更新ペースが少し落ちていますが、気長に待っていただけると幸いです。
また、質問などあればあとがきの欄にその回答もさせていただきます。
感想もお待ちしております。
時は5分前に遡る─── 。
「・・・どうやら、ここが地上に続く終点らしいな」
「ああ、陽も差し込んでいるし間違いないだろう」
長身の男子、ガイウスの言葉に黒髪の男子、リィンが答えた。
「フン、飛んだ茶番だったな。大帝ゆかりの士官学院と聞いたからどんな試練が待ち受けているのかと思ったが拍子抜けも良いところだ」
「そ、そうかなー。結構ムチャクチャだと思うけど」
ユーシスにそう返した赤毛の男子、エリオットは随分疲れた様子だった。
途中まで合流したマキアスと組んでいたリィン、ガイウス、エリオットの3人だったがユーシスと遭遇した際に2人はまたもや衝突した。
結果としてマキアスが抜けユーシスが加わった。
そんなこんなで最終的にこの4人でダンジョンを抜けてきたのだ。
入学初日にしてはあまりにも濃すぎる内容だった。
「それにしても《Ⅶ組》かー、どんなクラスなんだろうね」
「そうだな・・・」
エリオットの疑問にリィンが顎に手を当て考え始めたその時だった。
パキ、パキパキ─── 。
「なんだ?」
「あれだ・・・!」
何かが砕けるような音に反応したユーシスの疑問にガイウスが答える。
彼の向いた方向にはただの石像が音を立てて動き出す姿があった。
「graaaaaa!」
音が止むと同時にその化け物は4人の前に降り立つと、けたたましい咆哮を上げた。
「・・・帝国にはこんな化け物が普通にいるのか?」
「少なくとも伝承の中だけだ!」
「どちらにしろこいつを何とかしないと地上には出られない。どうにか撃破するぞ!」
「め、女神さまー!」
疑問を投げるガイウスにユーシスが突っ込む。
リィンの鼓舞とエリオットの悲鳴にも似た声とともに両者は激突した。
始めのうちは共に拮抗した戦いだった。
化け物の前足による踏みつけやしっぽによる薙ぎ払いを避け、リィンは紅葉切りを放つ。
ガイウスは化け物が前足を出した隙をつきもう一方の足にクラフトのゲイルスティングを放ち体勢を崩す。
ユーシスはアーツを駆動しエアストライクを放ちダメージを与え、エリオットはクラフトのエコーズビートで味方を援護する。
しかし均衡は突然破られてしまった。
化け物もアーツの1つソウルブラーを放ち、それがエリオットに着弾してしまったのだ。
「うわあ!・・・ぁ・・・」
ソウルブラーの効果でエリオットが気絶。
「エリオット!大丈夫か!?いま「リィン!前だ!」な、しまっ!?」
よそ見をしたリィンの隙をついた化け物の突進がリィンに直撃し吹っ飛ばされる。
「ユーシス!エリオットを頼む!」
「あ、ああ!」
ガイウスは吹っ飛ばされたリィンの元に走る。
ユーシスはエリオットに気付け薬で意識を取り戻させるために走り出した。
「おい!早く目を覚ますが良い!」
ユーシスは手に持った気付け薬をエリオットの口に無理やり突っ込む、しだいに虚ろだったエリオットの目には光が戻り意識を取り戻す。
「・・・は!た、助かったよ・・・」
「急ぐぞ、でなければ手遅れに『ガキィン!』・・・な!」
激突音にユーシスが振り向くとそこには背後のリィンを庇いながら化け物の踏みつけを槍で受け止めるガイウスがいた。
「すまない、ガイウス」
「だい、じょうぶだこの程度!」
吹っ飛ばされた際に打ち所が悪かったのか、少しふらつくリィンを背にガイウスは踏ん張っている。
化け物も少しずつ体重をかけ始め、ガイウスが小さく唸る。
「ぐ、ぬ・・・ぉぉおおお!」
気合いと共に何とか化け物を押し返したガイウスは肩で息をしながら構えを取る。
その様子を化け物は余裕があるかのように見下ろし、またもや突進の構えを取り始めた。
「リィン!ガイウス!」
「これ以上はさせるものか!」
2人が援護に駆け出したその時だった。
「どけぇ!」
2人の間をミナズキが通り抜ける。
「惨ノ型・・・業炎撃!」
そして彼は太刀を抜き跳躍、化け物の角に勢い良く太刀を振り下ろした。
そして現在───。
化け物もミナズキに気付き、角で迎え撃つ。
ガキィン!
太刀と角の衝突、拮抗しているのか一向に終わる気配が無い。
「こ、これは・・・!」
「見てなくて良いから立て直せ!」
「は、はいー!」
驚きの声を上げるユーシスにミナズキは怒鳴り、その声にエリオットが反応した。
ガイウスとリィンの元に駆け寄ると、ティアの薬を取り出し2人の治療を始める。
その間もミナズキは化け物と対峙していた。
両者は1度離れ睨みを利かせ、互いに牽制し合う。
「grrrr・・・」
「・・・来い、やれるものならやってみろ!」
化け物は突進の構えを取り、ミナズキは太刀を納刀し抜刀の構えに入る。
「graaaaa!」
先に動いたのは化け物、ミナズキに向かって弾かれたように突っ込む、だがミナズキは動かない。
「危ない!早く避けて!」
「いやなに、恐らくは大丈夫じゃないかねぇ」
動かないミナズキに対して声を上げるエリオットに答えたのはいつの間にか合流していたレナだった。
「だがあれでは!」
「大丈夫、大丈夫だとも。それよりも諸君、追撃の用意をしようじゃないか」
反論しようとするユーシスを制すようにレナは提案しそして武器を構え走り出す。
「お、おい!」
そんな彼女の後に続くように4人もまた武器を構え走る。
激突まで5アージュ(m)、ミナズキは動かない。
激突まで3アージュ、ミナズキは動かない。
激突まで1アージュ、まだ動かない。
激突まで30リジュ(cm)、動かない。
そして化け物が角が文字通りミナズキの目の前に来た瞬間、彼は身体を捻るように化け物の角を躱し懐に潜り込み太刀を抜いた。
「伍ノ型・・・残月!」
両者が交差した瞬間化け物が突進の勢いのまま崩れ落ちる。ミナズキが狙ったのは化け物の左前脚、そしてその左前脚はまるで最初からそこにあったかのようにミナズキの横に鎮座していた。
ご拝読ありがとうございました。
これからも無理の無い程度に書いてまいります。
次話もよろしくお願いいたします。
もうすぐ原作で言うところの自由行動日になります。ミナズキの過ごし方を幾つか考えていますが、どれが良いでしょうか?
-
リィン達と旧校舎の調査(原作に沿う形)
-
レナに誘われ帝都へ(帝都で情報集め)
-
単独行動(他クラスの生徒とやり取り多数)
-
図書館へ(オリキャラに会いにいく)