魔法科高校の星辰奏者   作:INUv3

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あ〜俺もなぁ!
脳内ストーリーをそのまま文に出来る程の
文才が欲しいなぁ!?誰かくれませんか?


[九校戦] 先輩方の勇姿は忘れないだろう多分

そうして、懇親会後も夜景を見ながら晩酌を楽しんでいると

異様な悪意を感じた為、ワインの瓶を屋上に置いたまま

その場から飛び出した、ん〜酔いが軽く廻っているから

気分が良い!今なら、何でも許せ…ねぇわ!アヒャアヒャ!

っと言うわけで、殺してやるぞぉ!大亜細亜連合!

そうして屋上から落下していると賊と併走している

学生が居たのだが…ありゃ古式魔術師か!*1

今直、活躍する古式魔術師が国立魔法大学付属高校に通うとは

グローバル化が進んでいるなぁ!使う魔法は感電させ

意識を飛ばす魔法か、だが…あの発動術式では間に合わんな

これはァ〜、援護は必須だな、使う魔法は…

透明な対物質耐性の高い壁を作る魔法で良いか

そうして、少年と賊獣畜生の間に透明壁を展開すると

何処からか飛んできた分解の魔法で銃が組み立て前まで

戻されてから、古式君(仮)の雷の古式魔法が発動し賊を捕獲した

さて…誰が分解なんて高難易度魔法を使ったんヤロナー(棒)

俺は木の上に立ちながら、気配を自然と同化させながら

古式君の勇気ある行動を見る事にした

 

「…?…!?誰だっ!」

 

そう言って、賊の元に飛んだ古式君は援護をしてくれた

誰かさん()を探る為に、後ろに振り返り、叫んだ所に来たのは

 

「幹比古、俺だ」

 

「!?達也!」

 

はい、皆大好き我らがオニイサマーの司波達也でしたとさ

ちゃんちゃん、そうして達也は賊の安否確認をし始めた

 

「死んではいない…良い腕だな、ブラインドポジションから相手に致命傷を与える事無く、一撃で無力化している…ベストの戦果だな」

 

「っ…!でも、達也の援護が無かったら…僕は撃たれていた…!」

 

「阿呆か、そんな物は過程に過ぎない、お前の魔法によって賊の捕獲に成功した、これが唯一の事実だ「…!」幹比古、お前は何を思って本来の姿だと思っているんだ?」

 

そうだな、確かに援護したのは達也だが

捕まえる魔法を使って、更には最小限の被害に抑え

死者を出さなかったのは、彼の手柄なのだ

それは変わりようのない唯一無二の事実なのだからな

 

「それはっ!」

 

「…相手が何人居ても、どんな手誰でも、誰の援護を受けず勝利する事出来る…まさか、そんなものを基準にしているんじゃないだろうな?」

 

「…」

 

「…やれやれ…もう一度、敢えて言おう、お前は阿呆だ、何故それ程までに自分を否定しようとする」

 

「…っ達也に言っても分からないよ、もうどうにもならない事なんだ…」

 

「どうにか、なるかもしれんぞ?「え!?」幹比古、お前が気にしているのは、魔法の発動スピードじゃないのか?」

 

「エリカに聞いたのか?」

 

「いいや「じゃあなんで!」お前の術式には無駄が多過ぎる「なんだって!?」お前の能力ではなく、術式そのものに問題があると言ったんだ」

 

「僕の術式は吉田家が何代も年月をかけて改良に改良を重ねた物だ!それを、1度か2度見た程度で…!」

 

「俺には分かるんだよ、俺は見ただけで起動式の内容を読み取り、魔法式を解析する事が出来る」

 

「そんな事…出来るわけない…!?」

 

「…フッ、無理に信じてもらう必要は無い「達也…」とにかく、今は此奴らの処置だ、俺が見張っているから警備員を呼んできて貰えないか?」

 

「あ、あぁ」

 

そうして、古式の彼は警備員を呼びにホテルに戻って行った

にしても、さっきから達也の来た方向に気配あんだが?

誰だおめぇ…!大亜細亜連合なら切り刻んでやる!

 

「随分容赦のないアドバイスだな」

 

「少佐」ピシッ!

 

お?達也が敬礼した…つまりは、此奴は日本軍人か

なら、襲う必要性もないな、これも傍観するか

 

「他人に無関心な特尉には、珍しいな」

 

「無関心は言い過ぎでしょう」

 

「身につまされたか?あの少年も、貴官と似た悩みを抱えているようだからな」

 

「あのレベルの悩みなら、自分は卒業済みです」

 

「つまり、身に覚えがあるという事だ(ニッコリ)」

 

「少佐。この者達をお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

「構わんよ。基地の司令官には俺から言っておこう」

 

「ありがとうございます」

 

「では特尉。明日の昼にでもゆっくり話そう。」

 

「はい、少佐。それでは失礼します」

 

「ああ」

 

そうして、達也がホテルに戻って行ったのを見ながら

俺もワインを放置したホテルの屋上に戻る事にした

にしても一向に気付かれなかったな…何か、悲しいな…

 

(特務大尉っか…あの沖縄戦後に、達也は軍隊に入隊していたのか…だからこそ、あの殺気…嫌でも会った時から、あの殺気だったな…どういう教育したらアンナ風になるんだぁ?)

 

そう思いながら、今度はメテオールピルスを飲みながら夜景を

楽しんでいると、後ろから誰かが登ってくる気配を感じた為

振り返ると、今1番会いたくねぇジジィに逢えたわ

 

「…はぁ…何で見つかるのかねぇ…なぁ?九島と爺さんよぉ」

 

「そう言わんでくれんかな?星光の絶滅者よ」

 

「相変わらず、気に食わんネーミングセンスだ…九島烈よ、まだ、馬鹿げた理想を掲げているのか?」

 

俺は生前の圧…つまりはアドラー軍人としての

圧を九島烈に向けながら、質問した

これ以上は魔法師と非魔法師の戦争になるからな

だからこそ、真意を問いたくなったのだよ

 

「あぁ、そうだとも、私は未だに魔法師も非魔法師の人間と同じ仕事をするべきだと思っているとも」

 

「…その意見には賛同してやるが、大いなる力には大いなる責任が伴う事を忘れていないだろうな?まさか、大いなる力を隠し、生きろとは言わんだろうな?力を持つのだ、その責任を取り、職務に順次無いことは怠惰となる、そんなものは世界の発展を停滞させるだけの塵芥だ、生きているだけでも争いの火種となるのだ、それは分かっているのか?」

 

「そうだね、だけど私は、それでも魔法師は兵器では無いと思っている、君も以前に言っていただろう?他人を思いやる感情があるならば、それは人であると」

 

「無論だ、だが今でも魔法師に変わる兵器が無いことも事実だ、それに兵器は人間が懇切丁寧に扱わなければ、我々に牙を剥く事となる、知っているだろう?九島烈、パラノーマル・パラサイト、通称:寄生虫、生物に取り憑き、脳を書き換え宿主を殺す、向こう側の存在、奴らを操ろうなど思わない事だ、奴らは魔法師以外にも無機物、つまりはロボットを宿主として動く事もあるが、我々の意志を汲み取ったとしても曲解して動く、奴らは我々の敵であり膿なのだ、利用する等を考えた場合、俺は貴様らの様な魔法師を燃やし尽くすだろう。」

 

「…分かっているとも、星の絶滅者…いや、太陽の兵器よ…」

 

「魔法師以外を戦力として扱いたいならば、魔法が干渉できない素材で無人機兵器を創ればいいのだ、そうすれば自ずと魔法師の兵器運用は消えていく、貴様の伝を扱えば造作もないだろう」

 

「そうだね…私も、歳によって思考が凝り固まってしまっていたようだね。若人からの意見は尊重しなければならない。それは忘れてはならない事だ」

 

「…以前にも話したが、俺の能力の詳細等は話さん、貴様のような8枚舌を持つ奴に情報を流したら、大事件になってしまうからな」

 

そうして、俺は残っていたビールを一気飲みし

空となった瓶2本を星辰光で燃やし尽くしてから

屋上から出ようとしたが九島のジジィに言う事を忘れていた

 

「あ、忘れていた、九島烈、そのワインは差し入れだ、ロマネコンティの60年ものだ、孫とでも存分に楽しんでくれ」

 

「ふむ、それは有難い、大切に飲ませてもらうよ」

 

そう伝えてから、俺はさっさと自分の部屋に戻って行った

星辰奏者の強化された肉体ではアルコールなぞ

20分もすれば肉体から完全に霧散するのだけは

星辰奏者となった事を後悔したが…まぁ親友と夜遅くまで

談笑出来る事を考えれば、悪くないものだ…

 


〜九校戦1日目〜


 

そうして、自身のCAD調整や刀の調整をしたり

森崎のCAD調整をしながら2人で談笑してる所に

半蔵先輩、辰巳先輩、十文字先輩の3人が来た為

5人でモノリスコードでの戦略等を話し合ったりしていると

あっという間に時間は過ぎていくものだ

もう既に、九校戦開幕だよ、コレには化け物ビックリ

そうそう、2週間ちょいで森崎はクイック・ドロウは更に洗練され

早撃ちならば、多分、達也とかと遜色ない実力になりながら

ホルスターに入れたまま特化型CADに搭載されている

照準補助システムなどの補助機能を使わず

CADで魔法を発動する高等技術である

ドロウレスに二丁拳銃型CADによる

高速精密射撃という、超高等CADテクニックの取得

自己加速による接近戦対策と拳銃での近接戦闘テクニック

更に対物障壁魔法と人体の脳を揺らし

確実に相手を昏倒させる魔法を取得した

それに入学時の虚勢を貼る性格は叩き直したからな

今では技巧派魔術師として実力を磨く青年になったよ

 

俺は話していた森崎らモノリスコード組と別れた後に

達也達が居るであろう観客席に行くと、見知った顔と

知らん顔が居たが、気にせず突撃した所

何故か居るレオが呼びかけて来た

 

「あ!おーい。トュール〜!」

「レオじゃないか、何故九校戦にいるんだ?」

「エリカに連れられて来てな、みんなの応援だぜ!あ、席は空けといたから幹比古の隣に座ってくれや」

「そうか応援に来てくれるとは有難い、それと席取り、感謝する」

「いいって事よ!」

 

そうして、俺は前々日に見た古式の彼、ミキヒコの隣に来た

 

「Bonjour!始めしてだな、俺の名前はトュール・レイ、一科生だが気にしないでくれ、それと、お近付きの印として気軽にトュールと呼んでくれ」

 

俺はそう言いながら、ミキヒコに挨拶をしながら右手を伸ばし

握手を求めた所、彼も握手に応じながら挨拶を返してくれた

 

「あ、うん、よろしく、トュール、僕の名前は吉田 幹比古よしだ みきひこ、幹比古って呼んでくれ」

 

「あぁ、よろしく頼むよ、幹比古」

 

そうして固く握手をした後、彼の隣に座り試合を見る事にした

最初は本戦の女子バトルボード予選からだ、1高でのメインは

渡辺先輩が走者となるな、前年度も優勝した事もあり

期待大といった所なのだろうな、ファンが多そうだ

そうしてバトルボードが始まるまで時間があるので

持ち寄った小説を読んでいると達也が、ほのかに話しかけた

 

「ほのか、体調管理は大丈夫か?」

 

「大丈夫です、体力トレーニングは続けて来ましたし、睡眠も長めに取るようにしていますから!」

 

「お兄様、ほのかも随分と筋肉が着いてきたんですよ!」

 

「やだっ///やめてよ深雪、私はそんな…マッチョ女になるつもりは無いんだから!///ほらぁ!達也さんに笑われちゃったじゃない!」

 

「…笑われたのはほのかの言い方がおかしかっただけよ」

 

「し、雫までっ!…良いわよ…どうせ私は仲間外れだし、2人と違って達也さんに試合を見てもらえないし…」

 

「ミラージュバットはほのかの調整も担当させて貰うんだがなぁ…」

 

「…バトルボードは担当してもらえませんよね…深雪と雫は、2種目とも達也さんが担当するのに…」

 

「…その分、練習も付き合ったし、作戦も一緒に考えたし、決して仲間外れにしている訳では…」

 

「達也さん、ほのかさんは、そういう事を言ってるんじゃないんですよ?」

「お兄様、少し鈍感が過ぎると思いますよ?」

「達也くんの意外な弱点発見(☆∀☆)」

「朴念仁」

 

「なっ!?…!」

 

「「!…(顔事目逸らし)」」

 

お〜う、達也フルボッコや

ん?俺にも助けろって顔を出してきたな…

しゃ〜ねぇな〜?

 

「まぁ、達也が天然朴念仁って事は以前から気付いていた事だろう?今更というものだ、それに男は女心に疎いものだよ、気付かせるならば猛アタックするものだ…励めよ少女達」

 

そうして俺は、薄く目を開けながら笑いながら

目を小説に向け読む事に集中した、達也に慈悲ねぇよ

そうすると、達也は頭を垂らした…少しすると

第2レースが終わって次のレースの選手が出てきた

 

[本戦、女子バトルボード<予選第3試合>が間もなく始まります。選手は所定の位置に付いてください]

  

「おー、渡辺先輩来たぞ」

 

「うわ…相変わらず偉そうな女」

 

「「?」」

 

達也から視線を戻したエリカは選手の中に

渡辺先輩を見つけるとなぜか悪態を吐く。 

先輩は既にコースの上に待機している。

他の選手がしゃがんでいるか片膝をついているのに対し

先輩は腕を組んでまるで女王のように立っていた。

今選手4人がいるのは水の上。

魔法を使っていないのでボードの上に待機する時に

大抵の選手が片膝を付き、姿勢を安定させるものだが

先輩は自信たっぷりな顔でボードの上に立っている。

これは先輩がバランスを維持する能力が高い事を示唆している。

 

アナウンスが選手の紹介を始めていき

渡辺先輩が名前が呼ばれると

観客席が他の選手よりも応援の声が大きい。

先輩が観客席に手を振ると1高だけでなく

他校の女子生徒までが黄色い声を上げた。

耳を済まさなくても「摩利様ー!」という声が聞こえる。

彼氏持ちの癖に罪作りな先輩やな〜

 

「熱心なファンが着いているんだな〜」

 

「わかる気もします、渡辺先輩はカッコイイですから、当たり前でしょうね。」

 

「ふん。どうせ外面を作ってるのよ」

 

「「「「?」」」」

 

渡辺先輩の人気に皆、それぞれ感想を言っていると

それをよそに試合が始まろうとしていた。

 

[オン・ユア・マーク…バァン!]

 

スタートした瞬間、四高の選手が後方の水面が爆破した。

おそらく他の選手を撹乱するつもりだったらしいが

自分もバランスを崩してしまっては意味が無いってか

確実に馬鹿だろう、何だこの破綻した作戦

 

「自爆戦術?」

 

「恐らく、大波を作って他の選手を撹乱しようとしたようだが…」

 

「お、持ち直したぞ?」

 

だが先輩は何事もなかったかのようにスタートダッシュを決め

あっという間に独走状態に入っていた。

先輩はボードと自分をひとつの物体として移動させている。

つまりボードが渡辺先輩の脚の延長となっているのだ。

曲がり角を鮮やかにターンしながらスピードを維持したまま

走り続けるのを見て、達也は何をやっているのかに気が付いた。

 

「硬化魔法と移動魔法のマルチキャストか」

「硬化魔法?何を硬化してるんだ?」

 

硬化魔法と呟いた達也に真っ先に反応したのはレオだった。

流石、硬化魔法に特化している魔法師だな

 

「ボードから落ちないように自分とボードの相対位置を固定しているんだ。硬化魔法は物質の強度を高める魔法じゃない、硬化魔法はパーツの相対位置を固定する魔法だ」

「そりゃ実際に使ってるしな」

「渡辺先輩は自分とボードを1つのオブジェクトを構成するパーツとして、その相対位置を固定する魔法を実行している、そして自分とボードを1つの物として移動魔法をかけているんだ」

「へぇ・・・そりゃすごいな」

「しかし、面白い使い方だな、振動魔法も併用しているのか、凄いな、常時3種類から4種類の魔法をマルチキャストしている」

 

達也が解説をしている間に先輩はぐんぐん進み

坂を登りきって滝をジャンプ、着水と同時に水面が波打つ

その波は後を急いで追ってきた選手を呑み込み

落下寸前まで追い込んでしまった。

現在コースを半周したが、もう誰が見ても先輩の勝利は

確定したのだろう、後は先輩のミスが無ければ完勝だ

 

「戦術家だな」

 

「性格が悪いだけよ」

 

「1位は決まりだな」

 

「あぁ」

 

エリカは憎まれ口でコメントしたが

それが本心なのかそうでないのかは誰にもわからない。

だが戦術に関しては褒めているのだろう

そうして、女子バトルボード予選が終わった為

俺は誰にも告げず、気配を消しながら

さっさと会場を後にし適当に人気が少ない場所で

適当に売店で買ってきた食パンのBLTサンドを食べていた

食パン系のサンドはワインより紅茶が飲みたくなるな〜

はぁ〜、やっと1人になれた…いやまぁ、九島の爺が来なければ

あのまま屋上で一夜を明かそうと思ってたんだよ

流石に最近は事件に事故が起こりすぎだ!

まぁ…アドラー時代に比べたら雲泥の差過ぎるんだが

それでも嫌なもんは嫌なのだよ。

はぁ〜、落ち着いて食事出来るとは最高かな?

それとスピードシューティングは…別にいいや

七草先輩の元には多分、達也が居るんだからさ

俺は巻き込まれたくないのだよォ!って事で

マッタリ読書をしながら、俺は夏風を楽しんだ

まぁ、普通に暑いから星辰光で太陽の熱を操り

俺の半径5m以内は全て快適な温度にしたがな

そうしているとスピードシューティングの

アナウンスにより、そろそろ始まるそうだが

俺は日光の気持ち良さに身を任せ睡眠を取る事にした

まぁ携帯端末に死ぬほど連絡が来ている事に目を瞑ったがな

 


 

1日目の種目が終わる頃に目覚めた俺はホテルに向かいながら

途中の売店でカロリーメイトを3つ買ってから自室に戻り

3日後に使うCADを調整しながらカロリーメイトを食べていた

それと使う機会が無いことを願っているが、どうせ使う

俺以外では扱った場合、空間把握能力の欠如により

使えないと思われる7本目の刀である特化型CADを調整する

コレに組み込まれている術式は1つしかない

超高難易度魔法であるソーラーレイに星辰奏者としての

操縦性による変幻自在な軌道を描く事が可能になる術式

パニシュメント・バイ・ザ・サンが登録されている。

いわゆる星辰光を可能な限り再現した贋作だな

ん?ソーラーレイとは何だって?俺の超得意な魔法だな

想子による事象干渉により俺の星辰光を呼び出し

それを地表に向けて撃ち込む大規模殲滅魔法の事だ

あ、勿論、想子なんざ使わずに、そのまま星辰光を

発動した方が速いのは内緒な?

想子を使わないとアイス・ピラーズ・ブレイクの

レギュ違反に引っかかりそうだからな〜

予防線って奴だよ。

まぁ…発動した時に世界のテクスチャに干渉するから

半径5km全てが宇宙の景色と大差ない状態になるんだけどさ

あ、テクスチャに干渉してるだけだから真空ではないぞ?

 

…にしても星辰光もだけど、俺って存在が無法だよな…

あまり、世界には干渉しないようにしているが

何時、俺を殺そうと戦略魔法が撃ち込まれるか

分かったものでは無いな…それに、達也を含む

戦略級魔法師が一斉に戦闘を仕掛けてきても

負ける気は無いが、地球は余すことなく焦土になりそうだ

クリスとやった時でアドラーから本当に遠く離れた場で

尚且つ世界が、この世界より頑丈な状態で神話に近い時でも

その場が1000年は草木も生えない焦土となっただろうな。

一切合切総て死滅の核分裂・放射能光(ガンマレイ・ケラウノス)vs総てを焼き尽くす死滅の太陽光(トール・ザ・サン・ラグナロク)だからな〜

逆にアレでも壊れなかった世界に感服ものだな

…死の最後に掴みかけたアレが極晃星なのだろうな

魅力的過ぎる物だったが、満足していた俺にとっては

無用の物だから手に取らなかったが、もし、もしもだ

まだ満足していなかった場合は手に取っていたかもしれんな

それと、何故か分からんし、使えるかも分からんのだが

何故かクリスの星辰光を感じるんだよな〜

いや星辰光を感じはするんだが、星辰奏者は感知しない

予想では俺の魂に刻み込まれた可能性なんだが…

ま、まぁ、流石のクリスでもそんな事は…やりそうだわ

なんなら、俺の星辰光もクリスに刻み込んだ可能性あるぞ

うわぁ〜…クリスが俺の星辰光を使うとか怖すぎんだろ

そうして、俺は次の日の朝方になるまで

キーボードで必要な文字を打ち続けながら

CADを調整し続けた、本当に面倒だ、この特化型

 


〜九校戦2日目〜


 

俺は一睡もしないまま、第一高校のテントに向かう

理由は、翌々日の俺の対戦相手が誰なのかを見る為だ

そうして、向かっていると前に達也が居たので

1人で歩いている事が珍しい為、話しかけた

 

「よぉ、おはよう、達也、1人とは珍しいな、深雪達は先に現地入りか?」

 

「あぁ、トュール、おはよう、そうだ、深雪達には先に観客席に行ってもらった」

 

「そうか、達也は第一高校の天幕…それとクラウドボールに出る、七草先輩のCAD調整が目的だろう?」

 

「そうだな、トュールはテントか…明後日の対戦相手の確認か?」

 

「正解だ、流石に対戦相手の名前くらいは覚えなくてはならないからな。」

 

「そうか」

 

そうして最低限の会話をしながら、俺達は天幕に歩くが

俺は途中で達也に聞こえる声で話しかけた

 

「達也…今日から無頭龍の妨害がある可能性が高いと思うのだが、お前はどう思う?」

 

「俺は…妨害をするならば早計だと思うが…何故だ?」

 

「いや何…今までの無頭龍を考えるとな…奴らは馬鹿過ぎるからな、一高が活躍したからと言う事で、2日後から妨害してくるのでは?っと思ってしまうのだよ。」

 

「成程な…分かった、俺も気を付けておこう。」

 

「あぁ、さて、ココからは岐れ路だ、また後で会おう」

 

「分かった、観客席で待っているよ。」

 

そうして、達也と別れた俺は、第一高校の本部が置かれている

テントで市原先輩から選手一覧を見せてもらい

全て記憶してから、女子クラウドボール本戦を見に行く事にした

他校の上級生が、どの程度の実力なのか見たいからな

てな訳で会場に入り席を探そうと思っていると

試合が始まる寸前でござるのまき、ん〜席ねぇやん!

という訳で七草先輩を上から背面から見る位置となる

観客席の最上階に行ってから見る事にした

こちとら星辰奏者だからな視力が違うのよォ〜…

すげぇな、七草先輩、全部、弾いてら〜

 

《トュール・レイside終》


《司波 達也side》

 

トュールと別れた達也が天幕で作業していると

七草先輩が達也の所へやってきた。

 

「達也君。データは頭に入った?」

「はい。全員覚えました」

 

達也が覚えていたのは各選手の想子特性データだ。

七草先輩は達也の返答に目を丸くする。

 

「驚いた。それって完全記憶とかいうやつじゃない?」

 

「俺はこんなものより魔法力が欲しかったんですがね」

 

「贅沢じゃないかしら?」

 

達也がポツリと答えると

真由美は何言ってんだコイツみたいな感じで反論した。

しかも両手を腰に当てて頬をぷくーっと膨らませるおまけ付き。

ファンが見たら卒倒間違いなしの姿勢だが

達也はそのポーズに「それ素だったんです?」と言おうとしたが

言ったら怒られそうだったのでなんとかそのセリフを呑み込んだ

 

その後、達也と七草先輩は試合会場に向かい

達也はさっさとベンチに座ってCAD調整をしていると

先輩が出てきた為、そちらを見た事を軽く後悔していた

先輩の格好はミニスカのテニスウェアとしか

言いようがない、スコートを着用していた為

観客席では色々と黄色い声援が湧いていた

達也はいろいろ思った後に軽く溜息を吐いてから

とりあえず冷静な口調で問い掛けた

 

「…もしかして、そのウェアで出るんですか?」

 

「そうよ?え?可笑しいかな?似合ってない?」

 

「…とても良くお似合いです」

 

「そう?ふふっ有難う!」

 

そう返した達也は、CAD調整の為にキーボードを打つ

七草先輩が扱うのはショートタイプの拳銃型CAD。

達也の特化型CADと比べて銃身が短いタイプである

銃身が長いほど照準補助を重視しているのだが

先輩には必要ないのだろう。

そうして受け取ったCADを調整していると

準備運動をしていた先輩から、また声をかけられた

 

「達也君。ちょっと手を貸してくれない」

 

「?いいですよ」

 

達也は目の前にペタンと座りこんだ先輩の背中を押す。

するとなんの抵抗もなく先輩の上半身は足にくっついた。

4回ほど同じ動作を繰り返した後

先輩に「立たせろ」と目で訴えられた達也は

先輩の手を引いて立ち上がらせた。

 

「ありがと。ん〜!なんか新鮮ね」

「はい?」

「私、兄と妹は居るけど、弟はいないのよね〜」

「は、はぁ・・・」

 

先輩は何を思ったのか、そんな事を言い出す。

達也はいきなりの事に反応に困っていた。

 

「達也君って私の事、特別扱いしないじゃない?」

「そんなに、馴れ馴れしくしているつもりはありませんが…」

「そういう意味じゃなくて、変に構えたり、ソワソワしたり、オドオドしたりしないでしょ?弟ってこういう感じかな〜…なんてね?」

 

そう言った先輩は前屈みになりながら尋ねてくるが

目の前に居るのはシスコンであり朴念仁であり

感情を何処かに置いてきた様な男なのだ

そんなものにたじろぐ事もなく答えた

 

「さぁ…?俺も妹だけですから」

「それもそっか!」

「すみません、他の選手の様子も見ておきたいと思いますので、コレで…」

「よろしくね〜」

 

「その必要は無いわ」

 

そう言って立ち去ろうとしていると

後ろから声をかけられた為、先輩も振り返り

達也も振り返ると、そこには3年生の技術スタッフである

和泉 理佳(いずみ りか)先輩が居たのだ

 

「あら、イズミん!」

 

「七草…その呼び方は辞めてちょうだいって言ってるでしょ…」

 

「それで、和泉先輩、必要ないとは?」

 

「あぁ、司波君、貴方は七草の試合を見ていて、残りは私が見ているから」

 

「そうですか、分かりました」

 

「じゃ」

 

そう言って和泉先輩は去っていった後に

七草先輩は溜息を吐いてから話し始めた

 

「はぁ〜…悪い子じゃないんだけどね〜…」

 

「聞いていた限りでも分かります、七草先輩、そろそろ試合開始時間です。」

 

「あら?それじゃあ、頑張ってくるわね☆」

 

七草先輩は充分なストレッチを終えるとコートに入る。

クラウド・ボールのコートは普通のテニスコートを

およそ2分の1にした大きさであり

周りをガラスのような対物質の透明な壁で囲われており

ボールが外に行かないようになっている。

 

数分後、両選手が位置につくと試合開始の音で

試合用のテニスボールが射出されたが

先輩はコートの中央に立ったまま動かない。

ただ立っているだけだ、動く必要はないのだろう

先輩のコートに相手選手が返したボールが

入れるのはおよそ10センチ未満であり

相手がどの方向から返しても完璧に撃ち返されている。

1点も取られることなく先輩は1セット目を勝利した。

そうして相手選手を見送ってから戻って来た

達也は七草先輩に声をかけた

 

「お疲れ様です」

 

達也はそう言ってタオルを渡してから

水分補給用のボトルを渡す

 

「あら?達也君。試合はまだ終わってないわよ」

「いえ、終わりです。相手選手がリタイアします」

「え?」

「見てください。相手選手は想子の枯渇で今にも力尽きそうじゃないですか」

「…ほんとだ。よくわかったわね」

「視てればわかりますよ」

 

達也の言う通り、相手選手の棄権が会場に告げられる。

達也は相手選手が後半になってから想子切れになる事を察知した

試合が終わるのを確認した達也は先輩と共にテントに移動し

次の試合に使うCADの調整を始めた

達也がCADの調整を続けている間

先輩は達也が操作しているディスプレイを観ながら

全く関係ない事を考えていた。

 

(そういえば…どうしてトュール君は来てくれないのかしら?摩利達はともかく彼は暇よね?もしかして他校の試合も観てるのかしら。情報収集は確かに必要だけど…顔くらい見せてくれてもいいじゃない…!プンプンっ!)

 

そうしていると調整が終わり試合会場に戻る事になった

…クラウド・ボールは1日で全てが終わるので

当然試合の間は短く九校戦の中で1日の試合数が最も多い競技だ。

なお、七草真由美がそんな考えをしている事を

近くで調整していた達也は全く知らないのである。

 

その頃、深雪達の観客席では

 

「なぁ、そう言えばトュールはどうしたんだ?」

 

「確か、やる事があるから来れるかどうか分からないって言ってましたよ?」

 

「そうなんだ」

 

「にしても、あの選手すごいな」

 

「そうですね。ラケットを持っていながらあんな細かい動作ができるなんて…よほど練習したのでしょうね」

 

「会長、大丈夫かな」

 

「大丈夫よ、雫。会長にはお兄様がついているもの」

 

「そ、そうだよ!達也さんが調整してるんだもん!」

 

「ん?おい皆。会長が出てきたぜ」

 

レオの言う通り、七草先輩は会場に出てきている。

パネルを見るといつの間にか次の試合が始まろうとしていた。

その試合の後も先輩は勝ち続け

ついに全試合無失点のストレート勝ちで

優勝を飾る事ができたのだった。

 

《司波 達也side終》


《トュール・レイside》

 

七草先輩が優勝を飾った為

俺は男子クラウドボール本戦を見に行ったのだが

1回戦敗退、2回戦敗退、3回戦敗退と全敗したのだ

クラウド・ボールの出場選手は充分戦えるレベルだったのだが

まさかの戦果は来年度のエントリー枠を確保できただけ。

あまりの予想外の展開に驚きを隠せないでいた…まずいな

 

(男子アイス・ピラーズ・ブレイクが勝たなければ不味いな…総合優勝する場合は残り4種目の勝利が必須だろうな…それと幾ら点数が半分になるとは言え、新人戦も落とす事は許されないだろうな…コレは森崎と作戦会議をした方が良さそうだ)

 

俺はそう思い、森崎に連絡をとってから集合場所に

俺が森崎の為だけに作り上げたスピードシューティング用の

レギュ違反にならない二丁拳銃を携え、走って向かった

 


〜星辰奏者、移動中〜


 

そうして、ホテルにある自室に森崎と入ってから

森崎による新人戦の作戦会議を始めた

 

「トュール、呼び出したって事は完成したのか?」

 

「あぁ、コレがスピードシューティング専用の汎用型CAD…名前をスコルとハスティ、北欧神話の狼から名を取ったが、少し改造すれば特化型になる。」

 

「あぁ、ありがとう、それで性能は?」

 

「森崎の腕を信用しているからな、展開速度は特化型と遜色なく仕上げてある、標準補佐は言われた通り出来る限り上げてはあるが…まぁ、今のお前ならば、ほぼ無用の産物だろうな、それと発射された魔法全てにホーミング性能を持たせる事は出来るが、過信はするな、飽くまで補助だ…それと以前教えた事は出来たか?」

 

「問題ない、目と脳に可能な限り想子を集め、極限の集中力により世界が遅く見える…通称:鷹の目…この2ヶ月で物にしたさ、それで、話は?」

 

「あぁ、まず、男子クラウドボールが予選敗退になった事は知っているな?「あぁ」それで計算した所、現段階で先輩達が4競技に勝てたとしても、俺達、新人戦が落とし続けた場合、その点数差は覆る可能性が高い…つまりだ」

 

「俺と、お前…この2人で少なくても3種目は1位を取らないと駄目…なんだろ?」

 

「そうだ、そしてモノリスコードは一条が出る可能性が高いから準優勝でも良いが、他は勝たねばならん…」

 

「あぁ、理解しているさ…俺も森崎の一員だからな、必ず勝ってみせるさ」

 

「あぁ、コレで話しは以上だ…はぁ…今年は俺とお前程度しか男子新人戦は勝てそうにないな…」

 

「しょうがないだろ…成績上位は女子が多いんだからさ…まぁ、男の癖に不甲斐ないとは思うが」

 

「はぁ…女子は全試合勝てそうで羨ましい限りだな…俺達の肩身は狭いなぁ〜」

 

「言うな…悲しくなるだろ…」

 

そうして、男二人の作戦会議は終わったのだった

あ〜肩身が狭くなるよォ〜!達也は良いよなぁ!?

そうして森崎と部屋でだべりながら、夜になった為

解散した…

はぁ〜…どうすっかな〜アイス・ピラーズ・ブレイク…

どうせ、一条出るんだろ?めんどくせぇ〜

 


〜九校戦3日目〜


 

今日は男女のピラーズ・ブレイクと

バトル・ボードの決勝が行われる。

七草先輩はこれを九校戦前半の山場だと言っていた。

まぁその通りだと思うが…バトルボードを見る為

達也達と合流した俺は試合会場に行き待機している

今日は例年に比べ暑い様で、暑苦しいだろうな〜っと思い

何時も身に付けているジャケットを脱いで肩にかけている

 

「ねぇ、雫、今日の見せ場は?」

「うん、渡辺先輩と海の七校の選手によるマッチレース、去年の対戦カードと同じで、高校最後のレースだから、どんな試合になるのか皆が期待してる」

「成程…確かに白熱する試合になるだろうな、コレは期待大だろう。」

 

そうして、皆で話しながら待っていると

アナウンスと共にスタート合図が取られ…スタートした

試合開始の合図が出ると渡辺先輩は一気に先頭に躍り出る、

だがその後ろには七高の選手がぴったりくっついている。

 

「強いな」

「さすがは『海の七高』ですね」

「うん、この構図は…去年も同じ光景だったよ」

 

渡辺先輩と七高の選手はもつれ合うように走り

ほとんど差が出ないまま鋭角のカーブに差し掛かる。

この時、俺と達也は大型スクリーンに目を奪われて

小さな異常を見逃してしまった。

 

「あ!」

「何!?」

「オーバースピード!?」

 

会場の誰かが叫んでいた。

七高の選手は既に水面を飛ぶように滑っており

このままでは壁に激突してしまうのだ

その先に誰もいなければ…死亡

だが前方には渡辺先輩がいるのだ

先輩は斜め後ろからくる気配に気が付き

七高選手を受け止めるために現在の魔法をキャンセルし

ボードを弾き飛ばす魔法と選手を

受け止めた衝撃を無くす魔法を発動しようとした。

その瞬間、先輩のボードの先端がいきなり沈み込んだ。

それにより魔法の発動が遅れ、ボードは弾いたのだが

七校の選手を受け止めるスピードが早過ぎたのだ

 

それを見た俺は星辰奏者のチートな肉体に

加速術式と身体強化術式を組み合わせ

誰にも感知できず見えない速度で会場に飛び出し

渡辺先輩の後ろに回り込んだと同時に光の足場を作り出し

無理やり止まった所、グジャリと両脚が壊れたが気にせず立ち

肩にかけていたジャケットを前に貼り脚に踏ん張りを入れ

先輩方を受け止めたが、両脚が壊れたのは不味かった

七校の選手は俺の発動した光の足場に乗ったまでは良いが

俺と渡辺先輩は柵に激突する事になった物凄く痛い

多分、渡辺先輩は気絶してるし、骨折だろうが軽傷だな

え?俺?両脚は勿論だが、内蔵とか色々逝ったんじゃね?

何なら渡辺先輩には折れた柵の破片とかは

刺さってはいないだろうが俺にはバリバリに刺さってますねぇ〜

脇腹貫通してんもん…まぁ、1日程度で治るやろ。

前までなら治ってたから、大丈夫だと思う。

にしても渡辺先輩がバトル・ボードと

ミラージ・バットに出れないとなると

優勝がキツイな〜、あ、やべ、胃から血がむせ返ってきた

口から垂れてきたわ。まぁクリスとの戦闘に比べたら

こんなもん傷でも何でもなかったから

不甲斐ない結果になってしまったな〜

鍛え直しが必要だな…夏休み…山に篭もるか

 

「あ、そこの職員の君達、俺の身体の上に乗っている、渡辺摩利先輩と水上に放置されている七校の選手回収の人員、呼んできてくれよ。」

 

「は、はい!分かりました!」

 

「彼女達の未来に関わるんだ、なるべく早くで頼むよ」

 

そうして俺は職員に指示を出しながら

ぶっ壊れた脚で渡辺先輩を抱えながら立ち上がり、

歩いて渡辺先輩を安全圏に優しく下ろしてから

七校の選手が居る場所まで光の道を作り

選手を抱えてから光の道を戻って行くと

何と我が友、達也が居たではないか〜

 

「達也、担架は?」

 

「ここだ、それと、お前も隣のヤツに乗れ…一番の重傷人が何をしているんだ」

 

「ヨイショと…ふぅ、ん?すまない、左耳の鼓膜が衝撃で破けてな、もう一度頼む」

 

「良いからさっさと寝て運ばれろ!」

 

そうして、俺は達也によって担架に乗せられ

救急車によって運ばれたが…

この程度なら意識飛ばねぇんだよな

暇だな〜

 

《トュール・レイside終》


《司波 達也side》

 

横で爆発的な想子濃度を検知した瞬間に

達也は何かやろうとしているトュールを止めようと

急いで呼び掛けた…だが

「!?待て、トュール!!!」

 

その言葉と共に弱いソニックブームを起こし

渡辺先輩の元に飛んで行き、どんな方法かは分からないが

先輩を庇って柵に激突したのを視認した為

達也は立ち上がり、渡辺先輩の元に向かおうとした所を

深雪に止められた為、答えた

 

「お兄様!」

 

「行ってくる、お前達はここで待っていてくれ」

 

「わ、分かりました。」

 

達也は人混みで溢れるスタンドを誰にもぶつからずにすり抜け、

急いで渡辺先輩の所に向かって行った所

何故か一番重傷のトュールが動いて七校の選手を

救助しに行っていたのだ…コレには呆れ溜息を吐いたが

トュールが担架は?と問い掛けてきた為、答えた

 

「ここだ、それと、お前も隣のヤツに乗れ…一番の重傷人が何をしているんだ」

 

「ヨイショと…ふぅ、ん?すまない、左耳の鼓膜が衝撃で破けてな、もう一度頼む」

 

「良いからさっさと寝て運ばれろ!」

 

「へいへい、…俺は特別製だから1日で治るだろう…渡辺先輩と七校の選手は任せたぞ、達也」

 

「あぁ…任せろ」

 

《一旦、渡辺摩利side》

 

しばらくして試合は再開し、他の競技も続けられたが

一高生徒と他校の渡辺ファンはそれどころではなくなってしまった。

夕方。3日目全ての試合が終わり、病室にも夕日が差し込んでいる。

渡辺先輩は意識に靄がかかったまま覚醒した。

 

「ん、ん…?」

「摩利、気がついた?私が誰だか分かる?」

「真由美…?何を言っている…そんな事は聞くまで…!?グゥッ!ウッ!」

「大丈夫!?」

「あ、あぁ…ココは…病院か?」

「えぇ、裾野基地の病院よ、良かった…意識に異常は無いようね…あ!まだ起き上がっちゃダメ!鎖骨と肋骨1本が軽く曲がっていたのよ?今は魔法で元の形に直しているけど、まだ定着してないわ。あくまで応急処置だから」

 

ベッドから起きようとする渡辺先輩を七草先輩は素早く押し戻す。

渡辺先輩も身体の痛みでどれくらいの怪我を負っているのかを

理解していたので、素直に従った。

 

「定着までどれくらいかかる?」

「全治1週間…1日寝てれば日常動作に支障は無くなるけど…念の為に8日間は激しい運動禁止」

「お、おい、それじゃあ!」

「ミラージュ・バットも棄権ね…仕方ないわ」

「そうか…レースはどうなったんだ?」

「七高は危険走行で失格、決勝は三高と九高よ。七校の選手の怪我は大した事なかったみたい、庇ったかいがあったわね」

「…相手を助けても自分が怪我を負うならせわはない…」

「いいえ。あそこで摩利が加速をやめて、ボードを弾き飛ばさなければ七高の選手は大怪我をして多分、魔法師生命を絶たれていたと思うわ、これは達也君も同意見ね」

「おい、そこで何故、アイツの名前が出てくるんだ?」

「貴方をここまで運んで来て、治療に付き添っていたのが彼だから」

「何!?」

「後でお礼は言っといた方が良いわよ?」

 

渡辺先輩が驚いた顔をしたのを満足したのか、

七草先輩はにんまりと笑っていた。

 

「それと、貴方の怪我が酷くない理由は単純よ、トュールくん、彼が貴方を庇ったんだから!」

「何?トュールが?」

「そう、トュールくんが加速と身体強化に別の何かの術式を混ぜたオリジナルの強化魔法で一瞬の内に背後に回って光の足場を作ってから、貴方を七校の選手事止めようとしたんだけど…着地の時に両脚が骨折したみたいで上手く支えきれなかったみたいなの、それでも七校の選手は摩利が緩衝材になったから無事だし、摩利もトュール君が緩衝材になりながら護ってくれたから、そこまでの軽傷なのよ?」

「そうなのか…それで、トュールは無事なのか…?」

「えぇ、無事よ、何なら既に全身骨折は治ってるし身体中に刺さった柵の破片も除去した後に治ったから、明日まで経過観察してから選手として復帰よ」

「…何だ…その…トュールは化け物なのか?」

「摩利、それは言っちゃ駄目よ?まぁでも…私も驚いたわ。」

 

そうしてトュールを話題に談笑しているが

唐突に七草先輩は顔を真面目にして

渡辺先輩に問い掛けた

 

「ところで摩利、あの時、第3者から魔法による妨害を受けなかった?

「どういう事だ?」

「七高の選手を受け止める直前に摩利が体勢を崩したのは第三者による不正な魔法で水面に干渉されたせいじゃないのかっと言う事よ」

「…確かにボードが沈み込む直前、足元から不自然な揺らぎを感じたが、何故、そう思ったんだ?」

「あの時、貴方が足元を取られた水面の動きは不自然だったわ、魔法による事象改変による特有の不連続性があった、でもあの時、七校の選手も九校の選手も、そんな魔法は使っていなかった…残る可能性は第三者による魔法…コレも達也くんと同意見、彼、大会委員からビデオを借りて水面の波動解析をしてみるそうよ。」

「高校1年生のスキルでできるものじゃないぞ…」

「…しかし、誰が一体なんのためにこんな事を…」

「それじゃあ、摩利、私はそろそろ行くから、何か思い出したら教えて?」

「あぁ…分かった」

 

そうして七草先輩は出て行き

ひとりぼっちになった渡辺先輩は

静かに天井を見つめていたのだった。

 

《渡辺 摩利side終》

 

場所は代わり、達也の部屋

ココには司波兄妹の達也と深雪

ベストバカップルでお馴染みの

五十里先輩と千代田先輩が居る

 

「それで、何か分かったの?」

 

「一通り検討してみました、やはり第三者の介入があったと見るべきですね。」

 

「流石、司波君は仕事が早いね〜…しかし、予想以上に難しいねコレは」

 

「啓、どういう事なの?」

 

「花音も知っている通り九校戦では外部からの魔法干渉の不正を防止するためにカウンターマジックに優れた魔法師を大会委員として各競技場に設置すると共に、監視装置を大量に設置している…てっきり僕は、その監視網の外から何か仕掛けがあったと思っていたんだけど、司波君の分析では水面に働いた力は水中から発生しているんだ、可能性としては水中に工作員が潜んでいた…っとしか」

「(いやぁ…それは無いんじゃ…)」

ピンポーン

「深雪」

「はい、お兄様」

 

そうして話していると

玄関の予備鈴が鳴った為

達也は深雪に開けてもらった所

達也の友人でありクラスメイトの

吉田幹比古と柴田美月が来たのだ

 

「ご紹介します。クラスメイトの吉田と柴田です。2人には水中工作者の謎を解く為に来てもらいました。」

「初めまして」「よろしくお願いします」

「知っていると思うが、2年の五十里先輩と千代田先輩だ」

「やぁ!」「こちらこそ、よろしく」

 

「俺達は今、渡辺先輩が第三者の不正魔法により妨害を受けた可能性について検証している、渡辺先輩が体勢を崩す直前、水面が不自然に陥没した、コレはほぼ確実に水中からの魔法干渉によるものだ、コース外から誰にも気付かれる事無く水路に魔法を仕掛ける事は不可能だ…遅延発動魔法の可能性も低い、だとすれば…魔法は水中に潜んでいた何者かによって仕掛けられたと考えられる。」

「しかし、そう考えるのは荒唐無稽、そこまで完璧に姿を隠す術は現代魔法にも古式魔法にもありはしない、ならば人間以外のナニカが水中に潜んでいた…っと考えるのが合理的でしょう。」

 

「達也は精霊魔法の可能性を考えているのか?」

 

「吉田は精霊魔法を得意とする魔法師です。また、柴田は想子光に対して特に鋭敏な感受性を有しています。幹比古、数時間単位で特定の条件に従って、水面を陥没させる遅延発動魔法は精霊魔法により可能か?」

 

「可能だよ。「…お前にも?」 地脈と地形が分かっていれば地脈を通じて精霊を送り込む事は出来る、ただしそんなかけ方の術じゃ、殆ど威力が出せない、水面を荒らす事は出来ても、それだけで渡辺先輩がバランスを崩す程の大波は作れないはずだ、七校の選手がオーバースピードする事故が無ければ、子供の悪戯にしかならなかったと思う。」

 

「…アレも単なる事故であればな」

 

「「「「「!?」」」」」

 

そう言うと、達也はキーボードを打ちながら

ディスプレイを全員に見えるようにした。

達也はリモコンでシュミレーション映像を再生し

衝突する手前で映像を止める。

ここからコマ送りで再生した

 

「ここで七高の選手は減速に入らなければならない。しかし、実際には加速してしまっている」

「確かに不自然だ」

「こんな単純なミスをする魔法師が九校戦の選手に選ばれるわけないわ」

 

「恐らく、CADに細工されたのだと思います…減速が必要になるのは、この事故が起きたコーナーが最初です、減速の起動式を加速の起動式とすり替えられた場合、間違いなく此処で事故を起こす…そして、去年の決勝カードのラップタイムを見れば、渡辺先輩と七校の選手がもつれ合う状態で、このコーナーを回るであろう事が予想できる…俺に妨害の意思があれば優勝候補2人を一度に潰すチャンスと考えたでしょうね。」

 

「確かに理屈は通っているけど、CADに細工なんか出来るのかい?もし細工したとするならば、一体誰が?」

「七校の技術スタッフに?」

 

「その可能性も否定しきれませんが、俺は大会委員に工作員が居る可能性の方が高いと思います。」

 

『!?』

「しかし、お兄様!一体、何時どのようにしてCADに細工したのでしょうか?CADは各校が厳重に保管している筈ですが…」

 

「CADは必ず一度、各校の手を離れ、大会委員に引き渡される…そして、どのように細工したのか分からないっと考えていたが…そう言う時は知ってる可能性が高い奴に聞くことにしよう。」

 

「それは、誰なんだい?」

 

「今、病院で寝ているであろう、俺の友人であるトュール・レイだ、という訳で電話を繋いだが…」

 

[どうした、達也、何かあったのか?]

 

達也がトュールに繋いだと言った後

直ぐにトュールは話し始めたのだが

達也はそれに驚きもせず会話しだした

 

「あぁ、トュール、聞きたい事がある。CADの内部登録魔法を一瞬の内に変える事が可能な方法は知らないか?」

 

[ふむ…まぁ、ほぼ確実と言っていいが電子金蚕(でんしきんさん)だろうな、というかコレ以外でそんな事出来るSB魔法は知らんからな〜]

 

「成程…それと、水面が不自然に陥没した魔法の事は何か知らないか?」

 

[それは古式魔法だろうな、大会委員の中に工作員が居て、其奴が数時間前に遅延発動型古式魔法として設置したが最有力候補だろうよ。]

 

「そうか、分かった、情報感謝する」

 

[気にするな、ではな]

 

そうして、トュールは電話を切った

 

「という感じです。コレはトュールに最初からかけた方が早かったですかね?」

 

「何だか…彼が同年代か怪しくなってきたよ…」

「ま、まぁ…大怪我をしたのに平気そうだったね…」

「でも、明日には退院するんですよね?」

「そうよ、美月、経過観察後に退院するわ」

「それも可笑しいわよね…」

 

「とりあえず、五十里先輩は十文字会頭へ、千代田先輩は七草会長に報告をお願いします。」

 

「了解よ!」 「任せて」

 

「幹比古と美月も、わざわざ来てもらって済まないな、助かった」

 

「大丈夫ですよ!」「こちらこそ、お役に立てたなら光栄だよ達也」

 

「それじゃあ、解散としよう。」

 

ここで達也達は解散となり、幹比古と美月は普通に出て

五十里先輩と千代田先輩は小走りで七草先輩達の

元に向かって行った

それから2時間ほどした後

達也の携帯端末で七草先輩から呼び出しを受けた。

 

「お兄様?」

「深雪、会長からの呼び出しだ」

「分かりました。行きましょう、お兄様」

 

2人は部屋を出てミーティングルームに足を運ぶ。

達也は先程の妨害工作についての話と思っていた

しかしそれなら深雪を呼ぶ必要はない。

考えてもなにも始まらないので

達也はミーティングルームのドアを開けた。

 

《ごちゃ混ぜside》

 

「本戦の残る試合はミラージュ・バットとモノリスコード…総合優勝を確実な物とする為には、どちらも優勝しなければならないわ」

 

そう話、始めたのは七草真由美生徒会長であり

その話に続いたのは何故か病院から抜け出した

渡辺摩利風紀委員長だった

 

「しかも、何者かの妨害に気を付けなければならないという、オマケ付きでだ」

 

そうして話していると、ドアをノックされた為

市原鈴音生徒会会計が入室許可を出すと

呼ばれていた達也と深雪が入って来ながら

お辞儀をした為、七草生徒会長が席に座るよう

促した為、達也と深雪は席に座った

 

「失礼します。」

 

「かけてくれる?…2人には大事な相談があって来てもらいました、リンちゃん、説明してもらえますか?」

 

「今日の成績は2人とも知っていると思います。アクシデントこそありましたが、当校のポイントはほぼ計算通りです、しかし、三校が予想以上にポイントを伸ばしている為、当初の見込みより差が詰まっています。万一、明日から始まる新人戦で三校に大差を付けられる様な事があれば、本戦ミラージ・バットの成績しだいでは逆転を許してしまう可能性もあります。本戦のポイントは新人戦の2倍…そこで私達、作戦スタッフは新人戦をある程度、犠牲にしても本戦のミラージ・バットに戦力を注ぎ込むべきたど結論に達しました。」

 

「!?」

 

「えぇ、そうよ達也くん、深雪さん、「!」貴方には摩利の代役として、本戦のミラージ・バットに出場してもらいます。達也くんには引き続き深雪さんの担当エンジニアとして、9日目も会場入りして貰うことになります。」

 

それに意を唱えたのは代役として

出場して欲しいと言われた深雪だったのだが

それには渡辺先輩が答えた

 

「しかし、先輩方の中にも一種目にしかエントリーされていない方々がいらっしゃいます。何故、私が新人戦をキャンセルしてまで代役に選ばれるのでしょうか?」

 

「ミラージ・バットには補欠を用意していなかった…それが理由だ、事前に練習を詰んだ生徒の方が見込みがある、それに君の妹なら本戦であっても優勝出来るだろう?」

 

「……(全員を見渡す深雪)」

「可能です。」

「「!?」」

「お、お兄様!」

 

「その様に評価してくださっての事なら、俺もエンジニアとして全力を尽くします…やれるな、深雪?」

 

「はい!」

 

そうして、司波 深雪はミラージ・バット本戦に

出場が決まったのだった…

ちなみにトュール・レイは病室のベットに

ベルトやロープ等で固定されて動けなくなった為

運動が出来ずにストレスが溜まっている。

 

*1
古式魔法師とは、伝統的な技法により行使される魔法である古式魔法を駆使する魔法師の総称である。




森崎 駿を強化しました。
いわゆる3年速い3年生森崎化です。

あと、ストーリーは原作に沿ってるので
懇親会等は全て原作通りに進んでいます。

そして、致命的な失敗(ファンブル)なのですが
ヒロインは真面目に誰にしようか決まってないです。
どうしましょ?
…アンケートすっかな…

そして、話にチラッと出てきた前世の親友との戦闘跡地は
軽くアドラー4個分の広さがあった大森林が完全に消滅しました
前世の死闘が更に少しでも続いていた場合は
両方が極晃星化し、アドラー所か地球が破壊されますが
その場合、例の奴も肉体を手に入れ覚醒し三面戦争になります。
つまり、新世界の誕生、頭おかしいわ此奴ら

尚、最後の方のカットインではクリスは左目から
ヘデ(トュール)は右目から光が漏れ出ています。
更に言えば肉体はどちらも内側から割れたりしており
その箇所からも多量の光が漏れ出ています。
…放射光と太陽光が漏れ出てるとかなんだよ…
まぁどちらも、戦う理由がアドラーの為に、なのですがね
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