木の葉の里の化け狐とババァ   作:眠りたい時だけ手が進む人

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本来ならポジション的に朧を出そうか迷ったのですが、既に先駆者様がいらっしゃったので被らないように別の方に…


冷麺にスイカを入れるやつとは友達にはなれないが知り合いにはなれる

西郷がナルトに火影の目指すべき指針を示した夜。

闇夜に紛れてそのナルトの姿を見つめる、二人の男が居た。

 

「……西郷の愚か者め。禁術を容易く九尾の人柱力に渡しおって……」

 

一人目は木ノ葉隠れ四天王が一角。暗部と呼ばれる忍びの闇を率いる首魁にして影の火影とも言える存在、志村ダンゾウ。

 

「宜しいので?今なら殺せますよ、証拠も何も残さず彼をこの闇に葬ることができます。ついでにあの西郷特盛に罪を擦り付ければ一石二鳥になると本官は考えますが。」

 

その隣。闇の中にあって異質な汚れなき白の制服を身に纏う男。

手に持った絡繰を操作しながら興味無さげに発言する、右眼に特徴的とも言えるモノクルを付けたその男の名は───

 

「佐々木異三郎。オマエならばワシと西郷の関係性ぐらいは理解しておろう。」

 

「フルネームはよしてくださいダンゾウ殿。どうせならサブちゃんでお願いしますよ、著作権フリーなので幾らでも擦ってくださって構いません。」

 

佐々木異三郎。木ノ葉を影から守ってきたダンゾウが、表舞台へと干渉する為に"根"の中の優秀な人物や在野の生え抜きを筆頭に集めたエリート自警団、"見廻組"の局長。

 

と言ってもダンゾウが佐々木を任命したのは単に優秀だからではなく、単なる己の傀儡では表舞台に立たせたところで政の折に自分が干渉しているということがバレてしまう。しかしながら佐々木異三郎は国士とも言えるほどこの国について憂うことも考えるだけの知能もあり、それでいながら自分への忠誠心もある。仕事と割り切って非情な決断を下すことも出来るだけの冷徹な一面もある。

 

故に、この木ノ葉において最も信用している側近とも言えた。

 

「腐っても戦友、ですか。エリートとしましては付き合うだけでご近所評判に嫌な噂が立つような関係性は断ち切ったほうが賢明と存じますが……」

 

「…それに、九尾の人柱力は殺せばアレが出て来る。かつての折、うちはマダラが九尾を幻術にてコントロールしたというが……どちらにせよ里の中で殺せば一分だろうとあの九尾が正気のまま出て来るのだ、それだけで木ノ葉は壊滅的な被害に陥ろう。」

 

「本当にそれだけ、ですかな?ダンゾウ殿。」

 

絡繰を弄りながら変わらぬ声色で話していた佐々木だったが、最後の一言には心の底からの疑問が込められていた。

 

「……何が言いたい?」

 

「いえ、なんでもございません。出過ぎた質問でした。」

 

そう訂正した佐々木の目には確かに見えていた。

夜の街を駆けるナルトがスナックお登勢へと入っていくと、その姿を羨望の眼差し…或いは嫉妬を含んだ目で見つめるダンゾウの姿が。

 

 

「…ところで、先ほどから使っているそれはなんだ。」

 

「これですか、これはケータイと言いましてね。正式名称は"折畳式遠距離通信器"でしたか。最近里のある絡繰技師が開発したのですよ。常に流行の最先端をゆくエリートをして素晴らしいものですよ、これは。」

 

そう、佐々木が先ほどから手に持っていた絡繰をダンゾウは初めて知った。なにせ四六時中引き篭もりのような状態だったため、里の流行りも何も知ったことではない。寧ろ玩具にすら見えた。

 

「……下らぬ玩具よ。そんなものが何の役に立つ。」

 

「そうでもありませんよ、少なくともこれさえあれば伝達に一々人員を割く必要が無くなります。念写も可能ですからそれ専門の忍びを用意する必要もなく、文字も送受信可能ですからこれ一つで巻物の代わりにもなります。」

 

 

「…何者が作ったモノだ、それは。」

 

 

「確か、里の外れに住む自称発明家の老人……先の大戦で絡繰部隊を率いていた"平賀源外"の発明ですな。」

 

「……ヤツか。」

 

その名前を聞けば感情を滅多に表さないダンゾウが珍しく頭を抱えた。佐々木としては2人が知り合いであるということは初耳である。

 

「お知り合いで?」

 

「…知らん。ともかく、それに関しては他里への輸出を許すな。必要とあらば消せ。」

 

「そういうのは根の人間に頼みますよ、エリートが不用意に人殺しを許容するわけにはいきませんので。」

 

 

「……」

 

 

 

───────────────────────────

 

「いくってばよぉ〜……!!"おいろけの術"!!」

 

「っ、ストラァ〜ーーーイクッッッッッッッッッッッ!!!!」

 

次の日のアカデミー帰り、ナルトはさっそくこの巻物の術について修行する為に女風呂を覗き見しようとしていたエロ仙人こと自来也の頭を引っ叩いて連れ出した。

 

人気のない草むらに連れ出すと、早速修行の為の条件である"代わりになるような変化"を見せる。もはや恒例となっていた手順であったが、今回は自来也に刺さったらしい。

 

「…もーいい?」

 

「も、もうちょい待て!…おぬしやるようになったのぅナルトぉ!嬉しいぞ!!」

 

ボンキュッボン、という言葉が似合う美女に変化したナルトが呆れたような視線を送るがそれすらも刺さるようで自来也のスケッチは止まらない。

褒められたナルトもなんだかんだ嬉しくて頬が緩んだ。

 

「…にしてもオマエどうしたのだ。急に上達したが…さては何か、あれか?なんだぁそうか、おぬしも隅に置けんのぉ!!」

 

「ちげーってばよ!!…よくわかんねーけど上手くいくんだってばよ、おいろけの術。」

 

変化の術とは変化する相手への理解度などによってクオリティが変わるという説がある。これまでのナルトのおいろけの術は確かに美人は美人でもエロティックだとかそういう表現は似合わない姿だったが、明らかに今回のはプロである自来也目線からしてもクオリティや雰囲気が違う。故に自来也は本当の女体をめにしたのではと邪推したが、実際は違う。

 

かまっ娘倶楽部において女装や化粧を施され、更には女の子がされるようなイヤな経験もした為かナルトの心情の片隅には小さいが確かな"乙女心"があった。

故に、女性への変化が得意になったのである。諸説アリ。

 

因みにオカマへはもっと上手くなった。

 

「んじゃー修行付けてくれってばよエロ仙人!これ!」

 

「しょうがないのォ゙……みせてみろ。」

 

変化の術を解いたナルトを見てガッカリしたが、かつての弟子を彷彿とさせる容姿となんだかんだで自分を信頼し頼ってくれる孫のようなナルトの姿を見れば対応も甘くなってしまうというもの。渡された巻物を見てどんな術かと確認してみると……

 

 

「……オマエ、これを何処で手に入れた?誰から貰った?」

 

「えっ?えーと…西郷っていうジイちゃんからだってばよ。」

 

「西郷!?……西郷の叔父貴、いや、西郷特盛で間違いないのか!?」

 

西郷の名を出せば自来也が驚愕した様子を見せる。呼び方からして旧知の、それも上下関係のある仲のようだが間違いない事実である。

 

「う、うん。」

 

「…そうか、ということは…フッ、ナルホドのォ゙。」

 

この術は、禁術である。

上忍以上ならば使える者も居るが、禁術指定されたのはつい最近になってから。

 

この術は戦闘にも使える万能な術だが、平和な今の時期には不要であると新たに登用される中忍以下には教えないようにと三代目火影が禁術に指定し、西郷に託したもの。

 

この術の開発者、そして西郷と出会った上で彼から渡されたという事実。その2つを合わせた上での意味を、自来也は理解した。

 

「よし、じゃあ修行してやろう!…この、"影分身の術"、及び"多重影分身の術"についてのォ゙!」




日間ランキングにのれて嬉しいです、読者の皆様には感謝しかありません。拙い文ですが読んでくださって本当にありがとうございます。
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