We are…Lethal Protector !! 作:ヌルノルヌール
前回のお話のだいたい2ヶ月ほど前、原作開始1、2年前位でみてほしいです。はい
新エリー都、五分街
夕焼けがビルの谷間を黄金色に染めるなか、エドワード・マクファーレンは、いつもと変わらぬ自宅への道を歩いていた。
明日のレポートのことをぼんやり考えながら、ヘッドホン越しの音楽にリズムを刻む…その瞬間。
「いっ…たあ!? な、なんだこれ!?」
謎の圧迫感に包まれたと同時に足元の感覚が消え、彼の身体は地面に叩きつけられた。
目の前には見慣れた景色…だったはずの街並みが、崩壊した建物と黒紫色の結晶の生えた荒廃とした街並へ変わっていた
“
それは突如として世界に現れた、万物を呑み込む異常な球状空間
内部は物理法則すら崩壊し、"エーテリアス"と呼ばれる怪物が徘徊する、命の保証の無い領域
「マジかよ…!?やべぇ、どうし…!!」
動揺するもエドワードはすぐ冷静さを取り戻し、自身の置かれている状況を判断する
「俺の他に迷ってる人は…この辺りにはいなそうだな。怪我もしてない…昼食わなかったパンも水もある。よし、こういう時はその場からなるべく動かず、隠れて治安官の救助を待って…」
その時、異様な気配が背後に迫った
恐る恐る振り返ると、彼の目に映ったのは結晶に覆われた異形、エーテリアスだった
ブラックホールのような顔、剣のような腕を引きずり、低い唸り声をあげてジッとエドワードを見つめていた
「えっとぉ…こんにちは?なんつって……」
咄嗟にカバンを投げつけ、エーテリアスに背を向けて駆け出す
「やばいやばいやばい…!!」
崩れたビル、壊れた自動車、瓦礫の迷路をくぐり抜けて必死に逃げ惑うエドワードだったが、壁を破壊して飛び出したエーテリアスの一撃が、背中を深く裂いた
「ぎゃあっ!!!」
鼻は血の匂いに、口は鉄の味に支配され、背中が燃えているような痛みに耐えながら何とか走り出す。
だがすぐに視界が歪み初め、彼は開けた場所で倒れ込んだ
「くそ…嫌だ、死にたく…ねぇ…!!」
ふと顔を上げると目の前のクレーターの中心に、真っ黒な石がポツンと置いてあった
渦巻きのような模様が奇妙に赤く光る黒い石、まるで心臓のように脈打ち、“何か”が内側からこちらを見ているような感覚に彼は朦朧とする意識の中、手を伸ばす
「――ッ!」
そして触れた瞬間、何かが脳髄に直接入り込むような感覚。背中の傷とは別の熱さと衝撃が全身を駆け巡る
そして一瞬、世界が黒く染まった
『……ようやく見つけた。オレの
脳に直接響く低い声が聞こえると同時に身体は勝手に立ち上がり、エーテリアスの方へと向きを変える
「…なんだ?」
先程まで体を支配していた恐怖が、痛みが消える
次の瞬間、迫り来るエーテリアスを黒く肥大化した右腕で叩き潰した
「うおおおおおおっ!!」
彼の叫び声を聞き、周囲にいたエーテリアスがわらわらと集まってくるが、それを見て彼はニヤリと笑みをこぼし、エーテリアス達に突っ込んでいく
(なんだこれ、よくわからねぇけど…最高の気分だ!)
高揚感と万能感に支配されエーテリアスを次々に薙ぎ倒していき、気がつくと………
彼は、自室のベッドの上にいた。
「…………え?」
薄暗い天井、シーツの感触、時計の秒針の音。汗ばんだ額に手を当て、夢か幻か現実かも分からないまま、呆然とした
「……夢、だったのか?」
とりあえず顔を洗おう、そう思い洗面台へ向かおうとすると……
『起きたな、エディ』
「はっ!?」
あの、不気味な声が…再び頭の中に響いた
エドワードは思わずその場で立ちすくみ、周りを見渡してもそこには誰もいない
冷や汗が背中を伝い、心臓が激しく動いているのを感じる
「あぁ、俺イカレちまったのか?幻聴が聞こえる…!」
「イカレてないぞ、オマエは正常だ」
「ああダメだ、イカレてるっ…!!」
エドワードは手で頭を押さえ、再びベッドに腰を下ろした。
夢の中の出来事がまだ鮮明に残っている。エーテリアスとの戦闘、手に入れた力、そして最後に感じたその異常な高揚感。
現実と夢がごちゃ混ぜになったような感覚に、彼の頭はぐるぐると回り始める
「落ち着け、エドワード。冷静になれ、深呼吸だ」
その声が再び頭の中に響く。今度は少し穏やかに、しかし不気味に響くその言葉に、エドワードは再び目を見開く。
「……お前は、誰なんだよ?」
彼は声を絞り出して問いかけた。
「オレはヴェノム。分かりやすく言うなら…エイリアンだ。隕石に触れたろ、あそこの中にオレがいた」
「夢じゃねぇのかよあれも…てことはお前、今俺の中にいるのか?」
「そうだ。オマエの体は今、オレのものだ」
その言葉がエドワードの心を震わせる。
恐怖、混乱、様々な感情が渦巻く中、彼は立ち上がり部屋を見回した
そして洗面台の鏡を見て、自分の姿を確認する
「うわぁっ!?」
鏡に映っていたのは半分が自分の顔、そしてもう半分が白く濁った目と大きく裂けた口、不揃いの鋭い歯の怪物の顔だった
「オレはオマエで、オマエはオレだ。これからよろしく頼むぞ、
その瞬間、エドワードは恐怖と混乱の中でただ一つの確信を持った
これから先、自分の人生に平穏が訪れることは無いと
見てくれてる方、評価してくれた方、お気に入り登録してくれた方、本当にありがとうございます。書くの下手だし、のんびりですけど、楽しみに待っててください