英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
平日で仕事があるので少しだけ遅くなりました。



5.八葉一刀流

 

「組むのは良いが具体的には何をすればいい?」

「なぁに、簡単さ。私の探している懐中時計のパーツ集め、その際に荒事があれば手伝って欲しい。それだけのことだよ、まぁ他にもあるかもしれないが」

ミナズキとレナはダンジョン内を歩きながら今後について話をしていた。

 

荒事、というのは考えるまでも無く戦闘だろう。

それはミナズキにとっては特に問題はない。そう、そこは問題では無いのだが─── 。

「荒事以外もあったりするのか・・・」

「これでも色々と多趣味でねぇ、様々なオーパーツや文献だって好きなのさ。まぁ、君は組んでくれたことだし?今更降りる、なんてことはないと思うがね?」

「ぐっ・・・」

早くもレナと組んだことに後悔しかけているミナズキはズカズカと早歩きで進み出したがすんでのところでピタリと止まる。

 

「おや、何かあっ「ちょい静かにしろ」・・・む?」

喋りかけるレナを手で制しミナズキは少し身をかがめる。レナがミナズキの視線を追うと曲がり角から緑色の体をした大きな虫型の魔獣が3体姿を現した。

 

「ふむ、魔物か。どうするミナズキここで待ち伏せでも・・・おや?」

ミナズキにレナは声を掛けたが隣にいたはずの彼はいつの間にか音もなく魔物達に突撃していた。

ミナズキの接近に魔物達も気付いたようだが、その時には既にミナズキは抜刀の構えが完了していた。

 

─── 。

何も抵抗も無くまるで風が通り抜ける様にミナズキは魔物達の間を通り抜け、いつの間に抜いていた太刀をミナズキは納刀する。

魔物達は一瞬身体の動きを止めたが次の瞬間には綺麗に2つに割れ、そのまま消滅していた。

「肆ノ型・・・紅葉切り」

その様子を見たレナは目を見開き笑う。

「はっはっはー!やはりだ!今ので更に確信したよ!武器が東方の太刀だったからもしやとは思っていたが、君は《八葉一刀流》の剣士か!」

またもや騒ぎ出すレナに呆れながらもミナズキは訊く。

 

「知っているのか?」

「もちろんだとも!私も嗜みとして細剣を振るが剣士の間では聞く言葉がある!『剣の道を行く者はいずれ八葉の剣士に出逢う』というものだ!まさか本当に出逢うとは思わなかった!」

「そうか、そんな言葉があるのか」

「いやぁ、本当に初日から発見が多い!ここに入学したのは正解だったようだ!」

「・・・・・」

「はっはっ・・・ておや、置いて行く気かい?待っておくれよー」

笑いが止まらないレナを放っておき、ミナズキは歩き出す。レナが追ってくるが特に気にしない、どうせすぐに追い付いてくるしなんとでもなる。

 

「そういえば他のメンバーとはなかなか会わないねぇ、広いと言っても流石に1回くらいは会うと思っていたが・・・」

「どうでもいい、出口はあるんだからいずれ着くだろ」

「それもそうだねぇ、・・・おや、あれは」

レナの視線には先程とは違うまるで触覚の生えたゼリーのような魔獣、ミナズキは向かおうとするが先程とは逆にレナに手で制される。

「『手伝って貰う』と言ったろう?君にだけ負担を押し付けたりはしないさ」

そう言って彼女は武器を取り出す。

「レイピアと・・・本?」

レナは右手にレイピア、左手には革の表紙の本を構えていた。

「驚いたかい?これが私のスタイルさ」

そう言うとレナはレイピアを本のページに挟み込みそのまま引き抜く。すると─── 。

「剣が・・・帯電してる?」

「そうとも、まぁ他にも色々出来るがね。では!」

気合いを入れるような返事とともにレナはレイピアを構えそのまま魔獣へ突進する。

 

「スピアスパーク!」

刺突の姿勢で放たれた剣とスパークは魔獣をいとも簡単に貫いていた。

「なるほど・・・帯電した突きで貫通力を上げているわけか」

「そういうことさ!これで少しは組んだ甲斐もあるだろう?」

自信満々といった感じで胸を張るレナにミナズキは答える。

「まあ組んだ甲斐とかはどっちでもいい」

「えー!」

折角披露したのに!と少しいじけるレナを一瞥しミナズキは歩き出す、レナもまた相手にされていないと気づきそのまま追いかけた。

 

 

 

「ふむ、これで20体目か」

「数えているのか?」

向かって来た魔獣の群れの最後の一体を倒したミナズキを見てレナが言う。

「向かってくる魔獣の数とそのペースを見ればこのダンジョンがどのくらいの広さか大方は推測は出来るからねぇ」

「ならこのダンジョンは後どのくらいだ?」

「ふむ、そうだねぇ・・・」

顎に手を当ててうーむとレナは唸りだす。そして結論が出たのか人差し指をピンと上に立てた。

「あと一息、と言ったところだね!」

「そうか」

「・・・君、人に聞いておいて全然興味無さそうじゃないか」

「無いからな」

「えー」

せっかく答えたのに・・・、としょげ始めるレナ。

ミナズキもなんとなくレナの扱いに慣れ始めていた時だった。

 

「─── !!!」

遠くから低く、そして唸るような轟音。

「ん?」

「おや、これは・・・」

 

2人は顔を見合せ走り出した。

「この感じ、おそらくは出口だ!どうやら私の推測は当たりのようだねぇ!」

「その前に恐らくはそこそこ強い魔獣がいるだろうな」

「あぁ!一体どんな魔獣だろうか!面白くなってきたよ!」

「・・・」

「あ、ちょっと!?君速過ぎないか!?もうちょっと私に気をつかってくれても・・・」

「めんどくさい」

えー!と声をあげるレナを置いてけぼりにしながらミナズキはそのまま加速する。

 

 

出口が目前に迫り、大きな影に目を見張る。だが足は止めない、むしろ更に加速した。

何故なら─── 。

 

見えたのは巨大な体躯に一対の角と翼

「あれは、神話に出てくる・・・ガーゴイルか!?」

4人の男子が石の化け物と対峙している。

健闘しているが押され気味だ。

 

「どけぇ!」

前方にいたユーシスと赤毛の男子の間を走り抜け、太刀を抜く。

 

「惨ノ型・・・業炎撃!」

高く跳躍したミナズキは化け物の角に勢い良く太刀を振り下ろした。

 

 




ご拝読ありがとうございました。
ようやく戦闘の描写を書けましたがやはり難しいです。
次話もよろしくお願いいたします。

(追伸)
UAが1000を超え、お気に入りが5件ついてました。
ありがとうございます。

もうすぐ原作で言うところの自由行動日になります。ミナズキの過ごし方を幾つか考えていますが、どれが良いでしょうか?

  • リィン達と旧校舎の調査(原作に沿う形)
  • レナに誘われ帝都へ(帝都で情報集め)
  • 単独行動(他クラスの生徒とやり取り多数)
  • 図書館へ(オリキャラに会いにいく)
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