英雄伝説 雪月の軌跡   作:モリーもふもふ

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ご拝読ありがとうございます。
長い自由行動日もこれで終わりです。

お気に入り135件、ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。


76.自由行動日、ミナズキにとって長すぎる1日後編

 

「ようこそ、《アル・カフラ》へ」

微笑見ながらそう言うアイネにミナズキは戸惑いながら切り出す。

「アル・カフラなんて地名聞いたことがないぞ?」

「それはそうだよ、隠してあるんだから!」

ミナズキの反応にアイネは笑って返す、その隠してあるという言葉の意味を知りたいミナズキは少し身を乗り出しながら返した。

「隠している、って言ったが町を隠すなんて普通出来ないだろ」

「普通ならね、でもここは普通じゃないよ」

ミナズキの言葉にアイネは得意げに返し、そのままミナズキの手を掴み歩き出す、されるがままのミナズキは引き摺られるように歩きながら周りを見渡す中である物が目に入った。

それはこの町で唯一青白さの無い巨大なトビラ、トビラの中心には赤く光る4つの点、青白さが基調になっているこの町ではかなり異質と言えた。

 

「なんだ?あのでっかいトビラは・・・」

「あれ?んーあたしもよくわかんないんだ、お母さんからも『凄いものが封印されてる』くらいしか聞いたことないし・・・ってミナズキ?ちょっと?」

アイネの説明もほとんど無視しミナズキはそのトビラの元に走る、この時ミナズキ自身も何故自分がこんな行動に出ているのかさっぱり分からなかった。

ただ何かあのトビラに引き込まれるような、吸い寄せられるようにトビラの前まで走っていた。

 

「・・・・・・」

「ね、ねぇってば!急にどうしたのさミナズキ」

トビラの前に立ち、まるで魅入られたようにトビラの中心の点を凝視するミナズキ、追い付いたアイネが文句を言うがミナズキにはまるで届いてはいなかった。

 

「・・・・・」

そのままミナズキはトビラに近付き耳を当てる、するとカチッカチッとしたまるでゼンマイや時計の動く音が聞こえてくる。

彼の行動に不思議に思ったアイネも同じようにトビラに耳を当てる、疑問符を出していた表情は一気に不安そうな表情に変わっていった。

「な、何この音・・・あたしいつもこのトビラを調べてたのに・・・こんな、こんなの知らない・・・!」

 

ジリっと後退るアイネ、そんな中ミナズキは心ここに在らずといった無表情のままトビラを凝視し続ける。

そしてそのままトビラに手をつけようとした、瞬間───

 

「ダメ!」

アイネが咄嗟にミナズキに飛び掛かりミナズキを押し倒す、そのまま地面を転がり少しトビラから離れるとミナズキは表情を取り戻した。

「いたた・・・なんだよアイネ」

「それはこっちのセリフだよ!キミ今何しようとしてたの!?」

突然のことに文句を言うミナズキだったがアイネとしてはそれどころではない、ミナズキは表情を失ったように見えたが、このトビラの開け方を分かっているかのように動きに淀みがなかった。

それが逆にアイネの不安を煽った、何よりこのトビラが開くことが一概に良い事とは思えなかったし、ミナズキをこの町に連れてきてからあの音は聞こえ始めた事が偶然とはとても思えなかった。

 

どうにかしてミナズキを帝都に戻そう、出来れば穏便に、そう考えるアイネだったが背後から聞こえた声に身体を強ばらせ、まるで壊れたブリキの人形のようにギギギと後ろを見るとそこにはアイネと同じ髪色の妙齢の女性が立っていた。

 

「あらあら、アイネ。朝から鍛錬を抜け出したと思えば外から人を連れて来るなんて・・・良い度胸ね」

「お、お母さん・・・」

アイネの母親であろう女性、彼女から発せられる怒気にアイネは顔を真っ青にして後退る。

そして───

「こんの・・・サボり魔不良娘ぇぇぇ!」

「ご、ごめんなさーい!」

圧倒的な怒気から放たれる声にアイネは全力で逃げる、しかしそのまますぐ捕まり頭にゲンコツを落とされていた。ミナズキは少し引き気味にそんな2人を見ていることしか出来なかった。

 

 

アイネの家───

 

「改めまして、このバカ娘の・・・アイネの母です、貴方には大変なご迷惑をお掛けしました」

「あ、いえ別に・・・えっと、ミナズキ・バンシアです。よろしくお願いします」

「うぅ・・・痛いよー」

先程のことが何も無かったかのように自己紹介をしてくるアイネ母にミナズキは引き気味に返す、横には頭に出来たアニメのような丸いタンコブを泣きそうな顔で撫でているアイネがいた。

 

「それでですね、聞きたいのですがミナズキさんは何故あのトビラへ近付いたのでしょうか?」

「え、えっと・・・そう、ですね。引き込まれるような・・・呼ばれたような感覚がしたので行きました。はい」

「あのトビラの開け方も分からないのに、ですか?」

「はい、ほぼ無意識でした。貴女の娘さんが止めてくれなければ開けてたかもしれません・・・」

まるで尋問のようなアイネ母の質問、ミナズキは途中気まずくなったのか顔を伏せながら答える。

そうしてしばらくの沈黙の後アイネ母は席を立つ。

 

「お茶を入れて参ります。アイネ、手伝いなさい」

「え、でもお母さん「て・つ・だ・い・な・さ・い」えっと・・・・はい」

母の言葉に反論しかけたアイネだったが母の圧力には勝てずそのまま2人で台所へ向かう。

「・・・・俺はどうすれば?」

取り残されたミナズキはなんとも言えない状況にただただ困惑していた。

 

 

アイネの家、台所───

 

「どうしたのお母さん、急にお茶の用意なんて」

「・・・・・」

台所で水を火にかけながらアイネは母に訊ねる、しかし返事は返って来ず、代わりになにか考え込むような神妙な面持ちの母を久しぶりに見ることになる。

「お母さん?どうしたのさそんな顔して」

「アイネ・・・・」

再び母に訊ねようとするアイネを母は止める、そしてアイネの両肩に手を置きジッと目を合わせた。

「お、お母さん?本当にどうしたの?」

「アイネ・・・よく聞きなさい、良いわね?」

何時もよりずっと真剣な母の顔、その表情は憂いを帯びたようにどこか暗くアイネは戸惑いながら頷く。

 

「・・・前任の長に推薦されて私が長としてこの町を管理して5年、そうなる前から多くの人がこの町を長として管理し、そして護ってきたわ・・・そしてこれは代々長になる人物に秘密裏に教えられてきた言い伝えであり史実・・・アイネ、よく聞いて、そして理解して。凡人である私の元に生まれてきてくれた優秀な娘」

真剣に、そして悲壮に満ちた顔で母は話す。アイネは何も言えず目を見開いて聞くしか出来ない。

 

「あのトビラの向こうには『抹消された英雄』の武器と『巨なる力』が封印されている・・・歴代の長たちはそう言っていたわ・・・その英雄はかの大帝ドライケルス、そして槍の聖女と共に獅子戦役を終わらせた人間の1人であり、貧民街出身の青年だったそうよ」

母の言葉にアイネ目を丸くする、獅子戦役の事は勉強したから知っている。だからこそ腑に落ちない部分だった。

何故ならどの教科書にもそんな青年の話は載っていない。存在すらたった今母の言葉で知ったのだから。

「ど、どうしてそんな凄い人がどの教科書にも載ってないの?」

「消されたのよ、彼は『不都合過ぎた』から。当時獅子戦役では貴族たちによる平民の村や集落への焼き討ちが頻繁に行われていたわ、彼はそんな貴族たちを『討たれるべき外道』と考え多くの貴族たちを斬り続けた、ドライケルスと出会う瞬間には貴族たちや彼らに雇われた悪漢で出来た死体の山に座っていたという話もあるわ・・・だからこそ貴族たちに強く恨まれたのね、ドライケルスが亡くなった後、貴族たちによって少しづつ歴史から消されて行った。教科書にも言い伝えにも残らなかった。平民たちが貴族たちの横暴に対して彼の伝説に縋って反旗を翻さないように、平民出身の優秀な人物が祭り上げられないようにそういった芽を1つずつ摘んでいった。」

 

悲しそうに語る母にアイネは訊ねる。

「で、でもだとしたらなんでこの町の長はその話を知っているの?」

「・・・・この町はね、その英雄が自身の終の地として選んだ場所なの。初代の長は彼の『導き手』というものだったそうよ、2人は恋に落ち獅子戦役が終わった後は静かに暮らすことを約束して彼の帰りを待った・・・でもそうはならなかった、獅子戦役で槍の聖女が命を落としたように彼も致命傷を負った。一命は取り留めたけど自分は永くないと悟った彼は最期にこの地で過ごし彼女に看取られ眠りについた。初代の長は酷く後悔したそうよ、『自分が彼を導かなければ、あの時見送らずに自分も戦いに出ていれば彼が死ぬ事はなかったのでないか』って」

獅子戦役で戦った青年とそんな彼を愛した初代の長、2人の悲恋の話にアイネは静かに涙を流す。

 

 

しかし、母の本題はここからだった。

「長くなったわね・・・でもここからが本題なの。・・・アイネ、貴女は恐らくその『導き手』になった可能性があるわ」

「・・・・え?」

「最後に伝えられている言い伝えはこうよ、『この地にかの英雄と同じ力を扱える者が現れた時、それはかの英雄を必要とする時代の再来であり、エレボニアを覆う大いなる厄災の前兆である』・・・そしてミナズキ、彼がやって来てあのトビラを無意識に開けようとした。言い伝えの通りなら彼は『かの英雄』でありその彼を連れて来た貴女はその『導き手』よ・・・もしかしたら完全に同じとはいかなくても似た結末を迎えるかもしれない・・・だから・・・」

母の言葉に呆然とするアイネ、そんなアイネを母は静かに抱き寄せ、そして涙を流す。

 

「ごめん、ごめんねぇ・・・貴女をこの町から出すべきじゃなかったね・・・貴女は天才だった、町にある本を全部読んで覚えて、勉強も運動も魔法だって才能があった・・・だから貴女が何時も町で窮屈そうにしていたから外に出ても黙認してた・・・まさか貴女が導き手と同じ事をしてしまうなんて思わなかった・・・ごめんねぇ・・・」

謝罪の言葉をまるで懺悔するかのように口にし続ける母、そんな母を見てアイネは笑って答える。

 

「大丈夫だよ、お母さん!」

「・・・え?」

「あたし、お母さんが思ってるほどもう子供じゃないよ!まぁ確かに年齢的には今年で15歳になる小娘だけど・・・でも!あたしはそんな言い伝えじゃなくて自分の意思でミナズキを連れて来たの!それに・・・あたしは戦える!ミナズキを1人にしなければその英雄と導き手みたいな悲しい結末にはならないし、させない!」

「うん・・・うん・・・!」

根拠らしい根拠なんて何も無い、だがそれでも笑って自身が辿りかねない運命に向き合い立ち向かおうとする娘の姿に母は涙を流した。

 

 

 

「ごめんごめん、ちょっといつも使うお茶っ葉切らしててさ。お母さんは用事が出来ちゃったからあたしが話し相手になるね」

「あ、あぁ・・・」

にっこりと笑うアイネにミナズキは押され気味、そんなミナズキにアイネはまたもやにっこり笑うと切り出した。

「ねぇミナズキ、またここに来てよ。あたしあのトビラの事調べてるんだ、キミが居てくれたらもっと捗るんだけどなー?」

「え?なんだよ急に・・・」

唐突なアイネに対してミナズキは訝しげに見つめるがアイネは何も言わずにジーッと見つめてくる、そのまま硬直し数分、遂にミナズキが音を上げた。

「わ、わかった。わかったからそんな凝視するな」

「いえーい、あたしの勝ちー♪・・・じゃあまた帝都に行く用事があったらよろしくね、それと・・・今度帝都に実習?に来るんでしょ、絶対に手伝うからね」

「なんでそんな頑なに・・・まぁ良いや、分かった」

ミナズキの返事に上機嫌なアイネ、そのままお茶を飲んだ後アイネに再び転移の術を使ってもらうのだが───

 

「あ、そうだミナズキ!ちょっと目を閉じて!」

「は?・・・まぁ良いが」

その際にアイネが魔法をかけたようだがこの正体が何なのかはミナズキには知る由もなかった。

 

トリスタ、士官学院───

 

「なんか騒がしいような?」

夕飯を学生会館で食べようとミナズキが士官学院に着くと、何やら妙に騒がしかった。

首を傾げるミナズキだったがそうしていると遠くからリィンが走って来ていた。

「ミナズキ!すまない、俺の妹を見なかったか!?」

突然の質問に硬直したミナズキだったがリィンの言う『妹』という言葉に1人の少女が浮かんだ。

「あぁ、確かエリゼさんだな」

「え、エリゼを知っているのか?お前に妹の話とか妹の名前とか言ったことがあったか?」

「無いな・・・以前帝都で会った時に泣かれただけだ、そういえばハンカチ返して貰ってないな・・・」

そう言った途端にミナズキはリィンに胸ぐらを掴まれ、思い切り揺さぶられた。

「エリゼを泣かした!?お前・・・俺の妹に、エリゼに何をした!」

「いやなんもしてねえよ、というか・・・うん、何となく察しが着いた・・・」

エリゼの事で周りが見えなくなっているのか激昴するリィン、ミナズキはそんなリィンに掴まれているのを逆に利用し、そのまま背負い投げた。

「どちらかと言うと泣かしてるのお前じゃねえか!」

「ぐわっ!?」

 

結構強めに地面に叩き付けたのに全く堪えていない、それどころかこのままでは太刀を抜きかねないリィンにミナズキは弁明した。

「生憎だが、俺は今の今まで帝都に居たんだ。お前の妹に会えるわけ無いだろ?」

「それは・・・そうだな・・・」

「大方士官学院にいるお前に会いに来たエリゼさんをお前が怒らせてどっか行っちゃったとかだろ?」

「それも、そうだ・・・」

ミナズキの推測に思うところがあるのかリィンはどんどんしぼむように元気がなくなっていく、そんなリィンを見てミナズキは呆れた顔でため息をつきながらも提案する。

 

「俺も探すよ、エリゼさんの特徴は知ってるし探す人間は1人でも多い方がいいだろ?」

「あ、あぁ助かる!」

それだけ言うとリィンは凄まじい勢いで走り抜けて行った。

「あれ、疾風使ってる時より速くないか?」

妹絡みになると途端に常軌を逸し始めるリィンにミナズキは呆れるのだった。

 

 

士官学院、中庭───

 

「さて、どこに行ったかなあの子は・・・」

「あ、ミナズキ」

「ミナズキさんもエリゼさんを探しているんですか?」

リィンと別れた(というよりリィンが走り抜けていった)ミナズキは早速エリゼを探し始める。しかし普段のもの探しと違い痕跡を辿れないためとにかく歩くしかない。

そんな事をしていると同じくエリゼを探しているであろう、フィーとエマに会った。

 

「あぁ、以前会ったことがあってな。特徴は覚えてるからなんとかなるだろう」

「あ、それとミナズキ、おせちご馳走様」

「とっても美味しかったです」

唐突にされたおせちの話にミナズキは目を丸くするが、そういえばおせちを作ってジジイに会いに行ったのは今日だったな、と納得する。

本当に今日だけで色々起きすぎた、ジジイに会いに行ったのは予定通りだったがそこからオリビエに会い、次にアイネと出会いアル・カフラに連れて行かれた。

1日中色々なことがありすぎてそれら全てが今日だけで起きた事と思えないほどの濃密っぷりにミナズキは苦笑いを浮かべた。

 

そんな事をしているとエマのARCUSが音を鳴らした。

「はい、こちらエマです。・・・旧校舎、ですか?なんでそんな所に・・・はい、分かりました。私たちも向かいます・・・・フィーちゃん、ミナズキさん、エリゼさんは旧校舎に向かったそうです。」

「旧校舎?」

「なんでそんな所に・・・いや、考えるのは後だ。今は急いで旧校舎に向かうしかないな」

エマの話を聞き首を傾げるフィーと取り敢えず向かうことにするミナズキの3人は走り出す、途中で同じくエリゼを探してたであろうリィン以外のⅦ組のメンバーとサラ、トワ、アンゼリカ、ジョルジュとも合流し旧校舎の中に入った。

 

「・・・なんか入学時とだいぶ変わったな」

「・・・そうだねぇ、まさかこんな事になっていたとは」

「そういえばミナズキもレナも旧校舎に来るのは入学時以来か、あれから色々あってな、こんな事になってる」

初めて見る旧校舎の変わり様にミナズキとレナが驚いていると近くにいたマキアスが説明をしてくれる。

入学以降、自由行動日の度にリィンは他のメンバーを引連れて調査を行っていた。

そしてその度に入学時の時にはなかった昇降機の降りられる範囲が深くなっていき今回の調査では階層の主を倒した後に謎のトビラが現れたという。

 

「謎のトビラ?」

「あぁ、どんな素材で出来ているのかは分からないが、斬っても槍で突いても銃で撃ってもなんなら爆弾で爆破してもビクともしないんだ、それと妙な時計みたいな音がしてな・・・取り敢えず次回また調査しようと思ってたんだ」

マキアスがしてくれた説明、それを聞きミナズキは今日見たアル・カフラのトビラを思い出す、時計のような音、どんな素材で出来てるのか分からない、どうしても同じ物に思えてならない。

そうして考えていたミナズキだったが、不意に耳にとある音が届く、その音は発砲音と剣戟の音だった。

「戦闘、してないか?」

「ん、確かに戦闘音が聞こえる」

ミナズキの言葉にフィーも同意する、その言葉を聞いた他のメンバーも急いで昇降機に乗りこみ、音のする下層に降りていった。

 

 

旧校舎、地下第4層───

 

4層に降りた一行が見たのはエリゼを抱き抱えたリィン、何故かいるクロウ、そして何故か居るし腰を抜かしているパトリックの姿だった。

 

「えっと、これはいったいどう言う状況だい?」

困惑気味なレナの言葉、それに対して皆で頷くとエリゼを抱き抱えたままのリィンが切り出した。

「俺にもよく分からない、ここに来た時にはエリゼはそこの巨人に襲われてたんだ」

「そいつの言う通りだぜ、俺たち3人はリィンの妹を助けるために戦っただけだ。まぁ坊ちゃんには妹の保護に回ってもらったがな」

「だから坊ちゃん呼びは・・・いや、だが状況としてはその通りだ・・・」

リィンの説明にクロウとパトリックが補足する、エリゼの方も気を失っただけのようでひとまずは大丈夫のようだ。

この中で2人を除きエリゼの無事に安堵していた。

 

 

「・・・・・・(キッ)」

一方エリゼの無事に安心しつつもエマは上を見上げて何かを睨むように視線を鋭くしていた。

「・・・・・・」

エマの視線の先には普段からエマに世話をされている黒猫の姿があった。

 

 

「やっぱり、アル・カフラで見たものと一緒だ・・・」

みんなの輪から外れたミナズキは開けられたトビラを見る、そこには昼間の様な無意識な行動は無い。

だが共通点どころか完全に同じ物に思えてならないトビラを軽く叩いたりしてみる。

その背後にエマが近付いていたが、ミナズキは気付かない。

「あの、ミナズキさ「いやー!エリゼ君が無事で安心したねぇ!ところでミナズキ、我々も今度から旧校舎の調査に加わってみないかい?」・・・・」

ミナズキの不思議な行動を不審に感じたエマはミナズキに話しかけようとしたがテンションが高くなったレナに横槍を入れられ黙り込む。

 

「いや、面倒だ。それに俺にも今後予定ができた・・・しばらく自由行動日は1人で動くことにする」

「む、そうかい?それはちょっと寂しいな。だが良い事だ、君が何かに対して夢中になれると言うならそれはそれで良い!」

軽くあしらうミナズキ、レナはそれに賛同するが少し寂しそうだ。

「・・・・・・」

完全に話す隙を見失ったエマは一旦は下がる、一方で黒猫はミナズキのことをジッと睨みしばらくするとそのままどこかへ行ってしまった。

 

 




ご拝読ありがとうございました。
書きたいところ書いたら思ったより長くなりました。
次話もよろしくお願いいたします。

本編とは直接関係は無いかもですが質問です。ミナズキにはユン以外にも色んな意味での師匠枠がいます、現在判明しているのは2人ですがどちらが気になりますか?

  • 料理を教えた暗器、拳使い
  • 片手剣である銀の牙を託した人物
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