We are…Lethal Protector !! 作:ヌルノルヌール
本当はこれと違うお話書いてたんですけど前回からの続きを書きました。
「ヘヘヘっ、いらっしゃーい!」
「やめて!離してよ!!」
「大人しくしろ!ここはホロウの中だ!叫んだって誰も来やしねーよ!」
少女の叫び声がホロウの中にこだまする。しかし聞こえてくるのは男たちの卑しい笑い声だけだった
「ひひっ、大人しく俺たちの相手をしてくれりゃこのホロウから出してやるよ!」
必死に抵抗する少女の髪や手を掴み、欲望に満ちた目でゆっくりと自身の腰に巻かれたベルトに手をかけた
「や、やだっ!誰か助け…」
「いいねぇ、その怯えた目。たまらねぇ!」
「俺たちが怖いか?えぇ?」
男たちの荒い吐息が近づき、彼女は抵抗することを諦めて全てを拒絶するようにゆっくりと目を閉じた
その時ーー
「見つけた」
男たちとは違う声が辺りに響いた
「だ、誰だ!!」
男たちは辺りを見回し、威嚇する。しかし、周りには自分たちと少女しかいない
「…き、気のせいか?」
「いいや、気のせいじゃないぞ」
再びどこからか声が聞こえる。男は勢いよく後ろを振り向き、バットを振るうが空を斬るだけだった
「なんだ?何がいるんだ!?」
「し、新種のエーテリアスか!?」
「おい!!どこに居やがる!!出て来やがれ!!」
「どこに居るか?ずっとお前の前にいるだろう」
「はぁ!?何言って…」
「
「ぐぎゃっ!?」
何も無い場所から突然現れた怪物…ヴェノムによるラリアット攻撃により少女を抑えていた男たちはまとめて吹き飛ばされ、地面に転がった
「オマエ達はか弱き女性を自身の欲望のはけ口にしようとしていたな!この腐れ外道どもめ!!」
仲間が吹き飛ばされ、唖然としていた他の男たちもクロスボウやバットを構えてヴェノムに襲いかかる
「このバケモンめ!!!」
「バケモン?そうかもしれないが、オマエ達はケダモノだ。ニンゲンじゃないもの同士仲良くしよう!」
バットを振りかぶっていた男の顔を掴んで地面に叩きつけ、クロスボウを構えていた男たちの足を地を這わせていた触手で掴みコンクリートの壁に叩きつける
「ハァ、弱い。そりゃあ群れる訳だな」
「お、おい!!バケモン!!このガキどうなってもいいのか!!」
1人、隠れていた男が少女の髪を掴み上げて叫んだ
「こ、このガキ助けたいんだろ!!そいつを離せ!!じゃないとこいつ殺…ぐえっ!!!?」
だが言い終える前に黒い触手が少女を掴んでいた手と男の首に巻き付き、為す術なくヴェノムの前まで連れていかれた
「カハッ…ぐうっ…!」
「おい、その頭には脳ミソが詰まってるのか?おっと、悪い。お前らは股間で物事を考えてるんだったな!」
ヴェノムは人差し指でコツンと頭をつつき、長い舌で男の顔を舐める
「ならその立派な頭は必要ないだろう?優しいオレ達が引き取ってやろう」
「や、め…!!」
「あぁ、そうだ。怯えた目が好きと言ってたな。奇遇だな、オレ達もなんだ」
ヴェノムが口を大きく開いた瞬間、男はあまりの恐怖に意識を手放し失禁していた
「…ハッ!この程度で気絶するのか、情けないヤツだ」
バッチィなと呟き、気絶した男達を触手で縛りあげるヴェノム
そんな様子を怯えながら少女は眺めることしか出来なかった
『おいヨダレ垂れてる。絶対食うなよ』
「うるさいな、分かってる。さて次は…」
ヴェノムは男たちをまとめ終えると少女の元へ歩き出し、そんな様子を見て少女の心臓は跳ね上がり、先程とは違う恐怖が全身を締めつけた
「い、いやっ!お願い、食べないで…!!」
少女は後ずさりをし涙を流しながらヴェノムに頭を下げる
「こういう時、どうしたらいい?」
『ん?あー…とりあえずホロウから出してやろうぜ?ここ、空気悪いだろ?』
「わかった」
ヴェノムは少女にゆっくりと手を伸ばし、担ぎ上げて歩き出した
「…え?」
『ほら、優しい言葉をかけてやれ』
「………あー、もう心配することは無い。悪党どもは全員オレ達が懲らしめた」
「えっ、あ…え?」
「今からホロウを出る。担がれるのは嫌か?」
「い、いえ!」
「ならこのまま行くぞ。しっかり掴まっとけ」
少女は唖然としながらも頭を縦に振り、その様子を見てヴェノムは凶悪な笑みを浮かべながらホロウの中を跳び回った
「…本当に、助けてくれるの?」
「当たり前だろ、じゃなきゃあの場でコイツら諸共オマエを食ってる」
「……助けてくれて、ありがとう…!怖かったぁ……!!」
少女は自分が助かったということを実感し、ヴェノムの腕の中で大粒の涙を零しながら声を震わせ、そんな様子を見てヴェノムは何も言わず、触手で頭を優しく撫でた
ホロウから出たあと、縛り上げた男たちを地面に放り投げて少女をゆっくり地面へ降ろす
「さて、オマエが今からすることは2つ。まず治安官を呼ぶこと、そして病院へ行って検査することだ。今は異常がなくとも絶対検査はしろ、いいな?」
「はい、本当にありがとうございます…」
「気にするな、たまたま通りかかっただけだ」
「もう、行っちゃうんですか?」
「あぁ、腹減ったからな」
「………あの、名前!名前をおしえて!!」
「……"ヴェノム"だ」
そう言い残してヴェノムは闇の中へと消えて行った
そしてしばらく離れた先のビルの屋上にて、変身を解除しエドワードがその場にバタンと倒れ込む
「こ、怖かったぁ……」
冷たい夜風がエドワードの頬を撫で、ドクンドクンと大きく脈打つ心臓の鼓動を何度か深呼吸をして整えた
「怖かった?冗談言うな、あんな棒きれじゃオレ達は殺せやしないさ!今度からは胸を張って思いっきり殴ればいい」
「だいぶイカれたこと言ってるのわかってる?ねぇ?」
まるで映画のワンシーンのような光景が今でも脳裏に焼き付いている。あれを自分がしたと到底信じられないエドワードは再びフゥーと大きなため息をついた
「ため息ばっかりだな、いいか?オレ達は2人で1人だ。オマエが弱気だとこっちにも影響が出てくる!さぁ、シャンとしろ!残虐になれ!!」
「シャンとするよう努力はするよ。残虐にゃ絶対ならん!!」
「なんでだ!オマエもスッキリしてたろ!!悪党投げ飛ばしたりしてる時!!」
「してない…って言ったら嘘になる」
「だろう!なら…」
「でも、ダメなもんはダメだ!!俺は人を…助けたいんだよ」
「……はぁ、わかった。約束もしたしな」
「物分りがいいエイリアンで助かるよ」
「さぁ、チョコ買いに行くぞ。今スグ!!」
「えっ!?嫌だって、今深夜…だぁ!?痛ぇ!?やめろ、頭突きすんな!!」
「オレは約束を守ったのにお前は破るのか?ン?」
「わかった!わかったから!!『141』でいちばん高いやつ買ってやるよ」
「高くなくていい、まずは色んな種類を食べ比べるんだ。その中で1番を決める!」
「…ハハッ!了解」
じゃれ合いながら、2人の影は夜の闇に溶け込んでいく
この日を境に新エリー都はとある話題で持ちきりとなる
『
ある者たちは「彼に救われた」「彼はヒーローだ」と
またある者たちは「怪物が人を襲っていた」「襲われた」と
彼らの姿を見た者の証言はまちまちで真実は闇の中に包まれている
そして今宵もまた、助けを求める誰かのため、あるいは自らの飢えを凌ぐため、ホロウの中にひとつの影が駆けてゆく
「な、なんなんだよ!!お前は!!」
「オレ達か?」
「「オレ達は…"ヴェノム"だ」」
更新頻度は相変わらず遅いですが気長に待って貰えるとありがたいです。