぐ。

 

「さ、流石にバテバテだよー!」

「アーツを使おうにも邪魔してくるうえに、攻撃も通らないとは・・・」

「流石にきついか・・・」

「・・・・・」

ミリアム、ユーシス、リィン、そしてミナズキの4人はもう限界が近づいていた。身体の疲れもあるだろうが攻撃が通じないこと、例え攻撃が通じてもすぐに修復されてしまうこと、これらが延々と続き完全に膠着状態なことで精神的にも疲れて来た。唯一救いと言えたのは巨人の動きは基本的に鈍いことだがその鈍さがかえって膠着状態に拍車をかけていた。

 

「そういえばアリサは何処へ行ったんだ?」

「え・・・あれ?そういえば見てないな・・・」

周りをキョロキョロと見回したユーシスの言葉にリィンもつられて周りを見渡す。しかしアリサは見つからず代わりに自分たちの元へ駆けてくるガイウスが目に入った。

「皆無事か!」

「ガイウス!アリサを見なかったか!?」

走ってくるガイウスにリィンが叫ぶように返すとガイウスは周りを見渡した、そして1つの人影を見つけて指を差す。

「あれじゃないか?」

「あれ?・・・なんであんなところに?」

ガイウスが指した方向、そこには高台に登ってARCUSを駆動させたアリサがいた。しかし疲れ故なのかそれともただ周りが見えていないのかその目は据わっており味方のはずのリィンたちですら危険を感じた。

 

「ふふ、ふふふ・・・こうなったらこれよ!思いっきりいかせてもらうわ!」

アーツの発動直前まで隠れていたのか既に駆動はほぼ終わっており後は発動するだけ、ARCUSからは眩い光が放出されており見た目だけで強力なアーツであることが解った。

「ちょっ!不味いんじゃないの!?ガーちゃん待避!」

「嫌な予感がする・・・待避だ!」

ミリアムがアガートラムの腕に乗って飛び去りミナズキはその場から全力で走り去る、リィンたちもその状況に悪寒を覚え走り出した。

「喰らいなさい!エクスクルセイド!」

やけくそ気味に叫ぶアリサ。その瞬間、地面に輝く十字架が顕現する。その十字架は輝きを増していき、そして黄金の大爆発をひき起こした。

 

「やってやったわ!これならあの化け物も・・・あれ?みんな?」

ガッツポーズをとるアリサ、ようやく頭が冷えたのか味方に報告しようとするがそこには───

 

 

「あ、アリサ・・・今度からそういうのは先に言ってくれ」

「馬鹿者が・・・危うく巻き添えだ」

「ふう・・・間一髪と言ったところか・・・」

膝に手をつきながら苦笑いを浮かべるリィン、悪態をつきながら冷や汗を流したユーシス、無事だったことを確かめるように一息ついたガイウス。

この3人はまだマシな方だ、問題は───

 

「きゅ〜・・・・」

空中でに逃げたは良いが爆風の影響で不時着したミリアムは目を回しながら大の字で倒れており───

 

「ミナズキ、大丈夫かい?」

「アリサ・・・・お前二度とそれ、やるなよ・・・」

壁側の方で休んでいたおかげで爆風に巻き込まれずに済んだレナがミナズキに駆け寄って声を掛ける、巨人の近くにいたうえにミリアムのように空中に逃げることも出来なかった為に1番もろに爆風を喰らっていたミナズキは壁まで吹っ飛ばされた挙句でんぐり返りの体勢で壁にめり込んでいた。

「と、とにかくこれであの巨人も!」

「アリサ、全く誤魔化せてないよ。それに・・・まだ健在なようだしね」

誤魔化そうとするアリサを咎めるレナが巻き上がった煙の中にいる巨人を苦笑いを浮かべながら見つめる。

確かに大ダメージを与えることは出来たようだがアリサが使ったアーツ、エクスクルセイドの性質上地面から爆発したため弱点の頭にはあまり被害が出なかったようだった。

 

「guoooooooooo!!!!!!」

「な、なんか心なしか怒ってるような?」

「そりゃあんなんされたら誰だって怒るだろ・・・」

全体にヒビを入れられて咆哮に怒りが混じった巨人の様子を見てアリサが後退り、未だに壁にめり込んでいるミナズキがため息を漏らした。

 

「言ってる場合か!おい、起きろ!」

「きゅ〜・・・」

怒り狂っている巨人を見てユーシスがノビているミリアムに駆け寄り揺すり起こそうとするもミリアムは未だに目を回しており起きる気配は無い。

「うぬぬぅ・・・ミナズキぃ!早くその壁から抜け出したまえぇ!」

「無茶言うな!自力で抜け出せるならとっくにやってる!」

レナも壁にめり込んだままのミナズキを引っ張り出そうとするがビクともせず、ミナズキもなんとか抜け出そうとしているがそれでも抜け出せずにいた。

しかしそんな事お構い無しに巨人は右腕を振り上げる、すると洞窟内の岩石が右腕に寄り集まり右腕はどんどん巨大化していく。

 

「こうなったらもう1回エクスクルセイドを・・・あれ!?EPが足りない!」

「なんとか止めるぞ!」

「うおぉぉぉぉ!」

EPが足りずARCUSを上手く駆動出来ずに混乱するアリサ、何とかしようと指示を出すがから回っているリィン、同じく気合いが空回り始めるガイウス、はっきり言ってグダグダだ。普段の統率も乱れてしまいおまけに味方のうち2人は実質戦闘不能、その2人を助けようと更に2人は動けない、完全に詰みと言えた。

 

「これは・・・まずいな・・・レナ、早く逃げろ!」

「何言ってるんだい!?君を置いて行けるわけないだろ!」

死を悟り始めたミナズキの言葉にレナは声を荒らげながら彼を壁から抜け出させるために引っ張り続ける。

 

「ゲイルスティング!」

「緋空斬!」

「フランベルジュ!」

近接攻撃は意味をなさない、しかしアーツを使う暇もない3人は慌ててクラフトによる攻撃を繰り出す。

 

「・・・やはり効いてないか」

「考えるんだ、なにか方法を・・・!」

「なにか使えるアーツは・・・!」

しかしその攻撃は巨人の岩肌に当たると途端に霧散してしまう、悔しそうに巨人を睨むガイウス、なにか打開策が無いか必死に考え続けるリィン、自身が出せるアーツで何か効果があるものは無いかを探すアリサ、3人が行動している中無慈悲にも巨人の右腕はついにこの最奥の半分以上を確実に叩き潰せるだけのサイズとなりその岩でできた拳が握り締められた。

「くそっ!・・・お前たち!早くミナズキたちを救出するぞ!」

気絶しているミリアムを抱えたまま走ってきたユーシスが3人に声をかけそのままミナズキとレナの方へと走る。

「今はミナズキたちを救うしかない!」

「急げ!時間が無い!」

「そ、そうね!」

ガイウス、リィン、アリサもすぐにミナズキの元へ向かうと未だに壁から出られないミナズキとそれを引っ張るレナを手伝い始めた。

「急いでくれ!本当にもう時間が無い!」

「分かってる!みんな!せーので引っ張るぞ!」

レナの呼び掛けにリィンが応えると全員でミナズキを掴み全員で息を合わせる。

「行くぞ・・・せーのっ!」

リィンの掛け声と共に全力でミナズキを引っ張る、しかし少し動きはしたがそれでもまだ時間がかかりそうだった。

「おい、もう良いからさっさと逃げろ!」

「そんな事出来るか!良いからさっさと抜くぞ!」

「だが巨人の拳がもう来てるぞ!」

「それでもだ!お前1人見捨てて逃げられるか!この大馬鹿者が!」

自身を諦めるように言うミナズキだがリィンとユーシスに打ち返され押し黙る、しかしその間にも巨人の拳は目の前まで迫ってきており例え抜け出せたとしても逃げられる保証は無かった。

 

「もう、流石にダメかもしれないねぇ・・・」

ふとレナが呟きミナズキを引っ張ることを止め自身の身体で彼をを覆うように身体を合わせた。

「レナ?一体何を・・・」

「いやなに、なんとか君だけは守ろうと思っただけさ。・・・すまないがもし私が死んだとしても約束を守って貰いたい、暇つぶしにはなるだろう?」

そう言ってレナは左手からスパークを展開し仲間たちを覆うようにバリアを作り出した。

「気休めにすらならないだろうが・・・少しでも君たちを守ろう。ラ・クレスト」

更に防御系のアーツを発動し攻撃に備える。

「ここまでか・・・」

「出来る限り全員で固まれ!」

ミナズキを中心に皆で抱きしめるように寄り集まり固まる、そして衝撃に備え目をギュッと閉じその時を待った。

 

直撃まであと3秒

 

 

2秒

 

 

1秒

 

 

 

 

 

「攻撃が・・・来ない?」

誰かが呟く、一瞬痛みも無く死んだのかと考えもしたがまだ引っ張られた時の痛みはある。

ミナズキはそっと目を開けると巨人の拳は止まって、否、止められていた。

 

「よく頑張ったなトールズⅦ組。学生の身でここまでやるとはOBとしては嬉しい限りだ」

そこには巨人の拳を受け止め笑うガルドの姿があった。

「は、え?・・・止めたのか?」

「こ、これは・・・というよりこの人は!」

「2日目にミナズキと戦った男か!」

事実を受け止めきれないリィンは呆然とし、男の正体を思い出したアリサとユーシスが声を上げる。

そんな中気絶していたミリアムが目を覚ました。

「うーん・・・あれ?ボクは・・・ってあれガルドじゃん!どゆこと?」

ミリアムはガルドの事を知っているようで彼の姿に驚いている。

 

「おー?確か先輩のとこの同僚だっけか?相変わらずちっこいな・・・ぬぅん!」

とうのガルドはミリアムに声をかけ、そのまま何事も無かったかのように巨人の拳を押し返す、そのまま巨人は後ろに下がり壁にぶつかった。

 

「んで、そこの壁にめり込んでるのが昨日俺と戦ったミナズキ、だったな。今出してやる」

巨人を押し返したガルドはそのままミナズキの元に歩いてくるとミナズキを掴みボゴォと音を立ててミナズキを救い出した。

「俺たちが束になっても抜けなかったのに・・・」

「あ、ありえん・・・」

「いや、まぁ助かったことだし良いじゃないか」

少し落ち込むリィンとあまりにも現実離れした光景に受け入れきれないユーシス、ガイウスは驚きつつも頷いていた。

 

「あ、ありがとう・・・ございます」

「なんだぁ?昨日の威勢はどこへ行ったんだ?まぁ良いや、とりあえずそこで休んでな。あの巨人は俺が何とかしてやる」

そのまま腕をブンブンと回し巨人に向かっていくガルド巨人の方も体勢を建て直したようでそのままガルドを潰そうと拳を繰り出す。しかし───

「おいおい、そんなんで俺が止められるわけねぇだろ?もっと本気でガンガン来やがれ!って言ってんだろ!」

ガルドはそれを自身の拳で殴りそのまま押し返す、またもや巨人がノックバックし壁に叩きつけられた。

「な、なんというか現実離れしたした強さだねぇ・・・そういえばミリアム、君は彼のことを知っているのかい?」

「知ってるよ、あの人の名前はガルド、よく呼ばれてるのが《金剛》のガルド、あるいは《不滅》のガルドだね。実は君たちの先輩でシカンガクインのOB、あとクレアの後輩だね」

「ほうほう・・・え、クレア?」

「そう、クレアだよ」

「クレアってあの?鉄道憲兵隊のクレア・リーヴェルト大尉のことかい?」

「そう、そのクレアだよ」

ミリアムの肯定の言葉にレナは驚く、そもそも巨人相手に完全に有利な状態で押してる時点で大分おかしいがそれよりもそっちが気になった。

何故ならクレアは現在24歳であるからだ、そんな彼女の後輩、つまり年下なのだ。

「推定23歳で出していい貫禄じゃないだろ・・・」

あまりの貫禄っぷりにレナは単純に引いた、はっきり言って30行くか行かないかくらいの歳だと思っていたのだ。

「世の中は広いな・・・」

「なんだそれ・・・」

悟るようにレナは呟く、呆れた顔のミナズキが静かにツッコミを入れるのだった。

 

 

 

 

「おんどりゃぁ!」

「guoooooooooo!!!???」

一方ガルドは巨人の腕を叩き壊していた、如何に修復が出来たとしてもそれを上回るスピードで壊され続けたら意味が無いのだ、先程までの巨大な右腕はⅦ組が初めて遭遇した時と比べてもかなり小さくなっており他の部位もボロボロ、もはや決着は近いと思われた。

「guoooooooooo!!!」

「また吠えたな・・・なんだありゃ?」

巨人が叫んだ瞬間近くに落ちていた岩が巨人の身体、特に頭の付近に多く集まりまるで鎧のように纏っていった。

「すまない、伝え忘れていた!あの巨人の弱点は頭だそうだ、他に関節部分や人間で言う手の先が他より脆いんだそうだ」

ガイウスが走り寄りガルドに巨人の弱点を教える、そしてその話を聞くとガルドはニヤリと笑い巨人を見る。

「なるほどな、先に謝っておくぞ」

「謝る?一体何を・・・」

「ノルドにとっても歴史としてもこの石切場は結構重要だ、だがこいつを倒さなければならない以上この場の安全は守れねぇ、もしこいつを仕留めるならそれこそこの場所を破壊しかねない威力の技を出すしかない。だから先に謝っておく」

そう言ってガイウスに向き合ったガルドは静かに頭を下げた。それを見てガイウスは少し考え込むと答えを出す。

「構わない。もしそれで仲間を、オレの生まれ故郷のノルド高原の平穏を守れるなら。だから頼む、やつを倒してくれ!」

「わかった!」

ガイウスの言葉にガルドは力強く頷くと巨人に向き合う、そして呼吸を整えると右拳に力を込める。すると拳が青い光を帯び始めた。

「一撃で終わらせる!」

そう言葉にした途端ガルドは弾かれたように巨人へと走り出した。

巨人も応戦しようと左腕でのパンチや右腕を思い切り振り回したりと妨害を行う、しかしガルドはそれらをいとも容易く潜り抜け大きく跳躍した。

「ここに俺が届いた時点でお前の負けだ・・・」

そう空中で呟くガルド、巨人はガルドを叩き落とすために右腕を突き出してくるがもう遅かった。

 

「奥義・・・天地鳴動螺旋拳!」

瞬間巨人の右腕が爆散した、凄まじいエネルギーを纏った拳はそのまま巨人の爆散した右腕を通り抜け頭部を襲う。

「guoooooooooo!!!!!!」

「砕け散れぇ!」

巨人の雄叫びに負けないくらいの大声で叫ぶガルド、そして頭部にヒビが入り、次の瞬間にはガルドの拳は巨人の頭部を粉砕していた。

 

 

 

「す、すごいねぇ・・・」

「あぁ、はっきり言って規格外・・・俺と戦ってる時は全然本気じゃなかったわけだ・・・」

レナとミナズキがガルドの戦いを見て呟く、昨日はいい勝負が出来たと思ってはいた、ただこちらが疲労困憊の状態だったのに対しガルドは終始余裕そうだった事を思い出すと完全に手ほどきされていた事を理解しミナズキは悔しさに顔を歪ませた。

そんな彼をレナは優しく撫でる。

「良いんだよ、いつか超えれば良いじゃないか」

「・・・・そうだな、ところでレナ」

「ん、なんだい?」

自身の頭を撫でるレナにミナズキは聞く。

「なんで膝枕してるんだ?」

「む?いやこれはなんとなくだよ、うん・・・」

いつの間にかされていた膝枕、ミナズキとしては別に不快でもなんでもない。むしろ何も無ければこのまま眠ってしまっても良いと思うくらいにはリラックスしていた。

 

「ま、まぁ良いじゃないか!さぁ立ちたまえ」

少し慌てた様子のレナに起こされミナズキはゆっくりと立ち上がる、途端ミナズキの頭に小さい小石が落ちてきた。

「ん、なんだ?」

「どうかしたかい?ミナズキ」

「いや、今なんか頭に降ってきたような・・・」

2人で遺跡の天井を見る、しかし特に異変らしいものは無いと感じている2人の元に慌てたリィンが近付いてきた。

「大変だ2人とも!」

「大変?何がだ?」

慌てるリィンを制しながらミナズキが訊ねると他のⅦ組も走って来た。

「おい走るぞ!」

「急いで急いで!」

急かしてくるユーシスとアリサに困惑しながら2人も走り出す、次の瞬間遺跡内が揺れ始めた。

「こ、これは!?」

「ガルドさんの最後の一撃の余波で遺跡内の大事な支えが一部壊れたみたいなんだ!このままじゃみんな生き埋めだ!」

「はぁ!?」

リィンの説明にミナズキが声を上げると、遠くにいたガルドが声をかけてくる。

「わりぃやりすぎた!お前らは先に行け、俺はこいつらを連れて出る!」

そう話すガルドの横には生き残った猟兵崩れたちが震えて座っている。

「急げ!入ってきたところの方まで走るんだ!」

 

 

 

ガイウスに言われ全力で走る。辛うじて外に出た時、遺跡内から凄まじい崩壊音が聞こえる。

かくしてⅦ組はガルドの力を借りつつも今回の事件の実行犯である猟兵崩れを捕らえる事に成功したのだった。

 




ご拝読ありがとうございました。
次回でようやくノルド偏が終わります。

また、本編を進める前に少しだけ小話を挟もうと考えています。
次話もよろしくお願いいたします。

まだ直接的な関係は無いんですけど逆質問です。ミナズキは士官学院を卒業したらその後はどうなると思いますか?

  • 遊撃士になって仕事をする
  • 帝国の各地を放浪する
  • なんやかんや身を固めて何処かに定住する
  • 行方不明になる
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