ユミアのアトリエ―導きの錬金術師と異界の狩人   作:サバ缶みそ味

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 調合、採取、調合、採取っ、ハウジング!!たのしー


 ……え、ストーリー?


 少し無理やりなところがあります。ごめんなさい!


2話 この男、レクス

「「せーのっ!」」

 

 ユミアとアイラは二人がかりで気を失っている鎧の男を救護室のベッドへと乗せた。

 

「鎧のせいかけっこう重たかったね……」

「防御力ありそうな見た目だし……ゔぅーんっ!は、外すこともできないや!」

 

 アイラが力任せに鎧の男の腕の防具を外そうとするがびくともしない。かなり堅牢そうな造りをしていると伺える。

 

「介抱するにもするにも外せなきゃ意味ないし仕方ない。とりあえず飲水を持ってくるね!」

 

 アイラは救護室を出てしまい、残されたユミアは気を失っている鎧の男をじっと見つめる。

 

「ねえフラミィ…さっき私達とは違う人間って言ってたけどアラディスの住民でもないの?」

 

『はい。アラディスの住民を見たことありませんがユミア達と異なる存在かと』

 

「異なる存在……この大陸、もしくは違う場所からやってきたってこと……?」

 

 もしフラミィの分析通りならこの鎧の男は一体何者なのか、どこからやってきたのか、どうやってこのアラディスに現れたのか、ますます理解できないでいた。

 

「……う、うぅん……」

 

 すると鎧の男が意識を取り戻したのか低く呻きながらゆっくりと体を起き上がらせた。

 

「あっ、目を覚ました……えぇっと、け、怪我とかしてないですか?」

 

 ユミアが恐る恐る尋ねるが鎧の男は話を聞いておらず不思議そうにキョロキョロと辺りを見回す。

 

「……ここはどこだ?きゃんぷちではなさそうだし、げんじゅうみんのきょてんにはこばれたのか?……」

 

「あ、あのー……話わかります?」

 

お?もしかしてきみがたすけてくれたのか

 

 鎧の男が何を話しているのか全く分からない。言語が通じずユミアはますます困惑した。

 

「ど、どうしよう……話が通じない」

 

「……って、あれ!?たちがないし、ポーチもない!?しかもしるべむしもない!?それにオトモもいないぞ!?

 

 鎧の男が突然背中や腰に手をやりあたふたと辺りを見回しだした。いきなり声を荒げて慌てだしたことにユミアはさらに焦りを募らす。

 

「わぁっ!?お、落ち着いて!あ、あなたに悪さはしないから!」

 

『どうやらこの男性は自分が身につけていたものが無くなって慌てているようです』

 

「えっ!?ふ、フラミィ、この人の言ってることわかるの!?」

 

『はい。ある程度ですが、男性の発音からイリーネが昔読んでいた古文書の文字と一致しました』

 

「母さんが読んでた古文書……?フラミィ、この人の言葉を解析して」

 

『わかりました。スキャンを開始します』

 

 鎧の男の言葉と母がなぜ関係しているのか、疑問に思ったがまずは解析できるまで何とかして鎧の男を落ち着かせねば。

 

「あ、あの!慌てるのはわかりますけど暴れたら調査団の皆があなたを取り押さえるかもしれないし……と、兎に角落ち着いてください!」

 

お、おぉっ?な、なにをいってるのかわからないな……む、はなしがつうじないのか

 

 ユミアの気迫に鎧の男は驚くと落ち着いたのかじっとユミアを見つめだした。鎧の男は腕を組んで唸るとユミアに向けて指を差す。

 

かわいい

 

「へ?」

 

なきぼくろがかわいい。あほげがかわいい。しょーとなかみがたがかわいい。ふくがかわいい。あしがきれい。めっちゃキレイ

 

 鎧の男は何度もユミアを指差し、満足気に頷いた。何を言っているのかさっぱりわからないユミアであったがこればかりはおちょくられている気がしてきた。

 

「な、なんだろう……なんだが茶化されてる気がする」

 

『男性の言語解析完了しました』

 

「ナイス、フラミィ。さっそくこの人が何を言ってたのかを翻訳して……」

 

『ユミア、ひとつひとつ翻訳するよりももっといい方法があります』

 

 それはどういう意味なのかと言うよりもはやくフラミィはフヨフヨと鎧の男に近づいた。

 

なんだこれ?りょうちゅうのいっしゅかなにかか?

 

 鎧の男が近づくフラミィを不思議そうに見ながらゆっくりと指でフラミィをつつく。その瞬間、フラミィが鎧の男に向けて勢いよく煙を噴射した。

 

「ちょ、ちょっとフラミィ!?何やってんの!?」

 

「ごほっげほっ……な、何なんだ今のは!?」

 

「「………あっ」」

 

 突然のフラミィの行動にユミアはぎょっとしたが鎧の男の言葉が理解できた途端に鎧の男の方へ視線を向けた。鎧の男も同じくユミアの言葉を理解できるとユミアの方へ視線を向ける。

 

 

「…も、もしかして言葉、わかります?」

「お、おう……わかる。すんごいわかる」

 

『鎧の男性に翻訳機能を付与してみました』

 

「ふ、フラミィ、そんなことができたんだ……」

 

 調整不足とはいえ、フラミィにそのような機能が備わっていたことにユミアは驚く。

 

「フラミィって言うのか。変わった猟虫だな」

 

『虫ではありません。フラミィは超高性能自律型探索補助装置です」

 

「ん?高性能……自律……?大雷光虫か何かか?」

 

『よくわかりませんがフラミィは虫ではありません』

 

「あ、あの!それよりも聞きたいことが…!」

 

「そうだ、俺も聞きたいことがあるんだ」

 

 

「あなたは一体「俺の太刀とポーチと導蟲と相棒は何処に?それにここは何処なんだ?あとお腹すいた」何者で何処からしかもどうやって来たのですか?」

 

 聞きたいことがありすぎて同時に尋ねてしまい、互い譲る譲れぬという変な空気が漂ってしまう。

 

「え、えーっと……あ、あなたからどうぞ」

 

「いやいや、ここは君からの方が……」

 

 

「お待たせー!飲水を持っ……って、何してるの?」

 

 

 これは助け舟か。タイミングよくアイラが救護室に戻ってきた。

 

 

「よかったアイラ!鎧の人が目を覚ましたの。一応話が通じるようになったよ」

 

「一応……?とりあえず聞くけど……私はアイラ。それからあなたを看てくれたのがユミア。あなたは魔物じゃないよね?」

 

「失礼な。いやまあこのEXレックスロア装備じゃ見間違えるか……俺はレクス、『狩人(ハンター)』だ」

 

「「狩人(ハンター)……?」」

 

 きょとんとして首を傾げる2人を見てレクスと名乗る鎧の男は納得して頷いた。

 

「やはりここは俺の知る場所じゃないようだ……狩人について説明したいが時間がない。太刀とアイテムポーチ、導蟲を返してくれないか?急がないといけないんだ」

 

 先程まで気を失っていたのが嘘のようでレクスは直ぐに立ち上がる。

 

「今は団長達に預けてるの……だから団長に話をつけないと」

 

「よし、さっそく団長殿に会わせてくれ」

 

「わ、わかった!団長に伝えに行ってくるから、ちょっと待ってて!」

 

______

 

 

 アイラからOKのサインをもらい、アイラとユミアにエアハルト団長の下へ連れられていく。調査団員達はレクスの鎧姿に目を丸くし、異形のモノを見ているような興味と畏怖の眼差しでレクスを見ているが当の本人は全く気にしないどころか外の景色に目を輝かせていた。

 

「すごいなー…!城塞高地みたいな景色だがそれとは違う偉大な大自然だな!」

 

 団長達のいる会議場に連れていくと団長であるエアハルトと幹部数名、そして団長の直ぐ側にヴィクトルが待っていた。エアハルトが物珍しげに、幹部数名は警戒感マックスで、ヴィクトルは見定めるかのようにじっとレクスを見つめる。

 

 

「アラディス調査団の団長、エアハルト・ボールマンだ。さっそく尋ねるがお前さんは何者なんだ?」

 

「俺はレクス、レクス・テイガー。狩人でありドンドルマのギルド本部により派遣された調査隊の一員だ。」

 

 

 ドンドルマ、ギルド、狩人と単語を連呼し、不思議そうに首を傾げながら幹部達は顔を見合わせる。

 

「聞いたことがない。団長、この男はデタラメを言っているか頭打ったのかもしれませんね……」

 

「怪しいもんじゃないんだが……えーと、ギルド本部から正式の狩人として登録されているギルドカードもあるが、一応見る?」

 

 

 レクスがどこからどうやって取り出したのか、名刺ほどの大きさのカードをエアハルトに渡す。ギルドカードとやらを見るが自分達の知らない文字が書かれており、解読できずエアハルトは苦笑いでギルドカードをレクスに返した。

 

「あー……悪い、何が書かれているのか読めなくてわからん。だがまあ俺達の住む場所とは違うところから来たのはだいたいわかった。どうやって、何のためにこのアラディスに流れ着いたのか教えてくれないか?」

 

「俺が何者か、あなた達が不安や不審に思うのはわかります。説明をしたいのだけど……今はその時間がない。はぐれた大事な相棒を探さなきゃいけないんだ。どうか俺の武器と道具を返してくれないだろうか…」

 

 レクスは頭を深く下げるが調査団の幹部達は不審がってレクスを睨む。口元に髭を生やした幹部が厳しい眼差しでレクスを睨み口を開く。

 

「そうやって我々を騙し、武器を手に取った途端に暴れるつもりだろう?」

 

「とんでもない!狩人の武器はモンスターと戦うための武器。人に振るうものじゃない!と、時と場合によるけど……」

 

「やっぱり!団長、やはりこの男は怪しい。今すぐ拘束して閉じ込めるべきです」

 

 髭の幹部の発言に続くように他の団員も次々に同意だと頷くがエアハルトは無言のまま腕を組みじっとレクスを見つめていた。

 

「むむ……迷惑をかけるつもりじゃないが、こうなったら……」

 

 

 力づくでも武器と道具を取り返すつもりかと幹部や団員、ヴィクトルは身構える。離れて見ていたアイラとユミアは荒事が起こるのかと不安気になり場の空気が重く漂う。

 

 

 

 グゥウウゥゥッ

 

 

 

 空気が抜けたような腹の音が響くとレクスはヘナヘナと力が抜けて座り込んだ。

 

 

「お、お腹すいたー……」

 

 

 エアハルトを除く調査団全員がずっこけた。

 

 

―――――

 

 

「うまいっ!うまいっ!うますぎるっ!!」

 

 

 レクスは用意されたパンとこんがりと焼かれた骨付き肉を美味しそうに食べていた。

 

「わー、すっごく美味しそうに食べてる。でもさ……どうやって兜つけたまんまで食べてるのかな……」

 

「アイラ、そこは気にしないほうがいいかも……」

 

 兜を外さずがっついて食べるレクスが気になってしょうがない。アイラとユミアは彼は本当に人間なのだろうか、と少し疑問に感じてしまった。

 

「すんません。おかわりください」

 

「またか!?どれだけ食べるつもりだ!?」

 

「探索で食べる暇がなくて、久しぶりの携帯食料以外のご飯だから……本当に申し訳ない。食べた分の量はちゃんと補うようにするから」

 

「団長、どうしますか……?食べた後に拘束すべきでしょうか」

 

「そう慌てるなヴィクトル、もう少し様子を見よう」

 

 

 レクスは5回目のおかわりを平らげると、すっと立ち上がった。一体何をするつもりかと団員達が身構えるよりも早くレクスが走り出した。

 

「食い逃げかっ!?」

 

 髭の調査団幹部がレクスを取り押さえようと飛びかかるがレクスはひらりと躱し、拠点から出ていく。

 

 

「本当に申し訳ない!相棒を見つけたら必ず戻って説明をするし食べた分は働いて返す!だから待っててくれ!」

 

 

「はははは!中々面白い奴じゃないか!!」

 

「団長、笑ってる場合じゃないですよ!?お、おい錬金術師!」

 

 

「え?わ、私ですか?」

 

 

「お前が拾ってきたんだろう!!責任とってあいつを捕まえてこい!!」

 

「は、はいぃっ!!」

 

 髭の幹部に怒鳴られユミアはあたふたとレクスを追いかけていった。

 

「ヴィクトル、アイラ。ユミアを手伝ってやれ」

 

 

「了解です。行こう、アイラ」

「うん、監視役だもんね」

 

 

______

 

 

 ヴィクトルとアイラと合流したユミアは三人でレクスの行方を追う。彼が走っていった先はユミアのアトリエがある付近の森丘。苔生した岩場が多く木々が少なくて開けた場所もあるため見つけやすい。日が暮れる前に見つかればと辺りを見回しながらレクスを探した。

 

「レクス、さんかな?あの人のいう相棒ってとっても大事な人なんだろうね……」

 

「慌てて抜け出すくらいだもの、何としてでも見つけたいんだよきっと……」

 

 レクスの必死さから相棒がかけがえのない存在なのだろうとアイラとユミアは何となくレクスの気持ちがわかった気がした。

 

 

「……2人とも、この先は気をつけて進んだほうがいい」

 

「ヴィクトルさん?どうかされたのですか?」

 

「調査団の話でこの辺りに『一本足の白い魔物』が彷徨いていると聞いた」

 

「い、一本足の魔物、ですか…?そんな魔物がいるんです?」

 

「実際に一本足の魔物に蹴られて怪我を負った団員もいるから見つからないように進もう」

 

 一本足の魔物だなんて聞いたことも見たこともない。想像するだけでも不気味だとユミアは身震いした。

 

「お、お兄ちゃん……」

 

「どうしたアイラ。何で顔を引き攣らせている」

 

「い、一本足の白い魔物って……もしかしてー……あれのこと?」

 

 

 アイラが指差す先に視線を向ける。そこには一本足でひょこひょこと跳ねながら動く、魔物がいた。

 

 確かに体は白いが、傘のように広げた翼の部位の先は朱色に色づき先端には鋭い翼爪が生え、頭頂と思わす部位には一つ目のような模様がついた鶏冠が目立っている。

 

 

クルルルッルルッ

 

 傘のように広げた翼を閉じると赤く細長い嘴のついた鶴のような頭部が露わになる。

 

 

「鳥系の魔物だったのか…!?」

 

「というかで、でかくない…!?」

 

 

 この辺りに生息するロックリザードやフィーランより一回り大きい鳥のような魔物は鋭い嘴で朽ちた倒木を崩し、中に潜んでいる虫を啄んで捕食する。

 

 幸いなことにまだこちらに気づいていない。未知の魔物故に今相手にするのはまずい。ヴィクトルはレクスを追うのは一度止めて拠点に戻るべきだと判断した。

 

 

「……ユミア、アイラ、気づかれないようゆっくり離れるぞ」

 

 

 相手に気づかれないよう身を屈めてゆっくりと後退する。

 

 

 

―――パキッ

 

 

 運悪くアイラが枝を踏んで音を立ててしまった。

 

 

「……やばいかも……」

 

 

 彼女の予想通り、鳥の魔物は食事を止めて長い首でぐるりと振り向く。

 

 

クルルルル……!!」

 

 

 鳥の魔物は唸り声を上げながらゆっくりとユミア達に迫り、一つ目模様の鶏冠が傘のように開き、翼を大きく広げ咆哮した。

 

 

クルルォォォォッ!!」

 

 

「め、めっちゃくちゃ好戦的!?」

 

「止むを得ない……アイラ、ユミア!!応戦するぞ!」

 

「は、はい!!」

 

 ユミア達は武器を構え、襲いかかる鳥の魔物を迎え討った。

 

 

 

_____

 

 

「あー……やっぱり導蟲無しじゃ見つからないかぁ」

 

 

 レクスはため息をついて困惑した。強引に抜け出して探そうとしていたがここは見知らぬ世界の自然。長年の勘とやらではどうすることもできない。

 

 

「戻ってごめんなさいじゃすまなされないしなぁ……」

 

 

 戻ってきたところでお縄についてしまう。道具なしでは探すのは困難かと頭を悩ます。

 

 

 

―――クルルォォォォッ

 

 

 ふと遠くで聞き覚えのあるモンスターの咆哮が聞こえた。

 

 

「ん?この咆哮は………『傘鳥・アケノシルム』か?え、何でこんなところにアケノシルムが?」

 

 自分がいた世界にならアケノシルムがいてもおかしくはない。何故自分の知らないこの世界でアケノシルムがいるのか、レクスは不思議でたまらなかった。

 

「………確かめなくては」

 

 

 

 

 

 




 アトリエ世界で最初のモンスターは、傘鳥・アケノシルム。


 最初は武器が弾かれ、頭突きで何度乙されたか……ヒトダマドリ集めるの忘れてた。

 
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