「ヴィヴィオ、誕生日おめでとう」
「ありがとうございます! ユーノさん!」
今日は私、高町ヴィヴィオの誕生日! あいにくと司書のお仕事が重なっちゃったけど、そのお陰でユーノさんに直接誕生日をお祝いして貰えたからよし!
「今日で十八になるんだっけ? 気づけばもう大人だね」
「そうですよ〜! ユーノさんの生徒だった私もしっかり大人の仲間入りです!」
「帰ったら誕生日パーティやるんでしょ? 僕も誘われてるから、家まで送るよ」
「ついでになのはママから、たまには早上がりしろとか言われてたり〜?」
「アハハ、はい……」
苦笑いするユーノさんを見て、思わず拭いてしまった。
♢
仕事が終わり誕生日パーティを盛大にやり、夜も更けに更けて来た頃。
「そろそろ僕は帰るよ」
「えっ泊まってけばいいのに、久しぶりにお泊まり会の用意もしてたんだよ?」
「こらこら……本人に話し通さずに進めないでよ」
「えへへ、ユーノくんが家に来るの久しぶりだったから、つい……」
「また今度遊びに来るよ」
なのはママがユーノさんにわがままを言って困らせてる。なのはママは、強くて優しくて尊敬するママだけど、ユーノさん相手の時だけはどこか子供っぽい所がある。
「ユーノさんお外までお見送りするよ」
「えっいいのに」
「私がやりたいの!」
「なら、お願いしようかな」
そのまま外までお見送りして、そこで……終わらせよう、〝子供のあこがれ〟を。
「ユーノさん」
「ん? なに、ヴィヴィオ」
外へ出てこれから帰ろうとするユーノさんに声をかける、私の呼び掛けにすぐさま振り返りいつもみたく優しい顔で見つめる。私を、ただの子供として、女の子として、普通に見守る視線。その優しが、何よりも──
「私、貴方の事が男性として好きです。付き合って下さい」
「え?!」
私の突然の告白に一瞬面くらうも、私の顔を見てすぐさま真剣な表情になり、少しだけ考えて……口を開いた。
「ごめんなさい、僕には心に決めた人が居ます。だから、〝貴方〟とは付き合えません」
「……わかってた事ですけど、ハッキリさせちゃうとクるものがありますね」
「ごめんね、ヴィヴィオ」
「いえ、本当に分かってましたから。この恋は叶わないって」
そう、これはよくある事だ。自分が全て捧げたいと思ってる相手には、他に好きな人が居た。たった、それだけの事。
「私、今日思う存分泣こうと思ってるので、明日目が腫れてても気にしないで下さい」
「うん……分かった」
「それじゃあさようなら、ユーノさん」
「うん……さようなら」
さようなら……さようなら、私の初恋。