カムりたい 作:カカシ先生は俺の青春
長かった夏休みは終わり、今日から新学期が始まる。
教室では1ヶ月ぶりに会う友達に夏休みの過ごし方を聞いたりと、賑やかな話し声で満たされていた。
ただ新学期前と変わったことが一つだけあった、この教室には机は20台しか無かった筈なのに21台に増えていた。
新学期からこのクラスに一人転入生が来るのだろうと予想が出来た。
「おはようカカシ」
「ん、おはよう朱乃」
クラスメイト達の楽しげに話す声をBGMに本でも読もうとしたら、俺の元に朱乃がやって来た。
男子三日会わざれば刮目せよって言葉があるが、それは男子だけで無く女子にも当てはまる言葉の様だ...久しぶりに会った朱乃には堕天使の力とは別の力が流れていた。
「カカシならもう気づいていると思うけど、後で話すから聞いて欲しい」
「まあ、説明を求めてる訳じゃないけど話すなら聞くよ」
朱乃に後付されたであろう力については後で話すそうだ。
再び本を読もうとしたら朱乃に取り上げられ、先生が来るまで夏休み中の話をする事になった。朱乃から夏休み中はグレゴリって言う堕天使陣営の所に行ったり、山とか海とかで楽しい夏休みを過ごしていたらしい。
「カカシはどういう夏休み過ごしたの?」
「修行」
「他は?修行だけじゃないでしょ?」
「うーん、あ、海に行ったわ」
父さんから修行の休みを言い渡されて、折角の夏休みだからって言う事で海へ遊びに行こうと父さんの提案されて海に遊びに行った。
「サクモさんと海で何してたの?」
「なにかしようと思ってたらさ、俺と父さん色んな人から声掛けられまくって中々遊べ無かったんだよね」
「へぇ...二人が声かけられた相手は───女?」
ドス黒いオーラを放ちながら、恐ろしく低い声で【女?】って言った朱乃に心臓がギュってなった。
「どっからそんな声出るの?」
「答えて?修行とか言いつつ女の人にチヤホヤされてたの?」
「チヤホヤって、別に一緒に遊ばないか?とか良い休憩場所あるから来ないかって誘われた位だぞ?一応、全部断ってるけど」
俺も父さんものんびりしたかったから、声を掛けてきた人達の誘いは全部断っていた。俺が誘いを断ったと言った瞬間、朱乃の放っていたドス黒いオーラが四散した。
「はーい、みんな席について!」
丁度いいタイミングで担任の先生が教室に入ってきた。
教室に入ってきたのは先生だけで無く、赤髪の女の子も一緒に入ってきた。赤髪の女の子を見た時、朱乃に混ざった力を女の子にも感じた。
「転入生を紹介します!」
「リアス・グレモリーです。これから仲良くしてください」
リアス・グレモリーの簡単な自己紹介が終わると、教室中に歓喜の声が響く。朱乃レベルの女の子が入ってきた事に喜んでいるのか男子達の歓声が大きかった。
「それじゃあ!リアスちゃんと皆が仲良くなる為に質問タイムにしたいと思ってます!リアスちゃんに質問したい事がある人は手を挙げてね!」
クラスメイト達は次々と手を挙げてリアス・グレモリーへ色んな質問攻撃が始まった。リアス・グレモリーはお嬢様育ちなのか、次々と来る質問に対して全て丁寧な口調で答えていた。リアス・グレモリーの対応に男子だけで無く、女子達からの好感を得て朱乃と同じポジションを短時間で確立していた。
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「初めまして白い牙の息子さん。教室で聞いてると思うけど私はリアス・グレモリーよ」
「どうも、俺は畑カカシ。よろしくね」
放課後、姫島神社に集まる事になった。
俺は一度家に帰ってからにすると伝え、家に荷物を置いてから姫島神社に向かった。姫島神社に着くと、朱乃とやっぱりリアス・グレモリーが隣に居た。
「リアス・グレモリーが居るという事は朱乃に混ざった力について説明するって解釈でいいか?」
「リアスで良いわ。私もカカシって呼ばせてもらってもいいかしら?」
「お好きなようにどうぞ」
「カカシが言った通り、貴方が感じる朱乃の変化に私が関与してるわ」
リアス・グレモリーは自分が悪魔だと告白した。
堕天使に続いて悪魔に会えるとはね...次は天使に会ってみたいもんだなって呑気な事を考えていたら朱乃に抓られた。
「痛いんだけど...」
「邪なこと考えてるでしょカカシ?」
「ん!ん!話を続けてもいいかしら?」
リアスと朱乃は夏休み期間中にたまたま出会い二人で過ごす内に仲良くなり、朱乃がリアスの力になってあげたいという事で朱乃は悪魔に転生出来るチェスの駒で悪魔へ転生し、今の朱乃はリアスと主従関係にあるらしい。
「堕天使+悪魔って...属性増やしたな」
「うるさい」
「私からの説明は以上よ。何か質問ある?」
「知りたい事は知れた。これ以上知りたいことは無い」
俺の胸につっかえていた疑問が晴れた今、この場に留まる理由が無くなったから帰ろうと鳥居に向かって歩いた。
「ちょっと待ってカカシ!」
帰ろうとする俺をリアスが呼び止めた。
「なに?」
「貴方も悪魔にならない?」
リアスから悪魔にならないかって勧誘された。
「カカシの事は朱乃から沢山聞かされたの」
朱乃から姫島家からの刺客、俺と父さんの修行風景を夜通し聞かされたらしく、白い牙の息子って色眼鏡では無く朱乃の話と今の俺を見て眷属に誘おうと今この場で決めたようだ。
「どうかしら?悪魔になれば寿命は延びるし、下積みから始まるけど上級悪魔になったら自分の眷属を持てたりメリットがあるわ」
「魅力的なさそいだが、今はいいかな」
「どうして?」
「今は俺が自分の中にある力と向き合いたいし、リアスとは会ったばかりでリアス自身の事を知らないのに眷属にはなれないな」
寿命が延びるのは魅力的だが、リアスという人物が分からない状態で悪魔側に簡単に足を踏み入れるのは俺にとってリスクがおおきすぎる。
「分かったわ...だけど、考えてみてちょうだいね」
「はいよ。話が終わったなら今度こそ帰るからな」
「さようなら!これからよろしくねカカシ!」
「また明日ねカカシ」
二人に見送られながら姫島神社を後にした。
悪魔に堕天使か...この次は何に出会えるのかこの先の楽しみが増えた。
『むかーし、むかし、大きなおっぱいが川から───』
「もしもし警察ですか?公園で子供に猥褻話を聞かせる不審者が...」
俺が次に会えたのはただの変態だった...。