ユミアのアトリエ―導きの錬金術師と異界の狩人   作:サバ缶みそ味

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 バトルがワンパターンにならないよう悩みながらたまにはほのぼのを書こうと思ったらグダグダになってしまった……
 

 戦闘描写、難しいけど楽しいからいっか!(焼き土下座
 


17話 赤い花にご用心

「はい、これでバッチリだよ」

 

 調査拠点の一角にて、裁縫道具を仕舞ったアイラは縫い直した上着をユミアに渡した。焼け焦げた跡が完全に無くなって綺麗な状態に戻ったことにユミアは笑みをこぼす。

 

「ありがとー!アイラって裁縫がかなり上手いんだね」

 

「えへへ…幼い時から友達とやっててね、将来は洋服屋さんをやろうと考えてたんだ」

 

 アイラは少し寂し気な表情を見せるがすぐにいつもの明るい笑みをユミアに見せる。

 

「所謂昔取ってた杵柄的な?素材があれば素敵な洋服も作ってみようかな。ユミア、モデルになってくれる?」

 

「え、えぇ……わ、私には似合わないと思うけど……」

 

 遠慮しようとするユミアだがアイラは目を輝かせてずいずいと迫る。

 

「いやいや!そのポテンシャル、すらっとした体にキレイな御御足!!ユミアならかわいい服も綺麗な服も似合うはず!!」

 

「あ、アイラ?ちょっとキャラがおかしくない!?」

 

「ふふふふ、ちょうど新しい洋服のデザインが閃いちゃってさぁ……ユミア、測ってもいいよねぇ?」

 

 いつの間に巻き尺と物差しを用意したのか、アイラはにんまりしながらユミアに迫っていく。

 

「こら、ユミアが困っているだろう」

 

 そんなアイラにヴィクトルはチョップを入れて止めさせた。

 

「あいたっ!?お、お兄ちゃん!?だ、団長と会議中じゃ……!?」

 

「会議はとっくに済んだ。ユミア、すまないな。アイラは裁縫が上手でよく団員達の服の修復やらで助かっているんだが、たまにこう変なスイッチが入る時があってだな……」

 

「変なスイッチじゃなくてもっとかわいいデザインとか服とか作りたいだけですー」

 

「あ、あはは……でもアイラに裁縫が得意とか意外な一面があるとか知れてよかったです」

 

 こうして一緒に行動する仲間なのだから仲間のことを知りたいと思っていた。

 

「……ユミア、あとで絶対に測からせてよ?かわいい服を作ってあげるから!」

 

「わ、私は遠慮しとこっかなぁー……と、ところで、レクスさんは?」

 

 ユミアはなんとかして話題を変えようと今朝方から見当たらたいレクスの行方をヴィクトルに尋ねた。

 

「レクスならアルボール植物園に設置した拠点に向かう団員達を先導しているぞ。なんでも樹海には危険なモンスターが潜んでいる可能性が高いとか」

「確かに前に出くわしたアンジャナフとか凶暴だったよね」

 

 アンジャナフのような凶暴なモンスターが他にも潜んでいるかもしれないと考えるとレクス無しでは団員達にも危険な目に遭いかねない。アンジャナフとの戦いを思い出したアイラ達は納得した。

 

「ユミアとアイラはアルボール植物園に向かってレクス達の拠点作りの手伝いを頼む」

 

「あれ?ヴィクトルさんは同行しないんですか?」

 

「ああ……僕は団長から魔物の群れを討伐している団員達の助太刀を頼まれたんだ」

「魔物の群れって……また大灯台付近の?」

 

 大灯台付近に生息しているグリムビーバーの群れが縄張りを広げ始めたのかと思っていたがヴィクトルは首を横に振る。

 

「もっと遠く、東の方角から魔物の群れが流れ込んできているらしい。原因を探りたいがその先はマナ領域で団員達も迂闊に近づくことができないでいてな、拠点にまで近づかせないよう食い止めているところだ」

 

「たしか東の方角には、研究施設の跡地があるといわれている所ですよね?」

 

 あの方角から、あのマナ領域から魔物が流れ込んでいる。その地に何が起きているのか調べる必要があるようだ。

 

「ヴィクトルさん、アルボール植物園の拠点が完成次第すぐに東のマナ領域を晴らしに行きますよ」

 

「あぁ、だがそう焦らないでくれ。拠点作りにしっかり力を入れてほしい。君の力で調査団の手助けを頼む」

 

 

 

「…!わかりました。ヴィクトルさんも怪我のないように」

 

「そうだよ、お兄ちゃんも無理は禁物だからね?」

 

 ヴィクトルは分かったと笑って頷き現地へと向かっていった。見送ったアイラは少し心配そうにヴィクトルの背中を見つめいた。

 

「お兄ちゃん、例の魔物の一件で少し考え事をするようになっちゃって……団長から落ち着くよう言われちゃったのかな」

 

 そういう私も落ち着かないとね、とアイラは自虐的に笑う。自分達が探していた魔物がこの大陸にいることが分かった。

 だがあくまでアラディスの調査が目的であり、私情を挟まないように冷静さを保とうとしている。

 

「アイラ……」

 

「……さ、この話はおしまい!はやくレクスさんの所へ行こっか!」

 

 アイラは頬を軽く叩いて明るい笑顔に戻り団員達と共にアルボール植物園の拠点にいるレクスの下へと向かう。

 

「アイラ、大丈夫かな……」

 

 明るく振る舞うアイラは少し無理をしていないか、ユミアは心配でたまらなかった。

 

___

 

 

「ワオ、もう柵が出来上がってる!」

 

 マルゴー樹海の中を進み、アルボール植物園に差し掛かったところ、拠点の入口では丸太を組み合わせた柵が拠点を囲うように建てられていた。

 

「ユミアの錬金術による建設も早いけど、柵の設置もかなり早いね!」

「レクスさんの畑作りや素材集めも驚くほど早いよね……」

 

 きっと拠点内ではレクスがせっせと何か建てているか耕しているのではと2人は早速拠点の中の様子を伺った。

 

 

「それでレクスさん!記録によりますとかつて樹海には『銀の嵐』という厄災に関する伝承があって……」

 

「レクス!ユーステラに伝わるおとぎ話の検証したいのだが……じっくり見せてくれないか!」

 

「あの!珍しい花の採取とか手伝ってくださるとか!」

 

「弾丸になる木の実について教えてくれ!というか私にくれ!」

 

「さっき毒キノコ食べてたのになんでへっちゃらなんだ!?え?『キノコだいすき』?なんだそれは!?」

 

「猫っぽいからアイルーも毛繕いとかもするのかな!」

 

「肉球もふらせてちょうだい!」

 

 

「「わー!!一斉に話しかけられても困るーっ!!」」

 

 レクスとブランはウィルマやリヒトのみならず他の学者や団員に囲まれて一斉に質問攻めされもみくちゃにされていた。

 

「か、囲まれてるー!?」

「レクスさん、学者達からかなり人気なんだよねぇ……色々とツッコミどころ満載の身体能力だし、ビックリ大自然だし」

 

 遠い眼差しで語るアイラに納得するところはあるがまずはレクスを救出せねば。ひとまず声をかけて団員達から質問攻めされているレクスを呼び戻し事なきを得る。

 

「ほらほらレクスさん達が困ってるでしょ!今回は拠点の設置と植物園の調査が目的なんだから質問は後で!」

「2人とも、大人気でしたね」

 

 

「た、助かったぁ…ありがとうユミア、アイラ」

「も、もみくちゃにされて大変だったよぉ」

 

 

「それにしてもウィルマさんとリヒトさんはどうしてレクスさんと一緒に?」

 

「はい、この樹海の近くにアルバーの集落があるようなので聞き込みしに向かうところなんです」

「この樹海には伝承や古い噂話がたくさんあってな、その情報収集と実態調査だ」

 

「本当はレクスさんの話を聞きたくてついてきた、とかじゃないよね?」

 

「「………」」

 

 笑って冗談で尋ねるアイラであったがウィルマとリヒトは視線を逸らした。

 

「ちょっとー?ちゃんと精霊とともに暮らす村の調査はしてるんですよねー?」

 

「も、もちろんです!レクスさんの伝承や大自然の中で生きる人達の暮らしの話とかすっっっごく興味深いですけど、ちゃんと調査もしてますよ!」

「そ、そうだ!おとぎ話に出てくる騎士に似ててすっっっごく気になるけど、しっかり情報収集してるぞ!」

 

「2人とも本音がダダ漏れですけど……」

 

 学者の性分なので仕方ないのだろうとユミアは苦笑いをした。ウィルマ含む学者達はレクスに興味津々で色々と質問したい気持ちをなんとか抑えて各々の調査へと向かった。

 

「さて、他の調査団の人達のために拠点作りに取りかかりますか!」

「待ってましたー!綺麗なお花とか沢山咲いてるからオシャレな拠点がいいなー」

「木材や石材は他の団員の人達と集めておいたよ!」

 

 あらかじめ準備はしておいたとブランはえへんと胸を張る。学者達と同行していた団員達は錬金術による建設は大丈夫なのかという不安が半分と短時間で本当にできるのかという興味でユミアを見ていた。

 

「ユミア、学者達からの希望なんだが植物の観察や育成ができるような場所がほしいとか言ってたぞ」

 

「植物の観察や育成ですか……それなら『温室』がいいかもしれませんね」

 

 温室とは、とレクス達は首を傾げるがその間にもユミアは作業台を設置し積まれた木材と石材の山に杖銃を掲げて瞬く間に壁や屋根や階段を設計していく。

 

「えーと…他にも金属と硝材も……」

 

 ユミアは呟きながら建物のパーツを作っては組み立てていき、出来上がった物は杖銃を掲げてフワフワと浮かばせて設置していく。レクスやアイラがぽかんとしている中、あっという間に樽型の建物と白いドーム状の建物が完成した。

 

「っと、まあこんな感じかな」

 

「はやすぎるってば!?というか温室ってなに!?」

 

 ようやくアイラのツッコミが入った。尋ねられたユミアは待ってましたと言わんばかりにドヤ顔をする。

 

「植物を適切な環境下で育て観察する建物で、マナのエネルギーを利用して植物の育成の他にも素材の複製もできるんだ」

 

 ドーム状の建物の中に入ると広い空間の中央に筒状の装置が設置されていた。

 

「この装置の中に素材と無の残響片を入れるとマナのエネルギーが反応して無の残響片に素材の記憶が移り同じ素材が生成される仕組みなんだ」

「意外と便利……そうだ!レクスさんの世界の素材も複製できるのかな?できたら錬金術で武器を作る時に超便利だよね?」

 

「うーん、モンスターの素材で武器を錬成した時もかなりの大量のマナが含まれていたし、大量のマナを消費したからね……装置の容量が抑えきれなくて壊れるかも」

 

「素材の複製か……仕組みはよく分からないが、植物の育成と観察ができるなら学者達も助かるだろうな」

 

「それじゃもう一箇所温室を建てたら拠点を建てておきますね」

 

 温室をもう一件設置した後はトントン拍子でログハウスや石と木材を合わせた住居となる建材を作り組み立てていく。

 

「それから階段とベッドにー、そうだ照明も作らないと。あとソファもいるよね」

 

 ウキウキ気分で建てていくユミアの姿にレクスとアイラもぽかんとしていた。

 

「ユミア、すっごく楽しそうだな……」

「錬金術の技術なんだろうけど、錬金術士というよりか棟梁だよね……」

 

 一方の団員達は短時間で拠点が建てられていく有様に若干引いていた。

 

「す、すごい…もう完成間近じゃないか……」

「簡単に組み立ててよ……欠陥とか大丈夫なのか?」

「錬金術で建てた建物って怖すぎて入れないんだが…」

 

 欠陥や安全面は大丈夫なのかと不安がる団員達の様子を見ていたレクスは完成間近のログハウスのドアを開けた。

 

「おぉー!床も壁もしっかりできてるな!」

 

「あっレクスさん!まだベッドや家具の設置が出来てませんよ!」

 

「壁の耐久もよし…これだけ丈夫なら問題ないな」

 

「もちろん、魔物の攻撃にも耐える作りにしてますから。あ、アンジャナフとかのモンスターには耐えれるかどうかは不安ですけど…」

 

「ハッハッハ、モンスターの撃退なら任せとけ」

 

 ユミアとレクスの話を聞いた団員達は顔を見合わせる。少々不安なところはあるようだが、魔物の襲撃に耐える作りならと渋々ながらも納得をした。

 

「ま、まあ野宿よりかはマシか…」

「ベッドもあるし、欠陥とか無くて安心して寝れるなら…」

 

 納得する団員達を見てアイラは話し合うユミアとレクスにクスッと笑う。

 

「ねえねえユミア、ゆったり浸かれるお風呂とかも作れたりする?」

 

「!アイラ、それいいかも!材料とかは……」

 

「やっぱり匠になってみたら?」

 

「だから私は大工じゃなくて錬金術士ですってば!!」

 

―――――

 

 おしゃれなお風呂を作り、その後も家具や内装や外装にこだわりを込め時間をかけて設置してようやく拠点が完成した。ログハウスと二階建ての石造りの家の合わせて2軒、見事な出来栄えに団員達は目を丸くしユミアはドヤ顔をする。

 

「ふふん、さっとこんなものです」

 

「わあ……すごいよユミア!町の建物をそのまま持ってきたみたい!」

 

「中だけじゃなくて石造りの床を作って通路にしたり花壇を設置したり……かなりこだわったな」

「錬金術ってすごいね!張り切ったら町みたいのができちゃうかもね」

 

「えへへへ、褒めても何もでませんよー」

 

 照れるユミアではあるがやっぱり大工に向いてるのでは、とレクスとアイラは思ったが言わないでおいた。

 

 団員達も最初は怪訝そうにしていたが中の出来具合に問題ないと分かるとユミア達に頭を下げる。

 

「これなら団員や学者の寝泊まりは大丈夫だな……すまない、助かった」

 

「中も見事なものだ。それじゃ持ってきた荷物を入れておくぞ」

 

「何か家具や道具が必要だったら言ってください。すぐに作りますよ」

 

 団員達は運んできた道具や荷物、食糧を拠点の中に運び入れていく。これで拠点作りが一段落つくとアイラは次の任務へと張り切った。

 

「よし、次は学者さん達の手伝いだね。採取とか頑張っか!」

 

「色々質問攻めされるとなると不安だなぁ…」

 

「これも私達の任務ですし頑張りましょうレクスさん」

 

 しょげるレクスを励ましながらアルボール植物園へと向かう。植物園の中で学者達が集まって話し合っているようだがなんだが様子がおかしい。皆何やら不安そうな表情をしていた。

 

「あの、何かあったんですか?」

 

 気になったアイラが尋ねるとウィルマが心配そうな表情で頷く。

 

「集合時間前に各々の調査を切り上げて植物園に戻るよう決めていたのですが……1人、まだ戻ってきていないんです」

「魔物に襲われないよう冒険者の団員と一緒に行動をしているから直ぐに戻ってくるはずなんだけど、一向に戻ってこないんだ」

 

 リヒトが言うにはその学者と団員に何かあったのではないかと皆心配になっていた。

 

「ウィルマさん、その学者さんはどんな方ですか?」

 

「彼女は珍しい花の調査をしていて……たしかアルバーが話していた『動く赤い花』に興味を持っていました」

 

 『赤い花』と聞いたレクスはウィルマのそばにいるアルバーにしゃがんで尋ねる。

 

「すまない、君たちの言う『赤い花』について教えてくれないか?」

 

「ガシャガシャののっぽさんも知りたいのー?えっとねー、真っ赤なお花はおっきくてー、フワフワのチクチクなんだー!ぼく達はあぶないから近寄らないけど眼鏡ののっぽさんはワクワクしてたよー」

 

「……もしかしてその赤い花、水辺にいるのかな?」

 

「すごい!ガシャガシャののっぽさん、もの知りなんだねー!」

 

 レクスとブランは顔を見合わせて深刻そうな表情を見せ、レクスはアルバーに再び尋ねた。

 

「すまないが、その花のいる近くまで案内してくれるか?」

 

「わかったー!ついてきてー」

 

 

「よし…ユミア、アイラ、急ごう。考え通りなら学者さん達があぶない」

 

 レクスの焦る様子から尋常ではないとユミアとアイラは察した。もしかしたら『赤い花』はレクスの世界のモンスターではないか。

 

「レクス、力がいるなら手伝ってもいいか?」

「リヒトさん、ありがとうございます。ですが危なくなったら直ぐに安全な場所へ」

 

 アルバーの案内でアルボール植物園を抜けて樹海の奥地へと進んでいき、浅い川が流れている道を遡るように進んでいく。

 

 進む最中に足に軽く浸かるほどの浅く広い川に辿り着くとアルバーの歩みが止まった。

 

「この先に赤い花がいるけど、あぶないから進めないよー?」

 

「大丈夫、ここから先は自力で行くよ。案内ありがとうな」

 

 

 ウィルマのいる植物園へと戻るアルバーを見送りレクス達は更に奥へと進んでいく。

 

「?レクスさん、川岸に何かあるよ?」

 

 アイラは何かを見つけたようで川岸へと向かう。そこには大きな真っ赤のタンポポの綿毛のようなものがいくつか落ちていた。

 

「すごい真っ赤……これがアルバーの言ってた赤い花かな?」

 

 手がかりになるのではとアイラは拾おうとした。

 

「待て!それに素手で触ったらダメだ!!」

 

 するとレクスが大声を出して止めさせた。レクスの大声にアイラはびっくりして拾うのを止めた。レクスは急ぎ赤い綿毛を拾い匂いを嗅いだ。

 

「よかった……毒素は弱まっている」

 

「れ、レクスさん、これは一体……」

 

「この綿毛は植物じゃない。モンスターの綿毛で毒が含まれている」

 

「ど、毒!?」

 

 モンスターのみならず毒があると聞いてユミア達はぎょっとする。

 

「鋏角種の1種、【刺花蜘蛛】ラバラ・バリナというモンスターの持つ綿毛で、麻痺性の毒を持つ。狙った獲物に綿毛をばら撒き、麻痺で身動きを封じて獲物を狩ったり巣に持ち帰ったりするんだ」

 

「そんな……じゃあこの沢山散らばった綿毛はもしかして、学者達はラバラ・バリナに襲われたってことですか?」

 

「おそらく。麻痺で痺れさせた後は巣に持ち帰ったに違いない」

 

「大変…!急いで助けないと!蜘蛛とか虫は苦手だけど、嫌がってる場合じゃないよね!」

 

「周辺に綿毛が落ちている……綿毛を辿ればラバラ・バリナの巣に辿り着くはずだ」

 

 急がないとラバラ・バリナに食べられてしまう。レクス達は急ぎ落ちている赤い綿毛を辿り進んでいく。浅い川を遡っていくと樹海が生い茂っておりどんどんと日の光が遮られ暗くなっていく。

 

「!気をつけて、ここからラバラ・バリナの巣だ」

 

 

 レクスは手で制止するよう合図を出し、ユミア達は立ち止まる。見上げるとそこら中に赤い糸がたくさん張り巡られており、まるで巨大な赤い花のような形をしていた。僅かに差し込む日の光で赤く光り、妖しい雰囲気が漂っていた。

 

「ぶ、不気味すぎるよ……」

 

「まるで幽霊でもでそうな暗さだな……」

 

「!皆、静かに。ラバラ・バリナがいたよ」

 

 ブランが静かに息を潜めるよう指示し、上の方へ指を差した。

指を差した先に全身の部位を包むような白い綿毛のような体毛、鋭い針のような黒い脚、そして大きな赤い複眼を持つ蜘蛛のモンスターが巣の天井で逆さまになって眠っていた。

 

キュルルル……」

 

 

「うげっ!?蜘蛛にしてはでかすぎなんだけど…!?」

 

「レクスさん、学者さんと団員を見つけました…!」

 

 ユミアは赤い糸に吊るされぐるぐる巻きにされている女性の学者と団員を見つけた。2人ともラバラ・バリナの毒にやられたようで麻酔をかけられたように眠っているようだ。

 

「…急いで助けないと!」

 

「待った。糸に触れればラバラ・バリナはすぐに反応して侵入者に容赦なく襲いかかってくる」

 

 レクスは背負っていた銀色の甲殻が装飾された二つ折りになっている道具を手に取ると一瞬で銀色の大きな弓に変形した。

 

「矢筒も持ってたから弓なんだろうなって思ってたら、かなり大きな弓ですね…!」

 

「これは狩猟用の弓で『天開きヒュペリオン』という弓だ」

 

「あのような大きなモンスターと戦うのだから弓矢も大きくなるのは頷けるな」

 

「ヘイトは俺とブランで稼ぐ。ユミア達は学者達の救助を」

 

 レクスはいつでも射れるよう手に矢を持つ。リヒトを先頭に張り巡らせた赤い糸に触らないよう慎重にくぐり抜けながら捕らえられた学者達の下へと近づいていく。

 手を伸ばせば届く距離に近づいたリヒトはゆっくりと上を見上げた。糸に触れてないためラバラ・バリナは未だに眠っている。

 

「2人ともいけるな?」

 

 リヒトの問いにユミアとアイラはいつでもいけると頷く。準備はできたとリヒトは深呼吸をしてから一気に団員をぐるぐる巻きにしている赤い糸に触れて力いっぱいに破るように糸を解く。同じようにユミアとアイラも学者をぐるぐる巻きにしている糸を解いていく。

 

「急いで離れるぞ!」

 

「「はい!」」

 

 リヒトは団員を担ぎ、ユミアとアイラは学者の肩を組んで急いで巣から離れる。

 

 破れた糸が激しく揺れ、その振動が張り巡らせた巣全体に伝わり、眠っていたラバラ・バリナの赤い複眼がギラリと光る。

 

キュオオォォッ!!

 

 侵入者が巣を荒らし獲物を横取りしていると認識したラバラ・バリナは唸り声を上げ、糸を伝えってユミア達を追いかけだした。

 

「ちょ、ちょっと!?蜘蛛ってあんな声で鳴くっけ!?というか蜘蛛はふつう鳴かないんじゃないの!?」

「アイラ!虫が苦手なのはわかるけど急いで!?」

 

 

 ラバラ・バリナが白い綿毛に覆われた前脚から黒く鋭い爪を出して襲い掛かろうとしたその時、飛んできた弓矢が頭部に直撃した。

 

フキュォォッ!?

 

 不意を突かれたラバラ・バリナは怯み攻撃を仕損じた。弓を構えていたレクスは再び弓を引いて矢を射る。

 

キュキュオォォッ!!

 

 脚部に直撃し苛立ったラバラ・バリナは標的をレクスへと切り替えた。

 

「ここは任せて怪我人を拠点へ!」

 

「すまないレクス!助かった!」

 

「……アイラ、学者さんを任せてもいい?レクスさんの援護をしないと」

「オッケー、拠点へ運んだらすぐに向かうからね!」

 

 学者達を救助したリヒトとアイラは巣の外へと出て急ぎ拠点へと向かっていった。ユミアは杖銃を構えてレクスとブランと共にラバラ・バリナと対峙する。

 

「ユミア、ラバラ・バリナの赤い綿毛と腹部の針には麻痺毒が含まれている。触らないよう気をつけるんだ」

 

「はい!」

 

 

 

 




 ラギア参戦! やったー!水中戦が綺麗だしスリルもあってやり込んでた。ただ最初は何していいか分からない間に水中の大放電で何回か焼き魚に……

 セルレギオス参戦! 鳴き声が怪獣みたいになってた。技の出の速さに何度も被弾……

 1年かけてハンターがギター弾けるようになった!

 技術の進歩に感動しつつも、そこは違うだろというちょっと複雑な気分
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