茅森月歌の幼馴染になったけど、未来が絶望すぎる 作:トロカツオ
どうもお久しぶりです。
あとがきの続きです
鬱展開とかあります。
一応この作品は終わって居るので満足している人は読まない事を推奨します。
その後にゆりっぺにこの学校を案内して貰った。
ここの学校はあたしが居た学校よりも遥かに大きくて驚いた。そしてここの食堂も広くて良いライブ会場になりそうっと呟いたらゆりっぺに「ガルデモはいつもここの食堂でライブしているわ」と説明された。ここでライブ出来たら気持ち良さそうだよな、飯時にライブをしてみんなを楽しませる、すごく良いライブになりそうだ。でも、ライブの目的は食券をかき集めるらしいけど、あたしにはそんな事は関係ないから全力でライブを楽しもうっと決めた。小学校の頃以上の良いライブをしよう。
そして学校を案内して終わったら日が暮れていてそのまま食堂でご飯を食べてから寮の部屋を適当に借りた。ベットの上に仰向けになって死んだから睡眠は取らなくても大丈夫なんじゃないかとか思って目を瞑ったら普通に寝れて夢も見た。夢ではあたしは小学校の頃に体育館でライブをしていた。あの時のライブは本当に最高のライブだったと思ってる。そんな事を思いながらあたしは夢を見ていた、ライブを終えてライブの余韻に浸っていたら誰かに話しかけられた。顔はぼやけていて声が聞こえにくかった。あたしはそいつからお水を貰って一気飲みをした。
『どうした月歌、お前の歌を聞きたいファンが居るのにもう終わりにするのか?』
そいつの声がハッキリと聞こえてあたしは夢から覚めた。
あたしの見覚えのない記憶。そいつの顔はぼやけて分からなかった。声は最後にハッキリと聞こえた。男の声だ、お父さんやあたしの知ってる男友達の声でもなかった。だけど何処か聞き覚えのある声だ。
「あれ、なんであたしは泣いてるんだ」
あたしは涙を流していた。涙は次々に出てきて、胸が苦しかった。
その声を思い出そうとすると涙が止まらなくなる。
「誰なんだよ」
そう呟いた。
もう一度寝て彼の事を思い出そうとしたが感情が昂って目が冴えてしまって眠れなかった。そしてそこからは一睡もできずに朝が来た。
あたしは気分転換に音楽室に行ってギターを弾くことにした。
音楽室にはギターやベースも置いてあった。そしてあたしはまたガットギターを持った。あの後にひさっちゃんに許可を貰ってこのギターを弾かして貰えるようになった。
「また借りるよ岩沢さん」
そう呟いてからあたしは椅子に座ってからギターを弾いた。
徐々に気分が良くなっていき歌も歌った。
なんだろう、久しぶりにギターを弾くような感じだ。昨日も弾いたのに懐かしく感じる。前世でもちゃんとギターは弾いていたと思うのに。
「やっぱり月歌だったか」
「おっひさっちゃんじゃん。おはよう」
すると音楽室にひさっちゃんがやって来た。
「相変わらず良い音を鳴らすな月歌」
「そうかな」
「そう謙遜するなって、そうだ。今日はガルデモで合わせないか?」
「うん、いいよ。いつでもライブが出来るように準備しないとね」
「そうだな。そろそろ食券が切れそうだからそろそろゆりっぺに頼まれそうだな」
そんな話をしているとみゆきちやしおりんが来て最後にゆいにゃんも来た。
ガルデモの初の合わせの練習をする事になった。前日に楽譜を全部読んでいたから頭には入っている。
そしてみゆきちのカウントと共に演奏が始まった。
合わせの練習は終えたあたしは1人屋上に上がってココアシガレットを口に咥えて黄昏ていた。
練習は上手く行った。初めてのバンドを組んで演奏したのに普通に合わせられた。いや、最初は合わせられなくて走ってひさっちゃんに怒られてしまった。みんななら合わせてくれると思っていた。昨日会ったばかりの初対面なのにそう思ってしまった。
すると背後の扉が開いた。すると男子が入ってきた。
「あっ、えーっと茅森だったけ?」
「そうだけど、アンタは?」
「俺は音無結弦」
「知ってると思うけどあたしの名前は茅森月歌」
「それで茅森はこんな所で何をしてるんだ?」
「ちょっと考え事。……夢で小学生の時にやったライブを見たんだ」
「そう言えば茅森も死んだ時のことを忘れてるんだよな。ゆりから聞いた」
自然と口にしていた。
別にコイツに話すつもりはなかったのに何故か話してしまった。
「俺も記憶がないんだ。茅森みたいに一部じゃなくて名前以外全部だけど」
「アンタも大変なんだな。……あたしは忘れてるのはたぶん誰かと過ごした日々だと思う」
まだ確信はないけど、今日の夢やさっきの合わせでのバンドの練習からしてそう思った。あたしとそいうの関係はどんなものなのか何一つ分からない。だけど、大切なんだと思う。
「そうなんだな」
「わるいな変な話をして。それであたしに何かようか?」
「そうだゆりに言われて茅森を呼びにきたんだ」
「ゆりっぺがあたしの事を?」
「たぶん次の作戦の事だろうな。一応言ったからな」
そう言って音無は屋上から出て行った。
何処か音無を見ると少し懐かしい感じがした。でも、あたしが忘れている奴はアイツじゃない。
********
朝にひさっちゃんが言ってたとおり備蓄していた食券が無くなりそうだからライブをして欲しいと言われた。だから急遽ライブをする事になった。
そして戦線メンバーにライブの機材などを運んで貰ってあたし達ガルデモは食堂の席に座ってミーティングしていた。
「大丈夫か月歌、急遽ライブする事になって」
「大丈夫だよひさっちゃん。あたしすっげぇワクワクしてる」
「茅森さんって本番に強そうな感じがしますよね」
「そうかな?でもライブは楽しみにしてるみゆきち」
「頼りにしてるからな茅森」
「任せてくれしおりん」
「まぁ、後輩の為にこのユイにゃんが人肌脱いであげる」
「頼りにしてるよユイにゃん……うぐっ!」
突然月歌に激しい頭痛がしてうずくまった。
なんだよこんな時に……あと少しでライブがはじまるのに。
「大丈夫か月歌!?」
「だ、大丈夫だよ」
「ゆりっぺさんに頼んで作戦は辞めてもらうようにしましょうか?」
「大丈夫だから。ライブをしよう!」
「茅森さんがそう言うなら」
また何か思い出しそうになったのだろう。
このライブをしたら思い出せるかも知れない。アイツの事を思い出せるかも知れない。だけどまだ頭痛がする、これくらいならライブはできる!
そして食堂の照明が消えてあたし達はステージに登りライブが始まった。
ライブを楽しもうとしたが、さっきよりも頭痛が酷くなった。集中も出来ない。
一曲目が終わった。ミスはしなかったが頭痛が酷い。
頭痛のせいでボーッとして視界が霞む。
「大丈夫なのか茅森?」
「だ、大丈夫だよ。二曲目お願い」
「分かった」
そう言ってドラムスティックを叩いてリズムを取ってから二曲目が始まった。
さっきよりも頭痛が酷くなってきた。前を向けない。
やばい、これ以上頭痛が酷くなるとギターがミスしてしまう。何とかしないと、ガルデモのみんなの為に……
『月歌がどれだけポカしても俺がサポートしてやるから』
頭の中に声が聞こえた。私はその声を聞いてからハッとして前を向いた。
たくさんのファンがあたしの……あたし達の音楽を聴きに来てくれたんだ。こんな頭痛なんかに負けてたまるかぁぁ!!
二曲目も無事に終わった。
頭痛はするがまだ弾ける、大丈夫だ。
「それじゃあここでメンバー紹介をうわぁ〜」
「うぉ!?」
ユイにゃんが動き出すとコードに足を引っ掛けてあたしにぶつかった。突然にユイにゃんにぶつかられてあたしは反応できずにステージから落ちそうになった。
「月歌!!」
ひさ子が慌ててあたしの方に来て月歌の左腕を掴んで落ちなかった。
こんな事前にもあったような気がする。
あれは……海で“凧”を上げていた。
足元にはポムポムが居て、直ぐそこに……アイツが居た
そして突風が吹いてあたしが崖から落ちそうになってアイツが……アイツが……
「あぁ……あぁ……あぁ!!」
助けられた月歌はその場にうずくまって頭を抑えた。
思い出した
思い出した
思い出した
思い出した 思い出し 思い出した 思い出した 思い出した
思い出した 思い出した 思い出した 思い出した 思い出した
あたしの所為でアイツが死んだんだ
そしてあたしは………アイツを追って自殺したんだ
********
助けられたあたしはしばらく腰が抜けて動けなかった。
数十分くらいしてようやく立てるようになってあたしはアイツの名前を大きく呼んだ。だが返事はなかった。
慌てて崖から降りて浜辺に行き、海に入りながらアイツの名前を呼びながら探した。そして海の方に進んで行き、腰まで水が浸かったがあたしは夢中にアイツを探した。だが、アイツからの返事はなかった。
すると誰かに掴まれた。振り向くと泣きそうな顔をした母さんが居た。その顔を見たあたしは冷静になって母さんと一緒に海に出て母さんに説明した。母さんの顔は真っ青になり慌てて家に戻って海上保安庁に連絡をしてからアイツの親にも連絡をしていた。
そこからあまり覚えはないが気がついたら母さんに抱きつかれながら泣かれていた。母さんは「絶対に◯◯◯くんは見つかるから。だから月歌はちゃん学校に行かないと」と言ってきた。
そうだ、あたしは勉強しないといけない。そうしないとアイツと同じ高校に通えない。アイツは絶対に帰ってくる、だからあたしは勉強をしてアイツと一緒に同じ高校に通うんだ。
そんな淡い期待と夢は直ぐに崩れた。
彼が海に落ちてから一年後に彼は見つかった………死体で。
アイツの母親からお母さんに連絡があって見つかったと教えてくれた。
彼の死体の状態は酷く、彼の面影は何一つなかったらしい。アイツの母親があたしは見ないように言われて見せてくれなかった。父さんが見たらしいけど、「月歌は見ない方がいい。もう、◯◯◯くんだと分からない」と言われた。
何を言ってるんだ父さんはアイツは帰ってくるんだ!絶対に帰ってくるんだ。アイツと同じ高校に通うんだ、そしてバンドを組んで文化祭でライブをしたりライブハウスで演奏するんだ。だからアイツは……アイツは……!!
あたしが叫んでいると母さんと父さんに抱きしめられてあたしは号泣した。
彼は死んだ
彼とはバンドも組めないし演奏も出来ない
彼に伝えたかった想いがあったのに伝えられなくなった。
彼はもうあたしの前には現れない……
あたしが……あたしが……
あたしがあんな所で“凧”を上げて居たから彼は死んだんだ
あたしが……◯◯◯を殺したんだ
あたしの心が壊れる音が聞こえた
あたしは◯◯◯が落ちた岩の上に登ってそのまま海に落ちた
◯◯◯もこんな感じで死んでいったんだな
………会いたいよ
最後にもう一度会いたかったよ
そしてあたしは自分で自分を殺したんだ。
********
あたしはアイツを殺しておいて何バンドを組んでるんだよ
なに楽しくギターなんか弾いてるんだよ
こんなあたしが……何やってるんだ
記憶を取り戻したのにアイツの顔も名前も思い出せないなんて!!
アイツは絶対にあたしの事を恨んでる
あたしがなんでこんな所でまだ生きていて、アイツは死んでるんだよ!
月歌は自分で自分を責めていた。
心は大きな傷が開いて、そこから負の感情が溢れて出てきて止まらない
ガルデモのメンバーが声をかけてたが月歌に声は届かなった
通信機からゆりの声をかけても月歌には届かなかった
月歌には仲間の声は届かなかった
月歌はそのまま心の真底に堕ちていった……
まるであの時海に落ちた時と同じ感覚だ
深い深い海の底に引き摺り込まれるような感覚だ
あぁ、もう光が見えなくなってきた
このままあたしはまた死ぬんだな……
「おーい、なにやってんだよ月歌。まだライブ中だぞ」
目を閉じて諦めていた時に聞こえてきた。
聞き覚えのある声だ。
ずっと隣で聴いていた声だ、ずっと聴いていたい声だ。
「さっきの演奏何もミスってなかったぞ。真っ直ぐに前を見ずに演奏してたのはらしくないけどよ」
皮肉を混ざりながらあたしを褒めてくる話し方は。
あたしは心の真底から這い上がって声が聞こえる光の方に向かった。
「やっと顔を上げたな」
顔を上げると彼は居た。
記憶で見た時みたいに顔がぼやけてはいなくてちゃんと見える。
彼の顔を見てあたしの最後の記憶のピースがハマった。
そしてあたしは自然と口が動いて声にした。
「“カイト”」
誰よりも大切で大好きな彼の名前を声に出して呼んだ。
彼はそれを聞いて笑った。
ずっとずっと会いたかった。
ずっとずっと大好きだった。
カイト、カイト、カイト……
どうしてあたしは忘れてたんだ。こんなにも大好きだった人の事を。
「それで月歌、お前の歌を聴きたいファンが目の前に居るんだが。もうライブはやめるのか?」
「………そうだよな。ありがとうカイト、目の前で聞いてくれよ」
あたしはゆっくりと立ち上がった。
隣に居たガルデモのメンバーに一言だけお礼を言ってから、飾っていた岩沢さんのガットギターのストラップを肩にかけた。
今のあたしの心が溢れてくるこの想いを歌に歌詞にしよう。
見切り発車はあたしのいつもの事だ。ちゃんと歌えるか弾けるか不安だけど。アイツが……“カイト”が居るから大丈夫だ。
カイトが見てくれるならあたしは最高のライブに出来る!!
あたしはギターを弾いた。そしてあたしの想いを歌にした。
《Before I Rise》
お久しぶりです。本当はもっと早くに投稿しようとしたのですが、何回も書き直しまして今になりました。
1回目はエンジェルビーツの野球回をやってからライブをする流れにしようとしましたが、それだと無駄に長くなってグダってエタる可能性があるから却下しました。
2回目は直井くんの反乱で月歌がピンチの時にカイトくんが助けに来るパターンを考えましたが、戦闘描写が全く書けない私には無理でしたので却下しました。
3回目は直井くんの反乱後のお話からスタートと考えましたが、説明が無駄に長くなって読みにくいな〜って思って却下しました。
計3回やり直しました。
どれも3000文字以上書いてまして一度心が折れました。
そして違う作品を書いて気を紛らしてからまた書き直しまして今回のでもう良いかなって自分でも満足したので投稿しました。
月歌が記憶を忘れさせたのはひぐみんが自殺すると自分に何かしらの代償が与えられるみたいな事を思い出して、月歌には大切な記憶と好きな人を忘れさせました。でも、月歌はカイトくんと再開して思い出せましたけど(トラウマはあるけど)
次回は本当の本当の最後です。彼と月歌との最後のお話になります。
なるべく早く投稿する予定です(全く書けてませんが)