We are…Lethal Protector !! 作:ヌルノルヌール
今回短めですが協力者ファイル風の設定も投稿していますのでそちらも良かったら見てください
「
エドワードは歩きながら、乾いた笑いを漏らした
「宇宙人がいるってだけでもうヤバいのに、そいつが俺の体に寄生して、しゃべって、暴れて、挙げ句の果てには“別次元の自分の感情が影響してる”だなんて……」
バレエツインズ前の広場にて肩をすくめ、彼は自嘲気味に小さく鼻で笑う
「エラー吐いてた俺の脳ミソがもう完全にクラッシュしちまった。RAM満杯で起動すら怪しいぞ……」
「宇宙人がいるなんてマルチバースじゃ常識だぞ」
ヴェノムの声が、脳内に直接響く
その口調はどこか飄々としていた。だが聞き慣れた調子のはずなのに、その奥に滲む微かな焦燥感にエドワードは違和感を覚えたが気にせず自身のイラつきを声に出した
「映画だけで十分だよ、そんな常識ィ!こっちはフィクションのノリで生きてねーんだよ!……ったく、腹ごしらえもしたし戻るぞバレエツインズ」
「珍しいな お前がそんなことを言うとは!明日は槍でも降るんじゃないか?」
「うるせーやい!茶化すなよ!」
目に映るのは、カラフルなノイズを帯びた巨大なホロウ。先程までドッペルゲンガー2体と激戦を繰り広げていたバレエツインズホロウがあった
「ほっとけないだろ。あんなに強いやつだぞ?俺たち以外の誰かが遭遇したら、どうなるか……そう思うと、さ」
風が足元をなでるように吹き抜けると同時にヴェノムは低く、乾いた声を出した
「なんだ、そんなことを気にしてたのか。ほっとけ!ヤツは虫ケラで、腰抜けで!弱虫で!!小さな小さな……ただの
声に混じる棘、そして焦りにも似た何かに、ただ事ではないと直感するエドワード
「大丈夫か?なんか、ものすっごくイラついてるように聞こえるけど」
ヴェノムは沈黙を一瞬挟み、抑えた声で続けた
「どうやら“別のオレ”は、あの男にただならぬ感情を抱いているらしい。執着……いや、未練か。ぼんやりとしか分からんのが、余計にムカつく」
「切れねぇのか?その……なんだっけ、集合意識?」
「“
「不便すぎないか……?」
エドワードは天を仰ぐ。星も見えない夜空はどこか重苦しく、まるでそれ自体がヴェノムの抱える感情の象徴のようだった
「そりゃそうだ なんせオレたちは…」
「"オレたちは..."?」
「……ああ、いや なんでもない。忘れろ」
どこか悲しそうにするヴェノムを見て、エドワードはなにかを思いついたように目を見開き、ぱっと走り出した
「どこに行く?そっちはホロウじゃないぞ」
「ホロウ行くのやめだ!ちょっと、付き合え!」
無理やりテンションを上げるように笑いながら、路地裏を走り抜け、エドワードは高い建物の上へとヴェノムの力を借りてよじ登る
「おい、こんなとこ来て何をするんだ」
「何もしねぇよ。 空とか街とか、ただボーッと眺めるだけさ。ヒーローにだって休息は必要だろ?」
そう言ってエドワードは屋上で寝転がり、車の音や曇って何も見えない空をぼんやりと眺める。ヴェノムは肩から顔を出してそんなエドワードの顔を覗き込んだ
「……聞かないのか?」
「ん? スパイダーマンのこと?」
「それもだが……オレについてのことだ。知りたいとは、思わないのか?」
「そりゃ、気になることは山ほどあるさ」
エドワードは目を細めて微笑見ながら覗き込んでくるヴェノムの頭に手を置いた
「でも、お前が言いたくないなら聞かないよ。無理に聞いたって、ろくな結果にはならない」
エドワードは起き上がり、グッと背を伸ばして歩き始める
「……たった2ヶ月、たかが60日かそこらさ。お前にとっちゃ秒で過ぎる感覚かもしれないけどな。俺にとっては、20数年生きてきた中で、間違いなく一番濃い2ヶ月だったんだ」
ビルの縁ギリギリに立ち、エドワードは街を見下ろす。すっかり暗くなっているが都心部の方では未だ輝きを放っていた
「毎日心臓バクバクで、冷や汗ダラダラで、気が休まる暇もなかった。でも、楽しかったんだよ」
キラキラと輝く街、バレエツインズを包む巨大なホロウ…それを背に大きく手を広げて話を続ける
「家を飛び出して、一人暮らし始めて、大学でも友達できず、誰にも頼れなかった俺を変えてくれたのは、間違いなくお前だよ」
「エディ…」
「過去を忘れろとか、別次元のお前の気持ちなんか無視しろ、なんてことは言わない。でも…」
エドワードはゆっくりとヴェノムに手を伸ばした
「“今”を楽しもうぜ、相棒」
風がひときわ強く吹き、沈黙がふたりの間を流れる
でも、それはもう孤独の静けさではなかった
そして、ヴェノムがポツリと呟いた。その声には、いつもの皮肉でも虚勢でもなく、ほんの少しの照れと、そして深い安堵が混じっていた
「“今”を楽しむか……それも、悪くない」
「だろ?」
エドワードが肩をすくめて笑った
夜空の下で、彼らはしばしの休息を得る
この先に何が待っているのかは分からない
だが少なくとも、今この瞬間だけは——ふたりは確かに“ひとつ”になったのだった
漫画や小説などの仲間の絆が深まる話を書きたくて、でも上手く書けなくて自分なりに頑張って書きました…!
よろしければ感想もぜひ!
次回からゲーム内容に突入しよっかなと考えたり…