ユミアのアトリエ―導きの錬金術師と異界の狩人   作:サバ缶みそ味

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 新しい蜘蛛モンスターだぁーってはしゃいでランスでツンツンしてたらいつの間に動かなくなっちゃった

 ラバラ・バリナの装備と武器はめっちゃ好みだし、ストーリーで途中まで大助かりでした
 


18話 綺麗な花には毒がある 【刺花蜘蛛】ラバラ・バリナ

 ラバラ・バリナの腹部が動き、白い綿毛に覆われていた腹部に大輪の真紅のバラのような形をした綿毛が展開されると後ろ脚で掻き毟り赤い綿毛がユミア達に向けて舞う。

 

「麻痺毒の綿毛だ!触れないように!」

 

 ユミアはレクスの忠告通りに毒の綿毛が降りかかる前にその場から下がり、杖銃を構えてラバラ・バリナの頭部を狙って銃弾を撃つ。

 

フュミュミュッ!!

 

 頭部に弾丸を受けたラバラ・バリナは頭を小刻みに動かしくるくるとバレリーナのように回転しながら跳ねてユミアの背後へと素早く廻り込んだ。

 

「っ!?早いっ!?」

 

 反応が遅れたユミアに向けてラバラ・バリナの触肢に備わった黒く鋭い鉤爪が振り下ろされた。

 

「させるかっ!」

 

 レクスの射った弓矢が触肢に直撃しラバラ・バリナの攻撃が止まる。

 

「そこっ!」

 

 一瞬の怯みでできた隙に合わせてユミアはすかさず間合いから離れるついでにラバラ・バリナの下顎めがけてサマーソルトをお見舞いした。

 

フミュォォッ!?」

 

 まさか蹴られると思いもしなかったようで不意を突かれたラバラ・バリナは怯んで後退りする。

 

「すごい足技だ……俺達ハンターでもなかなかできないな」

「旦那さんもちょっかい出して蹴られないように気をつけてね……」

 

「れ、レクスさん達には蹴りませんから!」

 

 

 態勢を立て直したラバラ・バリナは再び回転しながら跳ねてレクス達の側面に廻り込むと展開した赤い綿毛を掻き毟り綿毛を飛ばす。

 

「舞い降りる綿毛だけじゃなく落ちている綿毛にも毒が残っている。立ち回りに気をつけるんだ」

 

「こうやってじわじわと追いつめるつもりなんだ……」

 

 舞い降りる赤い綿毛と落ちている綿毛に当たらないよう注意して進むが、ラバラ・バリナは飄々とレクスの背後に廻り込んで黒く鋭い鉤爪で襲い掛かる。

 

「ふっぬっ!」

 

 弓を構えていたレクスは鉤爪が当たる寸前、タイミングよく躱し反撃に矢を力強く射りラバラ・バリナの脚に当てる。

 

「もういっちょ!」

 

 後方へと回転して下がり、再び弓矢を力強く射った。脚に直撃した衝撃にラバラ・バリナはふらつきバランスを崩してひっくり返った。

 

 

「今のうちに畳み掛けるぞ!」

「おーっ!」

 

 ラバラ・バリナがひっくり返り脚をもがいている間にレクスは弓を射続けブランはホープネコトンカチで打撃を与える。

 大型の蜘蛛型のモンスターがもがいている様を見たユミアは虫が苦手なアイラがこの場にいなくて本当に良かったと思いつつ杖銃を振るう。

 

フミュォーンッ!!」

 

 起き上がったラバラ・バリナが怒りの雄叫びをあげ、高く跳んで巣の天井にぶら下がり腹部の赤い綿毛を展開させ、回転しながら後ろ脚で器用に掻き毟りながら赤い綿毛を広範囲にばら撒く。

 

「そんな技を…!」

 

 ユミア達は降りかかる大量の赤い綿毛に当たらないように躱しながら巣の天井でぶら下がりながら綿毛をばら撒くラバラ・バリナを狙い撃ち続けた。

 

「…痛っ!?」

 

 突然、ユミアの左足に蜂に刺されたような痛みと軽い痺れが走る。足元を見ると水の流れで溜まった幾つもの赤い綿毛が左足に当たっていた。

 

「しまっ――」

 

 軽い痺れで鈍ったユミアを狙ってラバラ・バリナが大量の赤い綿毛をばら撒いた。

 

「あっ――」

 

 麻痺毒の綿毛がユミアに降りかかる。痺れで動けずにいたユミアは息を呑んだ。

 

「ユミアっ!!」

 

 レクスがユミアの手を引っ張って引き寄せるとユミアを屈ませる。ユミアに赤い綿毛が接触しないようレクスが背中で全て受けた。

 

「れ、レクスさん!?」

 

 受けきったレクスは体を激しく痙攣させてその場に倒れてしまった。

 

「あばばばばば」

 

「そんなっ!?レクスさんしっかりしてください!」

 

「あびばばばば」

 

 ユミアがレクスの体を揺すってもレクスはビクビクッと痙攣して動けないでいた。

 

フュミュミュミュ!」

 

 巣から降り立ったラバラ・バリナがユミア達の背後に廻り込み、痺れているレクスを狙って触肢の鋭い鉤爪を振るい襲い掛かった。

 その寸前、キッと睨んだユミアは足に力を込めた。するとブーツが赤く光り、ユミアは力強くラバラ・バリナの頭部に廻し蹴りを放った。

 

フュミュォォッ!?」

 

 頭部に強い衝撃を受けたラバラ・バリナは頭を小刻みに動かしよろめきながら後退する。

 

「レクスさんをやらせはしない!」

 

 ユミアは杖銃を構えてラバラ・バリナに向けて銃弾を撃つ。弾丸を受けてなかなか近づけないでいたラバラ・バリナが腹部の綿毛を展開し掻き毟って赤い綿毛を撒き散らした。

 

「こっちに飛ばしてくるなら……」

 

 ユミアは杖銃を下げ、十字手裏剣の形をした魔物退治の道具『ルフレ』を展開させてラバラ・バリナの方へと向ける。力を込めてマナを注ぎ込むとルフレは勢いよく回転する。激しく回転するにつれてルフレから緑色の旋風が放たれた。

 

「力いっぱい吹き飛ばすまで!」

 

 ルフレから放たれた旋風は赤い綿毛を吹き飛ばし、ラバラ・バリナの身体に風の刃が切り刻まれる。

 

フミュォォォッ!?」

 

 風の刃を受け、腹部に展開された花弁状の綿毛が傷ついたラバラ・ラバラは怯み後退する。

 

「やったねユミア!辺りに散らばっていた毒の綿毛も吹き飛んじゃったよ!」

 

「でもレクスさんが……」

 

 毒の綿毛を吹き飛ばしたが未だに麻痺毒を受けたレクスが痺れている。しかしそんなレクスにブランは慌てることなくフンスと張り切った。

 

「旦那さんなら任せて!こんな時は……こうっ!」

 

 ブランはレクスに近寄るとネコトンカチをフルスイングした。

 

「ひでぶっ!?」

 

 ブランのフルスイングに当たったレクスはバウンドして吹っ飛んだ。

 

「えええっ!?そ、そんなことで大丈夫なの!?」

 

 思わぬ行動にユミアは慌てふためくがネコトンカチで殴られたレクスがムクリと起き上がった。

 

「あいたたたた……わるい、助かった」

 

「うそ!?麻痺毒が治ってる!?」

 

「旦那さん達ハンターはある程度毒の耐性や免疫があるんだ。ボク達オトモアイルーの助けや解毒薬を使用するけど麻痺や猛毒、眠りの毒は時々自力で治すよ」

 

「麻痺毒も時間経過すれば気合で治すがブラン達の助けが手っ取り早い」

 

「……レクスさんって本当に人間ですか?」

 

 自力で治すレクスの生命力にユミアは若干引いた。時折レクス達の世界がおかしいのかレクス自体がおかしいのか、ツッコミどころ満載でユミアは困惑する。

 

フミュミュミュッ!」

 

 再びラバラ・バリナが赤い綿毛を掻き毟り毒の綿毛を飛ばすが花弁状の綿毛が傷ついた影響か放たれた綿毛の数が激減していた。

 

「よし、ユミアのがんばりで毒の綿毛に当たる心配は無くなった。一気に攻め込むぞ!」

 

「はい!」

 

 レクスは力いっぱい弓を引いて矢を射る。触肢に直撃したラバラ・バリナはレクスに狙いをつけ背後へと回り込んで腹部から針を出して突き刺そうとした。

 

「ほっ!」

 

 当たる直前にタイミングよく横へ回転して回避し、回避さながらに弓を力いっぱい引いて射った。

 

「こいつもおまけだ!」

 

 レクスは矢を地面に軽く擦らせると鏃から火花が散り始め、そのまま矢を射った。放たれた弓矢はラバラ・バリナの身体に直撃すると当たった部位に火花が散る鏃が刺さった。

 

「ふっ!」

 

 再び放った矢は火花が散る鏃が突き刺さった部位へと飛んで直撃すると、バチバチと軽い爆発が炸裂した。

 炸裂する矢の攻撃に怯んだラバラ・バリナは弓を構えるレクスの射程範囲から離れようと回り込む。

 

「まだまだっ!」

 

 さらなる追撃の矢を放つと矢は急カーブをし火花が散る鏃が刺さった部位へと直撃する。

 

「い、今の矢は何ですか!?ホーミングしましたよ!?」

 

「あれは『導ノ矢』。特殊な矢が刺さった部位へ追撃をする技だ」

 

「わ、技……確かに私達でもマナを力に変えた技とかありますけど……矢があんなふうに飛ぶのは……」

 

 技と言っても物理法則を無視した飛び方をする矢にツッコミを入れていいのか、レクスの世界のハンター達の技がずば抜けているのかユミアは悩んだが考えるのをやめた。

 

フミュミュォォッ!」

 

 レクスの弓から離れようとしたラバラ・バリナはユミアへと狙いを変えて彼女の背後へと回り込むと、腹部から鋭い針を展開し突き刺そうとした。

 

「っと!あたらないからっ!」

 

 ユミアはバク転してラバラ・バリナの針を躱し、回避さながらに杖銃の引き金を引いて撃った。銃弾が効いているようでラバラ・バリナは怯んで後退する。

 

「よし今だ!」

 

 レクスは引く弓を構え、矢を強く地面に擦らせると鏃からバチバチと激しく火花が散り、力いっぱいに弓を引いて狙いを定める。

 

「うおおおおっ!!そいやっ!」

 

 バヒュンッと弾ける音を響かせて放たれた『竜の一矢』は勢いよく豪速で飛び、火花が散る鏃が刺さった部位へと直撃すると強い衝撃を受けた鏃は大きな爆発を炸裂させた。

 

フミュォッ!?」

 

 大ダメージを受けたラバラ・バリナはバランスを崩してひっくり返り脚をワシャワシャと動かしてもがく。

 

「こいつもくらえっ!」

 

 レクスは複数の矢を持って弓を最大限に引いて狙いを定める。力いっぱいに引いて放たれた複数の弓矢は勢いよく飛び、ラバラ・バリナの腹部へと連続に直撃した。

 

フミュォッフミョォォ……

 

 もがき蠢いていた脚の動きが次第に弱くなっていき、複眼の光りが消えるとラバラ・バリナは動かなくなり、身体が硬直しコテッと横たわる。

 対象の狩猟を確認し、辺りに危険がないことを確かめたレクスは弓をしまってホッと一息ついた。

 

「狩猟完了……これでもう大丈夫だ」

 

 安全が確認され、ユミアは大きく息を吐いて安堵した。

 

「れ、レクスさんの世界にはこんな大きな蜘蛛型のモンスターが存在するんですね……」

「ラバラ・バリナだけでなく他にももっと大きな虫系のモンスターもいるぞ?」

「ほ、他にもいるんです!?うわー、アイラが見たら卒倒するかも……」

 

「これで調査団の皆もアルバー達も安全に行き来できry、あふん」

 

 レクスが突然情けない声を出した直後にぱたりと倒れ、ビクビクと痺れ始めた。

 

「れ、レクスさん!?」

 

 突然のことでユミアはぎょっとするがよく見るとレクスの肩にラバラ・バリナの赤い綿毛が乗っかっていた。

 

「ラバラ・バリナの麻痺毒は蓄積することで毒にかかるんだ。すぐ治ってもまだ毒気が残ってたら今の旦那さんみたいにすぐに麻痺っちゃうんだよ」

 

「じゃ、じゃあブランちゃんがトンカチで叩き起こすの?」

「または他のハンターさんがいたら踏んだり蹴飛ばしたりして麻痺を強制的に治したりしてるよ」

「そんなので治るのってどういう体の仕組みなんだろ……」

 

 流石に蹴飛ばすのは悪いと考えたユミアは意を決して軽く踏んでみることにした。

 

「れ、レクスさん!か、軽く踏みますよ…!」

 

 ユミアは恐る恐るレクスの腰の辺りに足で軽く踏み込もうとした。

 

「み、みんなー!遅くなってごめん!蜘蛛とか虫は苦手だけど気合で押しのけて戦うよ……って、あれ?」

 

 その時、苦手な虫と戦う決意を固めたアイラが駆けつけてきた。しかしアイラはレクスを踏みつけるユミアの姿を見て目が点になった。

 

「あ、あ、アイラ!?えっと、これはレクスさんの麻痺を治すためであって……!」

 

「あー……う、うん。た、確かにレクスさんはおっちょこちょいでちょっかい出す時もあるけど……うん、大丈夫。私、ナニモミテナイヨ」

 

「片言になってるよ!?ち、違うからね!!」

 

 レクスが起き上がるって事情を説明し納得してもらうまでアイラは勘違いしていた。

 

_____

 

「ただいま!ユミアとレクスさんが蜘蛛のモンスターをやっつけたよ!」

 

 アルボール植物園の拠点に帰還しアイラが伝えると調査団の皆は安堵の声をあげる。

 

「リヒトさん、ウィルマさん、ラバラ・バリナの毒にかかった学者さん達は無事ですか?」

 

「ああ、あの後意識が戻って拠点のベッドで安静にしている。すぐに横になれるベッドがあって助かったよ」

「それに以前ユミアさんが作った薬で傷も症状も回復してます。学者さんも団員も感謝してますよ」

 

 

「これもユミアの錬金術のおかげだね」

 

 

「そ、そうかなぁ……レクスさんがいち早くラバラ・バリナの存在に気付いてくれたおかげだと思うよ」

 

 ユミアは少し照れながら苦笑いをする。

 

「しかし……レクスの言う通り樹海には危険なモンスターが潜んでいるな」

 

「ラバラ・バリナのように毒を持つモンスターがいれば発達した部位を使って強力な攻撃を繰り出すモンスターもいたりするからね……」

 

「樹海の調査の人員を増やして調査したいが……東側の調査も行き詰まって大変らしい」

 

「東、ですか……たしかヴィクトルさんが東から魔物の群れが流れ込んでいるって言ってた」

「あっちも大変みたいだね。ユミア、次は東側へ行って手伝ってあげようよ」

「そうだね。あそこのマナ領域を晴らさなきゃいけないし、魔物が流れ込んでいる原因を突き止めなきゃね」

 

 次の目的地は東のマナ領域。なぜ東から魔物の群れが流れ込んでいるのか、もしかしたら灯台の時のようにモンスターが暴れているのだろうか。または……ヴィクトルとアイラが探している例の魔物がいるのか……調べなくてはならない。

 

「それじゃヴィクトルと合流する前に拠点の周辺を調査しないと。モンスターの縄張りや通り道があったら拠点の守りを強めないといけないからね」

「レクスさん、私も手伝いますよ。頑丈な壁とか柵とかじゃんじゃん建てちゃいますから」

 

 フンスとユミアは張り切った。頼もしいのやらクラフトの意欲が強いのやら、アイラは微笑ましく感じた。

 すると、1人の団員が少し困っている表情で手を挙げてレクスに歩み寄る。

 

 

「あ、あの、レクスさん……調査している最中に奇妙なものを見つけまして……」

 

「奇妙なもの?」

 

「は、はい、ラバラ・バリナの話を聞いて虫系のモンスターが存在するならもしかしたらと思って……」

 

「?……確認したいから案内してくれませんか?」

 

 団員は頷いてレクス達を案内した。植物園の中に入り、奥へと進むと苔生した階段が見えてきた。

 

「植物園に地下?こんなのが隠れてあったんだ」

「造りからしてかなり古いみたい……」

「下ると通路に繋がってます。滑るので気をつけて」

 

 階段を下り、真っ暗な通路を突き進む。暗い道の先に光りが見えた。植物園を抜けて樹海の何処の場所に繋がっているようだ。

 

「入口には沢山の蔦で塞がっていて取り払って抜けたらこんな場所に辿り着いたんです」

 

 暗い通路を抜けると苔に覆われ、辺りは年季のある巨木囲まれた広い空間で中央には幹が横に太い大きな白い木があった。その白い木は不思議なことに枝も葉も真っ白であった。

 

「すごい真っ白……こんな木初めて見る」

 

 ユミアとアイラは不思議そうに眺めていたが、レクスの表情は固くなっていた。

 

「レクスさん?大丈夫ですか?」

「え?あ、ああ……ちょっと見たことがあるような気がしてさ。奇妙なものってこの木のことかな?」

 

「い、いえ、奇妙なものはこの木の裏側にあります」

 

 ユミア達は木の裏側へ回り込む。なんと白い大木に巨大な白い破れた繭のようなものが引っ付いていた。あまりのでかさにユミアとアイラは驚愕する。

 

「な、何これ……!?か、かなり大きい……!!」

 

「ま、繭って……巨大な蝶々か蛾のモンスターがいるの!?」

 

 

 まさか巨大な虫のモンスターの痕跡なのだろうかとアイラはレクスに尋たねたが、レクスは巨大な繭の抜け殻を見て絶句していた。

 

「この繭は……まさか……いや、そんなはずはない……!」

 

 わなわなと震え焦るレクスにユミアとアイラは驚く。彼がこんなに慌てふためくのは見たことがない。

 

「ありえない……これはこの世界では存在できないはずだ!」

 

 

 

 




 まさかのユミアのアトリエがアズレンとコラボするなんて……

 いつかモンハンコラボとかしないかなぁ(チラッ
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