ユミアのアトリエ―導きの錬金術師と異界の狩人 作:サバ缶みそ味
でもあの収束破竜砲はゴグマジオスが飛んでる時に使いたかった
あとファビウスが敵前逃亡してたのはバグだったんだね!?dps失敗かと思ってた
踵落としでリオレウスを撃墜させたユミアはスタリと着地。セクレトに乗って駆けつけたヴィクトルとブランは驚きつつも様子を伺った。
「その……ユミア、大丈夫か?」
「ビックリしたよー!旦那さんでもエリアルジャンプする時はモンスターを踏み台にするけど、あのリオレウスに踵落としするなんてさ!」
じっとリオレウスを見据えていたユミアだったがヴィクトルとブランの方に顔を向けると涙目になっていた。
「エナジーを消費することで衝撃は和らぐはずだけど……すごく痛い……!またブーツの改造と調整しなきゃ……!」
『魔物相手につい足技を使う。ユミアの悪い癖です』
「やっぱり堅いのだな」
「うん、普通そうだよね……」
当然の結果ではあるが更なる改良を試みるユミアの意気込みにヴィクトルとブランは少し引いていた。
「グルルルッ!!」
撃墜されたリオレウスが起き上がり唸り声を上げながらユミア達をギロリと睨見つける。怒りが募っているようで口から炎が漏れ出していた。
「とにかく炎のブレスは強力だから注意して!」
「了解した。あれはくらいたくないな!」
「ブーツは壊れてないっと……よし、いける!」
武器を構えて対峙するユミア達に対しリオレウスは大きく首を振り上げると勢いよく口から火球を吐いた。
「2人ともよけて!」
ブランの呼びかけに2人は咄嗟に動いて火球を躱す。通り過ぎた火球は地面に落ちて爆発を起こした。
「炎を吐く前に近づいて攻めるっ!」
ヴィクトルがリオレウスに迫り頭部めがけて盾で殴りつける。ガツンと鈍い一撃を与えるが、リオレウスは怯むことなく炎が漏れ出す口を開けて噛みつこうとした。
「やらせないっ!」
リオレウスが攻める前にユミアが側面へ回り込み杖銃を撃つ。放たれた弾丸は翼膜にガスガスと直撃していく。
「グルルルッ!」
踵落としで蹴落とされ、更には翼膜を狙い撃つユミアに相当苛立ったかリオレウスはユミアを敵視し、正面から攻めるヴィクトルに尻尾を振り回して振払うと翼を羽ばたかせて飛び上がるとユミアめがけて強襲蹴りで襲い掛かる。
「うわっと!」
火球で狙い撃ちされないよう走りながら撃っていたユミアはリオレウスの強襲蹴りを飛び込むように避けた。リオレウスはユミアに避けられても尚、ユミアを狙って火球を吐く。
「うわわわっ!?な、なんか集中的に狙われてるんだけど!?」
『蹴落とされたことに相当根に持っているようです』
リオレウスが再び飛び上がり炎のブレスを吐いてユミアを追いかけていく。
「低空とはいえこうも飛ばれては戦いにくいな……」
「ヴィクトル、これを使って!」
ブランは背負っている鞄から鉄のボールをヴィクトルに渡した。隙間から眩い光が光っているのが見える。
「これは閃光玉だよ。モンスターを強烈な光で目眩ましして怯ませるんだ。空中にいるモンスターを落とすことができるよ!」
「なるほど…これは使えるな!」
「真ん中のスイッチを押したらモンスターの視界の範囲に投げて!」
「わかった……ユミア!こっちにくるんだ!」
飛行して追い回すリオレウスからひたすら逃げ回っていたユミアが手を振るヴィクトルを見て頷き、ヴィクトル達がいる方向へ走る。
追いながらも火球ブレスを吐くリオレウスの猛攻を掻い潜るように走りヴィクトル達の下へと近づいていく。
「すごく眩しいから気を付けて!」
「よし、ここだ!」
閃光玉のスイッチを押し、リオレウスの目の前に向かって力強く投げた。空中へと飛んだ閃光玉は隙間が大きく開いた瞬間、強烈な閃光を放った。
「グルオオォッ!?」
瞬間的に放たれた強烈な閃光にリオレウスは目眩まされ墜落した。
「ナイスだよヴィクトル!」
「す、すっごく眩しかったぁ……でも助かりました!」
「今が攻め時だな!」
リオレウスが墜落して怯んでいるうちがチャンス。ブランが先陣をきってホープネコトンカチで攻め、ヴィクトル達も続けて頭部や翼膜に攻撃をいれる。
「グルルオォッ!」
目眩が消えて起き上がったリオレウスが相手を払おうと尻尾を振り回す。ユミアは回避し盾でタイミングよく防いだヴィクトルは盾で突くようにリオレウスの胴体に打ち付けた。
「これをくらえっ!」
盾に内蔵されたパイルバンカーが放たれリオレウスに一撃を与える。強い一撃を受けたリオレウスはよろけるがギロリと睨むと翼を大きく広げ、口から炎が勢いよく漏れ出す。
「気を付けて!ブレスがくるよ!」
ブランが叫んだ直後、リオレウスがバックジャンプし飛んだと同時に火球ブレスを吐いた。
「きゃっ!?」
「ぐっ!?」
ブランの注意で距離を取ったものの間に合わず爆炎と爆風に煽られユミアとヴィクトルはふっ飛ばされた。受け身を取った2人は飛んでいるリオレウスを睨む。
「もう!あいつよく飛ぶ…!」
「狙い撃つしかないか…ブラン、閃光玉はまだあるのか?」
「いくつかあるけど、何度も使うと耐性がつくから効果は薄いよ」
「それなら、私の道具で!」
ユミアは杖銃をしまい、魔物退治の道具である冷気を纏う斧『レヘルン』を取り出すと力を込めて上へ掲げた。
「当たれっ!」
するとリオレウスの頭上に冷気が集まり氷塊が形成され落ちていく。しかしリオレウスは冷気に気付いたのか、頭上に落とされた氷塊を避けた。
「あー避けられたぁ」
「ユミア、まだ放てるか?」
「はい、あでも…マナの力を溜め込むのにちょっと時間がかかるかも、です」
チャージするのに少し時間がかかるが当たればリオレウスを撃墜できるはず。ユミアは自信満々であるがそうはさせまいとリオレウスが立て続けに火球ブレスを吐いてきた。
「まずい!走るぞ!」
ヴィクトル達はこちらに飛んでくる火球を躱しながら走り出した。爆発と同時に熱風と爆風が吹きかかる。熱と炎に耐えながら走るユミア達をリオレウスが滑空して追いかけていく。
「グゴォォォッ!」
リオレウスが口から炎を漏れ出しながら大きく息を吸い込んだ。
「いけない!チャージブレスだ!もっと離れて!」
「グルオオォッ!!」
咆哮と共に大きな火球ブレスを吐いた。地面に落ちた大きな火球はこれまで吐いた火球ブレスよりも広範囲に爆炎を巻き上げながら爆発をした。
「ひゃああっ!?」
「うおぉっ!?」
「ウニャっ!?」
爆発に巻き込まれずにすんだものの、ユミア達は爆風に巻き込まれふっ飛ばされ水辺に落ちる。
「ニャ…ユミア、ヴィクトル、大丈夫?」
「いたたた…浅いけど服がびしょぬれ…」
「火竜の名がついた故か、リオレウスのブレスは厄介だな…」
そんなユミア達に追い討ちをかけるかのようにリオレウスが再びチャージブレスを吐こうと大きく息を吸い込む。
ユミア達は咄嗟に身構えたが遠くから誰かの叫び声が聞こえてきたのに気付いた。
「うおおおおお!!」
「この声は…」
声はだんだんと近づいてきており、見覚えのあるシルエットが見えてきた。
「うおおおおっ!!」
「あっ!見えてきた!」
ブランが指さす先、バードニクスの鉤爪にスリンガーを引っ掛けて飛んできているレクスの姿がはっきりと見えてきた。
「うおおおおおおおっ!!」
「旦那さーん!」
「魔物を使って飛んできた人、初めてみた…」
「というよりもうまく魔物を手懐けさせているな…」
ブランは嬉しそうに手を振り、ユミアとヴィクトルはレクスの技量に唖然としていた。
空から迫りくるレクスに気付いたリオレウスが撃ち落とそうと火球ブレスを吐こうとしたがそれよりも早くレクスがバードニクスから離れ、空中で鋭利なスラッシュアックス、『ハイ=ライエムロード』を構え斧モードのまま振り下ろした。頭部に一撃をくらったリオレウスは怯みブレスを吐き損ねる。
「みんな、無事か!」
「旦那さん、ナルガクルガの方は片付いたんだね!」
「おうとも!そうだ、拠点の方はどうなってる?」
「リオレウスの襲撃で被害が出ています。団長達が消火活動にあたっているけど…」
遠くからでも拠点から黒煙が舞い上がっているのが見え、未だ鎮火できていない状況のようだ。
「旦那さん、ボクに考えがあるよ!」
「おし……ブランは拠点の消火活動の応援を頼む。俺はこっちの相手をする」
「グルオオオォッ!」
リオレウスが直線状に炎のブレスを吐いてきた。炎の軌道を見てレクス達は回避をし、ブランは拠点へ駆けていった。
「レクス、ブランに何か考えがあるのか?」
「大丈夫、俺の相棒は俺よりも良い閃きを持ってる。何度も助けられたからな!」
「グルルルッ!」
リオレウスがレクスめがけて蹴爪による強襲をしてきたが見きっていたレクスはスラッシュアックスを剣モードに変形させて攻撃を受け流し、カウンターで斬りつけた。
「空中にいる時は脚か翼を狙うんだ!ユミア、頭部を狙い撃ち続けば怯んで落とせるぞ!」
レクスは剣モードのまま低空で飛んでいるリオレウスの脚に連続斬りを放つ。近接してきたレクスに対しリオレウスが追い払おうと炎のブレスで薙ぎ払う。
「よっ!」
するとレクスはタイミングよく前方に宙返りして避けた途端、
「グルオオォッ!?」
スラッシュアックスのカウンターで翼膜に傷がつきリオレウスは怯んだ。スタリと着地したレクスに2人は目を丸くしていた。
「レクスさん今の動き何ですか!?」
「宙返りした直後に跳躍したようだが…!?」
「これはエリアルスタイルによるエア回避。タイミングよく回避すればモンスターの部位や攻撃を踏み台にして跳躍できるんだ」
「炎のブレスを踏み台するのは色々とおかしい気が……」
どうもこうも人間離れなことをするレクスにツッコミを入れたいが彼の世界の狩人達が異次元すぎるとユミアはツッコミをするのを諦めた。
「《font:》グゴォォォッ!!《/font》」
リオレウスが大きく息を吸い込み、炎のブレスを足元に吐きながら力を溜め込た。
「気をつけろ!直線状に放つぞ!」
レクスが叫んだと直後にリオレウスの渾身のブレスが直線状に放たれた。ユミア達は回避し、自分達がいた場所が炎に包まれた。ホッと安心したのも束の間、リオレウスが飛んで回り込み再び直線状にブレスを放った。
「2人共、僕の後ろにっ!」
ヴィクトルがユミア達の前に立ち、リオレウスのブレスを盾で受け止める。灼熱の炎と強烈な熱がヴィクトルにふりかかるが倒れまいと必死に耐えた。
「くっ……おおおおおっ!!」
リオレウスは止むことなく炎のブレスを吐き続ける。ヴィクトルは盾で防ぎ続けるがこのままでは体力が持たない。
「ユミア……!今がチャンスだ…っ!!」
「!!はい!」
ヴィクトルの合図にユミアは察し、レヘルンにマナの力を注ぎ高く掲げた。
「ありったけの冷気を作って……」
ブレスを吐き続けるリオレウスの頭上に冷気が集束し、大きな氷塊が現れた。
「今度こそ当たれっ!!」
ユミアの掛け声と同時に氷塊はリオレウスの頭に落下。
「グルオオォッ!?」
氷塊が直撃したリオレウスは大きく怯み撃墜された。見事リオレウスを撃墜させたユミアにレクスはガッツポーズをする。
「ナイスだユミア!なかなかやるじゃないか!」
「えへん、錬金術ならどんな事も可能です!」
「また飛んだら撃墜を任せたいが……炎のブレスを受け止めるのはきついな」
ヴィクトルは苦笑いしながらも撃墜しダウンしているリオレウスを攻めるのは今がチャンスだとレクス達に続く。
____
「急げ!火の手を広げさせるな!」
エアハルトは団員達に指示を飛ばしながら消火活動を続けていた。
拠点を襲撃したリオレウスをユミア達が引き付けてくれたおかげで更なる被害を出さずに済んだがリオレウスの放ったブレスによる炎の被害が大きく、拠点で使っていた家屋があちこちで燃えている。
必死に水をかけながら消火しているが一向に収まらない。燃え広がるのをなんとしてでも止めねばならない。
「団長さん!助っ人に来たよ!」
そこへブランが駆けつけてきた。よく見るとブランの後ろにユミアのアトリエで畑仕事を手伝っている青ぷに達とシルバーぷにが転がりながらついてきていた。
「そいつは助かる、猫の手ならぬアイルーの手も借りたい状況だ!ところでブラン、そのぷに達は……?」
「ぷに達にも手伝ってもらうんだ。みんな、行くよー!」
「「「「「ぷにっ!」」」」」
ブランはシルバーぷにに乗って先陣をきって川へ向かう。ブランはバケツに水を汲むみ、青ぷに達は川の水を吸い込み一気にでかぷにへと変貌した。
「まじか」
急にでかぷにに変貌したことにエアハルトがぎょっとするがブランはすぐさま燃えている家屋に向かった。
「よーし!放てーっ!」
「「「「ぷにーっ!」」」」
ブランが水をかけると同時に青ぷに達は一斉に口から水を放水した。勢いよく水がかかり炎の勢いが弱まっていく。放水しきった青ぷに達は元のサイズに戻っていた。
「ほお、いい考えじゃないか」
「青ぷに達に畑の水やりをしてもらってるからね!まだまだいくよ!」
ブラン達は川を往復しながら放水していく。ブランとぷに達の消火活動を目の当たりにした団員達は感心しつつ、自分達もこうしていられないと士気が上がった。
「すごいな……俺達もちんたらしてる場合じゃないな!」
「ぷに達も頑張ってるんですもの、私達ももっと動かないと!」
団員達の動きが早くなり、ブラン達と力を合わせて消火をしていきみるみると炎の勢いが弱まっていった。
そんな最中、消火活動をしているうちに空模様がだんだんと怪しくなっていきポツポツと雨が降り始め、次第に雨足が強くなってきた。
「こいつはありがたい!お前達もう一息だ!」
「「「「「うおおおおおおっ!!」」」」」
団員達の歓声が上がり更に士気が高まり消火活動に力が入った。このままいけば間もなく鎮火できる。
「ジジイ!怪我してねぇか!?」
拠点にアイラに肩を貸されて歩いてきたルトガーが戻ってきた。ボロボロの姿のルトガーにエアハルトは苦笑いをする。
「お前の方が怪我してるじゃねぇか。大丈夫か?」
「もー、アルバーの集落で手当てしてたのに今すぐ拠点へ向かいたいってしつこかったんですよー……」
「うるせぇ、拠点がやられたら元も子もねえだろ」
「はあ?せっかく手当てしてあげたんだから大人しくしてなさいよ!」
「いってぇ!?お前怪我人をしばくなよ!?一応手当てしてくれたのはありがたいと思ってんだぞ!」
「だったらもうちょっと感謝しなさいよね!」
「あー……ひとまずは大丈夫そうだな」
口喧嘩する2人にエアハルトは苦笑いしつつもう間もなく鎮火する拠点に視線を向ける。
「リオレウスはユミア達が引き付け、燃えていた建物も全部鎮火しそうだ。アイラ、すまないが怪我人の治療に当たってくれ」
「了解です!」
「ジジイ、俺は?」
「お前はちょっと休んでろ。また無茶をしたな?」
「ちっ……ジジイの言う通り、この大陸にはやべえ怪物がいるみてぇだな。レクスのやつがいなかったらって考えるとゾッとするぜ……」
ルトガーが珍しくしおらしくなっていた。これで少しはレクスやユミア達を信頼してくれればとエアハルトは願った。
「団長ー!鎮火できたよー!」
ぷに達と消火活動をしていたブランがエアハルトの元へ戻ってきた直後、何かのニオイに反応したのか鼻をひくひくとしだした。
「ブラン?何かにおうのか?」
「アイルーの嗅覚は遠くにいるモンスターのニオイを嗅ぎ分けることができるんだ」
「つーことは……また別のモンスターが近づいてるのか!?」
ルトガーは身構えたがブランはひたすら鼻をひくひくさせてニオイを嗅ぐ。
「こっちには接近してないよ……だだ、旦那さん達が戦ってるリオレウスの方へ近づいてるみたい!」
____
「おらあああっ!」
レクスは斧モードに変形させたスラッシュアックスで突進縦斬りを放つ。一撃を受けたリオレウスが尻尾で薙ぎ払うがレクスは回避する。
「そこっ!」
その隙にユミアが杖銃を撃ち、放たれた弾丸がリオレウスの頭部にヒットしリオレウスは動きが鈍る。
「今だっ!」
動きが鈍ったリオレウスにヴィクトルの盾によるパイルバンカーの一撃が胴体に当たった。リオレウスはよろめくが強く羽ばたいて後方へと下がった。
雨が強く降り続き、レクス達の連携によりリオレウスの体力は徐々に減ってきている。
「これならいける…!」
雨のおかげで拠点の炎は鎮火できているだろう。安心して攻めれるユミアは勝ちを確信した。
『ユミア、何かが膨大なマナを放出しながらこちらに接近しています』
フラミィが何かを察知したのか上空を見上げるながらユミアに伝えた。上空に何かがいるのかと見上げたが雨雲のせいで見えない。
「GRUOAAAA!!」
上空から金属が軋むような音のようなモンスターの咆哮が響いた。ユミアとヴィクトルは何事かと見上げたがレクスは聞き覚えがあるのか身構えていた。
「この咆哮はまさか…!」
その直後、ユミア達の目の前に白い鎧をまとったような甲殻に翼に長い鎖のようなものがついたモンスターが降り立った。
「GUOOOO!!」
その白いモンスターの翼についている鎖状のものを見たユミアは古代竜人が言っていた言葉を思い出した。
「『白き鎖』…!レクスさん!」
「あれが『白き鎖』で間違いない。あいつは……【鎖刃竜】アルシュベルドだ」
こんなところで別のモンスターが出現。しかもアルシュベルドの翼についている鎖のような部位からマナの流れを見つけてしまった。
「レクスさん、ヴィクトルさん、気を付けて。アルシュベルドの鎖のような部位からマナの流れが……もしかするとアルシュベルドはマナを吸収している可能性があります」
「アルシュベルドの鎖、『鎖刃』という器官はモンスターの属性エネルギーを吸収、放出する力を持つんだ。あのアルシュベルドは属性エネルギーの代わりにマナを吸収しているのかもしれない……」
「GRUOAAAA!!」
アルシュベルドが咆哮し飛びかかった。レクス達は身構えたがアルシュベルドはレクス達に目もくれずリオレウスに襲い掛かる。
「グルオオオッ!」
襲い掛かるアルシュベルドにリオレウスは応戦し、蹴爪で打ち払った。
「私達を気にしていない…!?」
「レクス、あれも縄張り争いなのか…?」
「いや、アルシュベルドがリオレウスに襲い掛かることはあまり……まさか……」
何か心当たりがあるのかレクスはひたすら考えながらアルシュベルドとリオレウスの戦いを見つめていた。
「GYUOOOO!!」
アルシュベルドは飛行して鎖刃を振ってリオレウスに再び襲撃する。だが空中戦ではリオレウスが長けているのようでリオレウスは避けて回り込み蹴爪でアルシュベルドを蹴落とした。
「GYUAK!?」
蹴落とされたアルシュベルドは地面に落ち、リオレウスは追い討ちをかけるかのようにチャージブレスを吐いた。大きな火球はアルシュベルドに直撃すると大きな爆発を起こした。
爆風が舞い上がりレクス達は風圧に煽られる。体勢を立て直し巻き上げる黒煙を見つめた。アルシュベルドであってもリオレウスの火球はかなり効いているだろう。
『高濃度マナを検知』
フラミィが高濃度マナを検知しユミア達に知らせた。黒煙が消え始めると、無傷のアルシュベルドが鎖刃で防いでおり、一対あった鎖刃が二対にわかれ、鎖刃から赤いオーラが纏っていた。
「GBUOOO!!」
アルシュベルドが咆哮し、鎖刃を地面に突き刺すと更に鎖刃に纏っていた赤いオーラが強く光す。
「アルシュベルドの鎖刃から高濃度マナが……!?」
「リオレウスの火球を吸収し、更に力をつけてる……まずい、あの状態でエネルギーを放出されたらかなりの爆発が起こるぞ!」
アルシュベルドが強く咆哮し再び飛び上がりリオレウスに襲い掛かった。リオレウスは蹴爪で引っ掻き、火球ブレスを吐いて応戦するが力をつけたアルシュベルドが素早くなり、リオレウスが動きに翻弄され始めた。
「GURUUU!!」
アルシュベルドが堅い甲殻で体当たりしリオレウスが怯むと回り込んで鎖刃をリオレウスに巻き付けた。
「グルオオッ!?」
捕らえられたリオレウスが藻掻くがアルシュベルドは離すことなく高く飛び、一気に急降下しだした。
「やばいぞ…!急いで離れろ!」
レクスはユミア達をこの場から離れさせる。そして急降下したアルシュベルドが鎖刃を振ってリオレウスを地面に叩きつけた。
その瞬間、赤い光纏った大きな爆発が起きた。強烈な爆風が巻き上がりレクス達はふっ飛んだ。
「うわっ!?」
何とか受け身を取って後ろを振り向く。爆煙が消えはじめ、そこには鎖刃で持ち上げながらリオレウスの首と身体を締め付けるアルシュベルドの姿が。
アルシュベルドは唸り声を上げながら締め付け、その間にも鎖刃は赤く光り続け、甲殻には青白い光が模様のように浮かび上がった。
「レクス……アルシュベルドは何をしているんだ……?」
「……アルシュベルドは鎖刃で属性エネルギーを吸収するがそれと同時に生命エネルギーも吸収するんだ。だがあれは……やりすぎている」
藻掻いていたリオレウスの動きが次第に鈍くなり、やがて動かなくなった。アルシュベルドがリオレウスを鎖刃で絞殺した様を目の当たりにしたユミアとヴィクトルは絶句する。
「GURUUUU!」
アルシュベルドがユミア達の方をギロリと睨むと鎖刃でリオレウスの亡骸を力強く投げつけた。リオレウスの亡骸はワンバウンドし、ユミアの方へ放り出される。
「っ!?」
「危ないっ!」
すかさずレクスがユミアを押し倒し、リオレウスの亡骸はユミアに当たることなく地面に落ちた。
「レクス!ユミアっ!」
ヴィクトルが盾を構えて臨戦態勢をとったがアルシュベルドは目もくれず踵を返す。
「GUOAAAA!!」
アルシュベルドは咆哮し、翼を羽ばたかせて高く飛び上がりると遥か彼方へと飛んでいった。
「あのアルシュベルドは……」
レクスはアルシュベルドの行動が気になった。『白き鎖』ことアルシュベルドが何故樹海にいたのか、何故樹海を荒らし回っていたのか、何故リオレウスを殺してまでエネルギーを奪ったのか……心当たりがあるが確信とは言えなかった。
「マナを吸収……まさか……いや、まさか……」
もし考えている通りなら……かつて自分のいた世界に起きた現象と同じことが起こるのでは、と。
「アルシュベルドの行方も追わないといけないかもしれない……」
「あ、あのー……レクス、さん?」
ふとユミアの声が聞こえたので向きを変えると目の前に恥ずがっているユミアの顔が。
「え、えっとー……か、顔が近い、です」
ユミアを助けるため押し倒し、お互い体も顔も近い状態に。
「うわお!?す、すまない!」
「ああいえ、だ、大丈夫です!と、というよりも助かりました!」
あたふたしながら離れる2人にヴィクトルは苦笑いし、拠点のある方角へ視線を向ける。黒煙はもう上がっておらず鎮火したようだ。
雨雲も既に通り過ぎており、雨は止んで雲の隙間から青空が見えていた。
「アルシュベルド……新たなモンスターの存在が明らかになったな。アルシュベルドの行方も気になるが、とりあえず拠点に戻ろう」
ひとまず状況の整理と拠点の復旧作業に取り掛からねば。レクス達は拠点へ向かった。
空の王者……リオレウスファンの方々、申し訳ありません!
ライゼクスといい、メルゼナといい……最近扱いががが
ストーリーズでは主役だからいいよね?