We are…Lethal Protector !!   作:ヌルノルヌール

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自分は実写映画スパイダーマンと映画ヴェノムは全部見てますが原作コミックはヴェノム・リーサルプロテクター、ヴェノム・インク、アブソリュートカーネイジ、キングインブラックのみ読んでます。これから先ちょくちょくにわかの部分がではじめるかもしれないですが暖かい目で見守ってくれると助かります…


シーズン1 第1章 猫の落し物
#12 DESCENT INTO DEAD END HOLLOW


「おかえりー、随分遅かっ」

 

「……疲れた……マジで、疲れた……」

 

玄関を開けたエドワードは靴もろくに脱がず、ソファへと文字通り崩れ落ちるように倒れ込んだ。その様子に、レインは思わず目を見開く

 

「……ヴェノム、クリティホロウで何があったの?」

 

心配そうに問いかけると、エドワードの背中から黒い影がぬるりと現れ、ヴェノムがにゅっと顔を出してきた。レインの顔に近づき、やや誇らしげに語り出す

 

「特にいつもと変わったことはしてないぞ? 巻き込まれた民間人を助けて、赤牙組を倒し、その後は治安官たちと半日戦っただけだ」

 

「最後のが余計だったんじゃないかな……」

 

思わず漏らすレインのツッコミに、ヴェノムは「なんということを!」とでも言いたげな目で大きく見開き、満足げに歯を剥いて笑う

 

「余計だなんて!あれは最高の時間だった。やはりアイツらと戦うのは楽しい」

 

先のことを思い出し、ルンルンとしているヴェノムにレインは呆れたようにため息をついた。

 

「……レイン、ピザパーティーは……明日で……」

 

エドワードの声がソファの隙間からぼそぼそと聞こえる

 

「うんうん、全然気にしなくていいから。今はもう、ゆっくり休んで」

 

「……あぁ……ありがと……ぐぅ……」

 

言い終える前に、エドワードはそのまま静かな寝息を立て始めた。レインは軽く肩をすくめて苦笑しながら、そっと毛布を掛けてやった

 

「……よっぽどの激戦だったみたいだね」

 

「腐ってもエリート部隊相手だったからな。…それはそれとして、オマエも何かあった顔だが?」

 

ヴェノムはエドワードの眠りを邪魔しないよう声のトーンを落としながらも、ふと視線をレインに向ける。その鋭い観察眼にレインは少し驚いたような表情で瞬きをした

 

「うん、実はさ…依頼をお願いしてた友達から連絡があってね」

 

少し肩を落としながら、レインは壁に背を預ける

 

「結論から言うと、任務は失敗。金庫はちゃんと回収できたんだけど……中身が元々空だったらしくてさ。依頼主には報告して、一応報酬ももらったけど……満額じゃなかった。久しぶりに赤字になっちゃったんだよね、赤字……はぁ……」

 

沈んだトーンで話し終えると、レインは膝に肘をのせて顔を伏せ気味に息を吐いた

 

「そうか。オマエも色々大変だったな。パンケーキ作ってやろうか?それともワッフル?」

 

レインの頭を触手で撫でながら何とか気分を上げさせようとするヴェノムの声にレインは少しだけ微笑み、立ち上がる

 

「大丈夫、ありがとう。終わったことだし切り替えていくよ」

 

「息抜きに一緒にホロウに行くか?エーテリアスを殴るのは気分がいいぞ」

 

「それは遠慮しとく、いや、ほんとに」

 

 

そしてクリティホロウからの一件から数日が経った

 

「あー、よく寝た。スッキリ」

 

エドワードはソファの上で大きく伸びをし、窓の外を少し眺める。

 

市政選挙が近いせいか犯罪者たちは大人しくしているらしく、エドワードは久しぶりにのんびりとした日々を過ごしていた

 

「いい天気だな…」

 

「ホロウ日和、か?」

 

冗談めいた声でヴェノムがエドワードの顔を覗き込みながらそういうとエドワードはすごく嫌そうな顔をする

 

「最近、俺達暴れすぎだったよな?前に言ったと思うがヒーローにも少し休息あった方が良いって思うんだよ、俺は」

 

そういうとヴェノムはカラカラと笑いながらチョコソースのかけられた食パンとコーヒーをテーブルの上に置いた

 

「冗談だ、今日はゆっくりしよう。アストラ・ヤオの歌でも聞きながらハーブティでも飲んで…そうだ、アロマを焚くか?」

 

「アストラの曲だけで良いよ、第一、ハーブティなんて家にないだろ」

 

エドワードが眉をひそめると、ヴェノムの触手がスルスルとキッチンへ伸び、棚から何種類もの茶葉を引っ張り出した

 

「……なんであるんだよ」

 

「この前レインと飲んだが、結構美味かったぞ」

 

「なんで俺の知らない間でレインとお茶してんだよ。てかどうやって?」

 

「お前が寝てる間に飲んだ」

 

「……」

 

エドワードは小さく息を吐いて眉をしかめ、無言のままテレビのリモコンを取って電源を入れた

 

画面に映ったのは、都市のインフラ関連の報道だった

 

『市政選挙が近づくにつれ、待望の民生プロジェクトである旧都地下鉄の改修工事が本格的に動き出しました!』

 

キャスターの明るい声がリビングに響き渡る。映像ではキャスターと小さく丸いおじさんが映されていた

 

旧都陥落以来、崩壊した地下鉄路線は新エリー都の交通、そして都市開発を長らく阻んできた

 

この問題を根本的に解決するには、まず老朽化した地下鉄構造を取り除き、再構築しなければならない

 

だが、都市部とカンバス通りを繋ぐ唯一のトンネルが、“デッドエンドホロウ”と呼ばれる高危険度のホロウに飲み込まれていることで作業するにはいささかリスクが高く、長らく放置されていた

 

しかしヴィジョン社はエーテリアスに襲われないために"細心の注意と工夫"を重ね、自社特殊の列車を設計。そして今日、ついに爆破解体の本格着手に至ったという

 

「はっ、こりゃまたすげーことしようとしてんなぁ」

 

エドワードはソファから起き上がり、テレビを見る

 

「カンバス通りにいる人全員避難させた上で、ホロウ近辺で工事とか。TOPS入り狙う大企業様はやることが違うぜ」

 

感心するエドワードだが、一方でヴェノムがつまらない顔をしており、テレビの電源を消してしまった

 

「こんなつまらん物を見てないで、映画でも借りに行こう。レインが最近よく行くビデオ屋があったろう」

 

「…あー、なんだっけか。確か六分街にあるとこだよな。レインがチョイスしてくる映画、コメディかホラーばっかりだからなぁ」

 

「オレは今恋愛モノが見たい!ほら、行くぞ!」

 

「わ、わかったわかった!!」

 

エドワードは苦笑しながらも立ち上がり、パーカーの袖を引き直し書き置きを残して家の外へ出た

 

 

 

 

「"Random_Play"…おぉ、ここだ」

 

レトロなレンガ造りの壁に、鮮やかなレモンイエローのパネルが取り付けられており、どこか秘密基地のような親しみを感じる

 

Random_Playと書かれた看板。その横には再生ボタンと一時停止ボタン、窓にはポスター、そして窓際の奥には古びたスピーカー、ブラウン管などが無造作に並び、生活感と趣味性が入り混じっており、エドワードは少しワクワクしていた

 

「六分街には何回か来てたが…気づかなかったよ」

 

「ボケっとしてるんじゃない。さっさと早く入るぞ」

 

「うるさいなぁ、いいだろ別に。こういうレトロな感じ好きなんだよ…」

 

ドアを開けた瞬間、鼻をくすぐるのは、古い紙とビニールケースのわずかに乾いた匂い

 

木目の床が心地よく足音を吸い込み、照明は少し落とされて、なんとなくだが映画館のロビーのような空気感を漂わせている

 

壁には色あせたポスターが何枚も並び、赤い棚にはジャンル別に並べられたビデオパッケージがぎっしりと詰まっていた

 

黒い棚に置いてある人気作には「POPULAR!」の手描きプレートがかかっており、店主の趣味と愛情がそのまま伝わってくるようだ

 

「品揃えがいいなぁ!雰囲気もいい!」

 

「ザ・カールズ、レイダーズ、ベスト・ビド…おぉ、ラスト・フライト!エディ、これ借りるぞ!!見たかったラブロマンスだ!!」

 

「…アストラ・ヤオのミュージカルがあるな、俺これ借りるわ」

 

「レインにもなんか借りてくか?」

 

「そうだなぁ、なんか怖そうなのでも借りてくか」

 

エドワードとヴェノムが喋りながら店内をウロウロとしていると、不意に後ろから元気な声が響いた

 

「いらっしゃい!何か探してる?」

 

振り返ると、そこにはショートボブの髪が印象的な少女が立っていた

 

「うおっ!?び、びっくりした……い、いやぁ借りたいものはだいたい選び終わったよ。ただ、いい店だなーと思って見て回ってただけで…」

 

「本当?ありがとう!!店長としてすっごい誇らしいよ!」

 

「へー店長…店長!?君だいぶ若そうだけど…1人でやりくりしてるのか!?すごいなぁ…」

 

「ううん、お兄ちゃんとボンプと一緒だよ。それにしてもお客さん、随分褒めてくれるね!もしかして割引狙い?」

 

からかうような目つきでビデオ屋の店長は見てくるがエドワードは笑いながらそれを否定した

 

「はは、違うよ。始めてきた店でいきなり割引してもらおうなんて思っちゃないさ。本当に…すごいと思っただけ」

 

エドワードは後ろの棚にあったビデオを数本取り、店長とレジへと向かう

 

「会計はカードで頼むよ、あと会員にもなろうかな。そうだなぁ…ランクは1番上のやつで」

 

「えぇ!?いいの!?」

 

「あぁ、本当にこのお店が気に入ったんだ。これからも通わせてもらうよ」

 

「それなら…もし良かったらなんだけどプリペイドカードとかも作っちゃわない?レンタル料安くなるし!」

 

「交渉が上手いなぁ、さすが店長。わかった、それも頼むよ」

 

「ありがとう、お兄さん!ちょっと待ってね、すーぐに用意するから!!」

 

店長は慣れた手つきで素早くカードリーダーを操作し、会員証とプリペイドカードを発行してエドワードに手渡した

 

「ありがとうございました!これ会員カードとプリペイドカードです!」

 

「こちらこそ、ありがとう。それじゃあ、また」

 

ビデオ屋を出て地下鉄へ向かって歩き出すエドワード。そんな彼にヴェノムが心の中で問いかけた

 

「会員にまでなるなんて、よっぽど気に入ったのか?あの店が」

 

「んー、それもあるけど…あの若さでビデオ屋でやりくりするなんてすげーって思ったんだ。俺にはできない事だからさ」

 

少し昔のことを思い出しながらエドワードは雲ひとつない空を眺めながら歩いているとヴェノムが淡々ととんでもないことを言い出した

 

「ほう、てっきり奥の部屋でコソコソしてる事に気がついたのかと思ってたぞ」

 

「ははっ、奥の部屋でコソコ…なんだって?おまっ、ビデオ屋で何してた!?」

 

エドワードはふと足を止め、ヴェノムの言葉の続きを促す

 

「あの店のカウンター横の扉、STAFF ONLYって書かれた扉あっただろう?透明になってとの隙間からこっそりあの部屋を覗いたが……モニターが壁にびっしり、銀髪の男と猫又がなにか話してた」

 

「いつの間に!?というか、猫又って…猫宮又奈か!?」

 

「それ以外誰がいる。最後まで話聞けなかったが……"ニコ"と呼ばれる人間がヴィジョンの爆破解体エリアにいるってんで助けに行くそうだ。おそらくホロウレイダーだろうが…どうする?」

 

エドワードは目線を鋭くし、拳をゆっくりと握りしめた

 

「困ってる人がいるんなら…やることは一つだろ」

 

「ハハッ!やっぱり今日はホロウ日和だったな」

 

エドワードは人気のない裏路地へと足を踏み入れ、目を閉じながらゆっくりと意識を切り替えていく。黒いシンビオートがその身体を覆い尽くし、ヴェノムが六分街へと現れた

 

『先にビデオ置いてから帰ろう、壊したりするのはまずいしな』

 

「そこの壁に貼り付けとけばいいだろう」

 

『ゴミと間違えられて捨てられたらどうすんだよ』

 




めっちゃ長くなったので流石に切りました。
作者はシリオンが大好きなのでじゃんじゃん出していきたいところです。とくにプルにゃん。可愛すぎるよね
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