茅森月歌の幼馴染になったけど、未来が絶望すぎる   作:トロカツオ

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5章の前編をクリアーして書きたくなったので書いてみました。



転生した世界はまさかの…

 

 どうやら俺は死んでしまった。

 目の前で小さな女の子が横断歩道を渡っている時にながら運転していた20歳くらいの男性が突然急にハンドルをきって俺の方に突っ込んできて轢かれて頭から地面に落ちた。

 たぶん俺は即死だっただろうな、潰れたトマトのように頭がベチャってなって……うん、これ以上思い出すのはやめよう。あの時の衝撃を思い出してゲロりそうになる。

 

 俺は前世では普通の高校生……いや、普通ではなかったな。ゲームやアニメばかり観てたオタクな高校生だった。

 そんなオタクな俺の転生した世界は、死ぬ前によく遊んでいたゲームアプリの世界だった。オタクなら転生して知っているアニメやゲーム世界なら大興奮して喜ぶだろうな、だが俺はこの世界でとある1人の少女と出会ってこの世界が近い未来に壊滅寸前まで陥る事を知った。

 

「ねぇ、あんたの名前は?あたしは“かやもりるか”」

 

「まじかよ」

 

 この世界はHeaven Burns Redの世界だった。

 

 

******

 

 ここは日本の神奈川県の海と森が近い町。一言で言えば神奈川県の田舎だ。

 そこの佐久間家に転生して生まれたわたし事、佐久間海斗はこの度このHeaven Burns Red……略してヘブバン世界の主人公である茅森月歌に森の中にある公園で出会ってしまった。

 

 ヘブバンとはドラマチックRPGで有名なアプリゲーム一つだ。

 ヘブバンのストーリーではこの世界は“キャンサー”という未確認生物が人類を襲った。通常の兵器ではキャンサーには対抗できず人類は滅亡の寸前まで追い込まれた。そんな中人類は“セラフ”という対キャンサー用兵器を開発してキャンサーと対抗できるようになった。

 そのセラフを扱う軍、“セラフ部隊”の31Aの部隊長である主人公が俺の目の前に現れた。ゲームの世界では高校生くらいの容姿だったんだが、今は幼い姿になっている。こんな姿ゲームで見た事ないんだけど!?

 

「ねぇ、はなしきいてる?」

 

「えっ、わるい。なんか話してた?」

 

「だからなまえは?」

 

「俺は佐久間海斗。えーっと茅森月歌だったよな?」

 

「うん、よろしく“カイト”。あたしのことは“るか”でいいから」

 

 変なあだ名はつけられなかったな。まぁ、蒼井やいちごやすももみたいにあだ名呼びしない奴も居たからあだ名つける=仲良しって訳ではないからな。

 それにコイツの恋愛対象は同性だからな。それに推しのカップリングをNTR趣味はない。

 俺はヘブバンの中で月歌×ユキの王道のカップリング推しなんだよ。推しは眺めていたいだけなんだよ、だからそんな邪な感情なんか無いんだよ!!

 ……やっかいオタだな俺。まぁ、そのカップリングになるのは“この月歌”ではないんだけどな。

 

 

 まさかこの世界がヘブバンだったとはな………うん、死んだな俺。

 10年後くらいにキャンサーが来るだろうし、セラフが出てくるのもそれよりももっと後だと思うから。うん、死ぬな俺。

 

「なぁ、あそぼうよ、おにごっこするからカイトがおにね」

 

「いや、おい、勝手にはじめるな。かってに俺を鬼にするな!!」

 

 そう言って月歌は勝手に鬼ごっこを初めて公園内を走りだした。

 子供の頃から超マイペースだなこの世界の主人公様はぁ!!

 

「おらぁ、待ちやがれぇ!!」

 

「うわぁ〜逃げろ〜」

 

 海斗はベンチから立ち上がって月歌の方に走りだした。月歌は同年代の子供に比べて足は早く直ぐには追いつかなかったが、海斗は諦めずに月歌を追いかけてやっとの思いで捕まえた。そして2人は走り疲れてその場に寝転がった。

 

「お前……足速いな……」

 

「カイトこそ……あたし……ここで1番あしがはやいっておもってた」

 

 セラフ部隊では菅といちごとカレンちゃんとビャッコと一緒に並走出来るくらい足速いもんなコイツ。まだ子供なのに転生してから色々と特訓してきた俺より足速いなんて、今回は俺の方が体力があったから勝てたけど……天才って潜在能力から凄いんだな。

 

「確かにその可能性はあるな、あれは俺の粘り勝ちみたいな感じだったからな。短距離なら月歌の勝ってたかもな」

 

「ならあたしのかちだね」

 

「いや、捕まえたから俺の勝ちだろ」

 

 そう言ってから俺は起き上がった。そう言えばコイツ白い服着てるよな、こんな所で寝転がって絶対に汚れただろうな。

 

「なに、あたしをジロジロとみて」

 

「お前絶対に服汚れたなって思って」

 

「ほんとうだ、おかあさんにおこられる!」

 

 月歌は慌てて立ち上がって服をパンパンと叩いて服の汚れを落とそうとしていた。白い服の汚れはそう簡単に落ちるものじゃないからな、そんなんじゃ汚れは落ちないだろう。

 

 さてと、さっきの仕返しに皮肉な一言でも言っておこう。

 

「どんまい、親に怒られてこい」

 

「カイトのせいだからな!!あたしのうちにきて、いっしょにおかあさんにおこられてよ!」

 

「いや、どう考えても俺の所為じゃないだろ。お前が勝手に鬼ごっこを始めたんだろ!」

 

 何考えてるんだよコイツは、何勝手に責任をお裾分けしててくるんだよ。そんなお裾分け迷惑でしかない。

 

「えっ、そうだっけ?」

 

「おい、忘れるなよ!」

 

「おーい、月歌」

 

 すると公園の入り口に眼鏡を掛けた金髪の男性が月歌の事を呼んでいた。

 あの人、月歌と似ているな。金髪は月歌の方が少し明るい感じだな。たぶん月歌の父親だろうな。

 

「あ、おとうさんだ」

 

 どうやら月歌のお父さんだったようだ。月歌は入り口にいるお父さんの方に走って行った。

 

 それにしても死んでから茅森月歌の家族の事を知る事となるなんてな。もしかしたらストーリーを進んで行ってたら知ってたのかもな。俺の知っているのは4章後編のスカルフェザーの討伐と逢川めぐみの帰還の所までだからな。

 

 さてと、俺もそろそろ家に帰ろうかな。

 俺も公園の入り口に向けて歩きだした。まだ入り口には月歌と茅森父が居て月歌は俺の方に手を振っている。

 

「こんにちは、カイトくんだね。月歌と遊んでくれてありがとうね」

 たぶん月歌から名前を聞いたから俺の名前を知っているのだろう。

 どちらかというと一緒に遊んだというより、コイツに巻き込まれたって言う方があっているな。

 

「どうも」

 

「カイトくんもそろそろお家に帰るかい?」

 

「はい、母さんとの門限があるから」

 

 母から夕暮れになる前に帰ってくるようにと曖昧な門限を言われたから夕方になる前に帰る事にしてる。

 

「ならいっしょにいこ」

 

「いいけど、月歌の家には行かないよ」

 

「えぇ〜!!」

 

 月歌の驚いている顔を無視して俺は歩き出した。

 これから鍛えるのをやめてキャンサーが来るまで人生を謳歌しよう。

 

 そして海斗と月歌と月歌父は公園を出て森の中に入って行った。

 まさかその後にあんな目に会うとは思いもしなかった。




次回、主人公登場!!
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