ポケットモンスター LEGENDS ライジングサン   作:仮面大佐

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第13話 特訓!キャプテンピカチュウ

 ロイが住んでいた島で、エクスプローラーズとの戦闘の最中、黒いレックウザと白金のギラティナと遭遇したユウト達。

 その後、ロイはライジングボルテッカーズに入り、一行はパルデア地方へと向かっていた。

 そんな中、ブレイブアサギ号のある一室では、パソコンと向き合って作業をしている人物がいた。

 その人物が座っている椅子には、ニドリーナの着ぐるみがかけられていた。

 

「あ〜…………あ〜…………マイクチェック。1、2〜…………」

 

 その人物はマイクテストを行うと、着ぐるみを着る。

 そして、マウスを操作すると。

 

「自分スイッチ……………オン!」

 

 その着ぐるみに入った人はそう言って、マウスでクリックをする。

 

「いよ〜っす!ポケモントレーナーの皆!ぐるびんしてる〜⁉︎」

「クワ〜ッス!」

 

 その着ぐるみを着た人はハイテンションでそう言う。

 ブレイブアサギ号には、リコが見ている動画配信者であるぐるみんが乗っていたのだった。

 


 

 一方、ユウト達はそれぞれで過ごしていた。

 ユウトは自室に居て、作業をしていた。

 

「う〜ん…………」

 

 ユウトは唸り声を上げながら、クラフトキットを使っていた。

 ユウトの周りには、様々な材料が置かれていた。

 ちなみに、ポッチャマはうとうとしていた。

 少しすると。

 

「よし!モンスターボールや傷薬はこれでOKだな」

 

 ユウトはそう言って、作業を終えた。

 ユウトが作っていたのは、傷薬やヒスイ地方で使われていたモンスターボールだった。

 作業を終えて、クラフトキットを片付けると。

 

「ユウト〜!ユウトいる〜⁉︎」

「っ⁉︎ロイか。どうしたんだ?そんなに騒がしくして」

 

 そんな叫び声が聞こえてきて、ロイがユウトの部屋に駆け込んでくる。

 ユウトはロイに驚きつつも、要件を聞くと、ロイは口を開く。

 

「ユウト!せっかくポケモントレーナーになったからさ、僕とバトルしてよ!」

「俺と?」

「うん!リコから聞いたんだけど、ユウトってバトル強いんでしょ⁉︎」

「えっ?まあ…………アメジオやフリード博士よりは劣るけどな」

 

 ロイはユウトにそう話しかける。

 リコから、ユウトがバトルに慣れているというのを聞いたのだ。

 それを聞いて、ユウトは自虐気味にそう言う。

 実際、ユウトはバトルには慣れているものの、実力は初心者に毛が生えた程度で、アメジオやフリードの様な本当の実力者と比べれば劣るのだと。

 すると。

 

「それでも、僕よりもバトルに慣れてるじゃん!お願い!」

「……………分かった。丁度、作業も終わったところだし、手伝うよ」

「やった!……………うん?」

 

 ロイはそんな風に頼み込む。

 それを聞いたユウトはそう答える。

 それを聞いたロイがガッツポーズを取る中、ロイはある物に気づく。

 それは、ところどころに傷が入っている木偶人形が置いてあった事だった。

 

「何?その人形?」

「え?ああ…………個人的に使ってる人形だよ。気にするな」

「う、うん…………?」

 

 ロイがそう聞くと、ユウトはそう答える。

 ロイは首を傾げながらも、ユウトの部屋から出ていき、ユウトも部屋から出る。

 


 

 そうして、2人はブレイブアサギ号のウイングデッキへと向かった。

 ウイングデッキには、リコ達の姿もあった。

 

「それじゃあ、ロイ。行くぞ」

「うん!ホゲータ、ひのこだ!」

「ほっ!」

「ポッチャマ、躱せ!」

「ポッチャ!」

 

 リコ達が見守る中、ユウトはポッチャマを、ロイはホゲータを繰り出していた。

 ユウトがそう言う中、ロイはホゲータにひのこの指示を出す。

 そんな中、ユウトはポッチャマに回避の指示を出す。

 ポッチャマがホゲータのひのこを躱す中。

 

「ひのこ!ひのこ!ひのこ!」

「ポッチャマ、ホゲータの動きを見極めるぞ!」

「ポッチャ!」

 

 ロイはがむしゃらにひのこの連打を指示する。

 それに対して、ユウトはポッチャマにそう伝える。

 ポッチャマが何回か、ホゲータのひのこを躱すと。

 

「……………よし!今だ!ホゲータが次にひのこを撃ったら、素早くバブルこうせん!」

「ポッチャ!ポッチャマ〜!」

「ホゲ⁉︎ホゲ〜⁉︎」

「ホゲータ⁉︎」

 

 ユウトは攻撃を指示する。

 ホゲータがひのこを撃つと同時に、バブルこうせんを発射して、ホゲータのひのこを打ち消して、ホゲータは吹き飛ばされる。

 ロイがホゲータに駆け寄ると、ホゲータは目を回していた。

 

「バトル終了。勝者、ユウト!」

「お疲れ様、ポッチャマ」

「ポッチャマ!」

 

 それを見たモリーは、そんなふうに言い、ユウトはポッチャマを労っていた。

 すると。

 

「お疲れ様、ユウト!」

「ああ、お疲れ様。ロイもお疲れ」

「くそ〜…………ユウトってやっぱり強いな〜…………」

「それにしても、いつの間にバブルこうせんを使える様になってたの?」

 

 リコが労いの言葉をかけると、ユウトはロイにも労いの言葉をかける。

 ロイがそんな風に言う中、リコはポッチャマがいつの間にバブルこうせんを使える様になっていた事が気になったのか、ユウトにそう聞く。

 

「ああ……………実は、フリードに特訓を手伝ってもらったり、自主練をしてたんだ」

「そうなの?」

「ああ」

「もしかして…………部屋に置いてあったあの人形って…………」

「ああ。自主練の為の木偶人形だよ。あれで練習をしてたんだ」

「そうだったんだ…………」

 

 リコの問いに対して、ユウトはそう答える。

 ユウトはフリードに特訓を付き合ってもらっていたり、木偶人形を使って自主練をしていたのだ。

 

「ユウトって、かなりストイックだよね。そんな事をしてたなんて…………」

「まぁ、アメジオやフリード博士の影響かな。強くならないと、大切な物や仲間を守れない気がするから」

「凄いや、ユウト!」

 

 リコがそう呟くと、ユウトはそんな風に言う。

 アメジオやフリードといった強者のバトルを見て、強くなりたいと決意したのだ。

 大切な仲間を守る為に。

 ロイがそんな風に言うと。

 

ロトロトロト…………

 

「ん?フリードからだ」

 

 そんな着信音が聞こえてきて、モリーはそんな風に言う。

 モリーのそばにユウト達が来ると。

 

『皆!ミーティングルームに集合!』

 

 フリードの声がそんな風に言う。

 ユウト達がミーティングルームへと赴くと。

 

「アップデート完了だ」

 

 フリードはそう言うと、預かっていたリコ達のスマホロトムを三人に返却する。

 三人がスマホロトムを受け取ると。

 

「ポケモン図鑑が入ってる!…………何これ?」

「船のマーク?」

「これは?」

「《ライジングボルテッカーズアプリ》をインストールした。このアプリは、俺たちライジングボルテッカーズの仲間の証!お前たちは正式にこの船の一員だ!」

「メンバー同士で連絡を取り合えるグループ機能もあるから、何かあったら、すぐにメッセージを送るように」

『仲間の証…………メッセージグループ…………!とってもドキドキします!』

 

 ロイがスマホロトムにポケモン図鑑が入っている事に反応する中、預ける前には見た事がないアプリがあるのに気がついた。

 ユウトがそう聞くと、フリードとマードックはそう言う。

 ライジングボルテッカーズのアプリを入れたのだと。

 リコがそんなふうに思う中。

 

「ありがとうございます。フリードさん!」

「堅っ苦しいのはなしだ。フリードでいいぞ」

「わかった、フリード」

「順応早っ」

 

 ロイはフリードにそう言う中、フリードは呼び捨てでも構わない旨を伝える。

 それを聞いたロイが呼び捨てでそう言うと、モリーはそう呟いた。

 

「メンバー同士、フレンドリーにいこう。ユウトとリコもな」

「フリードがそれで構わないなら、分かった」

「あ、ありがとう………フ………フリード」

 

 フリードはリコとユウトの2人にもそう言う。

 ユウトがすぐに呼び捨てでフリードの事を呼ぶ中、リコは呼び捨てで呼ぶ事に慣れていないのか、辿々しくそう言う。

 

「おっ、いいねぇ!だんだん俺たちのやり方に慣れてきたな。…………って、聞いちゃいねぇ…………」

「僕のポケモン図鑑……………!ここに絶対レックウザを登録してやるんだ!」

「ホンゲ〜」

「…………言っても、どこに行ったのか…………」

「確かに…………探しようがないかも…………」

 

 フリードが満足げにそう言う中、ロイがポケモン図鑑に夢中になっているのを見て、なんとも言えない表情を浮かべていた。

 ロイがレックウザを捕まえる事を決意するが、そんな風に言う。

 実際、レックウザの所在は不明なのだ。

 リコがそう言う中。

 

「う〜ん…………あり得るとしたら、ホウエン地方に向かったか…………あるいは他の場所か…………。ギラティナの所在は大体分かるんだけどな…………」

「ギラティナの居場所が分かるの⁉︎」

「大体はな。まあ、すぐに向かうのは無理だけど」

「えっ?」

 

 ユウトはそんな風に呟いていた。

 レックウザの居場所はともかく、ギラティナの居場所が分かる事について、ロイが食いつくと、ユウトはそう言う。

 リコが首を傾げると。

 

「そうだ。聞いてみるか?」

「「えっ?」」

「誰に聞くんだ?」

「この船にはもう1人、ドットっていうメンバーがいる。担当は情報収集」

「滅多に姿を見せないよ」

「会えたらレア」

 

 フリードはそんなふうに言う。

 それを聞いて、三人が首を傾げると、フリードはドットという人物も乗っている事を明かす。

 オリオとモリーがそんな風に言うと。

 

「アプリのシステムを開発したのも、その子なんだ」

「その子?大人じゃないのか?」

「もしかして…………」

「俺の姪っ子でね。君らと同じくらいの年だよ」

「そうなんですか?」

「アプリが作れるなんて、かっこいい〜!」

 

 フリードはそう語る。

 ライジングボルテッカーズのアプリを作ったのは、ドットであると。

 フリードの口振りから、ユウトとリコがそう言うと、マードックはそう語る。

 ロイがそんなふうに反応すると。

 

「レックウザやギラティナについて、何か教えてくれるかもな。部屋に行ってみたらいい」

「行ってみようよ!2人とも!」

「うん!」

「まあ、挨拶はしておくか」

 

 フリードは部屋に行く様に促す。

 ロイがそう言うと、リコとユウトもそう答えて、ドットの部屋へと赴く。

 

「…………って事だけど…………」

「この廊下の奥か…………」

「しっ!何か聞こえない?」

「えっ?」

「確かに…………なんか音楽が…………」

 

 リコ達は、ドットの部屋がある近くまで来ていた。

 リコとユウトがそう言う中、ロイはそんな風に言う。

 三人が黙ると、何かの音楽が聞こえてくる。

 

「この曲……………ぐるみんの…………!」

 

 リコはその音楽の正体に気づいた。

 ぐるみんの動画に用いられている曲であると。

 三人が部屋のそばに来ると、音楽は鳴り止む。

 

「止まった…………」

「ぐるみんの動画を見てたのかな?」

「俺たちに気づいて止めたのか?」

 

 三人が近寄ると、曲が止まった事に対して、三人はそう話す。

 すると、リコはドアをノックする。

 だが、反応がなかった。

 

「返事無いね……………」

「ああ…………」

「すみませ~ん!ロイっていいます!」

「ちょっと、ロイ…………」

「いきなりかよ…………」

「ライジングボルテッカーズの新人です!黒いレックウザについて知りませんか?どうしても、もう1回レックウザに会いたくて………!」

 

 反応がないのを見て、リコとユウトがそう呟く中、ロイは大声を出す。

 リコとユウトがそう呟く中、ロイは黒いレックウザについての情報を求めた。

 すると、扉の下の方に、ポケモンが通れる様な小さな扉があった。

 

「「「うん?」」」

「クワァァスッ!」

 

 そこから、一体のポケモンが出てきた。

 そのポケモンは、アヒルの様見た目をしていた。

 

「なんだ、クワッスか…………びっくりした…………」

「何でクワッスがドットの部屋から?」

「よし!早速図鑑チャンス!」

 

 出てきたのはクワッスだった。

 それを見て、リコとユウトはそんな風に言う。

 ユウトも、ブレイブアサギ号で生活する中、リコからパルデア地方のポケモンについて、色々と聞いていたのだ。

 ロイがスマホロトムをクワッスに向けると。

 

『クワッス。こがもポケモン。水タイプ。流れが急な川を自由に泳ぎ回る脚力を持つ。綺麗好きで思い込みが強い』

 

 クワッスの説明が流れてくる。

 それを聞いた三人は。

 

「へぇ〜…………!」

「綺麗好きなのね。ニャオハと一緒」

「このクワッスって、ドットのポケモンなのか?」

「お前、可愛いな!」

「クワっ!」

 

 リコ達はそんな風に言う。

 ユウトはクワッスがドットのポケモンなのかと推測していた。

 ロイがクワッスを触ろうとすると、クワッスは翼でロイの手を叩く。

 

「なっ…………なんだよ?」

「頭の毛が乱れるのが嫌なのかな…………」

「綺麗好きって書いてあるし、そうかもな」

「そっか…………ごめんよ。…………って、あれ?何だろ?」

 

 ロイはいきなり叩かれた事に困惑するが、リコとユウトはそう言う。

 クワッスは頭の毛が乱れるのが嫌いなのだ。

 ロイがクワッスに謝る中、クワッスに紙が挟まっている事に気づいた。

 ロイがその紙を開くと。

 

「ん?これって…………」

「ロイとホゲータだよね?でも…………」

「バトルに負けてる……………みたいな絵だな」

「なんか失礼なヤツ…………」

「仕方ないよ。私たち新人なんだし」

 

 そこに描かれていたのは、仰向けになって倒れているロイとホゲータの絵だった。

 それを見て、ロイが首を傾げる中、リコとユウトはそう言う。

 ロイが不快な表情を浮かべる中、リコは宥めるように言う。

 

「新参者には厳しいタイプか………なら、特訓あるのみだな」

「そうだね」

「確かに…………さっきのバトルも、ユウトに負けちゃったしな…………」

「なら、俺に少し考えがある」

 

 それを見て、ユウトとリコがそう言う中、ロイはそう言う。

 三人は話をしながらその場から離れると、クワッスはドットの部屋へと戻っていく。

 その後、三人は操縦室へと赴いていた。

 その理由は……………。

 

「特訓をしてほしい?」

「ピカ?」

「はい!強くなりたいんです!」

「お、お願いします!」

「俺だけじゃなくて、この2人にもお願いします」

 

 フリードとキャップはそんな風に反応する。

 ユウトの考えとは、フリードに特訓を頼み込む事だった。

 それを聞いたフリードは。

 

「何だ…………ドットに相手にされなかったのか……………」

「こうなるって分かってたんだな?」

「まぁな…………あいつは気難しいし、トレーナーの実力に厳しいから…………」

 

 それを聞いて、フリードは、ユウト達がドットの相手にされなかった事を悟った。

 ユウトの問いにフリードがそう答えると。

 

「それもあるけど…………三人で話したんだ!ライジングボルテッカーズのメンバーだって、胸を張れるトレーナーになりたいって!」

「ほう…………?」

「それに…………黒いレックウザをゲットするには…………僕もホゲータも、もっともっと強くならなきゃ!」

 

 ロイはそんな風に語る。

 ライジングボルテッカーズの一員として胸を張れ、黒いレックウザをゲットする為に強くなりたいのだと。

 すると、リコが口を開く。

 

「私は…………私たち、アメジオに勝てなかった。すごく……………すごく悔しかった」

「リコ…………」

「………………」

「皆を巻き込んで…………迷惑かけちゃったし……………あの時、レックウザやギラティナが現れなかったら……………ペンダントも奪われてた」

「ニャ?」

「全部、お前が背負う事じゃないだろ」

 

 リコはそんなふうに語る。

 自分たちがアメジオに完膚なきまでに負けた事、レックウザやギラティナが現れなかったら、ペンダントを奪われていたのだと。

 リコの言葉を聞いて、フリードがそう言うと。

 

「違うの!私は守りたかった…………。自分の手で大切な物を……………皆を…………!これから先、またエクスプローラーズが襲ってくるかもしれない。力不足で後悔するのは嫌。私だって、ニャオハと一緒に強くなりたい!」

「ニャオハ!」

 

 リコは自分の気持ちを伝える。

 後悔しない為に、大切なペンダントや仲間を守る為に強くなりたいのだと。

 奇しくも、ユウトと同じ考えだった。

 

「リコ。それにロイ。2人の気持ちはよく分かった」

「……………ピィカ」

「…………やるか!スペシャル特訓!ユウトも少しは手伝ってくれよ?2人よりも先に俺の特訓を受けてるし、リコ達よりも突出してるからな」

「ああ」

 

 フリードは2人の気持ちを聞いて、そんな風に答える。

 そして、ユウトに協力を頼み込む。

 実際、ユウトの実力は、アメジオやフリードには及ばないが、リコとロイと比べると突出しており、2人よりも先にフリードの特訓を受けていたからだ。

 そんな中、ランドウが見ていたぐるみんの動画では。

 

『よっす!ポケモントレーナーのみんな!ぐる〜びんしてる?ぐるみんの動画だぜ!ポケモンを強く育てるためには…………1にバトル!2にバトル!とにかくいろんな相手とバトルして、経験を積むことが大切だ!さぁみんな!とにかくポケモンバトルで実戦あるのみ…………だ!』

「クワァァァスッ!」

 

 動画のぐるみんはそんな風に言う中、ランドウの周りのクワッスはそんなふうに動いていた。

 すると、ランドウが口を開く。

 

「初めから輝きを放つものなどない。石と石はぶつかり合い、互いに磨かれる。果たして…………」

 

 ランドウはそう呟きながら、ウイングデッキにいるリコ達の姿を見る。

 ウイングデッキには、ドット以外のメンバーが集まっており、まずはリコとロイの2人がフリードとリザードンと対峙していた。

 

「バリア、展開!」

 

 モリーがそう言うと、ウイングデッキのバリアが展開される。

 

「さぁて…………いっちょ揉んでやるか!」

「ぐわぁぁぁぁぉ!」

「ホンゲ!」

「やったな、ホゲータ!憧れのリザードンとバトル出来るんだぞ!僕たちの力を見せてやろう!」

 

 フリードがそう言うと、リザードンは咆哮する。

 ロイがそんなふうに言う中、リコは表情を引き締めていた。

 すると、上空から雷が降ってくる。

 

「うわっ⁉︎」

「な…………何…………⁉︎」

「今の雷は…………⁉︎」

 

 雷が降ってきたのに対して、リコ達は顔を覆う。

 雷が落ちた先に影があり、フリードが口を開く。

 

「…………良かったな、2人とも。キャップが相手をしてくれるってよ!」

「ピィカ…………ピカチュウ!」

 

 フリードはそんな風に言う。

 雷が落ちた場所には、キャップの姿があり、キャップを腕を組みながらそんな風に言う。

 キャップが現れると、フリードは口を開く。

 

「1回でも攻撃が当たれば、お前たちの勝ちだ!」

「ピカチュー」

 

 フリードはそんな風に言う。

 リコ達の勝利条件は、キャップに一回でも攻撃を当てればいいのだと。

 それを聞いたリコ達は。

 

「まさか、キャップが相手なんて…………」

「1回当てればいいなら、楽勝だよな!ホゲータ!」

「ホンゲェ!」

「油断しないで!相手は…………強いよ!」

「リコの言う通りだ。ポケモンバトルで油断してたら、足元を掬われるぞ!気を引き締めるんだ!」

「「分かった!」」

 

 リコがそう言う中、ロイは勝利条件を聞いて、そんな風に言う。

 一回でも攻撃を当てれば勝ちなら、楽勝だと。

 それに対して、キャップの強さを分かっているリコとユウトはそう言う。

 実際、キャップがアメジオのソウブレイズとバトルした時には、ロイはまだあの島に居たのだから。

 ユウトの言葉に2人がそう答えると。

 

「バトル…………開始!」

 

 モリーはバトルの開始を宣言する。

 それを聞いた2人は。

 

「行くぞ、ホゲータ!『ひのこ』!」

「ニャオハだって!『このは』!」

「ホォォンゲェ!」

「ニャオハァァッ!」

 

 リコとロイの2人は、キャップに向かって攻撃を指示する。

 二体の攻撃がキャップに向かう中、それを見ていたユウトは。

 

『ダメだ。あれじゃあ、キャップに攻撃は届かない』

 

 ユウトはそんな風に思っていた。

 その意味はすぐに判明した。

 二体の攻撃はキャップに向かっていたが、キャップは動かなかった。

 何故なら、ひのことこのはの二つがキャップの目の前でぶつかり合い、爆発し、相殺されてしまったのだ。

 

「あっ!」

「やっちゃった…………⁉︎」

「おいおい…………」

「こんなんで大丈夫か?」

 

 それを見て、リコとロイはそんな風に反応する。

 そして、オリオとマードックの2人も呆れた様にそう呟いた。

 それに対して。

 

「とにかく攻める!ひのこ!ひのこ!ひのこ!」

「私たちも!このは!このは!このは!」

 

 ロイとリコは攻撃が相殺されてしまったのを見て焦ってしまったのか、連続で攻撃を指示する。

 先ほどの様に、相殺される事はなかったが、単調だったが故に、キャップには攻撃は当たらず、キャップは最小限の動きで躱していた。

 すると。

 

「2人とも、落ち着け!1人で戦っているんじゃないんだ!連携して攻撃するんだ!」

「あっ…………!そっか!ロイ!2人で行こう!」

「分かった!コンビ技だね!」

 

 ユウトは落ち着かせる様にそんなふうに言う。

 それを聞くと、リコは思い直したのか、そう言い、ロイにそう言う。

 そして、2人は動いた。

 

「ニャオハ!ホゲータの援護をするよ!このはいっぱい!」

「走れ、ホゲータ!体当たり!」

「ニャオハァァッ」

「ホゲェェッ!」

 

 リコとホゲータがそう指示をすると、ニャオハはこのはをたくさんキャップに向けて放ち、このはが隠れ蓑になる中、ホゲータが接近する。

 

「やるな。『あのニャオハを好んでるアメジオの部下のエアームドや、アメジオのソウブレイズとの戦いで使ったこのはによる目眩し。そして、その隙をつくホゲータ。連携が上手くいってるな』」

 

 ユウトはそれを見て、そう思う。

 このはによる目眩しは、ユウトは2度にわたって目撃しているのだ。

 

「ホゲータ、今だ!」

「ホンゲェェェェ!」

 

 ロイがそう叫ぶと、ホゲータはキャップに向かって突撃する。

 だが、ホゲータの突撃は何も当たらなかった。

 

「「いない⁉︎」」

「一体どこに…………⁉︎」

「……………ふっ」

「どうやら、キャップの方が一枚上手みたいだな」

 

 実際、このはがたくさんあった場所に、キャップの姿が無かったのだ。

 リコとロイが周囲を見回す中、フリードはそう笑い、ユウトはそう呟く。

 すると。

 

「ニャッ⁉︎ニャ………ニャァァッ!」

「いつの間に⁉︎ニャオハ!『ひっかく』!」

「ニャ!ニャァァッ!」

 

 ニャオハは背後の気配に気づいて、振り返る。

 そこには、キャップの姿があった。

 キャップがいつの間にか背後を取っていた事に驚きつつも、リコは攻撃を指示する。

 ニャオハは引っ掻く攻撃をするが、キャップには当たらず、消えていった。

 すると、今度はホゲータの前にキャップが現れた。

 

「ホゲータ!『ひのこ』!」

「ホンゲェェェッ!」

 

 ロイはホゲータの背後にキャップがいる事に気づいて、攻撃を指示する。

 ロイの指示を受けたホゲータは、咄嗟にひのこを放ってキャップを攻撃する。

 だが、そのひのこもキャップの体をすり抜けてしまった。

 

「あっ⁉︎」

「えっ⁉︎キャップがいっぱい⁉︎」

「これは…………⁉︎」

「かげぶんしんさ」

「ポケモンの技の一つさ。恐らく、このはを目隠しに使ったんだろう」

 

 すると、2人は目の前の光景を見て驚いていた。

 何故なら、フィールド全体にキャップの姿があったのだから。

 フリードとユウトの2人はそう説明する。

 キャップの姿がたくさんあるのは、かげぶんしんによる物だと。

 すると。

 

「ピィィッカッカッ!」

「フゥゥッ!」

「『挑発されて怒ってる………!』ニャオハ、ダメ!落ち着いて!」

 

 キャップはバカにする様に笑っていた。

 それを見て、ニャオハは怒ったのかそんな唸り声を出す。

 リコはニャオハにそう言うが、挑発に乗せられてしまったニャオハは、リコの指示を無視して、キャップを手当たり次第に攻撃していく。

 だが、どれも空振りに終わってしまう。 

 しかも、たとえどんなに攻撃して分身を減らしても、さらに分身が増えていく。

 

「えっ⁉︎キャップが増えて…………⁉︎」

「どれが本物なんだ⁉︎」

「リコ!ロイ!キャップをよく見るんだ!」

「って言われても…………」

「どれを見たら…………」

 

 キャップがどんどん増えていく光景を見て、リコとロイはそんな風に呟く。

 影分身を見てかなり混乱しているのか、フリードにそう言われても、ピンと来ていなった。

 すると。

 

「焦るな!分身は増えてるけど、本物はたった一つだ!キャップの分身の増え方をよく見れば、突破口はある!」

「分身の増え方…………?」

 

 ユウトはそんな風に叫んだ。

 影分身が増えていても、本体はたった一つである為、分身の増え方を見極めればいいのだとアドバイスした。

 それを聞いて、リコはキャップの動きを見ていく。

 

『必ず本物はいる…………!一体どこに…………!』

 

 リコはキャップの動きを見極めようとしていた。

 すると。

 

「ニャ!」

「ニャオハ⁉︎」

 

 ニャオハは動き出して、分身に攻撃をしていく。

 だが、ニャオハの攻撃はどれも空振りに終わってしまった。

 すると、リコはある事に気づいた。

 

『そうか………!全部にぶつかっていけば、いつかは本物に辿り着く。ニャオハの動きと、キャップの増えていく先を追っていけば…………!』

 

 リコはそれに気づく。

 影分身は、キャップの本体に合わせて増えていく。

 ニャオハの動きとキャップの増えていく先を見極めようとしていたのだ。

 すると。

 

「見えた!」

「嘘っ⁉︎」

「ふっ」

「どうやら、突破口が見えたみたいだな」

 

 リコがそう叫ぶと、ロイは驚いた。

 フリードとユウトがそう反応する中。

 

「ただめちゃくちゃに増えてるわけじゃない。今、本物は後ろに向かってジグザグに移動している」

「…………まだ分かんないけど…………ホゲータもキャップを追うんだ!」

「ホンゲ!ホンゲェェェェ!」

 

 リコはそうロイに伝える。

 キャップは今、後ろに向かってジグザグになる様に動いているのだと。

 ロイはイマイチ理解しきれなかったのか、キャップを追う様に指示をする。

 すると。

 

「これならもうすぐ…………!追いついた!」

 

 リコはそう言う。

 すると、ニャオハはキャップの本体に追いついた。

 

「ニャオハ!ひっかく!」

「ニャァァッ!」

 

 リコはニャオハにひっかく攻撃を指示する。

 ニャオハが攻撃しようとすると、キャップはジャンプして躱す。

 

「あっ!」

「惜しい…………!」

「やるじゃないか」

「いいぞ…………!」

 

 それを見たリコ達が悔しがる中、フリードとユウトはそう呟いていた。

 

「諦めない!もう一回!」

「今度はホゲータだって!」

 

 リコとロイがそう言う中、ニャオハとホゲータはキャップの着地位置にいた。

 すると。

 

「ピィカ⁉︎」

 

 キャップはある事に気づいたのか、そんな声を出して着地をする。

 なぜなら……………。

 

「ホンゲ…………」

「ニャ…………」

「「えぇぇぇぇぇぇ⁉︎」」

 

 ホゲータとニャオハは疲れてしまったのか、その場で座って寝始めてしまったのだ。

 それを見て、リコとロイが唖然となっていると。

 

「……………ここまでみたいだな」

「バトル終了!勝者、キャップ!」

「ピィ〜カ…………」

「ありがとう、キャップ。完璧だ」

「ピィカ!」

 

 ユウトは苦笑しながらそう呟くと、モリーはそう宣言する。

 フリードとキャップがそんな風に話す中。

 

「一回も当たらないなんて……………」

「やっぱり…………強かったね」

「だけど、無駄だった訳じゃないさ。何事も経験を重ねていく事が一番さ」

「「……………うん!」」

「それにしても、マイペースだねぇ。アンタたちの相棒は」

「とりあえず、ランチタイムだな」

 

 ロイとリコはそんなふうに言いながら、床に座り込む。

 ユウトがそうフォローする中、オリオとマードックはそう言う。

 そうして、お昼の時間になった。

 ウイングデッキで食べる事になり、ウイングデッキにパスタにピザやコーンスープ、食後のデザートには、マードックがマホイップと一緒に作ったケーキやポフレが並べられていた。

 

「美味しい!」

「食後のデザートも、マホイップとたくさん作ったぞ!」

「マホ!」

「おかわり!」

「美味しいな…………!」

 

 リコ達はマードックの料理に舌鼓を打っていく。

 そんな中。

 

「ニャオハのもおいしそう。一口ちょうだい」

 

 リコはそう言うと、ニャオハの食べていた物を一口食べる。

 すると。

 

「し、渋い…………」

「アハハハッ!ニャオハは渋いのがお好みなんだな」

「へぇ…………」

「ポケモンも生きてるからな。人間と同じ様に、味に好みがあるんだ」

 

 ニャオハのポフレは渋かったのか、そんな風に言う。

 マードックがそう言う中、ユウトもそう言う。

 すると。

 

「僕もホゲータも辛いの大好き!」

「ホンゲェ!」

「気が合いそうだな。ポッチャマは比較的、甘いのが好みみたいだな」

『えっと、ニャオハは抹茶の味が好き………パートナーの好みはちゃんとメモしておかなきゃ』

 

 ロイとホゲータはそんな風に言う。

 ポッチャマは甘い味のポフレを食べており、リコはニャオハの好みを記録していた。

 すると。

 

「……………それで、どうだったんだ?キャップとのバトルを経験して」

「…………うん。さっきのバトル、勝負にならなかったね…………」

「レベルが違いすぎるよ…………」

 

 ユウトは2人にそう話しかける。

 それに対して、2人はそんな風に答える。

 すると。

 

「ねぇ。ユウトなら、キャップとどんな感じに戦ったの?」

「俺?そうだな………状況にもよるけど、あのバトルと同じ状況なら、バブルこうせんで薙ぎ払う様に影分身を消したかな」

 

 ロイはそんなふうに問いかける。

 すると、ユウトは前提を置きつつ、そんなふうに答えた。

 

「薙ぎ払う様に?」

「ああ。フィールドに沿って、平面に増えていくなら、さっきのニャオハとホゲータみたいに、分身を追っていくのは、でんこうせっかの様な素早く動ける技が無ければ効率が悪い。なら、薙ぎ払う様にバブルこうせんを放てば、分身を一気に消せるからな」

「「へぇ〜…………!」」

 

 リコがそう聞くと、ユウトはそう答える。 

 でんこうせっかの様な素早く動ける技がない以上、薙ぎ払う様に影分身を消していくのだと。

 

「少し前のロイとのバトルでも言える事がある」

「えっ?」

「俺はホゲータの動きを見極めて、隙をついてバブルこうせんを指示したんだ」

「見極めて…………?」

「おっと。そこから先は自分たちで気づかせないとな」

 

 ユウトはそんな風に語る。

 ホゲータとのバトルでは、ホゲータの動きを見極めていたのだと。

 すると、フリードがそう声をかける。

 

「それじゃあ、今度はニャオハとホゲータでバトルだ」

「えっ?」

「「えぇぇぇぇぇっ⁉︎」」

「ニャ⁉︎」

「おっし!準備だ!」

 

 フリードはそんな風に言う。

 フリードの提案に対して、リコとロイがそんな風に叫ぶと、ニャオハは驚く中、ホゲータは呑気に寝ていた。

 そして、リコとロイは並び立っていた。

 

「いいか?キャップとのバトルや、さっき言ってたポッチャマとホゲータのバトルを思い出すんだぞ!」

『…………ユウトが特訓に付き合ってくれたけど、まだ、完全には分からない。でも………!』

「バトル開始!」

 

 フリードはそんな風に声をかける。

 リコはそんな風に思っていた。

 アメジオが来る前、ユウトとの特訓もあったのだが、まだ完全には習得には至っていなかったのだ。

 すると、モリーはそう宣言する。

 

『まずは相手の動きを見て…………!』

 

 リコはそう思うと、ホゲータの動きを見ようとしていた。

 リコとロイは、お互いに動きを見極めようとしていた。

 

「へぇ…………」

「闇雲に技を出さなくなったな…………」

 

 それを見ていたオリオとマードックは、そんな風に言う。

 

『ホゲータはどう動く…………⁉︎ホゲータは…………!』

 

 リコはホゲータの動きを見極めようとしていた。

 すると。

 

「ゲホ!」

 

 ホゲータはゲップをした。

 それを見て、リコはずっこけかける。

 

「う、動かない…………⁉︎なら、こっちから行くよ!」

「ニャオハ!」

「来るぞ、ホゲータ!」

「ホゲ!」

 

 リコはそんな風に言うと、ニャオハにそう指示を出す。

 ニャオハが近づいてくるのを見て、ホゲータは構える。

 

「ひっかく!」

「躱せ!」

 

 リコはニャオハにひっかく攻撃を指示し、ロイはホゲータに躱す様に指示する。

 ニャオハの攻撃をホゲータが躱すと。

 

「そこで体当たり!」

「ニャオハ、下がって!」

 

 ロイはホゲータに体当たりを指示して、ニャオハは下がるように指示する。

 すると。

 

「なんだか、今までと違う…………!」

「見える…………!相手の動きも、技を出すタイミングも…………!」

「気づいた様だな」

「ああ。まあ、リコの場合は俺が教えてたけど、いざ実践となると、上手くできなかった感じかな」

 

 ロイとリコはそんな風に言う。

 闇雲に攻撃していた時と違って、相手の動きが見える様になっているのだと。

 それを見て、フリードとユウトはそう話していた。

 

「そっか…………!『今まで、ちゃんと相手を見ないで技を指示してた…………。ユウトは相手を見ながらバトルをしていた…………!』」

 

 リコはそんな風に思い返していた。

 リコはこれまで、相手を見ずに攻撃していたが、ユウトは相手を見て攻撃をしていたのだと。

 すると。

 

「バトルは自分たちだけでやる物じゃない。相手をよく見て、相手に合わせて…………お互いが技を出し合う物だ」

「人とポケモン。その二つが協力し合うからこそ、ポケモンバトルは成立するんだ」

「「はい!」」

 

 フリードとユウトはそんな風に言う。

 それを聞いて、リコとロイがそう答えると、バトルが再開される。

 先ほどと違って、ニャオハとホゲータはお互いに一進一退の攻防を繰り広げていた。

 

「ニャオハ、スピードが上がってるね…………!」

「ホゲータもやるぞ。パワーでは押し負けてない」

 

 それを見て、オリオとマードックの2人はそう話していた。

 すると、ニャオハとホゲータはお互いに向かい合う。

 

「ポケモンバトルって面白い…………!」

「ああ!歌って決めるぞ!ホゲータ、ひのこ!ホッ!ホッ!ホッホッゲ!」

 

 リコがそう呟く中、ロイはホゲータにそう指示を出しつつ、歌い出す。

 そして。

 

「ホッ!ホッ!ホッホッゲ!」

 

 ホゲータは歌いながらひのこを出す。

 それに対して。

 

「ニャオハ!駆け抜けて!」

「ニャ!」

 

 リコはそう指示を出すと、ニャオハは駆け出していく。

 すると、ひのこを躱し、更に加速していく。

 

「えっ?」

「うわっ⁉︎」

 

 ニャオハが素早く動いた事にリコとロイが驚く中。

 

「ニャ!」

「ホゲ〜⁉︎」

 

 ニャオハはホゲータに突っ込んで、ホゲータは吹き飛ばされる。

 ニャオハが着地する中、ホゲータは目を回していた。

 

「あっ…………」

「バトル終了!勝者、ニャオハ!」

「おお…………」

「へぇ…………!」

 

 ロイがそう呟く中、モリーはそう宣言する。

 それを見て、マードックとオリオはそんな風に反応していた。

 

「や…………やった!やったね、ニャオハ!」

「ニャ〜………」

「凄いよ!新しい技なんて!」

「今のは、でんこうせっかだな」

「キャップの特訓が実を結んだな」

「ありがとうございます!」

「頑張ったな」

「うん!」

 

 リコはニャオハの元に駆け寄って、そう労う。

 そこに、ユウトとフリードの2人が近寄る。

 ニャオハは、でんこうせっかを習得したのだ。

 ユウトがそう労うと。

 

『やっぱり、フリードもキャップも、ユウトも凄い!私たちも頑張ろう!』

 

 リコはそんな風に思っていた。

 すると。

 

「キャップ〜!」

「ロイ」

「キャップのおかげで、バトルがもっと楽しくなった!ありがとう!」

「ピィ〜カ」

 

 そこにロイが駆け寄ってくる。

 キャップにそう話しかけて、キャップがそう答える中。

 

「負けたのは悔しいけど…………だからこそ、次は!次は負けないよ!」

「そうだな。勝負には敗北はつきものだ。だからこそ、その敗北をバネにして、強くなればいいんだ」

「うん!なっ!ホゲータ!」

「ホンゲ!」

「私たちも、もっと頑張ろうね!」

「ニャ〜!」

「俺たちも負けてられないな。なっ、ポッチャマ」

「ポッチャ!」

 

 ロイはそんな風に言うと、ユウトはそう語る。

 敗北をバネにして、更に成長すればいいのだと。

 ロイとリコがやる気を見せる中、それに触発されたのか、ユウトもやる気を出していた。

 それを見ていたランドウは。

 

「ほっほっほ。原石の微かな煌めき…………互いに磨かれていく。胸が躍るのう」

 

 ランドウはそれを見て、そんな風に呟く中、クワッスがどこかへと向かう。

 すると。

 

ロトン!

 

「メール?一体誰から…………?」

「もしかしたら…………」

「ドット⁉︎」

 

 ロイのスマホロトムにメールが届いた。

 ユウト達がロイのスマホロトムを覗き込むと、送信者はドットだと判明した。

 ユウト達は再び、ドットの部屋の前へと赴く。

 三人は顔を見合わせると、ドアをノックする。

 

「ドット…………」

「遂に…………」

「どんな奴かな…………」

 

 三人がそう呟く中、ドアに動きはなかった。

 すると。

 

「クワァァスッ!」

「…………って、クワッス⁉︎」

「びっくりした…………!」

「だとすると…………やっぱり、紙が挟まってる」

 

 ドアの下の方の小さな扉から、クワッスが飛び出してくる。

 リコ達が驚く中、ユウトはクワッスにまた紙が挟まっている事に気づいた。

 ロイがそのメモを取り出すと。

 

「レックウザだ!」

「確かに、この絵はレックウザだが…………どこの地図だ?」

「これ…………パルデア地方だよ!」

「てことは…………レックウザはパルデア地方に居るんだ!ありがとう、ドット!」

 

 メモに描かれていたのは、レックウザとどこかの地図だった。

 ユウトとロイが首を傾げる中、リコはその地図がパルデア地方を指していると気づいた。

 つまり、黒いレックウザはパルデア地方に居る。

 それに気づいたロイは、ドットにお礼を言うと、そのまま駆け出していく。

 

「私もありがとう。…………ドット、少しは認めてくれたのかな…………」

「レックウザの情報を寄越したって事は、少しは認めたみたいだな」

「私…………ドットのこと、気になる」

「まあ、少しずつ話せる様になっていけばいいさ」

 

 リコとユウトはそう話すと、その場から立ち去っていく。

 そうして、黒いレックウザがパルデア地方に居ると判明したのだった。




今回はここまでです。
今回は、特訓回となります。
ユウトは他人には見せませんが、影で努力しています。
リコとロイも成長しています。
こうしてみると、闇雲に攻撃するのは、ストロングスフィアを使ったトレーナーと似た様な感じがしますね。
次回は、ドットとの絡みをやります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今後の展開などでリクエストがあれば、活動報告から受け付けています。
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