茅森月歌の幼馴染になったけど、未来が絶望すぎる 作:トロカツオ
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前世で子供の時に母親と散歩の時によく歌っていたな……森のくまさん。
まさか本当に出会っちゃうなんてな……
『ウオーーーーーン!!』
目の前には2メートルくらいあるでかい茶色いクマが俺たちの前に現れた。
ちょっとこの世界、色々と死亡フラグ多くない!?
……死亡するのは確定してるけど、こんな子供の時に死ぬのかよ!!
「月歌、海斗くん。下がってて!」
「おとうさん!!」
月歌のお父さんが俺達の前に立ちクマに立ち塞がった。
月歌のお父さんは190cm、髪は茶、筋肉モリモリ、マッチョマンの変態ではなく、170cm以上で髪は金髪の華奢で痩せ型な体型をした男だ。逃げるんだ〜勝てる訳がない!!
………落ち着けぇ、逃げてもクマの方が足速いから100%捕まってペロリとされる。戦うのも無理だろう、“今の月歌”はセラフもない。詰んでるよこれ。
『ウォォォォォォン!!』
「ぐぅ!!」
「おとうさん!!」
俺がくだらない事を考えている時にクマが月歌のお父さんに襲いかかっていた。月歌のお父さんは避ける事は出来たが微かに爪が月歌のお父さんに当たっていて血が出ている。
こんなのが普通に森に居るとかマジで恐怖じゃないかよ、前世でニュースとかでクマを殺すのを反対してた人らは何を考えてたんだよ、絵本でのクマを想像してたのかよ。リアルで見たらマジで恐怖でしかねーよ!!
「海斗くん、月歌を連れて逃げてくれ!」
「おとうさんは!?」
「お父さんの事はいいから、頼む!!」
「…っ、分かりました!」
俺は月歌の手を掴んで走り出した。
この状況は逃げるしか手はない、推しと手を握るのはユキに申し訳ないけど、これは緊急事態だから!!
「カイトはなして、おとうさんが!!」
「今は逃げて誰か助けを呼びに行くんだ!」
「いやだ、あたしはおとうさんを!」
月歌は俺を手を振り解いて怪我をした父親の所に走り出した。クマが月歌のことに気がついて、月歌の父親から離れて月歌の方に行った。
「あぁ…」
「月歌ァ!!」
くそ、このままだと月歌がクマに襲われてしまう。
月歌はクマが自分の方に向かっている事に気がつきそのクマの姿に恐怖したのか立ち止まっていた。俺は慌てて走り出して月歌の方に向かい、月歌に飛びついてクマの攻撃から月歌を守る事は出来たが……
「ぐっ、いてぇぇぇ!!」
「えっ、カイト!?」
クマの爪は俺の背中に当たっていた。背中にはとてつもない痛みが走って、まるで背中が焼けるような痛みが俺を襲っている。
くそぉ、リアルの熊パンチはやべーな。掠っただけで背中がえらい事になってるな。ゴールデンカムイで顔の皮がめくれてたな。もしも直撃だったらマジで起きそうだな。
「月歌、早く逃げろ!!」
「でも、カイトとおとうさんが……」
「いいから早くしろ!!」
「あ、あしが。たてない」
俺は必死に月歌に言った。だが、月歌は俺の背中の傷を見たのか恐怖でパニックを起こして腰を抜かしてしまったようだった。
くそ、こんな所でこの世界の主人公が死んでしまうのか。俺が居た所為でヘブバンの元々の世界の流れがおかしくなって月歌と月歌の父親が熊と出会ってしまったのかよ。だったら、俺が命をかけて熊から月歌を守るしかない。未来は何があっても変えさせるものか!!
俺は背中の痛みに耐えながら膝に手を当てて何とか立ち上がり月歌の前に立って熊と向き合って俺は大声で叫んだ。
「喰えるものなら喰ってみやがれ!!」
『ウォォォォォォン!!』
熊は雄叫びを上げながら二足立ちをして俺に前足を振り下ろしてきた。俺は覚悟を決めて死ぬ最後の瞬間まで熊を睨みつけてやると決めて、瞬きせずに熊を睨み続けた。
突然に俺と熊の間に丸い物体が入ってきた。
『⬜︎⬜︎⬜︎ー⬜︎ーーー⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎ー⬜︎⬜︎ー⬜︎』
「えっ……ナービィ?」
俺の目の前に現れたのはナービィだった。
ナービィは聴いた事がない音を発した。すると頭上にワームホールが開き、そして2本の剣……双剣型のセラフが現れた。ナービィはセラフを使って追い払ってくれた。
「なんだ……あれは!!」
双剣型のセラフ……って事はコイツが茅森月歌になるナービィなのか。こんな前からナービィは地球に居たのか。そして月歌とこんなに早くに出会うのかよ……これも俺が茅森月歌の世界に入ってしまったから予定よりも早くに出会ってしまったのだろうか?
「カイト、けがはだいじょうぶ!?」
「……背中がどうなっているのか分からないけど、物凄く痛い」
「酷い怪我だ……すまない海斗くん、月歌の為にこんな怪我を」
「気にしないでください。おじさんこそ肩は大丈夫ですか?」
「あぁ、海斗くんに比べたらマシな方だよ」
えっ、俺の背中ってそんなに酷い怪我なの!!背中の傷は剣士の恥だって!!
「それより一体誰が助けてくれたんだ?」
「このまんまるでふしぎな子が?」
月歌と月歌の父親はナービィのそばに近づいた。
俺は背中の痛みのせいなのか意識が朦朧としてきた。
「なんだ……それは?」
「おとうさんもしらないの?」
「見たこともない生き物だ」
「カイトは?」
「えっ、あぁ〜ハジメテミルセイブツダナ〜」
突然に話を振られて棒読みの台詞になってしまった。
やばいな、意識が飛びそうだ。足もガクガクしてきた。色々と貴重な場面で考察とかしたくなるけど頭が上手く回らない。
「そうなんだ。この子あたしたちをたすけてくれた」
「そうだね、見たことない武器で撃退してくれたね」
「この子つれてかえっちゃダメ?」
「えぇ!!それをおうちにかい!!?」
すると月歌はペタペタとナービィを触り出した。
あっやべぇ、もうダメだ。いしきが……
海斗は意識を失ってその場で倒れてしまった。
******
次に目を覚ました時は病院に居た。
母さんが丁度おみまいに来ていて俺が目を覚ました事に気がついて抱きつかれてしまった。すると俺の背中に激痛が走り、熊に向かって叫んだ時以上に叫び、そしてまた意識を失った。
そして次に目を覚ました時は月歌と月歌の父親と見慣れない綺麗な女性も居た。その女性は月歌の母親だった。月歌の母親と父親は俺に謝罪とお礼を物凄く言われた。
あの後ナービィは茅森家の一員になった。名前は“ポムポム”と名付けられた。月歌が決めたらしい。
確かに広場でよくポムポムっと跳ねていたからな……そのまんまだな。
俺が寝ている間にあの後に市役所に報告して猟友会に辺りの一帯の散策と熊の駆除をお願いして貰ったらしく、つい昨日に俺達を襲った熊を駆除してもらい、他の熊も駆除して貰った。愛護団体には悪いけど、あんな目に遭わされたから熊にはざまーみろしか思わない。
俺の背中の傷は酷くて少しの間入院する事になった。
寝返りをする度に激痛が走り、少しでも動くと激痛が走り、トイレに行こうと立ち上がると激痛が走る。なんなのこの生き地獄は……前世でもこんな大怪我はした事ないのに。あっ、死んだから大怪我以上か。
入院中は学校を休む事になった俺は暇だったから親に頼んで色々な本を持ってきた貰って読んでいる。そして夕方になると月歌が毎日のように俺の病室に来てくれた。俺と同じ学校に通っていてしかも同じ学年だった。クラスは別だったけど先生に聞いてわざわざ俺のクラスの担任にプリントを貰って俺の病室まで来てくれた。たまにランドセルにポムポムを忍び込ませて連れて来る。
そして月歌とたわいない話をしたり、ナービィを撫でたりした。ナービィって可愛いイメージあるけど顔を直視すると意外と怖かった。
「ねぇカイト、どうしてそんなけがまでしてあたしをたすけてくれたの?」
「……なんだろう、友達だからかな」
「ともだちだから?」
「そう。オマエにもいつか大切な友達が出来て命をかけて助け合う友達が出来るよたくさん」
「ともだちがカイトいがいにもたくさん」
月歌はそう呟いて嬉しそうにそう呟いていた。
未来でオマエにはたくさんの仲間が出来て、そして仲間を失いながらも前を向いて歩きだせる。
目を覚ましてから数週間後に俺は無事に退院した。
次回は少し時が流れます。