茅森月歌の幼馴染になったけど、未来が絶望すぎる 作:トロカツオ
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ありがとうございます。
あの学芸会の伝説のライブから数年が経った。
俺と月歌はあのライブの後が色々と大変だった。
俺達のクラスメイトの奴らに囲まれて『凄かった』や『かっこよかった』など褒めちぎられて、他の知らないクラスの奴等や学年が違う知らない奴等からも褒められたりファンになったりした。先生方からも称賛の言葉をいただき、俺と月歌は一躍学校のスターになってしまった。
そんな人気者になった俺たちはいつも通りにクラスで二人でだべる時間は無くなり、休み時間になると他のクラスメイトの数人が何故か集まってくるようになったり、放課後に遊びの誘いやギターの練習をするなら見たいとか言われるようになった。俺はやんわり断っていた。理由はジロジロと見られながら練習するのは好きじゃない。
えっライブだと大勢に見られるから大丈夫だろって、本番と練習は違うんだよこのど素人が!!
卒業式の数ヶ月前に校長先生にまたライブをやって欲しいと頼まれたが、もう嫌気が刺していた俺と月歌は断って小学校でのライブは学芸会の一回きりとなった。
そうそう、あの学芸会のライブを俺達の親以外にも撮影していて、そいつが無断でSNSに投稿してしまい、それに目をつけた某有名な音楽プロダクションの人が学校帰りの俺達にスカウトしてきた。俺達は少しだけ話を聞いてからすぐに断りそのまま家に帰った。そのスカウトの件でもまた噂が流れて面倒だったな。
俺は月歌に「お前だけでもスカウト受けろよ」っと言うと月歌は嫌そうな顔をして「もう目立ちたくない。それとカイトが居ないと意味がない」っと言われてしまった。最初の意味は分かるが、最後のは全く分からなかった。別に俺が居なくてもお前は成功する、逆に俺が居た場合だと成功はしないだろう。少し先の未来では月歌はShe is Legendでメジャーデビューする、その中には俺は居ない。もしかすると俺が居たから歴史が改変されたのか!!……いや、落ち着け。She is Legendがデビューしたのは小学生の頃の茅森月歌ではなかったはず。だから大丈夫だ……たぶん。
そんなこんなで俺と月歌は無事に小学校を卒業出来た。
中学に上がった俺達の関係は大きく変わることはなかった。
男女の友情はなんとやらで、中学くらいに上がると疎遠になると思ってたが、月歌はそんな事は気にせず小学生の頃と変わらず接してきた。
俺はそろそろ月歌との関係にも終止符を付けて茅森月歌の物語から消えて、月歌がメジャーデビューしてShe is Legendがテレビとかに出ているのを観てキャンサーが来るまでの束の間を楽しもうと考えていた。それに、さっきも話したが俺が居る所為でShe is Legendが誕生しない可能性があるからだ。それともう一つ理由があるがそれは後に話そう。
だが月歌は俺が距離を取ろうとすると直ぐにその距離を詰められた。何度も何度も距離を取ろうとしたが、その度に距離を詰められて手を掴まれて「逃がさん!!」っと言われながら腕を組まれた。その後、俺は抵抗したが月歌は諦める事はなく『あたしが諦めるのを諦めろ!』っと忍ばない事で有名な忍者の漫画の名言を言われて俺は諦めた。
そして俺達は中学2年生になり、ついにモテ期が来た!!
前世では勉強にバイトにオタ活に忙しくてモテ期なんかステーキの方が良いと強がっていたが、転生してついにモテ期が来たんだ……俺じゃなくて月歌に。
「ねぇカイト〜またあたし告白されちゃった」
「そうかよ」
月歌はルンルンっと嬉しそうに話してきた。
月歌がモテていた、驚くほどに。モテ期が来たっと言っていたが、月歌のモテ期は入学してから続いている。異性の同級生から先輩に同性の同級生と異性と幅広くモテた。月歌は俺と居る事が殆どで月歌の事を好きな奴らから嫉妬の視線が俺に送られてきて、俺はそれもあって月歌から距離を取ろうとして失敗して腕を組まれる事態になって視線が破壊光線に変わった。
ノーマルタイプの技なのに何故か俺にはこうかばつぐんだった。
「それで次は誰に告白されたんだ?」
「えーーっと、確か先輩でサッカー部のキャプテンらしい」
「名前は覚えないのかよ。それで付き合うのか?」
「うーん、カイトはどうする?」
「いや知らねぇよ……せっかくだし付き合ってみれば」
「えぇ〜やだよ」
「なら何故俺に聞くんだよ」
俺と月歌は今俺の部屋で勉強会をしている。来週から期末テストがある、それが終われば夏休みがやってくる。だが、期末テストが酷い結果だと月歌は夏休みの間ずっと夏期講習に行くという事になっている。理由は中間テストが酷い結果だったから。
俺の家で勉強している理由は、茅森家で勉強をしようとすると月歌がギターに吸い込まれて行って、100%脱線するからだ。佐久間家はギターはあるけど地下にしまっておいたから簡単にはギターには触れない。
そして今は勉強にひと段落したからだべっている訳だが……
「カイトだったらやきもち妬いてくれると思ったんだけどな〜」
「俺がいつの間に月歌に好意を持っている事になってるんだよ。やきもちなんか妬くかよ」
「そんな〜妬いてよ〜」
「なら今日の昼は餅買って来て焼いてやるから諦めろ」
「餅やだ〜お肉がいい〜。高級な牛がいい〜」
「俺に高い肉を奢らせようとするなよ」
俺はため息を吐いた。そろそろお昼だから何か適当に作らないとな……素麺か冷麦の究極の2択だな。
あっ、そう言えばクラスの奴に月歌の好みを聞いてくれとか言われてたな。まぁ〜月歌の好みのタイプは眼鏡をかけた巨乳で可愛いより美人よりでインテリ系な女子で、苗字が和泉で名前がユキに決まっている。
「話は戻るけど、月歌ってよく告白されて断るけどお前って好みのタイプてあるの?」
「え〜カイト気になるの!?」
「キニナルナー棒読み」
「うわー棒読みで言ってる。……仕方ない、教えあげる」
そう言ってから月歌は真剣な表情をしてジーッと俺の方を見て来た。
数分だけ考えてから口を開けた。
「顔のタイプはクールな感じかな」
「ふむふむ」(ユッキーだな)
「面倒くさそうにするけど、あたしの我儘とかになんだかんだ付き合ってくれる所」
「なるほど」(ユッキーじゃないか)
「ツッコミが得意で」
「へー」(これはユッキーだな)
「あたしの音楽について来れるとか」
「音楽ねー」(ユッキーしか居ないじゃん!)
「それくらいかな」
「性別とかは?」
「性別!……いやいや、そこも聞くの?」
「同性からも告白されるだろお前」
「そうだけど………まぁ、気にしないかな」
これは100%ユッキーじゃないか!!これはキマシタワー、まさかこの月歌の時からユッキーの事が好きだったなんて。これは月歌×ユキ推しには歓喜だ!!
「それであたしの好みのタイプを聞いた感想は?」
「………お前って面倒くさそうなタイプの奴が好みなんだな」
「えぇーそれだけー!?あたしの真剣に考えた数分を返してよ!!」
「俺はお前の勉強に毎回時間を費やしているぞ。しかも何時間どころか日だぞ」
「ぐっ、言い返せない」
月歌は悔しそうに机に突っ伏した。
そんな月歌のことを無視して俺はさっきから作っていたテストを月歌が突っ伏している机の上に置いた。
「昼飯前にテストするぞー。テスト結果によって飯の内容が変わります」
「傷ついているのに追い討ちかけないでよ!」
「なら夏休みは1人で夏期講習を頑張ってこいよ」
「頑張ってテストを解くであります!」
月歌はそう言ってテストを解き出した。俺は素麺でも茹でてくるか。
俺は部屋から出て台所に向かった。
****
テストは終わった。決して月歌のテストが終わったって意味ではない。
月歌のテストの結果は中間テストの結果がまるで嘘のような好成績で先生から不正を疑われるレベルだった。俺が月歌に勉強を教え込んだっと言うと信じて貰えた。
月歌は無事に夏休みを迎える事が出来て「ギャイアグレイーイボドドドゥドオー!!」っと奇声を上げながら喜び狂ってたな。
夏休みを迎えて数日が経った。7月があと数日で終わり、8月になる。
俺は月歌が居ない時に夏休みの宿題をやって、あとは読書感想文だけとなった。月歌の奴は夏休みの最終日の8月31日になって泣きついてくるだろうな……。
『ピンポーン』
部屋でのんびりとしてたらインターフォンが鳴った。
月歌だったら外から俺の名前を呼んでくるから違うだろう。なら宅配便だろうな、父さんか母さんが何か頼んだのだろう。
俺は立ち上がってからリビングに行きモニターで玄関の様子を確認した。
「はぁ、なんでここにいるんだよ!?」
俺は驚きのあまり大きな声を出した。
なんでアイツがここに居るんだよ、おかしいだろアイツがこんな所に居るのは……ここに居るのはおかしいだろ!
…………取り敢えず会いに行くしかないか。
俺は玄関に行き扉を開けた。
「よぉ、初めましてでいいんだよな◯◯」
佐久間海斗の最後の夏休みが始まった。
次回、最終回