僕と絵画と美術館。   作:亜莉守

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IF√編
トラウマって何だかんだでトラウマだよ


「だぁぁぁぁっ! もう嫌だっ!!」

 

今回のきっかけはこの一言でした。

今は昼休み、ここはSクラス専用のカフェスペース。凪人と明久が一緒の席で食べていた。明久の足元にはアマテラスがいる。授業時間のあたりから機嫌がかなり悪かった明久だったが、いきなり叫びだしたのだ。

 

「あ、明久、どうした?」

 

ドン引く凪人

 

「あー、ごめん。最近スランプ気味で」

 

明久が乾いた笑みを浮かべた。

 

「なんか作品とか作るのか?」

 

普段からスケッチブックを持ち歩いては居たけど何をしているかまでは聞いていなかった。

 

「絵、描いてたんだけどさー。どうもしっくりこなくって」

「あー、わかるかも。自分の納得できない物ってイラつくよな」

「しかもさ、期限が明後日で………どーしよー」

 

何故かサイズが小さくなったアマテラスが明久の膝に乗る。その頭に明久は顎を乗せた。

 

「どんな絵描いてんだ?」

「演劇部の背景。この前秀吉に頼まれてさー」

 

Fクラスと試験召喚戦争した後に明久の友人として紹介された秀吉だろうなぁと凪人はぼんやり考える。

 

「ふぅん、とりあえず出したらどうだ?」

「いや、気合入れすぎちゃったからどうしようって話なんだけど」

「気合……入っていた方がいいんじゃないか?」

 

気合が入っていた方が相手も喜ぶだろうに

 

「吉井と兄さん、何話してるのよ」

「先ほど凄い声が聞こえましたが?」

 

凪乃とラニがこちらへやってきた。

 

「こいつがさ。気合の入った絵を描いたとかで」

「作品には魂を込めるべきってセイバーよく言ってるわよ」

 

頭痛持ちさえなければ芸術の才能ありと言われた赤の方のセイバーがそう言うのだから本当なのだろう

 

「魂、込めたくないんだよね。動くから」

「は?」

 

全員がその言葉に耳を疑った。

 

「魂のこもった作品ってね、動き出すの」

「え、冗談よね?」

 

そんなホラーな現象ありえないだろうと凪乃が聞く。

 

「特に集めたりなんかすると、人を引きずり込めるようになっちゃうんだよー」

「つまりは付喪神と言ったところでしょうか」

「そんな感じじゃないかな。色々あってトラウマものなんだよね。魂を込めた作品って」

 

明久の笑いの乾き具合と目の死んだ感じがさらに増す。

 

「へ、へぇ」

「今回演劇部がやるものがホラーだから余計に気を遣っちゃうよ。アハハハハハハハh」

 

周囲がさらにドン引く。

 

「ヤバい。明久が壊れた」

「えっと、エリクサー」

「凪乃さん、そこは魔術師の結晶では?」

「そこ、ボケをかまさない」

 

ここは月の成敗戦争じゃないぞと凪人の相棒がツッコミを加えた。

 

「あれ? アーチャーいたのか? てっきりロビンと飯を食ってるかと」

「俺も居るけど?」

 

ティーポット片手にロビンも居た。

 

「よー、ロビン……ってその手に持ってるのは?」

「ハーブティーだよ。精神を落ち着かせる効果があるの」

 

とりあえず明久に飲ませてみた。

 

「ぷはぁ、ごめん。取り乱したみたいで」

「いや、戻って何よりだよ。でさ、作品どうすんだ」

「あ、しょうがないから。描き直そう」

 

                    ☆

 

後日、俺は明久が背景を描いたという劇を見に行った。ホラー調で若干怖かったのも印象的だったんだが……明久、何処が気合入ってないんだ? 俺にはよくわからなかった。正直上手すぎるくらい上手かった。

 





おまけです。思わず手が滑っちゃったんだぜ☆

時期的には試召戦争終了後、休日風景前くらい
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