カムりたい   作:カカシ先生は俺の青春

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第九話

焔と鎌木の後を追って八坂様が待っている根城に向かった。二人の後を追っていると、少し先に門が見えてきた。門の前に到着すると鴉天狗が二体門の前に立っていて、鎌木と焔は顔パスで入れるらしいが俺は一応身体検査をされて門の奥に行く事を許可された。

門をくぐると大きく立派な日本屋敷が目に飛び込んだ。

屋敷の玄関の前には狐の耳と九本の尻尾を生やした美女が立っていて、その両脇には二体の妖怪が控えていた。

 

「お初目にかかります八坂様...私は畑カカシと申します。この度はお会いする機会を頂き誠にありがとうございます」

 

「堅苦しくしなくても良いですよカカシ?」

 

「いえ、そういう訳にはいきません。京都を仕切る大妖怪である八坂様に敬意を持っていますので...」

 

「ふふ、あんなに小さかった命がこんなに立派になって」

 

俺と八坂様は初対面の筈だと思っていたんだが、八坂様から衝撃の話を聞かされた。八坂様が俺が産まれてくる時に助産をしていたと言った...。父さんからはそんな話を聞いてないし、初だし状態に戸惑っている俺に八坂様が優しく微笑んでいた。

 

「夜は冷えますから、此処で立ち話より中で話をしましょうか」

 

八坂様の一言で屋敷の中に入った。

八坂様と両脇に控えている妖怪の後について行き、しばらく歩いたら八坂様が立ち止まった。目的地に着いたようで八坂様から部屋に入り、後から俺も続いて入った。

 

「以前からサクモからカカシが仙術を学びたいと聞いています」

 

「はい、今自分に出来ることに加えて仙術を体得して戦術を広げたいと思っていまして」

 

「仙術を教えるのは構いませんが、仙術の修行は最低でも1ヶ月は必要です。実家と京都を行来するのは大変だと思うのですが大丈夫ですか?それに今は修学旅行中でしょ?」

 

「それについては「それは大丈夫だぜ八坂様!」」

 

「焔?」

 

「カカシは忍者みたいに分身の術が使えてさ!ここに来るのに分身を置いてから来たんだぜ!」

 

俺が説明をしようとしたら焔が元気よく答えた。

焔は日常的に人の話をとっているのか、八坂様が溜め息を吐いて焔にゲンコツを落とした。焔はゲンコツを食らって床に転がりながら痛がり、八坂様は何も無かったかのように再び話を始めた。

 

「全く...人の話に割って入るんじゃありません。影分身、以前サクモから聞いた霊力とは違うチャクラというものを用いて使う術と聞いてます。日常生活に支障が無ければ明日からでも仙術の修行を始めましょう」

 

「本当ですか!?ありがとうございます!」

 

「今夜はゆっくり休んで明日に備えてね?焔!カカシを部屋に案内しなさい」

 

「分かりました!行こうぜカカシ!」

 

仙術を体得するまでの間、八坂様の所でお世話になる事が決まった。八坂様は父さんから俺が仙術の修行を頼むと思うから、面倒見てあげて欲しいと頼んでくれていたみたい。修学旅行で京都に来る前から俺がいつ来てもいいように部屋を用意してくれていたようで、本当に有難かった。

 

「隣は俺の部屋だから何かあれば言ってくれよ!」

 

「何かあれば頼るよ。それじゃあ、お休み」

 

「おう!」

 

案内された部屋内にある物の説明を一通り説明してくれた。

焔の部屋の隣らしく何かあれば遠慮なく声を掛けてくれと言って焔は部屋に戻り、俺は一人になってから明日からの事を話す為に父さんに電話をした。

八坂様と会えた事、仙術の修行をする為に影分身を使って学校生活をしていくことを話した。

 

「父さん...八坂様が助産してくれたの何で話してくれなかった?」

 

「高校生になったら母さんの事を話そうと思ってて...それまでは内緒にするつもりだったんだ」

 

俺の母さんは俺を産んでから1週間位で死んでしまった...。

原因は俺を身ごもっている時に大病になり、子供を諦めて手術を進められたが断って俺を出産する事を決めていた。

俺の記憶には母さんとの思い出は無く、俺は母さんを写真でしか見た事がない。

 

「伝えなかったのは悪いと思っているよ...」

 

「分かってる...父さんにも色々あるんだよね」

 

「すまないカカシ...。それじゃあ、八坂様の所で仙術の修行頑張ってね」

 

「ありがとう」

 

父さんとの通話はそれで終わり、八坂様が用意してくれた客室に戻り布団の中に潜って目を瞑った。イ草の香りとふかふかの布団のお陰で眠気が強くなり、俺はそのまま眠気に身を任せた。

 

─────────────────────────

 

腹の上に僅かな重みを感じた...。

腹に感じた軽い重みで目が覚め、目を開けたら腹の上に八坂様に似ている狐耳の幼女が乗っかっていて、その後ろで焔がニヤニヤと笑っていた。

 

「おはようなのじゃ!」

 

「はい、おはようございます...誰?」

 

「この子は八坂様の娘の九重だ!」

 

見知らぬ幼女に戸惑っていたら、焔が腹に乗ってる幼女は八坂様の娘だと紹介した。八坂様の娘様が何故俺が寝ている部屋に来たのか理由を尋ねたら、八坂様から俺が暫く滞在する事を話した様で、娘様は顔合わせに来たらしい。

 

「よろしく頼む!白い牙の息子殿!」

 

「俺は畑カカシ。よろしくね九重様」

 

「妾の事は焔と同じ九重と呼び捨てで呼んで欲しい!」

 

「じゃあ、俺のこともカカシで」

 

夜中から朝に掛けて、悪魔と堕天使以外の知り合いが出来た。俺は九重に手を引っ張られて体を起こされ、そのまま手を引かれて部屋を後にした。

 

──────────────────────────

 

「おはようカカシ。良く眠れましたか?」

 

「おはようございます八坂様。用意して頂いた部屋の心地が良くてグッスリ眠れました」

 

九重に手を引かれて広間にやって来た。

そこには八坂様や色んな妖怪が居て、広間は料理のいい匂いが充満していた。俺は九重の近くに座らされ、座ったと同時に食事が用意された。

 

「あら?いつの間に九重と仲良くなったの?」

 

「九重様が焔と共に起こしに来まして、少し話したら仲良くなりました」

 

「こらカカシ!私の事は九重と呼ぶように言ったのに様付けで呼ばないで欲しいのじゃ」

 

「そうでした...すみません九重」

 

九重を呼び捨てで呼んだら、周りの妖怪がギロッって感じで睨んでくる。周りの妖怪達の視線に気にしないようにして、出された朝食を食べ始めた。

 

「この玉子焼き...甘めで作られてて俺好みだな」

 

「!?そ、そうか...気に入ってくれたようで作ったかいがあった」

 

 

俺が今食べた卵焼きは八坂様お手製のものだった。

しかし、この玉子焼き...初めて食べた筈なのに何処か懐かしい気分になる。不思議に思いつつ、朝食を食べ続けた。

 

「食べながらで聞いて欲しい。仙術の修行に入る前にカカシ、貴方の実力を見せて欲しい」

 

「俺の実力ですか?」

 

「ええ、サクモからは聞いてるけど、実際にこの目でカカシの実力を見ておきたいの」

 

「ならば、白い牙の息子の実力を試す相手は儂が努めよう」

 

広間にいる大柄な天狗が俺と模擬戦をすると言い出した。

この人は天狗達を束ねる天狗の長・大天狗様と隣に居る九重が耳打ちで教えてくれた。

だが、影分身をしている今の状態で大妖怪と戦うのは少し厳しい。だけど、八坂様にはこれからお世話になる以上、その願いを無げに出来ず大天狗様との模擬戦を朝食後に行う事が決まってしまった。

 

「白い牙の息子よ。模擬戦で儂は手加減はしないからそのつもりで覚悟しておけ」

 

「大天狗様の胸を借りさせていただきます」

 

大天狗様は朝食を食べ終わったのか、一足先に広間を出ていった。

 

俺もさっさと食べてこの後の準備でもしますか...。

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