僕と絵画と美術館。   作:亜莉守

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やったことの真実に気が付くことは何時からだってできる。
誰でもそうだと思うよ? ……僕らみたいに


―――過去編 第三問
   時系列:前回と同じく中学一年生、初期頃




はじまりはほんの些細なことだったとしても

「(ここどこかしら)」

「(うにー、わかんないんだよ)」

 

あたしメアリー、今どこか古びた家みたいなところに居るの。

冗談言っている場合じゃないよね。ここ、どこだろう。

さっきいきなり頭を殴られたかと思ったらここに居た。

あーもう、どうしろっていうのよ。大体ロープで縛られてるし。

 

「さて、こいつら誘拐したのはいいけどよぉ。坂本の奴来るのか?」

「わからんな。だが、この水色を使えば奴は確実に来る」

 

? つまり、誰かをおびき寄せるための餌ってことかしら。

 

                 ☆

 

「さて、ここかな」

 

僕は古びた家の前に居た。何でって? 直勘、それ以上に何もないよ。あの美術館の後からだけどメアリーに関してだけは勘が鋭くなったんだよね。何だろ、自分のことのように勘が働くんだよね。

 

「武器に関しては相変わらずだなぁ。僕」

 

手に握ったパレットナイフを苦笑いで見つめる。何故かは知らないけどパレットナイフを召喚できるようになった。冗談だけど。これはいつも持ち歩いているやつだ。何かもっていないと落ち着かなくなったんだよね。

 

「さて、メアリー助けに行きますか」

「おい、ここで何をやっている?」

「?」

 

振り向けば全力疾走してきたのであろう赤い髪の男子が居た。

 

「えっと、君は?」

「俺を呼び出したのはおまえだろ?」

「ごめんね。話が読めない」

 

僕は突拍子もないことにきょとんとする。うん、何があったのこの人。

反応的に怪しい奴じゃないって思われたらしい、事情を説明してくれた。

彼は坂本雄二って言うらしい。二週間前後前まで不良をやっていたそうだ。で、彼女さん(本人は否定してたけど口ぶりから考えるとそれが妥当だね)がさらわれたので助けに来たそうだ。

 

「そっか、こっちは幼馴染というかなんというかが居なくなったので探しに」

「そうか、じゃあな」

 

そういうと坂本君は中へと入ってしまった。そこは一緒に行動したらいいんじゃないのかな。ツッコミを入れたところで相手には届かないけど。メアリーを探しに行こう。それが先決だね。っとその前に

 

「やっぱ……そこに居る?」

「愚問だな。何で俺の家のそばに来てるんだ?」

 

須川君がいた。まあ、色々あったとだけ言っておこう。彼は剣道が強い、今は剣道部所属だ。そんでもってさっき彼の家の前を通り過ぎたから、やっぱりね。

 

「実はさ、メアリーがこの辺に居るんだよ。ぶっちゃけこの建物」

「ほう、ここは最近不良のたまり場になっていたはずだ」

「! 急がないと」

 

僕と須川君はすぐに建物の中に入った。

 

                  ★

 

「はぁぁっ!」

 

赤毛の少年が待ち伏せていた男たちを次々と倒す。この強さこそ、彼が狙われる理由であり、同時に彼の名前を短期間で知らしめる事となった原因でもあった。

 

「くそっ、蒼は何処だよ」

「おー、荒れてるねー」

「こんだけ居たのかよ。気がついてはいたが、とんでもないな」

 

のんきな声に振り向けば明久と竹刀を担いだ須川が雄二に倒された屍(注 死んでない)を踏み越えてやってきていた。ただし、踏み込む入射角はえげつない。屍はさらなるうめき声をあげる。

 

「お、さっきのか。隣のは?」

「あ、友達だよ。ところで見つかった?」

「無いな」

「そう、じゃあ先に行かせてもらおうかな」

 

そう言って明久と須川は先へ進もうとする。そこに新たな男が現れた。

 

「しねぇぇぇぇっ!!」

「死ねってこいつ馬鹿じゃないか?」

 

須川の竹刀が新たな男の意識を刈り取った。

 

「体鍛えていても、思考回路が残念だとダメだよ。まあ、勉強だけが出来てもダメだけど。頭が良くても人間性が良くなくっちゃ。頭が良くても頭がちょっと残念な人間っているもんね。そこそこ思考回路が回るバカくらいがいいと思うよ。まっすぐ前だけ見れたらどれだけ幸せなんだろうね」

 

頭が良くても残念な人間と言う明久の声には哀愁が漂っていた。

 

「お前がそうだよな」

「なっ、僕は思考回路が回らない方だよ」

「自分でバカ宣言するな。お前は普通に頭の回転はいいと思うぞ」

「ははっ、皆は冗談きついね。僕はバカだもん、それは変えようない事実だし」

「バカはバカでも絵馬鹿だ。絵以外にはほとんど興味がないもんな」

「そう?」

 

言いつつも現れる男を倒して進む須川とその横を歩く明久だった。

 

「なんだよ。あの規格外」

 

後ろに居た雄二が呟いた。

 

                  ☆

 

この辺かな。なんとなくそんな感じがする。

僕は扉に手をかけ、開けようとしてふと気が付いた。

 

「横のこれ……絵なんだ」

「ここにきてまで絵馬鹿かよ」

「いや、もしかしてこれ……」

 

触れようとした僕の手がすり抜け、向こう側へと行った。

 

「「?!」」

 

この感じ……まるで絵の中をくぐったかのような感じだ。

 

「……?!」

「っ?!」

 

僕は絵の中へと吸い込まれた。

 





ふと思いましたが高城先輩って「頭はいいけど馬鹿で人間性が酷い人」な気がするんですよね。個人的には印象最悪でした。ラスボスなんだししょうがないんでしょうけど。玲さんは「頭はいいけど何処か馬鹿で価値観はずれてるけどいい人」みたいな?

明久と雄二の出会い編はまだ続きます。
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