茅森月歌の幼馴染になったけど、未来が絶望すぎる 作:トロカツオ
今日はエイプリルフールなので早めの投稿です(嘘)
森のくまさんに出会ってから数年が経った。
俺と月歌は小学5年生に進級した。
俺の背中の傷は治ったが跡は残ってしまった。プールの授業の時に着替える時に服を脱いだ時にクラスメイトの男子から驚かれて目立ってしまった。女子達の前でもその傷は目立ったのか集まってきて「大丈夫?」とか「痛くない?」とか心配された、俺は「もう痛くない」っと適当に答えた。それを見ていた月歌が俺に「モテモテじゃん〜」っといいながら肘で俺の脇腹をぐりぐりして来た。結構強めにしてきて痛かった。
月歌が俺の背中の傷を見ると暗い顔をするから俺はなるべく見られないようにしている。
月歌達とは熊の一件以降に仲良くなり、茅森家とは家族間の付き合いまでになってしまった。月歌の母親にパンケーキを作って貰い物凄く美味い、月歌は蜂蜜をたっぷりとかけて食べている。見ているだけで胸焼けがする……あっ、コーヒーありがとうございます。ブラックですよね……おい月歌ァ、角砂糖を入れるなぁ。このくるくるぱーーーかーーー!!」
月歌とはよくあの公園で遊んでいる。ここら辺に住んでいる子供達はインドア派が多くてゲームでよく遊んでいて、だから俺と月歌だけ二人だけでよく遊んでいる。この間浜辺で凧上げしたな……凧は英語でカイトだから名前が被ってるから色々とからかわれた。
……俺的には月歌の友達の中にいる友人A的なポジションになる予定だったのに、いつの間にか月歌によく振り回されるユッキーのポジションになってしまった……解せぬぅ!!
月歌と一緒にギターを弾いたりしている。
最初は月歌だけが弾いてたけど、月歌から『弾いて弾いて〜』っと駄々をこねられて俺もギターを弾く事になった。前世では中2の時にギターを始めてFコードも押さえる事も出来て普通に弾ける。高校の時に友達に頼まれて文化祭でバンドを組んだ事はあるが……他のメンバーが下手くそでぐだぐだな結果で終わってしまったな。黒歴史を思い出すのはこれくらいにしておこう。
俺も弾けるが月歌と比べたら天と地ほどの差がある。まさか小学生に負けるなんて……いや、あの作詞作曲もこなし、メジャーデビューアルバムはその年の新人賞を総なめにし、天才という言葉をほしいままにしたあの茅森月歌と比べるなんて……虚しくなるだけだよ。
「ねぇ〜カイト〜早くギター弾こうよ〜」
「や〜め〜ろ〜、コーヒーくらいのんびり飲ませろ」
「月歌、海斗くんを急かさないの」
俺は今茅森家でのんびりとパンケーキとコーヒーをいただいている。
月歌は食べ終わってさっきから俺の腕を掴んで揺さぶって来る。飲みにくいから止めてくれ、コーヒーがこぼれる〜。
「ちぇ〜、ならあたしだけ先に弾いてるよ」
月歌は飽きたのか俺の腕を離してリビングを出て楽器が置いてある部屋に行った。これでゆっくりとコーヒーが飲めるな……って。
「あの〜ジロジロと見られると飲みにくいのですが」
「ふふ、いいじゃない。それにゆっくりと海斗くんと話してみたかったの」
月歌の母親はそう言って俺の前の席に座った。
こうやって月歌の母親とのんびりと一対一で話すとは初めてだよな。ゲームでも出てこなかったしな。でも、良い人だって事は会って数日で分かった。
それにしても美人だよなこの人。流石はあの茅森月歌の母親だよな。ちょっと前世で観ていた有名なVtuberさんに似てるな、美人で清楚な所もそうだし。
「あら海斗くんも私をジロジロ見てきてどうしたのかな?」
「いえ、目元とか目の色とか月歌と一緒だな〜って思いまして」
「あらそう。でも、それ以外にも月歌と似ている所はあるのよ。ほら、美人な所とか」
「そうですね。あっ、髪の色とかはおじさんに似ていますよね」
「そうね……あら、ギターを弾きはじめたね」
月歌の母親とのんびりと話していると月歌はおじさんのガットギターを弾き始めた。おっ、let it beか。初めて聴いた時は弦をしっかり抑えれなくて音がビビってたけど、今の月歌はちゃんと弾けてる。歌も凄く上手い。
「良い音、流石私の娘ね」
「親バカ……って言いたい所ですが本当に上手いですね」
「あら、知らなかったの。私もあの人も親バカで月歌の事が大好きなのよ海斗君。それで海斗君はギターを弾きに行かないの?」
「今はおばさんと話してますのと月歌のギターをもう少しゆっくりと聴いていたいので」
「海斗君も月歌の事好きなのね」
「月歌の音楽が好きですよ。邪な感情とかはありませんよ」
「あら、私の娘に魅力はないのかしら?」
「月歌に魅力はありますけど、俺とは不釣り合いですよ」
俺が推しとそんな関係になるわけない。月歌×ユッキーのてぇてぇを壁になって見ていたいんだよ!!それと不釣り合いなのは確かだしな。
「本当に海斗君は小学生なのかしら?実はとある組織に子供に変えられた高校生だったりして?」
「俺は赤い蝶ネクタイを付けた小学生探偵じゃありませんよ」
うん、正解です。とある組織は神様でして、元は高校生でした。あの探偵と違うのは目立ちがり屋でキザな台詞を言わないのとIQとイケメンじゃないって事だなバーロー。
くだらない事を考えているとポムポムが俺の足元にやって来た。俺はポムポムを抱っこして膝の上に置いた。
「さっきも言った通りに俺は月歌の音楽が好きなんです。まぁ月歌のファンですね」
「なら海斗くんが月歌のファン2号ね、ファン1号は譲らないわ」
「そうですね。なら3号はオマエだな」
俺はポムポムに向かってそう言うと、俺の膝の上でポムポムが跳ねた。
オマエはまだロストナービィじゃないから知性やら記憶は残るから分かるだろうな。
「あらポムポムも月歌のファンなのね。いつの間にファンが沢山できたのね」
「大丈夫ですよ、月歌がライブでもすれば全員がファンになりますよ」
「あら海斗君、貴方も親バカみたいな事言ってるよ」
「親バカでも友バカでもありませんよ。月歌にはそれくらいの才能がありますよ」
「ふふ、ありがとうね海斗くん」
………今更だけど俺って今めちゃくちゃ恥ずかしい事を言ってるよな、月歌の母親の前で。まぁ、娘さんをベタ褒めしてるから月歌の母親は凄く嬉しそうにしてる。ポムポムも何処かドヤ顔をしているような……いや、いつも通りの顔だな。
「ではそろそろ月歌の所に行きます」
「いってらっしゃい」
「いや、横の部屋に行くだけですよ」
そう言って俺は膝に乗せていたポムポムを抱っこしてから立ち上がり、月歌の所に向かった。月歌はソファーに座ってギターを持ちながら睨んできていた。顔が少し赤いな……さっきまではいつも通りだったのに。そういえば月歌の母親と話している途中でギターを弾くのやめていたな。少し体調が悪いのか?
「大丈夫か月歌?」
「………大丈夫じゃない。早くあたしの隣に来てギター弾いて」
「わかったよ」
俺は月歌の座っているソファーの隣に座った。月歌からガットギターを受け取り、ポムポムは月歌の膝の上に乗った。
何故そんなに急かしてくるのやら……まぁ、いいか。取り敢えず弾くか。曲は前世で1番好きな曲で1番練習したあの曲。
『一番の宝物』
少しずつ進んでますね……
あと少しで彼と彼女の物語に終わりを迎えます……
彼の選択で未来が変わってしまいます……
彼はどれを選択するのだろうか?
お楽しみに