カムりたい   作:カカシ先生は俺の青春

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第八話

 

『次は京都〜京都〜。お出口は左側です』

 

中学二年生の秋、俺は修学旅行で京都へ来ていた。

最近はガッツリ裏の世界と関わっていたから、こういう普通の学生らしい行事はすごく楽しみだった。

 

「最初はバスに乗って清水寺ですね」

 

「ちゃんと私達に着いてきてくださいねカカシ?」

 

修学旅行中に行動を共にするのはソーナと椿姫の二人だ。

朱乃やリアスとはクラスが別になっていて、二人は他の人と交流を深めるという事で今回は一緒に行動しないという事になった。

俺は元々一人で京都をぶらぶらしようかと計画をしていたんだが、ソーナと椿姫が一人より何人かで行動した方が楽しいと言うもんで三人で行動することになった。

 

「バスの中で本を読むと酔いますよ?」

 

「慣れてるから平気だよ。それより俺は端の方がいいんだけど...」

 

バスの席が1番奥の席で椿姫、俺、ソーナという女子二人に挟まれる形で座らされている。俺が端に座ったら清水寺に着いた時、ふらふらと勝手に行かれないようにする為の処置らしい。ソーナと椿姫に何言っても聞き入れてもらえないと悟った俺は、大人しく『うふふパラダイス』というガマ仙という人が書いた小説を読んでいた。

 

「そ、その...その小説の文は些か過激では無いですか?」

 

「この作者の実体験とか色んなインスピレーションが湧いて制作した作品らしいよ」

 

「女子の前で読むものでは無いでしょ」

 

「君だってコソコソ薔薇の花満載な物を読んでるじゃない?」

 

「!?な、何の事やら...」

 

椿姫は生粋の腐女子だ。

こいつがコソコソと学園に通う男子生徒のカップリングを作っては匿名で漫画を書いている。今のところ俺に被害は無いが、何時書かれるのかヒヤヒヤする。

 

「薔薇の本とはなんですか?」

 

「ソーナは知らないのか?薔薇というのは「世界の薔薇の図鑑ですよ!」」

 

ソーナは知識を広げたいらしく椿姫に薔薇の本とは何なのかを問い詰め、椿姫はあたふたして俺に助けを求める視線を送ってきた。当然、俺は椿姫からのSOSを見なかったことにしてうふふパラダイスに再び視線を落とした。

二人のやり取りをBGMに暫くしてバスが目的地である清水寺に到着した。

 

「取り敢えず降りようか?薔薇の本についてはまた後日に聞きなよ。椿姫はソーナの眷属だし、聞くタイミングはいっぱいあるからね」

 

「そうですね...気にはなりますが今は修学旅行を楽しむとしましょうか」

 

問題が先延ばしになっただけじゃない!そうですよソーナ!折角の修学旅行ですから先ずは楽しみましょう!」

 

いや、突っかかってきたから反撃を...ソーナ先降りてよ」

 

反撃と言うよりは助走つけて殴りかかってきたにしか思えないわよ!

 

バスから降りて清水寺に降り立った。

周りを見渡すと観光客や駒王学園以外のところから来た学校の生徒達で賑わっていた。早速グループ行動が始まり、俺たちは一先ず清水の舞台を見に行くことにした。

 

「ここから普通の人間が飛び降りて無事なのは凄いですね」

 

「俺も普通の人間だから飛び降りて偉業を達成してみようか?」

 

「貴方を普通の人間にカテゴリするのは一般の人に失礼では?」

 

「その発言は俺に失礼では?」

 

二人と軽口を叩き合いながら、滝や三重塔等の清水寺の観光名所を集合時間まで周った。周ている最中にソーナと椿姫が修学旅行生の自分に自信があるイケメン君達にナンパされたり、俺がナンパ避けに使われたりと退屈しない時間を過ごした。

 

『あれが畑カカシか...』

 

『こちらに気づいていたな。流石は白い牙の息子だけの事はある』

 

─────────────────────────

 

修学旅行1日目が終了、学校が予約したホテル...サーゼクスホテルに宿泊している。このホテルはリアスの親族が経営しているホテルらしく、一人一部屋という特別待遇をしてくれていた。

夜の0時を回った所で俺は部屋を出てホテルの屋上へと向かう。

 

「さて、今日1日俺の周りをウロウロしていた人?出てきてくれない?」

 

「一人で屋上に来たのは我々を誘い出すためだったのか」

 

「その通り。ずっと見られてるのは周り好きじゃないんだよね」

 

「それは悪かったな!俺は焔!突然ですまないがお前の実力を見せてくれ!」

 

俺をウロウロしていた奴らと話し合う予定が(ほむら)と名乗った猫耳を生やしている俺くらいの男がいきなり仕掛けてきた。焔が息を大きく吸い始めたと思ったら大きな火球を俺に向かって放ってきた。

 

「お前らを倒して聞くしか無さそうだな」

 

俺は何時も持ち歩いているポーチから巻物を取り素早く広げ下へ落とし、巻物に書いた口寄せの術式を片足で強く踏みつけて水を口寄せする。

 

「巻物から水!?」

 

「驚くのはまだ早いよ水遁・水陣壁!」

 

焔が放った火球を水の壁で防いだ。

火と水の衝突で爆発して水蒸気が発生し、俺達を水蒸気が包み込んだ。お互いに視界が塞がる状況の中で戦うのかと思いきや、突風が吹き荒れて水蒸気が晴れた。

 

「手が鎌になった?」

 

「俺は鎌木(かまぎ)。鎌鼬だ」

 

「俺は火車!」

 

「火車に鎌鼬って事は…お前らの正体は妖怪だな」

 

俺の周りでウロウロしていた者達の正体が妖怪だった。

日本妖怪なら日本神話と関わりはある筈、俺の名前を知っているという事は父さんの事も知っている。父さんに恨みがあるのか...それとも別の目的で俺に接触してきたのか話をして聞き出したいが、この二人を倒して聞き出す方が早そうだ。

 

「何の目的かは知らないけどさっさと倒させてもらおうか」

 

「そう簡単にはいかないぞ畑カカシ」

 

鎌木が鎌を思いっきり振るうと風が発生した。

発生した風は殺傷能力がありホテルの屋上の床に切り傷が付けられ、まさに鎌鼬。

 

「水遁・水龍弾!!」

 

「水が龍になった!?」

 

鎌鼬が起こす風に対抗して術を発動させた。

水で出来た龍は鎌鼬の風に斬られて破壊され、破壊された水龍はただの水に戻り屋上と二人を濡らした。

 

「いい感じに濡れてくれてありがとうね」

 

「何をする気だ?」

 

「ん?こうする気」

 

千鳥を発動させ濡れた地面に触れた。

 

「千鳥流し!」

 

「「しまっ!?」」

 

かなり威力を抑えた千鳥でも、体が濡れている状態ならかなりの威力を発揮する。千鳥流しを食らって二人は倒れ、この謎に始まった戦いはあっという間に終わった。

二人が気絶している間にポーチから麻紐を取り出して、2人を縛りあげて拘束して二人が目を覚ますまで待った。

 

「おはようお二人さん。俺の周りでウロウロしていた理由を教えてもらおうかな?」

 

焔と鎌木の二人が口を割らなかったら写輪眼を使って聞き出そうとしたが、二人はあっさりと八坂様の使いだと言った。

八坂様から俺を見てくるように言われたと命を受けて、京都の地に足を踏み入れてから俺を見ていたらしい。

俺と接触することがあればその目で実力を見てみろとも言われ、焔が突っ走って俺に仕掛けてきたという事だった。

 

「畑カカシ!八坂様が会いたがっているけど来れるか?」

 

「良いよ。俺も前々から八坂様に1度お会いしたいと思っていたからね」

 

「学生の行事をしている最中だろ?」

 

「それなら心配ご無用」

 

印を結んで影分身を一体出した。

八坂様とどれだけ話せるか分からないし、これをきっかけに仙術の修行をつけてもらえる可能性を感じて影分身に修行旅行や学校生活を頼む事にして、影分身に全てを託して部屋に戻らせた。

 

「それじゃあ行こうか」

 

「今の分身の術か?忍者みたいだな畑カカシ!」

 

「フルネームじゃなくて良いよ」

 

「じゃあ!カカシと呼ぶから焔って呼んでくれ!」

 

「無駄口叩いてないでさっさと行くぞ」

 

本体である俺はそのまま焔と鎌木の二人に着いて行き、八坂様のいる裏京都の根城へと向かった。

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