木の葉の里の化け狐とババァ   作:眠りたい時だけ手が進む人

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感想を読んでは続きを書き、眠気にあっては布団に潜る。

見て欲しいから書き、やる気が出なかったら遅くなる。俺たちに大義名分などないのさ!!!


年末に帰省するとお年玉を沢山くれる何の仕事してるか分からない親戚が一人は居る

「はぁ~いシャチョサン!呑んで呑んで呑まれて呑まれて♡♡」

 

「あはっははははは!!!いい呑みっぷりですわシャチョサン!…おいコラアゴ美!!酒が足んねぇぞ何やってんだてめぇの脳みそはそのフランスパンみてぇなアゴに栄養持ってかれてんじゃねぇのか!!」

 

「いや誰のアゴがフランスパンみてぇだコラ!?」

 

 

ナルトは地獄を見ていた。否、地獄に居た。そこは紛れもなく、祈り天国へと至ることすら許されなかった罪人達の住まう地獄であった。

何せこの世のものとは思えない化物が跳梁跋扈してる。筋肉モリモリの舞妓がプロレス技をキメているのだ。舞妓と言っても踊るのは華麗な舞ではなく武、武踊の方のそれである。しかも実戦に投入しても違和感がないレベルの。

 

 

 

此処こそは現世に現れた楽園にして地獄。男だらけなのに妙に華々しい、オカマバー【かまっ娘倶楽部】。

 

他里との戦争において、忍の世を覆すが如く暴れ狂い【白ふんの西郷】と呼ばれた伝説の"侍"にして、ご近所さんから必ず回覧板と一緒にお土産を持ってきてくれるいい人と名高い西郷特盛の居城である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隅っこでちびちびと、青ひげを蓄えた白髪の頭領と思われるオカマ……"西郷特盛"から貰ったオレンジジュースを舐めながら、ナルトは何故こうなってしまったのかと過去に思いを馳せる。というより現実逃避を決め込む。

 

 

「てめぇオレの作ったバナナが食えねぇってのか!?熟成されてんだぞこっちは!!!」

 

馳せたかったが首根っこを掴まれて引き戻された。現実とは非情である。

 

 

 

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先日のことである。

 

「ナルト、チョイと頼みたいことがあんだけど。」

 

「えー?何だってばよばあちゃん…オレってば術の練習で忙しいんだってばよ、出来なきゃアカデミー卒業も出来ねぇし……」

 

アカデミー卒業には、ある程度の成長の証として術の熟達度を先生である上官の忍びに見せる必要がある。いわば試験だ。

 

今回披露しなくてはならないのは、分身の術。単純に質量を持った己と同等の存在を生み出すだけの、下忍ならば凡その忍びが扱える忍術。ナルトはこの術が苦手であった。

というより、ナルトにはセンスがない。努力する根性はあれども、悲しいことに才能が追い付いていなかった。

 

変化の術のみは異様なほど上達してきた。今のところ変化を見破られたのは目の前のババァのみである。

曰く、「クソガキがどんだけ見繕おうと性根がクソガキなのは変わりゃしないんだバカ。」

 

 

火影を目指すナルトであるが、まさかアカデミーを卒業出来ないなんてことになったらそもそも忍びにすらなれないということを意味する。

 

そんなこんなで、最近のナルトは休日や余裕のある時間を分身の術の練習に費やしていた。近頃はエロ仙人こと自来也というこれまたクソジジイにしてエロジジイがどういうわけか手伝ってくれているが上手く行っていない。勿論、諦める気もない。

 

そんなナルトを呼び止めたお登勢の声色から、またもや面倒事を察した。長い付き合いである故に、こういう時は絶対に何か起こると確信していた。

 

 

 

「難しいこたぁ言わないよ。ちと、古い馴染みの手伝いをしてほしくてネェ。」

 

「古い馴染み?」

 

「あぁ、この近くで似たような店やってるんだがね。どうにもこうにも今日は緊急で欠員がでちまったようで、人手が足りないんだと。」

 

「ならキャサリンでも行かせればいーってばよ。暇してんだろうし。」

 

「アイツは無理だ、ろくに接客も出来やしないのに客の話し相手なんか務まるもんかい。」

  

そう、この時点で妙だということをナルトは察しておくべきだった。

この手の商売で、女ではなく男が必要な理由……ウェイターなどでもなく、"接待する側として何故男が必要なのか"と。

 

「えー……」

 

「変化の術はあんたの得意分野だろう?行っとくれよ。」

 

「でもさー、もう卒業試験が近くて……」

 

「安心しな、アンタが卒業の為に頑張ってることぐらい知ってるよ。代わりに明日のアカデミーは休みにしてもらうようイルカに頼んどいてやる、どうせ明日の座学は馬に念仏だろう?」

 

「……なら、まぁ……」

 

「なら決まりだね。……あぁ、そうそう。」

 

 

 

 

 

「変化の術は最悪使わなくてもいいからね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キャーッ!!!かわいいわやっぱり!やっぱりこの年代の男の子は何着せても可愛いわ!90年代頃のVSシリーズゴジラぐらい安定感があるわ!!」

 

「あ、あの……」

 

「安心して、堅気には手を出さないのアタシたち!……あら、でもよくよく考えたら今日一日はお仲間よね、フレンドリーよね?ならフレンチにランデブーかましちゃってもいいのかしら!?」

 

「「「きゃっきゃうふふ!!」」」

 

 

 

軽い気持ちでやって来たナルトを待ち受けていたのは、エロ仙人をも絵面だけなら超えうるであろう屈強な男達。それだけならば萎縮するだけで済んだだろうが、揃いも揃って花柄だのなんだの、あまりにもあんまりな、女物のそれを纏い、女のように振る舞い喋っている。あしゅら男爵とは違い、ハーフ&ハーフではなくハーフである。ニューハーフでなくオールドハーフである。

 

あっという間に囲まれ、衣服を同じような女物に、変化の術の時とは違いありのままの自分の姿で着替えさせられ、軽い拷問を受けた気分だった。

 

 

…クソババアことお登勢の店で働いてきたことで、同年代やそこらの一般ピープルより酸いも甘いも噛み分けてきたナルトといえども理解出来ないもの。理解出来ないということは、恐怖に繋がる。つまるところナルトは怯え切っていた。

 

スッカリ怯えきったナルトの前に、その男/女が現れるまでは。

 

「──お黙りアンタ達、そこらの客の顔色は読めるのに子供一人の顔色も読めねぇのかい?」

 

「あっ、ま、ママ!!」

 

「ま、まま……?」

 

 

その男の立ち振舞は、正しく女にして男、男にして女。オカマという概念を表したかのような、完璧な調和を保っていた。

何よりもその品格が、エロ仙人やお登勢の持つ、不思議な空気に似ていた。それだけで、ナルトの心は僅かに安らいだ。

 

「…あ、あんたは…」

 

「どう見たって興奮してるじゃないか、ようこそナルト。いえ、"なる子"?歓迎するよ、安心しな、その衣装はこれから働くうちに返せるよ。なんてったってアンタにゃ私に届きうるだけの才覚を感じるからね。」

 

「いやちげーから!!いちばん顔色読めねぇってばよこの盲目オカマ!!」

 

 

 

 

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「…悪かったね、あんまりに可愛らしすぎて私ともあろうものが溢れる欲望を抑えきれなくなっちまったようだ…」

 

「ホントに勘弁してくれってばよ。いや、マジで。」

 

「お詫びと言っちゃなんだがウチに来てくれやしないかい、あのクソババアなんかよりよっぽどいい目に会わせてあげるよ。いい夢見せてあげるよ。」

 

「抑えきれてねぇどころかあふれ出してるってばよ。」

 

「…改めて自己紹介だ。私の名前は西郷特盛。このかまっ娘倶楽部のママさね。」

 

「………もう何となく分かってきたってばよ。つまるところ…オレが必要だったのって……」

 

 

 

 

「そう、今日だけはアンタは男でも女でもなくなる。ナルトという名を、殻を破り捨て、"なる子"になるのさ。」




感想ありがとうございます。励みになります。

矛盾だらけの穴だらけですが見守ってください。
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