オリジナル展開なので少し考えながら書いてます。
サンクト地区、路地───
「おー、可愛いですねーこの猫ちゃん。師匠?それは炭で焼いたお魚ですか?」
「・・・・・(コクリ」
「ニャー」
依頼を受けてくれたB班が去ってから約1時間、給仕の少女たちの元にはオレンジ色の猫が居着いていた。
少女は猫を撫で、店主は猫が喜びそうな魚を使わなくなった平皿に乗せて渡している。
するとそこに───
「持ってきましたー!」
「大量にねぇ!」
お腹が減りすぎたのか少しだけ目が血走っているアリサとレナが大量の牛型の魔獣の肉を用意して現れた、他のメンバーは2人に着いていけなかったのかかなり後方から歩いて来ている。
「こんなにですか!師匠、Ⅶ組の皆さんがこんなに持ってきてくれました!」
「・・・・・(グッ」
大量に届けられた肉に給仕の少女は喜び、店主も表情そのままにサムズアップをした。そしてそのまま肉を受け取るとそのまま調理台の前に立つ。
そしてそのまま調理が開始。大きな肉の塊が下処理、下味付け、味が染み込むまでの間に他の食材をザカザカと処理していく。
そして気を見計らったかのように火の着いた炭を用意し、タレを塗りこみ串を通した肉をじっくりとクルクル回しながら焼いていく。
その間その場にはタレの焼ける香りが立ちこめB班の胃袋を刺激する。
そして最後に火を強くして外側をパリッと仕上げて皿に乗せて完成。
隠してB班の前には串焼き(メニュー名:炭火で焼いた肉弾む串焼き)が置かれたのだった。
「・・・!(モグモグ」
「・・・・・これは、なんという・・・!」
一心不乱に食べるアリサ、レナを見ながら他の面々も串焼きを食べる。そして1口食べると目を見開きそのまま止まることなく残りのひと串まで一気に食べ進めていった。
「ごちそうさまでした」
みんなで手を合わせ食後の感謝をすると給仕の少女が皿を片付けていく。B班は少しの間満腹の多幸感に浸っていたが給仕の少女の声が聞こえて現実に戻った。
「えー!お引越しするんですかー!?」
「・・・・(コクリ」
聞こえてきた会話にB班も驚くが改めて屋台を見ると側面に大き目のタイヤが付いており移動自体は可能であることがわかる。
「まさか移動するタイプの店だったとは・・・」
「まぁこんな路地に店っておかしいとは思ってはいましたけど・・・」
驚いた表情のガイウスと苦笑いで話すエマ、いつの間にか屋台は車輪の着いた導力車のような形に変わっていた。
「では皆さん、今回はありがとうございました!」
「・・・・・(コクコク」
そして少女と店主は運転席らしきところに入ると小さな屋台型導力車はゆっくりと進みそのまま地区の外に出て行ってしまった。
「な、なんというか色々ぶっ飛んでるわね・・・」
「だが斬新というか、確かにあれなら各地を回りながらお店を開けるわけか」
口をあんぐりと開けるアリサ、ユーシスはふむ、と去っていく屋台型導力車を見ながら考えるような素振りを見せる。
数年後、店主の使っていた屋台型導力車を雛形とし帝国の様々なところで導力車の形をした屋台が散見するようになったそうだが、それはまた別のお話だ。
「さて、次はどの依頼を受けるかだな・・・ん?」
みんなが導力車を見送っている中、1人で地図と依頼書を見比べているミナズキ。そんな最中に足元にふわふわした感触を感じ下を見る。
するとそこには───
「ニャー」
「・・・オレンジ色の・・・猫?」
そう、猫がいた。他の誰かの所に行くわけでもなくミナズキの足に自身の身体を擦り付け、そして靴の上にそのまま乗って動かない。
ミナズキが動こうとするとそのまま姿勢を低くし落とされまいと踏ん張っている。
『(フッフーン♪ミナズキは気づいてくれるかなー?』
当然この猫の正体はミナズキが先日出会った魔女、アイネが変身したものなのだが彼女はミナズキが自分に気づいてくれるかどうか、それを試しているのだ。
「・・・・なぜ、ここまで懐くんだ?まぁ良いか・・・よいしょっと。猫、お前はどの依頼が良いと思う?」
しかしミナズキは猫の正体には気付かず、だがその猫を優しく持ち上げ自分の見ている地図と依頼書を見せそのまま意味もなく質問をしてみる。
『(ダメかー、まぁそうだよねー)』
ミナズキが気付いてくれなかったことを少し残念がりながらアイネ猫は地図と依頼書をじっと見る。
そして───
「ニャー」
「ん?この依頼か?ライカ地区のスプーン騒動・・・まずはヴェスタ通りに行く必要があるな」
そしてミナズキは他の面々に声をかけ、そのままヴェスタ通りへと向かった。ちなみにアイネ猫も離れることなくミナズキに着いてくるのだった。
ヴェスタ通り、宿酒場《フォレスタ》───
B班が宿酒場に着くと、1人の男性が安堵したように近付いてきた。
「いやー、さっきは話しかけてくれずに他のお客さんに追いかけられてたからどうしたものかと思ってたけど・・・改めて来てくれて良かったよ」
「いや、うん。俺が悪かった・・・のか?」
依頼してきた男性、コワックの言い分にミナズキはなんとも言えない顔で答える。ラポールからの依頼でフォレスタに配置薬を置いたは良いがその後に思い切り客たちに追いかけられてしまったが為にコワックは声を掛けそびれてしまったのだ。
「と、とりあえず以来の話をさせてもらうね?」
そうしてコワックは説明を始めた。
コワックは最近ライカ地区の外れにある古い屋敷を購入したそうだ。築年数が古いにしては綺麗でむしろそのアンティークさに惹かれて購入し、落ち着いた頃に友人たちを招き夜遅くまでパーティを開いた。
地区の外れという事もありどんちゃん騒ぎしたそうだがそれ以来使っていない地下室から妙な音が聞こえ始めたそうだ。
最近はその音がどんどん大きくなってきており怖くなったコワックはこうしてヴェスタ通りの宿酒場に避難しているそうだ。
「つまり今回の依頼はその音の正体を解明すること、ということで良いのか?」
「あぁ、是非お願いしたい・・・だけど・・・」
ガイウスの問いかけにコワックは1度お願いしようとするが何故か言い淀み、そのまま戸惑うように口を閉ざした。
「何かあったのか?」
何も言ってこないコワックにミナズキが問いかけると彼は意を決したように切り出した。
「最近はもっとおかしな事になっててね、なんでも屋敷の外壁にスプーンが・・・」
「は、スプーン?あのスプーンか?」
いきなり出てきたスプーンというワードにユーシスがなんとも言えない声を上げた。コワックはその言葉に静かに頷く。
「何故か外壁にスプーンが大量に括り付けられていたんだ。でもなんでそうなっているのかも分からなくて・・・オマケに地区内にある家からスプーンがいつの間にか消えてるらしくて、しかもその前の晩に黒い影がどこからとも無く現れるって・・・」
頬をかきながら怯えた表情で俯くコワックを見てミナズキたちも困惑した表情で見合う。
「まぁ、とりあえず行ってみるか・・・あと何故かこの猫が着いてきてるんだ・・・」
「ニャー」
コワックの話を聞き、それでもいまいち納得はいかなかったもののミナズキたちは何故か懐いてくる猫と共にライカ地区への外れにあるコワックの屋敷へと向かった。
ライカ地区外れ、コワックの屋敷───
「は、え・・・え?」
誰が発したものなのか妙に気の抜けた声にもなりきらない声、しかし誰もそれに対して突っ込む者は居ない。なぜなら目の前にある屋敷、コワックが購入してまだ1ヶ月も経っていないはずなのだがその外観は明らかに異常と言えるものだった。
外壁から窓、扉に表札等のいたる所にスプーンがびっしりと取り付けられていて、風が吹く度にカシャカシャと音を上げる。
「こんなに酷い状態なのか?」
「いえ、コワックさんが家を離れてまだ数日しか経っていないはずなのでおそらくその間に・・・」
元の状態が分からないほどにスプーンが壁いっぱいにぶら下がっているという光景、心なしか空もどこか薄暗さが出てきていた。
「む・・・これはなんだ?」
そんな中ユーシスが壁に黒い文字で書かれていた文言を見つけた。
''何人たりとも汝と食卓を共にせず、汝の匙は汝の口に食物を届けず、鏡の中の汝とまみえることあたわず''
「な、なんなのこれ?」
「何かの呪文か?」
不気味がるアリサと文言に対して首を傾げるユーシス、そんな中アイネ猫がミナズキの脚にまたもや頭をグイグイと押し付ける。
「え?なんだよ?」
「ニャー」
反応するミナズキに対してアイネ猫はひと鳴きするとそのまま屋敷の方に進んで行ってしまう。そんなアイネ猫をミナズキは追いかけそのまま屋敷に入ってしまった。
「お、おい!」
「急ぎましょう、なにが起きるか分かりません!」
そんなミナズキを追いかけてガイウス、エマを筆頭にB班も屋敷に入っていった。
屋敷の中───
B班が屋敷に入るとミナズキが本棚を静かに漁りながら何かを探しているのが目に入った。
「ミナズキ!急に屋敷に入らないでくれ、何があるか分からないのだから」
レナがミナズキを叱責するがミナズキはそんな事には目もくれず屋敷の中のテーブルに置いてあった日記を読んでいた。無視をされたと感じたレナは更に声をあげようとしたが妙に真剣な顔をしたミナズキを見て口を噤んだ。
あらかた読み終えたのかミナズキは日記を閉じると静かに息を吐く、そして足元のアイネ猫を持ち上げると他の面々に振り返って切り出した。
「この依頼、思った以上に厄介かもしれない・・・あの文言、恐らくは呪いだ」
「のろい?いきなり何を言っているんだい?」
ミナズキの言葉にレナが首を傾げて返す、するとミナズキは日記の1ページ目を開いてみんなに見せる。
『今日、見窄らしい男が家の前に来た。食べ物を強請られたが私はそいつを口汚く罵り石を投げ追い払った。奴は言った「何人たりとも汝と食卓を共にせず、汝の匙は汝の口に食物を届けず、鏡の中の汝とまみえることあたわず」そう言って奴はどこかへ行ってしまった。』
「この男が言った言葉、そのまま壁に書いてあったことだよな?・・・そしてこれ」
ミナズキはページをめくり2ページ目を見せる───
『昨日から身体に妙な違和感がある、色んな物の味が薄く感じているのだ。オマケにいくら食べてもお腹が満たされた気がしないのだ・・・とりあえず今日は寝よう』
みんなにこのページを見せたミナズキは口を開く。
「とにかく、この家で何かあったのは確かだ、そして今回の元凶は多分・・・」
そう言いながらミナズキは1つの方向を見る、そこには地下室に行くための扉があった。
ご拝読ありがとうございました。
考えれば考えるほど難しくなってきました。
実は最近零の軌跡:改を購入しプレイしています。そこでいつか零の軌跡を原作にした二次創作を書こうと思っています(時系列は原作同様、世界線も一緒です)見てみたいですかね?
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書いてくれるなら見たい
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今はこちらに集中すべきでは?